松里公孝

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松里 公孝 (まつざと きみたか、1960年2月4日 - )は、日本の政治学者。東京大学大学院法学政治学研究科教授。専門はロシア史ウクライナ史ロシア地域政治等。

略歴[編集]

熊本県生まれ。ラ・サール高等学校卒業後、1978年東京大学入学、1985年同大学法学部卒業。同大学大学院法学政治学研究科博士課程修了後、北海道大学スラブ研究センター(現・北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター)助手、助教授、教授を経て、2014年から現職。その間、ソ連アメリカ合衆国ウクライナに留学。1996年第一次世界大戦中のロシアの地方自治体の総力戦体制に関する論文で、博士(法学)の学位を取得。論文の題は「総力戦争と地方統治 -第一次世界大戦期ロシアの食糧事業と農事指導」[1]

評価[編集]

現在、日本におけるスラブ研究の第一人者で、論文の質・量、言語能力、海外での評価で群を抜く。旧ソ連で渉猟した文書館の数は、西側の研究者としては世界最高といわれている。使用言語は英語ロシア語ウクライナ語ポーランド語リトアニア語で、とくに英露については同時通訳をこなすほどの達人である。研究対象が多岐にわたるため、その知的関心の全貌を把握することは困難であるが、近年はロシア帝国論に力を注いでいる。ただし、頻繁に研究対象が変わる近年の研究スタンスに対する批判も少なくない[要出典]

著作[編集]

単著[編集]

  • The Split of the CPSU and the Configuration of Ex-Communist Factions in the Russian Oblasts: Cheliabinsk, Samara, Ul'ianovsk, Tambov, and Tver (1990-95), (Slavic Research Center, Hokkaido University, 1996).

編著[編集]

  • Regions: A Prism to View the Slavic-Eurasian World: Towards a Discipline of "Regionology", (Slavic Research Center, Hokkaido University, 2000).
  • Emerging Meso-Areas in the Former Socialist Countries: Histories Revived or Improvised, (Slavic Research Center, Hokkaido University, 2005).
  • Imperiology: From Empirical Knowledge to Discussing the Russian Empire, (Slavic Research Center, Hokkaido University, 2007).
  • 『講座スラブ・ユーラシア学(3)ユーラシア――帝国の大陸』(講談社, 2008年)

共編著[編集]

  • 石川晃弘塩川伸明)『講座スラブの世界 (4) スラブの社会』(弘文堂、1994年)
  • 和田春樹家田修)『講座スラブの世界 (3) スラブの歴史』(弘文堂、1995年)
  • Empire and Society: New Approaches to Russian History, co-edited with Teruyuki Hara, (Slavic Research Center, Hokkaido University, 1997).
  • 『シリーズ・ユーラシア地域大国論(2)ユーラシア地域大国の統治モデル』、唐亮・松里公孝編、ミネルヴァ書房、2013年

論文(日本語)[編集]

雑誌論文[編集]

  • 「総力戦と体制崩壊――第1次大戦期の食糧事業を素材として」『ロシア史研究』46号(1988年)
  • 「帝政ロシアの地方制度――1889-1917」『スラヴ研究』40号(1993年)
  • 「ロシアにおける農学者の運命――1911年から1916年にかけてのその数的変動」『ロシア史研究』53号(1993年)
  • 「ロシアの村落穀物備蓄制度――1864-1917年」『スラヴ研究』42号(1995年)
  • 「アパラート・デモクラシー――ロシアの中小都市, 郡における政治と行政」『スラヴ研究』43号(1996年)
  • 「19世紀から20世紀初頭にかけての右岸ウクライナにおけるポーランド・ファクター」『スラヴ研究』45号(1998年)
  • 「エスノ・ボナパルティズムから集権的カシキスモへ――タタルスタン政治体制の特質とその形成過程 1990-1998」『スラヴ研究』47号(2000年)
  • 「ポロニズムと闘うコミッサールから農村啓蒙者へ――帝政下右岸ウクライナにおける調停吏制度」『スラヴ研究』49号(2002年)

単行本所収論文[編集]

  • 「ソ連崩壊後のスラブ・ユーラシア世界とロシア帝国論の隆盛」山下範久編『帝国論』(講談社、2006年)
  • 「空間の科学――政治研究のツールとしての中域圏概念」家田修編『講座スラブ・ユーラシア学(1)開かれた地域研究へ――中域圏と地球化』(講談社, 2008年)
  • 「ダゲスタンのイスラーム――スーフィー教団間の多元主義的競争」前田弘毅編『多様性と可能性のコーカサス――民族紛争を超えて』(北海道大学出版会, 2009年)

脚注[編集]

  1. ^ 題は博士論文書誌データベースによる