日産・D22
D22 | |
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キングキャブ | |
概要 | |
製造国 | |
販売期間 | 1997年 - 2021年 |
ボディ | |
乗車定員 | 2 - 5名 |
ボディタイプ | 2/4ドアピックアップトラック |
エンジン位置 | フロント |
駆動方式 | 後輪駆動/四輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン | 本文参照 |
変速機 | 本文参照 |
系譜 | |
先代 | 日産・ダットサントラック(9代目) |
後継 |
日産・ナバラ(3代目) 日産・フロンティア(2代目) |
D22は、日産自動車が1997年から2021年まで世界各地で販売されていたピックアップトラックの型式名である。東アジア仕様の10代目ダットサン、北米仕様の初代フロンティア、豪州や東南アジア仕様の2代目ナバラ、タイ仕様のBIG-Mやタイラン・エキサイター、アフリカ仕様のNP300がこれにあたる。
ラインアップ
[編集]ダットサン
[編集]日産・ダットサン(10代目) D22型 | |
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トラック シングルキャブ ロング | |
ピックアップ ダブルキャブ4WD AX | |
概要 | |
別名 |
日産・ピックアップ 日産・NP300ハードボディ(アフリカ市場) 日産・BIG-M(タイ市場) |
製造国 |
日本 南アフリカ共和国 |
販売期間 | 1997年1月 - 2002年 |
ボディ | |
乗車定員 | 2/3/5名 |
ボディタイプ | 2/4ドアピックアップトラック |
駆動方式 | 後輪駆動/四輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン |
2.0L 直列4気筒 NA20S 2.0L 直列4気筒 KA20DE 2.4L 直列4気筒 KA24E / KA24DE 2.7L 直列4気筒 TD27 3.2L 直列4気筒 QD32 |
変速機 | 5速MT/E-AT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,650-2,950mm |
全長 | 4,685-4,985mm |
全幅 | 1,690-1,820mm |
全高 | 1,620-1,715mm |
車両重量 | 1,310-1,760kg |
その他 | |
最低地上高 | 200-210mm |
系譜 | |
後継 | 日産・フロンティア |
1997年1月16日、D22型発売[1]。車名も単に「ダットサン」となる。ビジネスユースは「ダットサントラック」、レジャーユースは「ダットサンピックアップ」を名乗る。エンジンはガソリンエンジンKA24E、NA20S、ディーゼルエンジンがQD32、TD27の4機種。基本シャーシはD21型のキャリーオーバー。ボディサイズは大型化したため4WDはすべて1ナンバーとなる。前期型内装はD21型と同じ。このモデルにはオーテックジャパンがプロデュースしたエアロパーツ装着モデル「スカイスター」(当初MTのみ)も存在した。
1997年10月14日、ピックアップのAXをベースにアルミホイールとスチール製スタイリッシュガードバーを装備した「AX-G」を追加。併せて、ピックアップのAXリミテッド / AX-G / AXに新色のプラチナホワイトパール3コートパールとプラチナシルバーメタリックを追加[2]。
1997年12月、エジプトにてノックダウン生産開始。
1998年1月12日、D21型より国内販売されていなかったキングキャブが子会社オーテックジャパンより国内専用キャビンで発売され、エンジンは既存の型でVG30は採用されていない。2400ガソリン,3200ディーゼルのATのみの設定。併せて、スカイスターにATを追加[3]。
1998年8月3日、トラックに従来4WDのみだったロングボディの2WDがオーテックジャパンより発売された[4]。。
1999年1月、鄭州日産汽車にてD22型生産開始。
1999年6月1日、マイナーチェンジ[5]でガソリンエンジンをKA24EからKA24DE、NA20SからKA20DEに換装。キングキャブがカタログモデルとなる。当初はリアのジャンプシートは装備されなかったが4名乗車可能となった[6]。同月、D22型を基本仕様とする北米専用SUV「エクステラ(WD22型)」が登場。
2002年1月、第24回トタール・アラス・マドリード・ダカール・ラリーにVQ35DE型エンジンを搭載して、VQ35DE搭載エクストレイル、およびVQ35DE搭載R50型テラノともに参戦。
2002年3月、第72回ジュネーブモーターショーに欧州向け「ピックアップ」のマイナーチェンジ車を出品。
2002年6月、第7回北京国際モーターショーにて、エクステラ同様D22型を基本仕様とする「パラディン(D22W型)」を発表。KA24DE型およびVG33E型を搭載し、鄭州日産にて2003年に生産開始。
2002年8月、日本国内向け生産終了。
2003年1月、第25回テレフォニカ・ダカール2003に前年同様VQ35DE型を搭載して参戦し、総合5位完走を果たす。
2005年1月、第27回テレフォニカ・ダカール2004にVQ35DE型を搭載し参戦。
2005年4月、日産エジプトモーター(エジプト 2004年設立)でD22型「ピックアップ」の生産・販売を開始。
2012年3月2日、D22型の日本国内での生産を終了。これにより、日産車体湘南工場第一地区での車両生産も終了した[7]。
フロンティア
[編集]日産・フロンティア(初代) D22型系 | |
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キングキャブ リア(1999年-2000年モデル) | |
概要 | |
販売期間 | 1997年 - 2004年 |
ボディ | |
乗車定員 | 2-5名 |
ボディタイプ | 2/4ドアピックアップトラック |
駆動方式 | 後輪駆動/四輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン |
2.4L 直列4気筒 KA24DE 2.7L 直列4気筒(ディーゼル) 3.3L V型6気筒 VG33E 3.4L V型6気筒 |
変速機 |
4速MT 5速MT 4速AT |
車両寸法 | |
ホイールベース |
2,649mm(シングルキャブ) 2,949mm(キングキャブ) 3,330mm(クルーキャブ) |
全長 | 4,681 - 5,532mm |
全幅 | 1,689 - 1,826mm |
全高 | 1,590 - 1,824mm |
その他 | |
同車台 | 日産・エクステラ |
系譜 | |
先代 | 日産・ハードボディトラック |
フロンティアは、1986年5月から1997年まで生産されたD21型系・ハードボディートラックを置き換えるべく、1998年モデルとして、1997年2月のシカゴオートショーで発表された。生産拠点は、テネシー州、スマーナ工場である。
この頃の日産は、経営再建前の低迷期であり、その影響は新型車開発にも影を落としていた。D21型系に比べ、強度の向上と、多少のサイズアップを伴ったモデルチェンジであったが、その構成に大きな変化は無く、当初のラインアップは、レギュラーキャブ(シングルキャブ)の2WDと4WDのみで、エンジンも直列4気筒、2.4LのKA24DE、一種類であった。この時点では、V6エンジンのVG30EからVG33Eへの切り替えが間に合わなかった。
1999年に、待望のキングキャブ(エクステンドキャブ)とV6、3.3LエンジンのVG33Eが追加されたが、やや遅きに失した感があり、D21系末期からの販売台数の落ち込みは容易に回復せず、トヨタ・タコマは言うに及ばず、ビッグスリーのコンパクトピックアップにもシェアを奪われていた。
2000年、クルーキャブ(ダブルキャブ)の導入という新たな変化があった。ダブルキャブは、日本やアジアではおなじみのタイプであるが、北米市場向けのコンパクトピックアップとしては、初めての導入となった。それ以前のダブルキャブは、フルサイズピックアップのうち、特にヘビーデューティーなものにしか存在せず、主に業務用であった。発表は同年2月のシカゴオートショーにて行われ、夏に2001年モデルを北米にて発売開始。エンジン生産は同じくテネシー州デカード工場。
2001年、それまでの地味な印象を払拭し、攻勢に転ずるべく、フェイスリフトを行う。若年層に訴えるより大胆なスタイルへと変更され、日産ディーゼルから供給を受けていたUDエンジン搭載の大型車を除き、MA09ERT以来2機種目となる、機械式スーパーチャージャー付のVG33ERを設定した。
2002年4月、ブラジルパラナ州サン・ジョゼ・ドス・ピニャイスのアイルトン・セナ工業団地にあるルノー工場にて生産開始。
2002年3月、第72回ジュネーブモーターショーに欧州向け「ピックアップ」のマイナーチェンジ車を出品。
2004年、フレームをはじめ、全てを一新したD40型系に置き換えられ、北米向けシングルキャブはこの代が最後となった。
ナバラ
[編集]日産・ナバラ(2代目) D22型系 | |
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前期型 | |
後期型 | |
概要 | |
販売期間 | 1997年 - |
ボディ | |
ボディタイプ | 2/4ドアピックアップトラック |
駆動方式 | 後輪駆動/四輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン |
2.4L 直列4気筒 KA24 2.5L 直列4気筒 YD25DDTi 3.0L 直列4気筒 ZD30DDT 3.3L V型6気筒 VG33E |
変速機 | 4速MT/5速MT/4速AT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,650-2,950mm |
全長 | 4,685-4,985mm |
全幅 | 1,690-1,820mm |
全高 | 1,620-1,715mm |
車両重量 | 1,310-1,760kg |
その他 | |
同車台 | 日産・エクステラ |
最低地上高 | 200-210mm |
日本市場に遅れること約3ヶ月、1997年4月オーストラリアでもD22型が登場。先代に続きシングルキャブ、キングキャブ、ダブルキャブの3種のボディを展開。エンジンは直列4気筒ガソリンが1種と、直4ディーゼル2種を用意。
2002年1月にヘッドランプ、フロントグリル、フロントバンパーなどが新意匠となる。
2015年D23型の登場によりオーストラリア市場では販売終了。
NP300
[編集]日産・NP300 | |
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概要 | |
製造国 | 日本 |
販売期間 |
日産・ピックアップ: 1998年 - 2006年 日産・NP300: 2008年 - 2021年 |
ボディ | |
ボディタイプ | 2/4ドアピックアップトラック |
NP300は、日産自動車が製造・販売するピックアップトラックである。デビュー当時は日産・ピックアップの名称で販売されたが、2008年に日産・NP300へ名称変更。
2021年8月、D22型最後の市場の拠点となる南アフリカでの生産を、同年11月をもって終了し、段階的に廃止することを確認した。2019年当初においてはラインナップを廃止する予定はなかったが、しばらくしてナバラがセールス面で好調なのと、NP200の生産継続を維持するために、NP300ハードボディの生産停止が決定した[8]。
モータスポーツ
[編集]- 2000年
南アフリカオフロード選手権に南アフリカ向け「ハードボディ」が参戦。Dクラスドライバーズタイトルを獲得。
- 2001年
1月に第23回パリ・ダカールラリーに参戦。この年、南アフリカオフロード選手権に「ハードボディ」が参戦。生産車クラスおよびスーパートラック・クラスTのドライバーズタイトル2冠を達成。
- 2002年
- 1月 - 第24回トタール・アラス・マドリード・ダカール・ラリーにVQ35DE型エンジンを搭載して、VQ35DE搭載エクストレイル、およびVQ35DE搭載R50型テラノともに参戦。
- この年、南アフリカオフロード選手権に「ハードボディ」が参戦。クラスT(スーパートラック・クラス)4勝を挙げ、ドライバーズタイトルを獲得。クラスD(プロダクション部門)ドライバーズ、マニュファクチャラー選手権でもタイトルを獲得。
- 9月 - カレドン400 総合優勝
- 12月-2003年1月 - 第25回テレフォニカ・ダカール2003に前年同様VQ35DE型を搭載して参戦し、総合5位完走を果たす。
- 2003年
- 1月 - 第25回テレフォニカ・ダカール2003に前年同様VQ35DE型を搭載して参戦し、総合5位完走を果たす。
- 3月 - 第1戦 ニッサン・ディーラー400 総合優勝
- 5月 - 第2戦 ニッサン・シュガーベルト400 総合優勝
- 6月 - 第4戦 ORPIモロッコラリーにて優勝を飾る。
- 6月 - 第3戦 トヨタ1000デザートレース 1-2フィニッシュ、クラスD 2位、クラスE 2位
- 8月 - 第5戦 総合優勝、4位、5位
- 9-10月 - ファラオラリー T2クラス(改造車部門)に参戦。
- FIAクロスカントリーラリー・ワールドカップにスポット参戦。
- 10月 - 最終戦 UAEデザート・チャレンジに参戦。リタイヤ。
- 南アフリカオフロード選手権に「ハードボディ」が参戦。クラスT「スーパートラック」ドライバーズタイトルを獲得。クラスD(プロダクション部門)ドライバーズ、マニュファクチャラー選手権でもタイトルを獲得。
- 米国オフロード・レーシング(CORR)に参戦。ドライバーズポイントシリーズ4位。
- 2004年
- 12月-2005年1月 第27回テレフォニカ・ダカール2004にD22型をベースにVQ40DEを搭載し参戦。総合4位完走を果たす。
- 2005年
- 南アフリカ・オフロード選手権にD22型「ハードボディ」が参戦。ドライバーズタイトルおよびマニュファクチャラーズタイトルを獲得。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 『新型「ダットサン」を発売』(プレスリリース)日産自動車株式会社、1997年1月16日 。2022年4月11日閲覧。
- ^ 『ダットサンに「AX-G」を追加』(プレスリリース)日産自動車株式会社、1997年10月14日 。2022年4月11日閲覧。
- ^ 『ダットサンの特別仕様車「キングキャブ」を発売 あわせてダットサン「スカイスター」にオートマチック車を追加』(プレスリリース)株式会社オーテックジャパン、日産自動車株式会社、1998年1月12日 。2022年4月11日閲覧。
- ^ 『ダットサン「2WDロングボディDX」を発売』(プレスリリース)株式会社オーテックジャパン、日産自動車株式会社、1998年8月3日 。2022年4月11日閲覧。
- ^ 『新小型コマーシャルバン「エキスパート」など商用車6車種を一挙新発売 ~環境・安全性能など商品力を大幅に強化~』(プレスリリース)日産自動車株式会社、1999年6月1日 。2022年4月11日閲覧。
- ^ 『「ダットサン」をマイナ―チェンジ』(プレスリリース)日産自動車株式会社、1999年6月2日 。2022年4月11日閲覧。
- ^ “ダットラの国内生産に幕…日産車体、湘南工場第一地区の車両生産を終了”. Response.
- ^ “Say Goodbye To The Nissan NP300 Hardbody, South Africa”. group1nissan.co.za (2021年8月26日). 2024年1月26日閲覧。