囲碁の形勢判断

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囲碁の形勢判断(いごのけいせいはんだん)とは、囲碁において、対局途中の局面を評価し、盤上の配置やハマの数から、どちらの対局者がどの程度優勢かを判断すること。

局面の将来の進行を予想しながら対局者は着手を決める。多くの場合、その予想たる読みには複数の可能性がある。その読みの中に現れる局面のうち、石取りなどの戦いがない状態を一段落(またはゲーム理論の静かな局面)と称し、その複数の一段落の局面を形勢判断し比較た上で着手を決める。

形勢判断の基本要素[編集]

囲碁の形勢判断は、基本的には

  • 石の働き
  • 石の強弱
  • の多少

の3要素の評価で行う。

石の働き[編集]

愚形と好形[編集]

第1図

第1図は殆ど囲碁を知らない黒と有段者の白の仮想の布石である。黒は囲碁を習った手始めに「隅から打つのがよい」と教わったので、黒1 - 7を1箇所に集め集四(またはダンゴ)の愚形を作った。その間に白は白2 - 6と3つの空き隅を占め、白8で1隅のシマリを打った。

この局面が白の大優勢であることは初級者にも分かる。白は働きのある好形を作り、黒は働きのない愚形を作ったためである。

第2図

第2図は初級者同士の仮想の布石である。黒も白も三線から始めて、2回ずつ一間トビを打った。この局面の形勢は黒白同形だから互角で、次に打つ黒が盤面ではコミの分くらい優勢と判断できる。


第3図

続いて黒は右上方面を地にしようと考え、右上隅に打つ前に黒7・9のノゾキ利かせるのが地を増やすのに得策と考えた。


第4図

白は逆に白12・14を利かすのが後の右上隅の戦いの役に立つと考え、それを打ってから左上隅に手を回した。

この局目の形勢は明らかに白がよい。白12・白14のノゾキは右上隅方面の黒模様消しに役立つだけでなく、空き三角を重ねたような愚形の黒7子の攻めまで期待できる。黒は△のノゾキの2子がダメ打ちになっているのが形勢を損ねた原因である。

なおこの局面で白が何目くらい優勢と見るかは棋力棋風で異なり、プロ棋士が出す数字はアマチュアには必ずしもあてはまらない。互先の対局であれば、アマ高段者なら白大いによしと判断する。

手割り[編集]

第1図・第4図の形勢判断は分かりやすいが、プロ棋士の布石に現れる形では石の働きは互角か僅かな差である。そこで黒白同数の石を取り除いて評価の定まっている定石などと比べ、除いた石を戻して善悪を評価する。

この手法を手割りと言う。言葉を変えれば手順を変えてみる方法でもある。手割りの方法は様々な工夫で精緻化されて発展し、現代では定石などの変化を碁の原理から分析する手法の総称として手割りという言葉が使われている[1]

第5図

第5図は第4図から黒白2子ずつ取り除いた形で、この局面は黒白同形で互角である。


第6図

第5図から黒13 - 白16の手順で第4図と同形になる。この手順を見れば、黒13・15が殆ど無価値な悪手だと明らかに分かる。白14・16は壁にくっつける悪手ではあるが、右上隅の地の削減には役に立つ。互角の第5図から黒は価値がないに等しい2手を打ち、白は少しは役に立つ2手を打ったことになり、白有利と判断される。なお第4図の白12・14は保留する意味もあるが、無駄のない利かしで悪手とは言えない。

石の強弱[編集]

利きと攻め[編集]

囲碁における石の強弱は、利きの数と確実性で判断される。ある黒石について、その近くに白石が着手されても黒石を補強する必要がなければ、その黒石は強い。逆に近くに白石が着手されると眼を作るとか逃げるなどの補強が必須なら、その黒石は弱い。相手からの確実な利きが多い石は弱く、その利きを利用されて損を招く。この利きを利用して得を図ることを攻めという。

第7図

第7図の△の石は、黒も白も下辺で眼を作る余地はなく、相手から封鎖されると死んでしまう。従って相手が近くに着手して封鎖を狙われれば、脱出しなければならない。つまり封鎖を狙う手が全て利きとなるので、弱い石である。

第8図

黒1が「攻めはケイマ」と呼ばれる手。白2以降は例えばこうなるという見本の手順で、白は眼を作るために隅の黒地を固めたり中央の黒模様を強化せざるを得ない。この形勢は白必敗と判断される。

軽い[編集]

石の強弱は利きの確実性でも判断される。利きがあっても手抜きして取られても構わない石なら、利きの確実性が小さいので弱い石ではない。そのような石を軽いという。

第9図

第9図は高目定石の一つで、白1と黒2を交換して一段落とされる。後では利かない恐れがあるので、この白1は早めに打つものとされている。白1の1子はシチョウアタリにでもなれば十分という意味での軽い利かしであり、黒が序中盤に白1の近くに着手しても滅多に逃げない。

厚み[編集]

厚みは一般的には外勢の意味で用いられ、カベ(壁)とも言う[2]。第9図の黒が厚みの例である。第7図の隅のシマリは外勢というよりは地模様だが、厚みと同様の効果を持ち、この意味でこのシマリを厚いところとも言う。厚みの効果は通常その高さで判断される。

自分の厚みの近くに相手が着手すれば、その石は弱い石となり、攻めを狙える。しかし眼形が不確かだったり切断の味がある厚み(現代の三々定石など)は、相手からの利きが生じて逆に攻められる場合もあり、これを壁攻めと言う。このような弱点のある外勢を薄みと呼ぶこともある。

自分の厚味の近くに着手すると、凝り形という石の働きが悪い形になり、愚形と言われる場合もある。これらを含意した格言が「厚味に近寄るな[3]」である。

地の比較[編集]

模様と確定地[編集]

隅から辺にかけて、また中央に関して、片方の石が多い場合は地になる可能性が高い。そのような勢力圏を模様と言う[4]

第10図

第10図は右上隅の小ゲイマジマリから右辺と上辺の下にヒラいた配置で、鶴翼の陣と言う[5]。通常の対局では珍しい大きい模様なので大模様ともいう。この配置はまだ地ではないが、白が打ち込んできても黒はそれを攻めての利得を期待できるので、「三線より下の範囲は黒地」と概算できる。


第11図

第10図から黒1 - 3を連打した。この黒1は模様を荒らしにくくする手で、模様に芯を入れると言う[6]。第11図となれば殆ど地と考えられるので地模様と言う。この配置なら「五線より下の範囲は地」と概算できる。

第10図にしても第11図にしても概算になるのは、他の石の配置で評価が変わるからである。例えば第11図でも右下隅に白の厚い配置があれば打ち込みで地が荒らされる可能性がある。また他方面に黒の弱い石があれば、白はそれを攻めながら右上方面の模様になだれこめる。


第12図

第12図の右上隅はまだ地模様だが、左下隅の形(星から小ゲイマに打ち、さらに二線にトビおりた形)となれば、アマチュア有段者なら地と判断できる。白がこの中に打っても、黒はその石を殺せるからである。これを確定地と言う。

目算[編集]

一般に、自分の地と相手の地を数えて形勢判断することを目算と言う[7]。しかしこれは『日本囲碁規約』から見れば厳密には正しくない。また実際の形勢判断における目算の意味から見ても、正しい定義ではない。

1989年4月10日制定の『日本囲碁規約』には、

第八条(地)
一方のみの活き石で囲んだ空点を「目」といい、目以外の空点を「駄目」という。
駄目を有する活き石を「セキ石」といい、セキ石以外の活き石の目を「地」という。

とあり、ダメが空いている石の「目」は「地」ではない[8]


第13図

第13図の右上隅は8目の黒地と見える。しかしダメが空いているので、このまま終局すると「セキ石」となり、地はないことになる。右下隅の黒1とダメを詰めて地になる。白1と打っても同じく黒地になる。

左上隅はキズがあり、白1に黒2の手入れが必要で、7目の黒地と見る[9]

通常の対局では、ダメ詰めが終わった後に「対局の停止」となり、対局者の双方が合意して「終局」し、そこで活き石・セキ石が確定して地も確定する。この時点で碁は終わっているので形勢判断の必要はなく、一般には整地して双方の地の目数を比較し、勝敗を決定する。

この規約から、対局中の形勢判断の際の目算は「地を数える」のではなく、「終局時の地の大きさを予想して数える」のが厳密には正しい表現になる。実際には囲碁規約を意識したこの冗長な表現が使われず、単に「地を数える」と言う。

序中盤の目算[編集]

実際の形勢判断における目算の意味は、序中盤と終盤とで異なる。序中盤の目算とは確定地や地模様の地の大きさの評価である。自分の地と相手の地の大きさの差から、攻めるか守るか、相手の模様を荒らすか消すかなどの戦略戦術の判断の材料を得る。

第14図

序中盤の目算では、地模様は確定地と見なし、相手からの先手ヨセを全て受けたと想定したの地の大きさを数えて評価する場合が多い。第14図の右上隅の小ゲイマジマリは、右下隅の黒1 - 白10とヨセられると見て、11目の地と概算する。同様に左上隅の大ゲイマジマリは、左下隅の黒1 - 白12のヨセを受けるとして、地を13目と概算する。この概算では大ゲイマジマリのほうが得なように見えるが、大ゲイマジマリの方が黒に手をつけられやすい弱い石なので、その分を割り引いて評価する。

終盤の目算[編集]

終盤の目算は終局時点の地の大きさの予想であって、終局までの読みに近い意味でも用いる。主にヨセが行なわれる終盤では、地の損得を考慮して

  1. 死活に関する手
  2. 両先手ヨセ
  3. 先手ヨセ
  4. 逆ヨセ
  5. 後手ヨセ

の順に着手する場合が多い。1や2が残っている段階では地の計算より読みが問題になるが、その読みの中で予想した将来の局面の評価には目算などの形勢判断を用いる。1と2を終えた後の目算では、以下の考え方を採る場合が多い。

  1. 先手ヨセは先手でヨセができる側の権利と考え、先手ヨセが打たれたものとして目算する。ただし先手ヨセをコウ材に使う必要があったり、先手ヨセを打つことが相手を固めて強い石にする場合があるので、先手ヨセを保留することもある。
  2. 自分の手番で逆ヨセが打てる場合、最大の逆ヨセと最大の後手ヨセを比較して、逆ヨセ・後手ヨセのどちらを打つか決める。一般に逆ヨセはその目数の2倍の後手ヨセに相当すると考えられるが、ヨセの箇所が限られているとこの計算は必ずしも成り立たない。例えば黒に逆ヨセ2目と後手ヨセ10目と後手ヨセ11目が残されていれば、「黒逆ヨセ2目、白後手ヨセ11目、黒後手ヨセ10目で黒1目得」、「黒後手ヨセ11目、白先手ヨセ2目、白後手ヨセ10目で黒1目損」なので、黒は逆ヨセ2目を選ぶ。この判断に基づいて目算する。
  3. 後手ヨセは双方がヨセた場合の中間の形を想定して目算する(「サガリサガリ法」を参照)。

この考え方で、後手2目と先手1目と逆ヨセ1目とがほぼ等価であると分かる。アマチュアの場合、半目勝負やジゴ一でない限り、最悪でも1目の損に過ぎないから、それらの比較は滅多にしない。比較する必要があれば目算では済まず、終局までのヨセを読みきる必要が生じる。

実戦に生じやすい後手1目よりも小さいヨセの例に半コウがある。半コウの大きさは、半コウを取る側に3分の1目の地があるとして計算する。

実際はヨセの過程で死活など石の強弱に関わる問題が発生する場合があるので、終盤の形勢判断も単なる目算では済まない場合が少なくない。

サガリサガリ法[編集]

第15図

第15図の上辺の黒地と白地を目算する。黒番なら右辺の黒1 - 3の後手ヨセを打ち、黒地7目と白地6目で黒が1目多くなる。白番なら同様に左辺の白1 - 3の後手ヨセを打ち、黒地6目と白地7目で白が1目多くなる[10]。両者の結果を平均すると、黒地と白地は同じ大きさと考えられる。前章で述べたように両者の中間の形を想定すると下辺となり、黒地7目と白地7目で同じ大きさである。これは上辺の図から下辺の図に至るのに、下辺の黒1と白2のサガリを打ったと考えてよい。このように地の境界に近い石から盤端に向けて黒も白もサガリを打ったと考えれば、双方がヨセた場合の中間の形になることが多い。この目算方法をサガリサガリ法と言う。

第16図

第16図の上辺の黒地と白地を目算する。黒番なら右辺の黒1 - 3の後手ヨセを打った後、サガリサガリ法で白4 - 黒5を打つと見て、黒地8目と白地5目で黒が3目多くなる。白番なら左辺の白1 - 白3の後手ヨセを打ってから、サガリサガリ法で黒4 - 白5を打つとして、黒地5目と白地8目で白が3目多い[11]。この2つの結果を平均すると、黒地と白地は同じ大きさと考えてよい。ここで双方がヨセた形の中間を想定すると下辺の形になり、黒地7目と白地7目で同じ大きさである。これは、上辺の図から下辺の図に至るのに、下辺の黒1 - 2および白3 - 4のサガリを打ったと見なせる。

第14図のシマリの評価も、地の境界に近い三線の石から盤端に向けてサガリサガリ法を適用したのと同じ結果になっている。このようにサガリサガリ法による目算は序中盤の地の概算にも、終盤の後手ヨセの評価にも、ほぼ妥当な値を与える。

模様と厚みの評価[編集]

第17図

第17図の右上方面の黒模様は、模様の端と端を×で結んだ範囲の地が見込めるとして概算する。上辺の一・二線の×はサガリサガリ法による。ただしこの形は地模様であって、白が打ち込んで荒らす手がない訳ではない。その場合でも黒には打ち込んできた白を攻めて他で利益を得られる可能性があるので、それを配慮した模様の評価である。

第17図の左下隅は白の小目から生じる定石で、ほぼ互角とされる。従って黒の厚みは白の地と同程度の価値があると考える。サガリサガリ法で白地を概算すると12目なので、黒の厚みの価値も12目程度のはずである。厚みの先端から下辺の端まで斜めに引いた範囲で概算すると、黒の厚みの価値は10目だが、上方へのノビキリの将来性や隅の白への影響力などを勘案して、ほぼ互角と考える。

このように、模様・厚みの評価は定石・布石の評価などの経験則に基づく場合が多い。過去に例のない模様・厚みの評価は、ヨセの場合と同様に黒から打った場合と白から打った場合とを読んで、それぞれの一段落の局面を評価し、その平均を取る場合が多い。両者の局面の差が大きい場合そこへの着手が急がれるので、これは読みの問題に帰着される。

着手の善悪による形勢判断[編集]

プロ棋士やアマチュア高段者の場合、序中盤の形勢判断は、それまでの自分の着手と相手の着手との善悪で評価する場合が多い。双方ともに悪手を打たなかった場合を互角とし、実際に打たれた悪手が地に換算して何目くらいの損かを考えて、現在の局面の形勢を判断する。この方が目算などより短時間で済み、棋力が高ければ精度も高いからである。

形勢判断に基づく戦略[編集]

形勢による戦略の変更[編集]

囲碁の着手は普通どこが最善かを考えて選ぶが、形勢によって以降の戦略を変える場合も少なくない。

一般に優勢の側は局面が単純になるように運んで戦いを避け、劣勢の側は局面が複雑になるように運んで戦いの機会を伺う。ただし序盤でやや不利といった場合には、むしろ手厚く打って相手に弱点が生じるのを待つ戦略(後の先など)を採ることも少なくない。

勝負手と形作り[編集]

劣勢な側が形勢の逆転を狙って戦いを仕掛ける着手を勝負手と言う。一般には一段落(または終局)までを読みきって着手を決めるとされるが、複雑で長手数を読む必要がある戦いではプロ棋士でも読みきれない場合がある。優勢の側はそうした見通しの立たない戦いを避け、劣勢の側はその戦いに逆転の可能性があれば積極的にその戦いを挑む。

また必敗の形勢であっても、難解な死活や攻め合いが残されている場合、そこを決着してから投了するほうが棋譜を鑑賞する者に分かりやすい。そこで手段が成立しないことを承知の上で、難解な死活や攻め合いに着手し、相手の的確な応手を見定めて投了する慣習があり、この着手を形作りと言う[12]。アマチュアの場合は形作りに受け損なっての逆転もあり得るので、「形作り」を「最後の勝負手」の意で使う場合もある。

その他[編集]

  • 碁聖と称えられる本因坊道策の偉業の一つが手割りの創出である[13]
  • 絶妙の凌ぎで名高い趙治勲の凌ぎは「壁攻め狙い」と解説されることが少なくない。その著『カベ攻めの極意』の表紙には「モヨウをも攻めるべきと、発想の転換をうながす」と書かれている。
  • 終盤になっても形勢の差が僅かで優劣か判断困難な局面は、どちらが勝っても半目差で終局する場合が多いので、半目勝負と言う。コミの無い対局の場合は持碁か1目差で終局する場合が多いので、ジゴ一と言う。
  • プロ棋士の場合、形勢の差が僅かでも優劣が逆転する可能性が少ないと判断できる局面がある。そのような局面を優勢な側から見て厚い形勢と言う。
  • 高川格は「全盛時代には、ヨセの入り口から終局までを読みきって半目勝ちを確かめた」という趣旨の話を残されている。
  • テレビなどで「私は目算はしない」と公言される棋士も少なくない。「ヨセでは得な手を考える方が(目算に)優る」と説明されることもある。趙治勲の言葉に「過激な言い方ですが、形勢判断は必要ありません。そのときどきで盤上の現場をきちんと正しく処理していればそれでいいのです。その場その場の現実をよく観察して、手をヨムことに精を出すこと」がある。
  • 石田芳夫は目算の速さと正確さから「コンピューター」の異名で呼ばれた。
  • 日本では形勢判断で勝ち目がないと出たら潔く投了するのがよいとされている[14]。この投了の目安は目数の差(形勢の開き)ではなく、勝負手が残されているか否かと言われる。
  • コンピュータ囲碁の苦手なジャンルの一つが形勢判断であるとされる。棋士やアマ強豪でも厚み等の評価には感覚的なところが大きい上、現在コンピュータ囲碁で主に採用されているモンテカルロ法は長手数の読みに難があり、こうした読みなどを踏まえた形勢判断にも必然的に難ができてしまう。

脚注[編集]

  1. ^ 『囲碁百科辞典』103ページ
  2. ^ 『囲碁百科辞典』16ページ
  3. ^ 『囲碁百科辞典』158ページ
  4. ^ 『囲碁百科辞典』137ページ
  5. ^ 『囲碁百科辞典』41ページ
  6. ^ 隅の星から両辺の星へ開いた形なら、三々や星下、隅の星からの一間トビなどが模様に芯を入れる手になる。
  7. ^ 『囲碁百科辞典』138ページ
  8. ^ 本来「目」は「1目勝ち」のように盤上の空点の数助詞、「子」は「2子局」のように碁石の数助詞であるが、「2目の頭」のように「目」と「子」は混同されて同義語化している。「2目の頭」は「2子の頭」が正統である。
  9. ^ 死活に絡む手入れの例は隅の板六バカ八を参照。
  10. ^ 双方のヨセの結果の差が2目なので「後手2目のヨセ」と言う。
  11. ^ 双方のヨセの結果の差が6目なので「後手6目のヨセ」と言う。
  12. ^ 将棋では、囲碁の「形作り」と同様の趣旨の手段に「最後のお願い」という言葉が使われる。
  13. ^ 『道策』1ページ
  14. ^ 中国などでは「形勢が悪くても最後まで最善を尽くすべき」という考え方もある。

参考文献[編集]

  • 呉清源・三堀将・林裕 『道策』 筑摩書房〈日本囲碁体系〉、1975年。
  • 石田芳夫『石田の形勢判断』毎日新聞社、1976年
  • 小林光一『やさしい手割判断法』講談社、1984年
  • 石田芳夫『三段の壁を破るこの手、何目 囲碁・形勢判断が簡単にできる』日本文芸社、1992年
  • 趙治勲 『カベ攻めの極意』 河出書房新社〈新・木谷道場入門5〉、1996年。
  • 小林覚『「手割り」プロの形勢判断法』毎日コミュニケーションズ、2005年。
  • 林裕 『囲碁百科辞典』 金園社、1975年。

外部リンク[編集]