半導体メモリ

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半導体メモリ(はんどうたいメモリ)とは、半導体素子によって構成された記憶装置(メモリー)であり、コンピュータに代表されるデジタル情報機器に使用される基本的な記憶素子である。

概要[編集]

デジタル情報を扱う各種の電子装置に使用されるメモリー類を大別すると、ハードディスクドライブ (HDD) やDVD/CDのような機械動作を必要とする記憶装置の一群と、機械動作を必要としない半導体メモリを使用した記憶装置に分類できる。今日では回転運動のような機械動作を必要としないメモリは、ほぼすべてが半導体メモリである[1]

半導体メモリは、機械動作を必要とするHDD/BD/DVD/CDのような記憶装置に比べて、高速・高密度・低消費電力・低故障で耐振動性に優れるという特徴がある。微小なサイズではCPU内にある記憶素子はすべて半導体メモリであり、コンピュータの主記憶部分には半導体メモリが使用される。また装置と呼ばれるサイズにおいては、機械動作式の記憶装置が安価に大記憶容量が得られたり記憶媒体が交換可能であったりするために、半導体メモリは極端な大容量化は不得手であるため一部のメモリディスクを除いては、両者はコンピュータ内で住み分けを果たしてきた。21世紀以降は安価になったフラッシュメモリの広がりによって、携帯情報機器等での機構部品を必要とする記憶装置の使用領域まで代替し始めている。

分類[編集]

記憶保持方法による分類[編集]

揮発性メモリ[編集]

揮発性メモリは、電源を切ると記憶情報が失われる。

  • SRAM (Static RAM) : フリップフロップによるスタティックな回路により、DRAMのようなリフレッシュが不要である。プロセッサのオンダイのキャッシュメモリ等に使われるタイプは一般に最も高速な部類である(単体のICとして提供されている非同期SRAMの、特に大容量のものは、昨今の感覚ではさほど高速ではない)。
  • DRAM (Dynamic RAM) : 各メモリセルが持つ微小なキャパシタの電荷による。情報を保持させているセルについてはその全てに、一定時間ごとにリフレッシュ動作と呼ばれる再生[2]操作を行う必要があるため、ダイナミックという名がある。
    • FPM DRAM (First Page Mode DRAM)
    • EDO DRAM (Extended Data Out DRAM)
    • SDRAM (Synchronous DRAM) / DDR SDRAM (Double Data Rate SDRAM)
    • RDRAM (Rambus DRAM)

DRAMの特殊例として擬似SRAMがある[3]

不揮発性メモリ[編集]

不揮発性メモリは、電源を切っても記憶情報が保持される。書き換え可能な不揮発性メモリの多くが、書き換え動作に伴う内部の絶縁層の劣化が不可避なために、書き換え可能回数に上限が存在する。また以上の書き換え寿命とは別の話として、不揮発といってもそれぞれの原理の違いによって、半永久的に記憶情報が保持できるものと、年単位では記憶情報が失われるものが存在する(正確には、10のゼロ乗年程度から10の3乗年程度まで、種類によりさまざまだ、ということである)。

完全なリードオンリーのメモリを別にして、消去と書込みが可能なROMという扱いのため「ROM」の語が付く場合と、不揮発性のRAMという扱いのため「RAM」の語が付く場合とあり、ある程度はそれぞれのタイプの特徴の影響もあるが、それ以上に成り行きとか慣例の影響が強く、ROMかRAMかという名称に拘る意味は無い。

  • マスクROM
  • PROM (Programmable ROM)
  • 強誘電体メモリ (Ferroelectric RAM, FeRAM, FRAM[4])
  • 磁気抵抗メモリ (Magnetoresistive RAM, MRAM) : MTJ(Magnetic Tunnel Junction、磁気トンネル接合)効果を用いている
  • PRAM (Phase change RAM) : 相変化記録技術を用い、書き込みは素子の熱変化により行う
  • ReRAM (Resistive RAM, RRAM[5]) : 電圧印加によって電気抵抗が大きな変化する。しかしその原理は CMR (Colossal Magneto-Resistance) と呼ばれる効果を用いたもの、酸素イオンの移動による伝導パスの形成、金属のマイグレーション、偏向によるバンドギャップの変化など多岐にわたる。材料ごとに原理が異なるためReRAMとして総括されている。

記憶の書き換え方法による分類[編集]

  • ビットやバイト、ワード単位で書き換え
    • DRAM
    • SRAM
    • FeRAM / MRAM / PRAM / ReRAM
  • ブロック単位で消去や書き込み
    • フラッシュメモリ(NAND型とNOR型でブロックサイズは異なる)
  • PROM類 (Programmable ROM)
    • OTP PROM (One Time Programable ROM) : 1回限りの書込みが行なえ、書き込み後は消去や書き換えが不能なもの。フューズROMともほぼ同義[6]
    • EPROM : 数百から数千回程度の消去と再書込みが可能
      • UV-EPROM : 中央に空いた窓からチップに紫外線を照射することで消去する。消去後は再書き込み可能。紫外線を照射する[7]消去装置や書き込み装置が必要
      • E-EPROM : 電気的に消去と書き込みが可能なもの。過去の製品では、消去・書き込みに高い電圧を別途供給する必要があったが、現在ではチップ内部で生成するものがほとんどである。E2PROMとも表記される。フラッシュメモリはこれの発展型である。
  • 書き換え不能なもの
    • マスクドROM : 集積回路のパターンとして製造時に情報が与えられ、その内容に固定で後からは変更できないもの。

OTP PROM / UV-EPROMは比較的古い技術になっており、少数の特殊な用途を除けば21世紀現在では使用されることはほとんどない。FeRAM / MRAM / PRAM / ReRAMは比較的新しい技術であり、DRAMやSRAM、フラッシュメモリを代替すべく発展途上である。

記憶のアクセス方法による分類[編集]

その他の分類[編集]

RAMとROM[編集]

本来は、ランダムアクセスのメモリと、読み出しだけのメモリという意味で、この2つは対立関係にあるものではない。しかしなぜか、RAMについて「読み書き可能」という意味でROMの対義語として扱われるようになり、一方でROMについては、PROMやUVEPROMといった追記型や物理消去が可能なタイプから発展して不揮発性メモリ的に使える素子が現れたこともあり、「フラッシュROM」など事実上ほぼ読み書き可能と言っていいものを指す場合も現れるなど、完全に混乱している。

  • Read-write memory(w:Read-write memory、RWM) - 一応「読み書きメモリ」という意味の表現が無いわけでもない(が、ほとんど一般に使われていない)

用途による分類[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 古くは磁気コアメモリウィリアムス管などの真空管を利用したメモリのように、機械動作を必要としない半導体以外のメモリ装置も存在していたが、これらは既に実用的ではなくなっている。概要は記憶装置を参照。
  2. ^ リークによる電荷の増減によって、HかLかが曖昧になってしまう前に、HかLかを再度はっきりさせるという一種の「量子化」である。
  3. ^ 「擬似SRAM」はDRAM回路にリフレッシュ回路などを加えることでSRAMとピン配列や信号を擬似的に互換としたもの。
  4. ^ "FRAM" は米国ラムトロン社の商標である。
  5. ^ "RRAM" はシャープの商標である。
  6. ^ 実際には、0のビットを1にする、あるいはその逆の、どちらかの操作が不可逆に行える、というものであるため、非常に制限は強いがある種の追記ができなくもない。いずれにしろ、本来の想定された使い方ではなく外付けの書き込み回路などの用意が必要であり、素子自身で追記する事は出来ない。
  7. ^ 直射日光に長時間晒すのでもよい製品もある。