下請いじめ

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下請けいじめ(したうけいじめ)とは、請負関係にある、仕事や生産などを発注する側の大企業と受注する側の中小企業の間などの力関係で、一般に大企業である発注側が優位に立っている立場を利用して、受注側で弱い立場にある中小企業などばかりに取引停止などを示唆させて不利な取引条件を押し付け、優位な立場にある発注側が受注側の不利に配慮してその不利の一部を相応に肩代わりすることに協力しようとしないこと。

不利な取引条件としては、極端な値引きを行う、代金支払いを渋る、合理的な理由のない返品をする、無理な納期を求めるなどがあり、日本においてそれらを指す言葉。下請たたき(叩き)などとも言う。この状況は日本において業界各層で広く存在する。

日本において下請いじめを指摘された企業[編集]

日本における下請いじめを利用した諸問題[編集]

消費税の輸出戻し税[編集]

日本の消費税には、日本企業の海外への商品輸出に際してその生産にかかった消費税額を還付する制度があり、税務署から輸出企業に還付される。輸出品製造にかかる下請企業には還付されない。

これについて、「輸出品製造にかかる下請企業が最終完成商品輸出企業に対して消費税を商品売上価格(輸出企業から見たら仕入価格)に負担税額を上乗せして輸出企業に負担が転嫁出来ているという前提の下で考えられた制度であり、その前提が実際に行われていなければ、この輸出戻し税制度の下請企業と輸出企業との間の税負担の公平性は成り立たない」とする見方があるが、誤りである。

還付は仕入税額控除によって消費税納税額を計算した結果であり、プラスであれば納税、マイナスになれば還付となるだけのことである。 仕入税額控除は、輸出企業も輸出品製造にかかる下請企業も、当然受けることができる。

企業間の力関係によって消費税を転嫁できないことを問題視する見方が根強くあるが、それは価格交渉の問題であって消費税の問題ではない。値下げ圧力があったとしても、輸出企業が仕入税額控除を受けるのは当然支払った消費税分についてであって、支払ってもいないものについて仕入税額控除を受けることはない。

『実態は輸出がメインの大企業に対する「輸出助成(補助)金」と同じであり、消費税の税率アップを経団連などが主張するのもうなずける』という見方があるが、誤りである。 消費税の還付金は受け取ってプラスマイナスゼロであり、なんら輸出企業への補助金ではない。下請け企業への不当な値下げ圧力と、消費税の還付金とは別の話であることの正確な理解が必要である。

脚注[編集]

  1. ^ 三菱電機ロジスティクス株式会社に対する勧告について” (日本語). 公正取引委員会 (2008年3月28日). 2011年1月27日閲覧。
  2. ^ 公正取引委員会からの下請法違反に伴う是正勧告について 九州産交運輸 2008年4月17日
  3. ^ マツダ、下請代金支払遅延等防止法に違反…公取から勧告
  4. ^ マツダ株式会社に対する勧告について
  5. ^ ダイゾーに下請法違反で勧告 公取委、部品製造で不当減額 47NEWS(よんななニュース)
  6. ^ 公正取引委員会 「株式会社とりせんに対する勧告について」(PDF)
  7. ^ 公取委:「ドギーマンハヤシ」に再発防止勧告…下請法違反 毎日jp(毎日新聞) 2010年11月29日
  8. ^ 公正取引委員会による下請法違反に関する勧告について ニュースリリース 2010年11月29日
  9. ^ 下請法違反:「かむかむレモン」のサンエスに勧告 毎日新聞 2011年12月21日
  10. ^ 株式会社サンエスに対する勧告について 公正取引委員会ニュースリリース 2011年12月21日
  11. ^ 株式会社チヨダに対する勧告について (PDF) 公正取引委員会 2012年1月13日
  12. ^ ダイソー、下請け代金を不当減額…公取委勧告 読売新聞 2012年3月27日
  13. ^ (平成24年9月21日)株式会社ニッセンに対する勧告について:公正取引委員会
  14. ^ 株式会社パレモに対する勧告について (PDF) (2012年9月21日、公取公告)
  15. ^ 下請法違反で「たち吉」に再発防止勧告…公取委 読売新聞 2012年3月2日
  16. ^ 下請けいじめ、公取認定…インテリアのサンゲツ 読売新聞 2013年2月12日
  17. ^ 通販大手のフェリシモに再発防止勧告 公取委、下請法違反で 日本経済新聞 2013年3月29日
  18. ^ ヨークベニマルに勧告 1億7000万円を不当減額 47NEWS(福島民友新聞社) 2013年6月28日

関連項目[編集]