ロジスティック写像

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ロジスティック写像の振る舞いをクモの巣図法で示した図。パラメータ(図中の r)を1から4まで連続して変化させた様子をアニメーションにして示す。

ロジスティック写像(ロジスティックしゃぞう、英語: Logistic map)とは、1次元の離散力学系の一種。ロジスティック方程式の離散化からも得られるため離散型ロジスティック方程式とも呼ばれる[1][2]変数x としたとき、次の1変数2次差分方程式(漸化式)で示される[3]

ロジスティック写像は、パラメータ a にどのような値を与えるかによって、n を増やすに連れたxnの値の変化(振る舞いや軌道と呼ぶ)が、一定値への収束、複数の値を繰り返し取り続ける周期的な振動、カオスと呼ばれる非周期的な極めて複雑な振る舞い、へと変化する。

この複雑な振る舞いについて多くの研究がされてきたが、特にロバート・メイ(他にジム・ヨーク、ジョージ・オスター)の研究によって広く知られるようになった。

カオスを生み出す非線形性を持つ必要があるが、このような非線形関数の中でも、ロジスティック写像は最も単純なものの1つである二次関数の差分方程式からカオスを生成する[4][5]。この単純さと、他のカオスとも共通する現象がいくつも現れることから、カオス理論の入り口としてよく採り上げられる[4][5]

定義と背景[編集]

簡単に言うと、ロジスティック写像とは、次のような形の2次関数である[6]

(1-1)

式中の a定数を意味している。この2次関数に対して、まず、定数 a の値を決め、さらに変数 x の値を適当に決める。それらを式 (1-1) に代入し、y の値を計算する。そして、得られた y の値を新しい x の値とみなし、また式 (1-1) を使って、新しい y の値を計算する。このような計算を繰り返すことが、ロジスティック写像を使って行うことである[6]

ロジスティック写像自体は中学校で習う何の変哲もない2次関数であり、計算自体も中学生でも可能である[7]。繰り返しの計算も電卓ででき、コンピュータの表計算ソフトを使えばより簡単にできる[8]。例として、a を 2、最初の x を 0.01 としたときの繰り返し計算を5回目まで行うと、以下の表のようになる[9]

a を 2.4、最初の x を 0.01 としたときに、ロジスティック写像の計算を繰り返した例[9]
(小数点以下10桁までで計算)
繰り返し回数 x の値 ax(1 − x) = y
1 0.0100000000 2 × 0.0100000000 × (1 − 0.0100000000) = 0.0198000000
2 0.0198000000 2 × 0.0198000000 × (1 − 0.0198000000) = 0.0388159200
3 0.0388159200 2 × 0.0388159200 × (1 − 0.0388159200) = 0.0746184887
4 0.0746184887 2 × 0.0746184887 × (1 − 0.0746184887) = 0.1381011397
5 0.1381011397 2 × 0.1381011397 × (1 − 0.1381011397) = 0.2380584298


ロジスティック写像は、漸化式や差分方程式の形式で

(1-2)

とも記される[10]。漸化式 (1-2) に対して x0 の値を決めると、そこから引き続いて x1, x2, x3,… という値が順番に決まる[11]。このように、数列を作る漸化式を力学系(ダイナミカルシステム)とも呼ぶ[12]。力学系とは、時間とともに状態が変化するシステムのことで、とくに現在の状態と次の状態の関係が一意的に決まっているシステムを指す[13]。あるいは、力学系とはそのような概念を扱う数学の一分野でもある[14]。漸化式 (1-2) のような形式で考える力学系は、時間を自然数の値だけで考えている離散的な時間のシステムであり、とくに離散力学系と呼ばれる[15]。力学系的視点では、変数の下付き添え字 n は時刻の意味を持つ[16]。最初の値 x0初期値と呼ばれ、定数 aパラメータと呼ばれる[17]

後述するように、ロジスティック写像は生き物の個体数の変化を考える式として世に広まった側面を持つ[18]。この場合、差分方程式 (1-2) の n は、生き物の世代の数を意味している[19]。そして、xn は、n 世代目の生き物の個体数をその生息環境で可能な最大生息個体数で割った値を意味している[20]。つまり、ロジスティック写像は n 世代目の個体数から n+1 世代目の個体数を計算する式である[21]。個体数が増えていくと、個体数の増加速度は下がってくるだろうから、この効果をロジスティック写像では (1 − xn) という項で取り入れている[22]。ロジスティック写像から数列 x0, x1, x2,… を計算することは、1世代目、2世代目、3世代目…という個体数の時間変化を追うことに相当する[23]

あるいは、ロジスティック写像は、

(1-3)

(1-4)

と記されるような写像と考えることもできる[24]。写像がパラメータ a に依存していることを明確にするために、

(1-5)

のように、写像の記号にパラメータ記号の添え字を付けて表すこともある[25][26]

一般的に写像とはある集合要素をまたある集合の要素に対応させる規則のことで、ロジスティック写像の場合は実数の1点を実数の1点に対応させる規則といえる[27]。写像は関数を一般化させた概念とも言えるが、厳密な区別はなく、どちらの言葉を使うかは各分野の習慣に依るところが大きい[28]。離散力学系の場合は写像ということが多い[29][30][31][32]。写像としての表現は式 (1-2) のような差分方程式の表現と実質的に同等だが、時刻 n を一々書き表さなくてもよい利便性もあり、よく使われる[16]

差分方程式から定まる数列 x0, x1, x2,… は、写像 f を繰り返し適用して生み出されるという見方もできる[33]。初期値を x0 とすると、

という関係であるから、

というように、数列は x0 に写像を繰り返し適用して作られるものとしても書ける[34]。このように写像ないし関数を繰り返し適用する操作を写像の反復と呼ぶ[35]。簡単に表記するために、写像の反復を

というように書く[36]fn(x0) で、x0 に対する fn 回反復を意味している[37]。差分方程式から生み出される

という列、あるいは写像の反復から生み出される

という列を、力学系では軌道と呼ぶ[38]。力学系という分野の関心は、与えられた力学系の軌道の振る舞いを研究することにある[39]

入力と結果が単純な比例関係で結ばれているようなシステムを線形といい、比例関係で表すことができないようなシステムを非線形という[40]。ロジスティック写像を定義する2次関数は、考えられる限りでもっとも単純な非線形関数だといえる[41]。しかし、その非常に簡単な式とは裏腹に、ロジスティック写像は非常に複雑な振る舞いを示すことで知られる[42]。「信じられないような複雑な振舞い」「まるでジャングルの中を探検するほどわくわくする内容」「力学系で起こる数多くの最も重要な現象」が、ロジスティック写像に含まれている[43]。2次関数の反復という設定がとても現代的な数学の主題の一つであり、非常に豊かな数学理論を引き起こす[44]

定義域とグラフ[編集]

ロジスティック写像のグラフ、パラメータ a による曲線の変化

前述のように、ロジスティック写像には生物の個体数の変動を考えるモデルとしての側面がある。このとき、ロジスティック写像の変数 x は生物の個体数を最大生息数で割った値であったから、x の考える範囲は 0 から 1 まで (0 ≤ x ≤ 1) に限定される[45]。つまり、ロジスティック写像は区間 [0, 1] から [0, 1] への写像だと定義される[46]。変数を 0 ≤ x ≤ 1 に限定しようとすると、必然的にパラメータ a が取れる範囲は 0 から 4 まで (0 ≤ a ≤ 4) に限定される[47]。なぜならば、xn[0, 1] の範囲内にあるとき、xn+1 の最大値は a/4 となっている[47]。したがって、a > 4 では xn+1 の値が 1 を超える可能性が出て来てしまう[47]。一方、a が負のときは、x が負の値を取るようになってしまう[48]

ロジスティック写像 xn+1 = ax(1 − xn)グラフとは、横軸を xn(あるいは x)とし、縦軸を xn+1(あるいは f (x))として、xy-平面上に xnxn+1 の関係を示した曲線である。ロジスティック写像のグラフは、a = 0 の場合を除き、

(2-1)

を頂点とする放物線の格好をしている[49]。したがって、a を変化させると、頂点が上下に動くように放物線は形を変える[50]。また、ロジスティック写像の放物線は (0, 0)(0, 1) の2点で横軸(x-軸)と交わる[51]。これらの交点は a の値によって変わらない[51]

ロジスティック写像のグラフ上におけるクモの巣図法の例と不動点 xf 1, xf 2 の位置。a = 4 の場合。

写像のグラフ、とくにロジスティック写像のような1変数の写像のグラフは、その写像による軌道の振る舞いを理解する上で鍵となる[52]。一つは、不動点あるいは固定点と呼ばれる点の図示である[53]。写像のグラフに重ねるように y = x の直線(45 度の直線)を引き、この直線とグラフが交わる点が不動点である[54]。この不動点とは

(2-2)

を満たしている点であり、写像を適用しても変化しない点を意味する[55]。不動点は離散力学系の重要な概念となる[56]。不動点を xf と表記することにする。ロジスティック写像の場合に式 (2-2) を満たす不動点は、ax(1 − x) = x を解いて、

(2-3)
(2-4)

の2点である(a = 0 の場合を除く)[57]

グラフを利用した解析でもう一つ利用されるものが、クモの巣図法と呼ばれる手法である[58]。横軸上に初期値を決めた後に、そこから f (x) の曲線まで縦向きに直線を引く。f (x) の曲線にぶつかったところからy = x の45度直線まで横向きに直線を引き、45度直線にぶつかったところから f (x) の曲線まで縦向きに直線を引く。これを繰り返すことで、平面上にクモの巣状あるいは階段状の図ができる[59]。実はこの作図は軌道の計算を図示的に行っており、作成されたクモの巣状図は軌道を表している[60]。このような図法により、軌道の全体的な振る舞いを一目で見ることができる[61]

パラメータ a による振る舞いの変化[編集]

ロジスティック写像のパラメータ(図中では r)を 0.02 から 4 まで変化させたときの振る舞いの変化を示したアニメーション。横軸が繰り返し数 n(図中では t)、縦軸が x で、繰り返し計算 200 回までの x を図示している。

以下、ロジスティック写像のパラメータ a を増やしていったときに、変数 xn の振る舞いがどのように変化していくかを順に説明する。a の大きさによって、ロジスティック写像の振る舞いは単純にも複雑にも変わり得る[62]

0 ≤ a < 1 のとき[編集]

まず、パラメータが a = 0 のときは、初期値 x0 がどんな値であろうが、x1 = 0 となる[63]。つまり、a = 0 におけるロジスティック写像の軌道は、初期値以降の値が全て 0 となるような軌道で、この場合あまり調べる中身はない[63]

次に、パラメータが 0 < a < 1 の範囲にあるとき、初期値 x0 が 0 から 1 までのどんな数値を取ったとしても、xnn の増加と共に単調に減少していく[64]。以下に、a = 0.9 および x0 = 0.6 という条件におけるクモの巣図と、そのときの時系列の図(nxn の図)を示す。

パラメータ a = 0.9 のクモの巣図と時系列、0に向かって単調減少で収束する。


この場合、n → ∞ の極限で xn は 0 へ収束する[65]。この xn = 0 という点は、式 (2-3) で示した不動点である[66]。このように周りの軌道が収束するタイプの不動点は、漸近安定安定、あるいは吸引的と呼ばれる[67]。逆に n の増加と共に f(x) の近くの軌道が f(x) から離れていくならば、その不動点 f(x)不安定反発的と呼ばれる[67]

漸近安定な不動点(左)と不安定な不動点(右)の接線傾きと周囲の軌道の様子

不動点が漸近安定かどうかを知るには、写像 f微分を求めるという一般的で簡単な方法がある[68]f (x) の微分 df (x)/dxf ′(x) と表すとする。 この微分が不動点 xf

(3-1)

という条件を満たせば、xf は漸近安定である[68]。ここで、|〇|は〇の絶対値を意味する。写像のグラフでこのことを見ると、グラフの曲線上の点 xf における接線の傾きが −1 から 1 の間にあれば、xf は安定で、その周囲の軌道は xf へ引き寄せられるということである[69]。ロジスティック写像の微分は、

(3-2)

なので、x = 0 かつ 0 < a < 1 では 0 < f ′(0) < 1 なので、式 (3-1) を満たしている[70]

ただし、式 (3-1) による判別法は、xf からどのぐらいの範囲にある軌道が xf へ引き寄せられるかは分からない[71]。あくまでも、xf のある近傍内の x が収束することを保証しているだけである[71]。今の場合、0 へ収束する初期値の領域は [0, 1] であるが、これを明確に知るには別の考察を要する[65]

不動点が不安定かどうかの判別方法は、同じように写像の微分から分かる[68]。不動点 xf

(3-3)

を満たすとき、xf は不安定である[68]。式 (2-4) で示した不動点 1 − 1/a は、パラメータが 0 < a < 1 の範囲にあるときには 0 ≤ xn ≤ 1 の範囲に現れないが、負の範囲に不安定な不動点として存在している[72]

1 ≤ a ≤ 2 のとき[編集]

まず、パラメータが a = 1 のとき、ロジスティック写像の軌道はまだ 0 へ収束する[73]。ただし、収束する速さが、a = 1 ではゆっくりになる[74]a = 1 における不動点 0 は漸近安定ではあるが、式 (3-1) を満たしていない[75]。実のところ、式 (3-1) による判別法は写像を不動点近傍で1次近似することによって成り立っている[76]a = 1 ではこの近似が成り立たなくなり、安定・不安定は写像の2次(2乗)の項によって決まるようになる[74]

a = 1 の状態をグラフで見ると、x = 0 でグラフの曲線が45度の対角線にちょうど接した状態になっている[50]。このとき、0 < a < 1 の範囲では負の範囲に存在していた不動点 xf 2 = 1 − 1/a の値は、xf 2 = 0 となっている[77]。つまり、a が増えるにつれて xf 2 の値は 0 へと近づいていき、ちょうど a = 1xf 2xf 1 = 0 と衝突する[77]。この衝突によってトランスクリティカル分岐という現象が起こる[78]分岐とは力学系の振る舞いが定性的に変わる現象を指す用語で、この場合のトランスクリティカル分岐では、不動点同士で安定性の交替が起きる[79]。つまり、a が 1 未満では xf 1 は安定、xf 2 は不安定であたったが、a が 1 を超えると xf 1 は不安定、xf 2 は安定になる[72]。分岐が起きるときのパラメータの値は分岐点と呼ばれる[80]。ここでは、a = 1 が分岐点である[78]

a = 1 で起こるロジスティック写像のトランスクリティカル分岐


分岐の結果、パラメータが 1 < a ≤ 2 のとき、0 と 1 を除く初期値から出発する軌道は、単調増加あるいは単調減少しながら xf 2 = 1 − 1/a に収束するようになる[81]。このパラメータでは、xf 2 は区間 (0, 1/2] 内に存在する[82]。以下に単調減少と単調増加の例を示す。

a = 1.2、x0 = 0.6
単調減少で収束する例
a = 1.8、x0 = 0.2
単調増加で収束する例


xf 2 に収束しない初期値が、x0 = 0x0 = 1 である。上記の通り、a = 1 での分岐によって不動点 xf 1 = 0 は不安定化するが、a > 1 以降も不動点としては存在し続ける[83]。さらに、この不安定不動点 xf 1 にたどり着く初期値が、xf 1 自身以外に存在しないわけではない[84]。それが x0 = 1 で、a の値にかかわらず f (1) = 0 なので、写像の1回適用によって xf 1 = 0 に写る[45]。この x = 1 のように、有限回の写像の反復で不動点に直接行き着くような点は最終的に不動点最終的不動点と呼ばれる[85]

2 < a < 3 のとき[編集]

a = 2.8 におけるクモの巣図法のアニメーション。不動点の周りを回りながら収束していく。

パラメータが 2 < a < 3 のときは、初期値 0 と 1 を除いて、1 < a ≤ 2 のときと同様に不動点 xf 2 = 1 − 1/a に収束する[86]。ただし、この場合は単調に収束するわけではない[87]。変数が xf 2 にある程度近づくと、変数は xf 2 よりも大きくなったり小さくなったりを繰り返し、xf 2 の周りで振動しながら収束していくような軌道を示す[87]

軌道の不動点周りでの振動は、次のような範囲を行き来する。このパラメータ範囲では、xf 2 は区間 (1/2, 1) 内に存在する[88]。写像を一回適用すると xf 2 に写る値を ^xf 2 と表記するとする。すなわち、f (^xf 2) = xf 2 という関係である[89]。変数が区間 (^xf 2, xf 2] に入ったとき、軌道の不動点周りでの振動が起こり出す[90](^xf 2, xf 2] からは [xf 2, a/4] へ写り、 [xf 2, a/4] からは [1/2, xf 2] へ写り、…といった具合に振動する[91]

分岐の様子を理解するのには、分岐図が役に立つ[92]。この図は不動点(または後述の周期点)x をパラメータ a の関数として表したグラフで、横軸に a の値を取り、縦軸に x の値を取って図示する[92]。 安定な不動点と不安定な不動点を区別するために、前者の曲線は実線で示し、後者の曲線は点線で示したりする[93]。ロジスティック写像の分岐図を書くと、不動点 xf 1 = 0 を表す曲線と不動点 xf 2 = 1 − 1/a を表す曲線が a = 1 で交わり、安定性が入れ替わる様子がわかる[83]

パラメータ 0 から 3 までのロジスティック写像の分岐図。青線が不動点 xf 1 = 0 を表し、赤線が不動点 xf 2 = 1 − 1/a を表す。

3 ≤ a < 3.44949… のとき[編集]

パラメータが a = 3 のときも、変数は不動点 xf 2 = 1 − 1/a に収束する[94]。しかし、2 < a < 3 のときよりも変数が収束する速さは遅い[95]a = 3 では、微分係数 f ′(xf 2)−1 に達し、式 (3-1) を満たさなくなっている[96]a が 3 を過ぎると、f ′xf 2 < −1 すなわち xf 2 は不安定な不動点になり、a = 3 でまた分岐が起こる[96]

この a = 3 で起こる分岐は周期倍化分岐と呼ばれる種類の分岐で、a > 3 で、軌道は1点に収束することがなくなり、十分に n が進んだあとも大きい値と小さい値を交互に取り続けるような振る舞いに変わる[97]。例えば a = 3.3 であれば、変数は 0.4794… と 0.8236… という2つの値を交互に取り続ける[98]。その計算例を以下に示す。

a = 3.3 として、3つの初期値に対して軌道を計算した例[99]
(小数点以下4桁までで計算)
x0 = 0.2000 x0 = 0.5000 x0 = 0.9500 x0 = 0.2000 x0 = 0.5000 x0 = 0.9500
x0 0.2000 0.5000 0.9500 x7 0.4796 0.8236 0.8232
x1 0.5280 0.8250 0.1568 x8 0.8236 0.4795 0.4803
x2 0.8224 0.4764 0.4362 x9 0.4794 0.8236 0.8237
x3 0.4820 0.8232 0.8116 x10 0.8236 0.4794 0.4792
x4 0.8239 0.4804 0.5047 x11 0.4794 0.8236 0.8236
x5 0.4787 0.8237 0.8249 x12 0.8236 0.4794 0.4795
x6 0.8235 0.4792 0.4766 x13 0.4794 0.8236 0.8236
パラメータ a = 3.2 のクモの巣図と時系列、2周期軌道に落ち着く。


このように同じ値を周期的に巡るような軌道を周期軌道と呼ぶ[100]。今の場合は、n → ∞ における変数の最終的な振る舞いは2周期軌道になる[101]。周期軌道を構成する一つ一つの値(点)を周期点と呼ぶ[100]。上記の表の例で言えば、0.8236 と 0.4794 がそれぞれ周期点である[102]。ある x が周期点だとすると、2周期点の場合は x に写像を2回適用すると元に戻るので、

(3-4)

という関係が成り立つ[103]。これにロジスティック写像の式 (1-4) を与えると、

(3-5)

という4次方程式が得られる[104]。この方程式の解を求めると周期点の値が得られる[105]。実は不動点 xf 1 = 0 と不動点 xf 2 = 1 − 1/a も、式 (3-4) を満たす[106]。したがって、式 (3-5) の解の内、2つの解は xf 1xf 2 に相当し、残り2つの解が2周期点である[106]。2周期点をそれぞれ x(2)f 1, x(2)f 2 と表すとする。式 (3-5) を解くことで、x(2)f 1, x(2)f 2 を次のように得ることができる[105]

(3-6)

不動点の安定性と同じようなことが、周期点についても言える[103]。つまり、周囲の軌道を引き付ける周期点は漸近安定な周期点と呼ばれ、周囲の軌道が離れていく周期点は不安定な周期点と呼ばれる[107]。周期点の安定性判別も、不動点と同じように可能である[108]。一般的な場合を想定して、写像を k 回反復させた fk(x) について考える。この微分 df2(x)/dx(f2)′(x) と表すとする。ある k-周期点 x(k)f

(3-7)

を満たせば、x(k)f は漸近安定である[109]。不安定についても不動点と同じように

(3-8)

を満たせば、x(k)f は不安定である[109]k-周期軌道には組となる周期点が k 個存在するが、周期点での微分係数はどれも同じ値になる[110]

以上の周期点の安定性の議論も、不動点と同じようにグラフ描写によって理解しやすくなる[111]。この図では、横軸 xn に対して縦軸を xn+2 とし、xn+2xn の関係を表す曲線を描く[112]。この曲線と45度直線の交点は式 (3-4) を満たす点であるから、交点は不動点と2周期点を表している[112]。ロジスティック写像の f2(x) のグラフを描くと、不動点 xf 2 での接線の傾きは a = 3 を境に 1 を超えて不安定化するのが観察できる[112]。同時に新たな2つの交点が現れ、これらが周期点 x(2)f 1x(2)f 2 である[112]

a = 3 前後における、xn+2xn の関係で見たロジスティック写像のグラフ。不動点 xf 2 周辺を拡大して図示している。


2周期点の微分係数をロジスティック写像について実際に計算すると、

(3-9)

となる[113]。これを式 (3-7) に当てはめると、パラメータ a が、

(3-10)

を満たすときに2周期点が漸近安定であることがわかる[113]。この範囲は 3 < a < 1 + 6 となり、つまり を超えると、2周期点は漸近安定ではなくなり、また振る舞いが変わる[114]

[0, 1] 内のほぼ全ての初期値が2周期点に引き寄せられるが、 xf 1 = 0xf 2 = 1 − 1/a[0, 1] 内に不安定な不動点として残り続けている[115]。これら不安定不動点は、以後 a を増やし続けても [0, 1] 内にずっと残り続ける[116]。そのため、初期値がちょうど xf 1 または xf 2 であるときは、軌道は2周期点には引き寄せられない[117]。さらに、初期値が xf 1 に対する最終的不動点である場合と、xf 2 に対する最終的不動点である場合も、軌道は2周期点には引き寄せられない[118]。このような最終的に不動点である点は [0, 1] の中に無限に存在する[117]。しかし、このような点の数は、[0, 1] という実数の集合と比較すれば無視できるほど小さい[118]

3.44949… ≤ a ≤ 3.56994… のとき[編集]

パラメータ a1 + 6 = 3.44949… を超えると、安定な2周期点が不安定になり、新たに安定な4周期点が生まれ、軌道は4周期の振動に引き寄せられるようになる[119]。すなわち、a = 3.44949… でまた周期倍化分岐が起こる[120]。4周期点における x の値も

(3-11)

を満たすので、この式を解けば4周期点の x の値を求めることができる[121]。ただし、式 (3-11) は16次方程式であり、不動点と2周期点の4つの解をくくり出したとしても12次方程式である[121]。そのため、もはやこれを解いて、2周期点と同じように4周期点の値を表す a陽関数を得ることはできない[122]

256周期までの分岐点の例[123]
k 番目の分岐 周期 2k 分岐点 ak
1 2 3.0000000
2 4 3.4494896
3 8 3.5440903
4 16 3.5644073
5 32 3.5687594
6 64 3.5696916
7 128 3.5698913
8 256 3.5699340

さらに a が大きくなると、安定な4周期点はまた周期倍化分岐を起こし、安定な8周期点が生まれる[124]。以降、a が増えるにつれて、16周期、32周期、64周期、…と周期倍化分岐が無限に起こり続け、最終的には無限周期すなわち永遠に元の値に戻ることがない軌道となる[124]。この周期倍化分岐の無限の系列はカスケードと呼ばれる[125]。この周期倍化分岐は無限に起こるが、一方で、周期倍化分岐が発生する a の間隔は等比数列的に減少していく[126]。そのため、パラメータ a がある有限の値までに、周期倍化分岐の無限回の発生が起きる[124]a = 3 で起きた1周期から2周期への分岐を1番目の周期倍化分岐として数えるとする。すると、この周期倍化分岐のカスケードの中では、k 番目の分岐点で安定な 2k 周期点が発生する。k 番目の分岐点 aak と表すとする。このとき、k → ∞ak は次のような値に収束することが知られている[127]

(3-12)

さらに、ak の減少の割合の極限は次式で示すような定数値となることが知られている[128]

(3-13)

この δ の値は、数理物理学のミッチェル・ファイゲンバウムにより発見されたことからファイゲンバウム定数と呼ばれる[129]a はファイゲンバウム点と呼ばれる[126]。周期倍化カスケードの過程では、f mf2m は適当なスケール変換によって局所的に全く一致する性質を持つ[130]。この自己相似性を利用した繰り込みと呼ばれる手法により、ファイゲンバウム定数は求められる[130]。以上のようなロジスティック写像が周期倍化カスケードの過程で見せる性質は、後述のように、より広いクラスの写像でも普遍的に現れる[131]

あるパラメータに対して軌道が落ち着く最終的な振る舞いを一望するには、軌道図と呼ばれる図が有用である[132]。この図では、分岐図と同じように横軸にパラメータ a を取り、縦軸に変数 x を取る[132]。コンピュータなどを使い、パラメータを決めて、例えば500回反復計算を行う[133]。そして、計算結果の最初の100回を無視して残りの400回の結果のみを図示する[133]。これによって、初期の過渡的な振る舞いは無視でき、軌道の漸近的な挙動が残る[133]。例えば、ある a に対して1点プロットされるときは、それは不動点であり、ある a に対して m 点プロットされるときは、それは m 周期軌道に相当する[134]。ロジスティック写像に対して軌道図を書くと、安定な周期軌道を表す枝が分裂していく様子が見て取れ、これが周期倍化分岐のカスケードを表している[135]

パラメータ a1 = 3 から a = 3.56994… の間で起こる周期倍分岐カスケードの軌道図。64周期(a5)以降は間隔が非常に狭くなり、ほとんどつぶれている。


a = a のときのロジスティック写像は、無限個の周期点が存在する閉じることの無い周期軌道を取る[136][137]。この値における軌道はファイゲンバウム・アトラクタ[138][139]や臨界2アトラクタ[137]と呼ばれる。ファイゲンバウム・アトラクタの構造はフラクタルになっており、容量次元は約0.54である[140]。一方で、カオスの要件の一つである初期値鋭敏性は持たない[138]。他のカオスではフラクタル構造と初期値鋭敏性を同時に備えるのに対し、ファイゲンバウム・アトラクタではフラクタル構造は持つが初期値鋭敏性は持たないのが特徴である[141]

3.56994... < a < 4 のとき[編集]

a = 3.56994... を超えるとカオスが発生し、収束も周期性も無い不規則で複雑な挙動を示すようになる[142]。初期値鋭敏性の指標であるリアプノフ指数 λ を計算すると、a < a の範囲では λ は負または 0 の値の範囲に留まっていたが、a > a の範囲から λ が正の値も取るようになる[143]。ロジスティック写像のような1次元の区間力学系が生み出すカオスは、特に1次元カオスと呼ばれる[144]

a < a < 4 の範囲で分岐図を見ると、例えば a = 3.8 などでは1つの区間内に軌道が収まっているが、a = 3.65 などでは2つの区間に軌道が分かれている。このような区間はバンドと呼ばれる[145]a がバンドを複数持つ領域にあるとき、軌道は規則的に順番に各バンドを巡り、しかし各バンド内での取る値は不規則である[146]。バンドが2つのときを例にすると、n が偶数のときは下側のバンド内に存在し、奇数のときは上側のバンド内に存在するが、偶数、奇数それぞれのときの値はバンド内で不規則に決まる[147]。このような状態のカオス軌道を、バンドカオス[148]や周期的カオス[146]と呼ぶ。a = 3.65 からさらに値を小さくしていくと、周期倍加分岐のときと同じように、4, 8, 16, ...2k というふうにバンドの数が2倍に増えていく[147]。バンドが増えるときのパラメータ a の値を ek で表すとする。ek の値の間隔も、周期倍加分岐と同じく、バンドの増加と共に急激に小さくなっていき、k → ∞ で e = a となり、周期倍加分岐の集積点と一致する[149][147]。バンドとバンドが一緒になることをバンド融合、分かれることをバンド分裂と呼び、これらもカオスの典型的な分岐の1つである[150][151]

以上のように、a < a < 4 の範囲でバンドカオスの融合や分裂が発生しているが、軌道の最大値と最小値についてはバンドの数に関わらず決定される[152]。これは後述の窓領域でも同様である[153]。このような xn の最大最小範囲は、パラメータ a により以下のように得ることができる[152]

(2-8)
パラメータ a が 3.5 から 4 までの分岐図、4バンドまでを示す。ek の間隔が急激に小さくなっていくため、8以上は図示できていない。軌道の上下の線が式(2-8)で決まっている。

a < a < 4 の範囲でカオス的振る舞いが発生するようになるが、常にカオス軌道を示す訳ではなく、a の値の領域によって、カオス軌道になったり周期軌道になったりする。このようなカオス軌道に至った後に周期軌道に変わるaの領域を窓[154]や周期窓[102]、窓領域[147]と呼ぶ。カオスの非周期的領域と窓の周期的領域は交互に出現する[155]。カオスから窓への分岐は、接線分岐と呼ばれるタイプの分岐により発生する[156]。これはサドルノード分岐とも呼ばれ、1次元写像におけるサドルノード分岐を特に接線分岐と呼ぶ[157]

a < a < 4 の範囲で発生する窓の詳細について見ていく。まず、窓の個数は、この範囲に無限個存在している[158]。窓の周期については、a < a < 4 の範囲に、3周期以上の全ての自然数 k の周期の窓が存在する[159]。各 k 周期の軌道がそれぞれ1回ずつ発生する訳ではなく、kの値が大きいほど多く発生する。k 周期の窓の個数を Np としたとき、k素数に限定すると、k の値から Np の値が以下の式より得られる[160]

(2-9)

式(2-9)は、k を素数に限定した式だが、実際の Np を調べて比較すると、素数でない k に対しても非常に近い値の Np を式(2-9)で得ることができる[161]

窓の幅(窓が始まる a と窓が終わる a の差)は、3周期の窓が最も広く、周期が大きいほど幅は狭まっていくと推定される[162]。よって、窓は無限個存在するが、窓の周期的領域の範囲はカオス軌道が支配する領域に比べて小さい。概算によると、区間 [a, 4] の約90%はカオス軌道が支配する範囲で、残りが窓領域の範囲である[162]

窓領域で現れる周期軌道は、窓領域ではカオスが背後に存在するが不安定のため観測されず周期軌道のみが可観測となって現れるもので、この点において集積点前で現れる周期軌道と異なる[163]。窓領域中では、初期値から安定周期軌道に落ち着くまでの間のみに、この潜在的なカオスが過渡的に現れる[164]。このようなカオスを過渡カオスと呼ぶ[165]

パラメータ a が3.5から4までの分岐図。a = 3.742 における5周期の窓の例を合わせて示す。

最も広い3周期窓を例にして、窓領域内の振る舞いについて見ていく。まずカオス発生領域から3周期窓発生領域へ移る過程を観察する。3周期窓の発生分岐点は 1 + 2√2 = 3.82843... で与えられる[166]。この3周期窓分岐点を a3 とする。a3 よりもわずかに小さい a = 3.8282 のときの時系列を見てみると、xn が不規則的振る舞いを起こしている時間域と3周期の周期的振る舞いを起こしている時間域が交互に発生する[167]。この振る舞いの周期的な部分をラミナーと呼び、不規則部分をバーストと呼ぶ[168]。この振る舞いはカオスに相当するが、間欠的にしかカオス挙動が発生しないことから間欠カオスや間欠性カオスと呼ばれる[168][169]。また、バーストとラミナーの時間域の長さに規則性は無く、不規則に変化する[168]。次に、3.8282より大きいが a3 には満たない a = 3.828327 のときの振る舞いを観察すると、a = 3.8282 のときよりラミナーの平均的な時間域長さが長くなり、バーストの平均的な時間域長さが短くなる[168]。さらに a を大きくしていくとラミナーの長さがどんどん大きくなっていき、a3に至ったところで完全な3周期に変わる[170]。このような振る舞いの変化を、a を大きい方から小さい方へ変化させる方向で見てみると、周期軌道からカオス軌道への移行していることになる。これも前述の周期倍分岐ルートと同じくカオスに至る道筋の一種で、このような接線分岐による間欠カオスの発生を特徴とした道筋を、ポモウ・マンヴィルのシナリオ[171]やインターミッテンシールート(intermittency route)[172]と呼ぶ。

a = 3.8282 の場合
a = 3.828327 の場合
それぞのパラメータにおける時間発展の様子、ほぼ同じ値が続く部分がラミナー、カオス的振る舞いを起こしている部分がバースト。それぞれの a の値は、船越 2008, pp. 71–73 を参考にした。

次に、窓内部の構造を観察する。完全に3周期窓に入った後は、既に述べたように振る舞いは3周期軌道になる。分岐図で見ていくと、a3 を過ぎたところからカオス領域から3本の曲線に変わり伸びていくが、a が大きくなるとある値でそれぞれの曲線が2つに分かれる[173]。これは 3 < a ≤ 3.56994... で見た周期倍加分岐と同じ現象が発生しており、全体で見ると、3周期、6周期、12周期...という風に 3 × 2k 周期が発生していく[174]。最終的には、2k 周期分岐のときと同じくある値の集積点で無限周期に至り、カオスが発生する[175]。集積点通過後も a 増加に伴う振る舞いの変化は、2k 周期分岐終了後と同じく、小領域を巡る周期的カオスから始まり、小領域の結合、窓の発生(大きな窓の中に窓がある構造で子窓などと呼ぶ)が起こる[176][173]。1つの窓の中に、このような全体と同じような振る舞いの変化が存在することにより、ロジスティック写像の分岐図は、分岐図の中に同じ形状の分岐図が存在して、それが無限に続くというフラクタル的な自己相似形状になっている[177][164]。ただしこの自己相似形状は、無限の入れ子構造となる厳密な自己相似形となってはいない[178][151]

分岐図の窓領域の拡大により、自己相似形状が現れる。

最後に、3周期窓領域の終了部分について見ていく。全体と同じような振る舞いの変化を辿り、3周期窓領域の最終部では、3つの領域を巡る3バンドカオスとなる[179]。この状態からさらに a を大きくしていくと、ある値で窓領域が終了し、3バンドカオスから1バンドカオスに戻る[158]。この分岐点の値は a = 3.8568... で与えられる[179][注釈 1]。このような窓の終わりで軌道が一気に大きな区間へ移る分岐はクライシスと呼ばれる[180]。アトラクタが不安定周期点に接触して崩壊し、崩壊したアトラクタの外側のアトラクタに捕まることで、区間の変化が発生する[181]。後述の境界クライシスと呼び分けるために内部クライシスと呼ばれる[182]。あるいはバンド融合クライシスとも呼ぶ[183]

a = 4 のとき[編集]

a = 4 のときは、区間[0, 1]全体で変動する。このとき、ロジスティック写像は全ての自然数k周期軌道が存在するが、それら全ては不安定周期軌道となっており、周期軌道に漸近することなく非周期で区間 [0, 1] を巡り続ける軌道となる[184]。この a = 4 におけるカオスは特別にピュアカオスとも呼んだりもする[185][186]

パラメータ a = 4 のロジスティック写像、蜘蛛の巣図と時系列図、n = 500 まで、初期値 x0 = 0.3 の場合

a = 4 のとき、初期値鋭敏性の指標であるリアプノフ指数の値は ln2 で[187]、写像の複雑性を示す位相的エントロピーの値は log2 である[188]。また、このときの区間 [0, 1] での xn分布関数あるいは不変測度 μ(x) は次式で示される[189]

(2-10)

ここで、xn の値が微小区間 dx に訪れる確率μ(x)dx で得られる[190]。よって、xn の発生頻度分布は、区間 [0, 1] で一様分布ではなく、0 と 1 の両端が発生確率が高いU字型の分布となっている[191]。分岐図のプロットの濃淡からも明らかなように、a < 4 のカオス発生範囲でも発生分布は一様ではなく偏りが存在している[192]

a = 4 のときの軌道が取り得る複雑さは、確率的なランダムに匹敵すると説明される[193]。具体的には以下のようになっている[194][195]n = 0, 1, 2... に対して時系列xn = x0, x1, x2... が得られる。次に、この時系列の値それぞれを、x = 0.5 以下のものは0、x = 0.5 を超えるものは1に変換する[注釈 2]。変換された 0 か 1 の値を、時系列順に並べて数列sLを作る[注釈 3]。例えば、初期値 x0 = 0.2 とすれば、 x1 = 0.64, x2 = 0.9216, x3 = 0.28901, ... となるので、sL = 0110... が得られることになる。一方、1/2 の確率でそれぞれ表裏が出るコイントスを想定する。表が出たときを 0、裏が出たときを 1 として、試行順に数列 sC を作る。例えば1回目表、2回目表、3回目裏、4回目裏...であれば、sC=0011...が得られる。試行は無限回行うとして、sC の 0 と 1 が無限に並ぶ場合も含める。この試行では確率論的なコイントスで記号を決めていったので、数列 sC は完全にランダムであらゆるパターンの数列を得ることができる。これに対して、ロジスティック写像から得られた数列 sL決定論的な法則に従って決めていったものである。しかしながら、コイントスで得られる可能性のある全てパターンの数列 sC を、初期値を適切に選びさえすればロジスティック写像による sL によって実現できる。すなわち、無限列 sC に対して、sC = sL となる初期値x0 が区間 [0, 1] 中にただ1点存在することが証明されている。

以上のような性質を持つ解は「真にカオス的」「ピュアカオス」とも形容される[185]。一方で、a = 4 では、例外的なケースとして、カオスでありながらも n について明示的な厳密解を得ることができる[186]。式(5-2)にそれらの解を示す。

4 < a のとき[編集]

a が 4 を超えるとほとんど全ての点 x0 から始まる挙動はマイナス無限大へ発散する[199][200]。この分岐は、窓領域の終わりで発生していた内部クライシスと同じ現象だが、アトラクタが不安定化しても外側の大きなアトラクタに移行することなく軌道が無限遠に発散することが特徴である[182]。内部クライシスと呼び分けるために境界クライシスと呼ぶ[182]。あるいはアトラクタ破壊のクライシスとも呼ぶ[201]

4 < a のときでも、マイナス無限大へ発散しない挙動を取る初期値 x0 の集合が存在する[200]。この集合を A とすると、単位区間 I から差し引いた IA 内にある点が発散の一途をたどることになる。一方、発散しない集合 A は、長さが 0 でありながら非可算無限の点が存在するカントール集合の一種を形成する[202]

a < 0 のとき[編集]

以上まではパラメータ aの場合について説明してきた。ロジスティック写像は生態学上のモデルとして研究された経緯もあり、一般的に aの場合については論じられることは少ない[48]a が負の範囲のときの写像の分岐を確認すると、正の場合と似たような分岐を経て発散に至る。

a の値を0から減少させていくと、−1 までは xf = 0 の安定不動点に漸近するが、−1 を超えたところから2周期点に分岐し、正のときと同じく周期倍分岐を経てカオスへ至る[48]a = −2 のときはカオスだが、a = 4 のときと同じように時間発展の厳密解を得ることができ、式(5-3)で表される。最終的には、a が −2 を下回るとプラス無限大へ発散するようになる[48]。以下に −2 から 4 までのロジスティック写像分岐図の全体像を示す。

パラメータ a が−2から4までの分岐図。負側も正側もこれらのパラメータ範囲を超えると発散するようになる。

ロジスティック方程式離散化からの導出[編集]

ロジスティック方程式は、ピエール=フランソワ・フェルフルストにより、ある環境における生物個体数の時間変化を表すために発表されたもので、次式で表される。

(3-1)

ここで、t は連続時間、N は生物個体数で t の関数 N(t)、dN/dtN時間微分で時刻t における N の増加率、K は環境収容力で、r内的自然増加率である。Kr定数である。

ロジスティック曲線と呼ばれる式(3-1)の解曲線。ロジスティック写像のような複雑な振る舞いは起こさない。

ロジスティック方程式(式(3-1))の形式は、ロジスティック写像(式(1-1))と同様に変数が大きくなると負のフィードバックが働く点など一見似ているが、振る舞いは相当に異なる[203]。式(3-1)では、パラメータの値に寄らず、十分時間経過後の N は常に K に収束する[204]

このようなロジスティック方程式に、1階常微分方程式数値解法の一つであるオイラー法による差分化を行うことで、ロジスティック写像を以下のように求めることができる[205]。後述の#研究史に記す通り、ロバート・メイがロジスティック方程式から差分化して得たロジスティック写像を用いた研究を行い、ロジスティック写像が広く知られるようになった。

まず、Δt を微小な時間刻み幅とすれば、dN/dt を以下のように近似できる。

(3-2)

式(3-1)に式(3-2)を代入すると次式が得られる。

(3-3)

ここで時刻 tΔt の倍数と見なし、t = nΔt で書き換えると、 N(t) = NnN(t+Δt) = Nn+1 と表すことができるので、式(3-3)は次式のようになる。

(3-4)

式(3-4)を式変形すれば以下の差分方程式が得られる。

(3-5)

さらに、Nn を変数変換して xn という新たな変数と、a という新たな定数を導入して、式(3-5)に代入するとロジスティック写像の式が得られる。

(3-6)

ただし、

以上より、ロジスティック写像の定数 a を変化させることは、差分方程式に近似されたロジスティック方程式の最大増加率 r と時間刻み幅 Δt の積である rΔt を変化させることに相当する[206]Δt を大きくするほど、元の式(3-1)との誤差は大きくなっていくが、Δt の値自体に対する拘束条件は無い[207]。メイは1973年にΔtの値を変化させながら数値実験し、ロジスティック写像の振る舞いを調べた[208]

式(3-6)でパラメータ Kr の値は固定し、Δt を変化させながら振る舞いを観察することは、式(1-1)におけるパラメータ a を変化させながら振る舞いを観察することに対応する。前述の#パラメータ a による振る舞いの変化で見た通り、a を変化させることでその振る舞いは複雑な変化を遂げる。これを言い換えると、ロジスティック方程式を時間離散化したときに導入した時間刻み幅 Δt を大きくすることは、元の方程式との誤差を単に大きくするだけでなく、カオス的振る舞いを生み出すということである[209]。これはロジスティック方程式に限らず、式(3-2)で差分化を行い、なおかつ Δt が十分に大きければ、一般的な自励系の方程式 dx/dt=f(x) においても同様にカオス的振る舞いが発生することも明らかにされている[209]

位相共役な写像[編集]

パラメータ a = 4 のロジスティック写像は、テント写像ベルヌーイシフト写像と次のように位相共役[210]や位相同型[211]と呼ばれる関係にある。ここで、位相共役な関係であるとは、a = 4 のロジスティック写像 f(xn) と位相共役な写像 g(xn) が、同型変換関数 h(xn) により次の関係が成立することである[212]

(4-1)

ここで式中の写像の合成を意味する。

テント写像[210]
位相共役な写像
(4-2)
同型変換関数
(4-3)

ただし、式(4-2)はパラメータ μ = 2 のテント写像

ベルヌーイシフト写像[211]
位相共役な写像
(4-4)
同型変換関数
(4-5)

ただし、式(4-4)はパラメータμ = 2のベルヌーイシフト写像

これらの関係を利用して、a = 4 のロジスティック写像の不変測度式(2-10)や厳密解式(5-2)を得ることもできる[211]

特別な場合の厳密解[編集]

パラメータ a が特定の値のとき、n について明示的な解を得ることができる。すなわちステップ数 n と初期値 x0 の値を指定すれば、直接 xn が計算できる。a = 2, 4, −2 のときについて以下のような厳密解が得られている。

a = 2 のとき[213]
(5-1)
a = 4 のとき[214]
(5-2)
a = −2 のとき[215]
(5-3)

応用[編集]

個体群成長モデル[編集]

ロジスティック写像は、生物の個体数が世代ごとにどう変化するか予測する計算モデルとしてロバート・メイにより提案された[216]。後述の#研究史に記す通り、それ以前からも式(1-1)については既に研究されていたが、この1970年代前半のメイの研究によりロジスティック写像が広く知られるようになった[207]

数理生物学的には、ロジスティック写像は、生物の個体群における個体数あるいは個体群密度の変動モデルを意味する。細かくは、離散世代型の単一種個体群モデルに相当する[217]。ロジスティック写像の数理生物学的な導出の仕方は様々だが、まず最も単純な指数成長型の個体群モデルを導入して、それの拡張として生物学的条件を与えて導入する場合について説明する。

生物の個体数を N として、繁殖過程に関して世代が重ならないような生物種とする。このようなとき、n 世代における N の値に比例して増えていく単純なモデルが考えられる[218][219]

(6-1)

ここで c は、n によらない定数とし、正味の増殖率を意味する[218]。個体当たりの結実率・出産率と繁殖可能になるまでの生存率との積とも考えられる[219]。また、cn によらない定数とは、環境条件が時間的に変化しない場合である[219]

この単純なモデルでは、個体数 N は指数関数的に無制限に増加することになる[218]。一方で、密度効果を考えると、個体数が多くなると資源の奪い合いが激しくなり、繁殖率が低下すると仮定できる[219]。これも単純なモデルの1つとして、次のような増殖率 c と個体数 N の関係を考えることができる[220]

(6-2)

ここで、a が最大繁殖率、b が繁殖率に対する密度効果の強さを表している。 式(6-1)と式(6-2)を合成すると、

(6-3)

となり、xn = b Nn/a と変数変換すれば、ロジスティック写像と同形の次式が得られる。

(6-4)

N の値が負のとき、個体数としての意味が成さないので、この制約から、a ≤ 4 という制約が生まれる[221]

1941年、昆虫学者の内田俊郎は離散世代型の生物種であるマメゾウムシの密閉容器中の繁殖実験で、個体数変動が振動しながら収束していくデータが得ている[222]。これはロジスティック方程式では再現できないものだったが、ロジスティック写像の 2 < a ≤ 3 の場合で再現できる[87]。また、ロジスティック写像の 3 < a ≤ 3.44949... に相当するような実験データとしては、内田俊郎がヨツモンマメゾウムシによる実験で、昆虫学者のニコルソンがヒツジキンバエによる実験で2周期振動型の個体数変化のデータを得ている[223][224]

ただし、ロジスティック写像のみが離散世代型単一種個体群モデルに適用できるモデルというわけではない。1953年に内田俊郎らも自身の実験データを別のモデルで再現している[222]。また、ロジスティック写像ではパラメータの生物学的解釈が難しいとする意見もある[1]。ロジスティック写像型のモデル以外にも、様々な種類のモデルが数理生物学で研究されており。リッカーモデルなどもパラメータ変化によるカオス的振る舞いも見せる[225]。また、実験室の厳密に管理された条件では実際の生物個体群がカオス的変動を示した例はあるが、野外環境での個体群が本当にカオス的変動を起こすのかどうかは、様々な環境変動の影響があることからまだ論争が続いている[226]

擬似乱数生成器[編集]

コンピュータのソフトウェア計算から擬似乱数を得るための手法の1つとして、カオスを用いたものがある[227]。ロジスティック写像もそのための1つとして研究されている。擬似乱数生成器用には、ピュアカオスの a = 4 のときを対象にすることが多い[228]。研究最初期としては、後述の#研究史に示す通り、1947年にスタニスワフ・ウラムジョン・フォン・ノイマンが、a = 4 のロジスティック写像により擬似乱数が得られることを指摘している。写像の初期値鋭敏性により、種と呼ばれる初期値が非常に近い2つの値から計算しても異なる時系列を得ることができる[229]。また、ロジスティック写像の計算では、区間 (0, 1) の中で常に値を取るので、浮動小数点だけでなく固定小数点でも問題無く計算できる利点がある[230]

一方で次のような欠点もある。a = 4 のロジスティック写像の密度関数は式(2-10)で示された分布になっており、区間 (1, 0) 内の数値の発生確率は一様ではなくU字型になっている[191]。そのため、一様分布の数列にするために何らかの処理が必要となる。

その方法としては、

  1. 得られた実数列を一様乱数列に直接変換する方法
  2. 得られた実数列に対して閾値を使って 0, 1 に振り分け、これを繰り返してベルヌーイ試行列による一様乱数を得る方法
  3. 得られた実数列の仮数の一部のビット数列を一様乱数と見なす方法

以上のようなものがある[228]。また、xnxn+1 には強い相関があるので、上記の1、2番目の方法では多重化すなわち反復合成を繰り返しが必須である[231]。そのために必要な多重度は、1番目の方法に対するファタックらの研究によると10回以上[232]、2番目の方法に対する香田らの研究によると16回以上である[227]

さらに、a = 4 のロジスティック写像であっても初期値によっては不動点に収束する。また、デジタルコンピュータを用いてカオスを計算する一般的問題として、コンピュータでは有限計算精度で計算されるため、原理的に真にカオスな値を得ることができないという点がある[233]。このようなカオスは擬似カオスと呼ばれる[234]。この有限計算精度によって、どんな初期値から不動点に収束するかの判別は実際に数値計算させるしか方法が無くなってしまう[235]

以上のようなロジスティック写像などのカオスを応用した擬似乱数生成の研究は続けられているが、2006年時点で、カオスを乱数源とする方法で乱数性、高速性に優れた擬似乱数生成器の実現はまだ報告されていないという指摘もある[236]。上記で説明した方法以外に、連立3変数のロジスティック写像や整数化したロジスティック写像などによる擬似乱数生成研究がある[237][238]

研究史[編集]

式(1-1)がロジスティック写像と呼ばれる前の時代としては、1947年にスタニスワフ・ウラムジョン・フォン・ノイマンが、

(7-1)

を使用すれば疑似乱数を得ることができることを指摘している[239][240]

式(7-1)は a = 4 のロジスティック写像に相当する。この頃はカオスという言葉もまだ存在していない[241]。また、ウラムとノイマンはこの式とテント写像位相同型の関係にあること、この式の不変測度一様分布ではないことも明らかにしていた[211]

1950年にプルキン(S. P. Pulkin) が連続写像や区分的に連続な写像から振動の繰り返し系列が生じることを示したが[242]、この論文中にもロジスティック写像と同じ式が現れる[243]。その後、1950年代前半から1960年代後半にかけて、他の研究者からも任意のパラメータ a を備えた形式についても研究されている[239]。ミュルバーク(Pekka Juhana Myrberg) は1958年から1963年にかけて、xn+1 = xn2λ という形式の1次元2次写像の分岐現象について調べ[244]、1963年にはこの写像による周期倍加分岐も研究している[245]。カオス現象自体の発見(可視化)は、1961年の上田睆亮や1963年のエドワード・ローレンツなどで達成されるが[246]、まだこの時点でもカオスという共通語は存在していない。

その後、数理生物学者のロバート・メイが、生態学の問題に取り組む過程で式(1-1)を用いた研究を1970年初頭から開始する[247]。1973年に、メイはロジスティック方程式を離散時間化により差分方程式に変換させて、式(1-1)を求めた[3]。メイはこの式を基に数値実験を行い、パラメータaによる変数の振る舞いを変化を研究した[208]。1974年と1976年にメイはこれらの研究成果を発表し、これらの論文によって、カオスと関係の深い写像としてロジスティック写像が広く知られるようになる[18][248]。さらに、ロジスティック写像型の関数が持つ非周期軌道と周期軌道の存在について独立に研究していたジェームス・ヨーク(James A. Yorke) らが、メイの研究に刺激を受ける格好で、1975年に "Period Three Implies Chaos"(3周期はカオスを意味する)の題名でそれらの研究を発表し、カオスという共通語が広まっていく[249]

その後、メイは先行研究があったことを尊重した上で自身の功績について次のように述べている。

このようにしてわれわれの研究は、カオスを科学の本流に押し上げる第2の主役となった。ジム・ヨークが言ったように、われわれは2次写像の奇怪な数学的挙動を独立に最初に発見したのではなく、科学におけるその広範な意味づけを最後に強調した研究者たちなのだ!
Robert M. May、(エイブラハム・ウエダ 2002, p. 160)、稲垣耕作・赤松則男訳

また、ロバート・デバニー(Robert L. Devaney) は、著作でロジスティック写像の解説に入る前に次のように述べている。

これにより、単に2次関数 fλ(x) = λx(1 − x)(これもまたロジスティック写像と呼ばれる)を反復すれば、最初の個体数 x0 の運命が予測できるようになるというわけだ。簡単な話のように聞こえるだろうが、あえて言い添えておくならば、この単純な2次関数の反復が完全に理解できるようになったのは、何百人もの数学者の努力の末、やっと1990年代の終わり頃になってからのことなのである。
Robert L. Devaney、(Hirsch et al. 2007, p. 347)、三波篤朗訳

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 別の文献では3.857082826...である[158]
  2. ^ 0.5 未満と0.5 以上に分けても結論は変わらない[196][197]
  3. ^ 「数列」ではなく「旅程」ともいわれる[198]

出典[編集]

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参照文献[編集]

※文献内の複数個所に亘って参照したものを特に示す。

外部リンク[編集]