ルグエリン・サントス

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ルグエリン・サントス Portal:陸上競技
選手情報
フルネーム ルグエリン・ミゲル・サントス・アキーノ
ラテン文字 Luguelín Santos
国籍 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
競技 陸上競技短距離走
種目 400m
大学 プエルトリコの旗 セントラル・デ・バヤモン大学 (en[1]
生年月日 (1993-11-12) 1993年11月12日(30歳)
出身地 ドミニカ共和国の旗 モンテ・プラタ州, バヤグアナ英語版
身長 173cm
体重 61kg
成績
オリンピック 400m:2位(2012年
4x400mR:予選2組5着(2016年
世界選手権 200m:予選5組7着(2013年
400m:3位(2013年
4x400mR:予選1組5着(2013年)
地域大会決勝 パンアメリカン競技大会
400m:優勝(2015年
4x400mR:2位(2011年
自己ベスト

100m:11秒14(2014年)
200m:20秒55(2013年)
300m:32秒56(2012年)
400m:44秒11(2015年)
500m:1分01秒76(2017年)
600m:1分15秒58(2016年)

800m:1分48秒67(2017年)
獲得メダル
陸上競技
ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
オリンピック
2012 ロンドン 400m
2020 東京 混合4x400mR
世界選手権
2013 モスクワ 400m
パンアメリカン競技大会
2015 トロント 400m
2011 グアダラハラ 400m
2011 グアダラハラ 4x400mR
中央アメリカ・カリブ選手権
2013 モレリア 4x400mR
イベロアメリカ選手権
2014 サンパウロ 4x400mR
2016 リオデジャネイロ 400m
2012 バルキシメト 4x400mR
ユニバーシアード
2015 光州 400m
2015 光州 400m
2017 台北 400m
2017 台北 4x400mR
世界ジュニア選手権
2012 バルセロナ 400m
中央アメリカ・カリブジュニア選手権
2010 サントドミンゴ 400m
2010 サントドミンゴ 4x400mR
ユースオリンピック
2010 シンガポール 400m
アメリカ大陸
ユースオリンピック
2010 シンガポール メドレーR
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ルグエリン・ミゲル・サントス・アキーノLuguelín Miguel Santos Aquino1993年11月12日 ‐ )は、ドミニカ共和国バヤグアナ英語版出身の陸上競技選手。専門は短距離走400m2012年ロンドンオリンピックの銀メダリストである。

経歴[編集]

いとこ(走幅跳と短距離走の選手)の勧めで2002年に陸上競技を開始。陸上競技とともにサイクリングにも取り組んでいたが、2003年に陸上競技だけに専念した。当初は長距離に取り組んだが、その後は中距離、最終的に短距離に移った[2]

2010年、16歳の若さで46秒19のジュニアドミニカ共和国記録およびユースドミニカ共和国記録を樹立。カテゴリーが1つ上の大会である7月の世界ジュニア選手権男子400mでは6位入賞を果たし、8月のユースオリンピックでは男子400mと男子メドレーリレー(アメリカ大陸代表)の2冠を達成した[2]

2011年、8月に400mで自身初の45秒台(45秒97)をマーク。10月のパンアメリカン競技大会男子400mでは準決勝で45秒41のジュニアドミニカ共和国記録を樹立すると、決勝では準決勝の記録を大幅に更新する44秒71をマークし、フェリックス・サンチェスの持つドミニカ共和国記録(44秒90)を10年ぶりに更新した。また、これはジュニア世界歴代6位(当時)の記録でもあった[2]

2012年、5月のフランシナ・ブランカース=クン・ゲームズ (Fanny Blankers-Koen Games男子400mで今期世界ランク2位・ジュニア世界歴代3位・ドミニカ共和国記録(全て当時)となる44秒45をマーク[2]。7月の世界ジュニア選手権男子400mには今期ジュニア世界ランク1位(今期ジュニア唯一の44秒台)で臨むと[3]、決勝を44秒85で制して金メダルを獲得した。これはドミニカ共和国が世界ジュニア選手権で獲得した史上初のメダルとなった[4]。勢いは止まらず、初のシニア世界大会となった8月のロンドンオリンピック男子400mでは18歳と268日の若さでファイナリストになると、決勝で自己ベスト(44秒45)に迫る44秒46をマークし、優勝したキラニ・ジェームス(43秒94)に次いで銀メダルを獲得した[5]。陸上競技ではフェリックス・サンチェス以来、ドミニカ共和国史上2人目のオリンピックメダリストになるとともに、オリンピック男子400mにおける最年少メダリスト・最年少ファイナリスト(当時)となった[6]

2013年、8月のモスクワ世界選手権男子400mには今期世界ランク7位(44秒74)で臨むと[7]、決勝では自己ベスト(44秒45)に迫る44秒52をマークし、ラショーン・メリット(43秒74)、トニー・マッケイ(44秒40)に次いで銅メダルを獲得した[8]。フェリックス・サンチェス以来、ドミニカ共和国史上2人目の世界選手権メダリストとなった[9]

2015年、8月の北京世界選手権男子400mは準決勝で自身の持つドミニカ共和国記録(44秒45)を更新する44秒26をマークし、全体3位で決勝に進出した[10]。迎えた決勝では準決勝の記録を更に縮める44秒11をマークするも、1位のウェイド・バンニーキルクが43秒48、2位のラショーン・メリットが43秒65、3位のキラニ・ジェームスが43秒78と、3位までが43秒台というハイレベルなレースの中で4位に終わり(1つのレースで3人が43秒台をマークしたのは史上初)、2大会連続のメダルを逃した。なお、これは全ての大会を通じて、メダルを獲得できなかった最速タイム(当時)となった[11][12]

2016年、8月のリオデジャネイロオリンピックでは開会式ドミニカ共和国選手団旗手を務めた[13]。出場した男子400mは準決勝で全体10位の44秒71に終わり、決勝進出に0秒22届かなかった[14]

自己ベスト[編集]

  • 記録欄の( )内の数字は風速m/s)で、+は追い風、-は向かい風を意味する。
種目 記録 年月日 場所 備考
屋外
100m 11秒14(-3.3) 2014年3月29日 プエルトリコの旗 ポンセ
200m 20秒55(+0.5) 2013年7月7日 メキシコの旗 モレリア 元ドミニカ共和国記録
300m 32秒56 2012年7月28日 スウェーデンの旗 ウプサラ
400m 44秒11 2015年8月26日 中華人民共和国の旗 北京 ドミニカ共和国記録
500m 1分01秒79 2016年12月3日 プエルトリコの旗 グラボ
600m 1分15秒58 2016年3月19日 プエルトリコの旗 サンフアン
800m 1分48秒67 2017年4月22日 プエルトリコの旗 マヤグエス
室内
200m 21秒59 2017年1月14日 アメリカ合衆国の旗 スタテンアイランド
300m 33秒16 2018年1月25日 チェコの旗 オストラヴァ
400m 45秒80 2017年2月24日 スペインの旗 マドリード 室内ドミニカ共和国記録
500m 1分01秒76 2017年1月14日 アメリカ合衆国の旗 スタテンアイランド
600m 1分16秒01 2015年2月21日 カナダの旗 モントリオール
800m 1分52秒98 2017年1月20日 アメリカ合衆国の旗 スタテンアイランド

主要大会成績[編集]

  • 備考欄の記録は当時のもの
大会 場所 種目 結果 記録 備考
2009 パンアメリカン
ジュニア選手権 (en
トリニダード・トバゴの旗 ポートオブスペイン 400m 予選 47秒88
4x400mR 6位 3分13秒18 (2走)
2010 中央アメリカ・カリブ
ジュニア選手権 (en
ドミニカ共和国の旗 サントドミンゴ 400m 2位 46秒94
4x400mR 3位 3分10秒55 (1走)
世界ジュニア選手権 カナダの旗 モンクトン 400m 6位 46秒90
ユースオリンピック (en シンガポールの旗 シンガポール 400m 優勝 47秒11
メドレーR 優勝 1分51秒38 (4走) アメリカ大陸代表
2011 中央アメリカ・カリブ選手権 (en プエルトリコの旗 マヤグエス 400m 決勝 DNF 予選47秒07
パンアメリカン競技大会 (en メキシコの旗 グアダラハラ 400m 2位 44秒71 ドミニカ共和国記録
4x400mR 2位 3分00秒44 (2走)
2012 世界室内選手権 トルコの旗 イスタンブール 400m 準決勝 46秒83 自己ベスト
イベロアメリカ選手権 (en ベネズエラの旗 バルキシメト 4x400mR 3位 3分03秒02 (4走)
世界ジュニア選手権 スペインの旗 バルセロナ 400m 優勝 44秒85
オリンピック イギリスの旗 ロンドン 400m 2位 44秒46
4x400mR 予選 DQ (4走)
2013 中央アメリカ・カリブ選手権 (en メキシコの旗 モレリア 200m 4位 20秒55 (+0.5) ドミニカ共和国記録
4x400mR 3位 3分02秒82 (4走)
世界選手権 ロシアの旗 モスクワ 200m 予選 21秒13 (-0.6)
400m 3位 44秒52
4x400mR 予選 3分03秒61 (4走)
2014 世界室内選手権 ポーランドの旗 ソポト 400m 準決勝 46秒37
世界リレー (en バハマの旗 ナッソー 4x400mR B決勝3位 3分03秒41 (2走)
イベロアメリカ選手権 (en ブラジルの旗 サンパウロ 200m 5位 20秒97 (+0.7)
4x400mR 優勝 3分02秒73 (4走)
パンアメリカン
スポーツフェスティバル (en
メキシコの旗 メキシコシティ 400m 優勝 45秒06
コンチネンタルカップ (en モロッコの旗 マラケシュ 400m 5位 45秒34 アメリカ大陸代表
中央アメリカ・カリブ海
競技大会
 (en
メキシコの旗 ハラパ 4x400mR 4位 3分02秒86 (4走)
2015 世界リレー (en バハマの旗 ナッソー 4x400mR 予選 3分12秒55 (1走)
ユニバーシアード (en 中華人民共和国の旗 光州 400m 優勝 44秒91
4x400mR 優勝 3分05秒05 (4走)
パンアメリカン競技大会 (en カナダの旗 トロント 400m 優勝 44秒56
北中米カリブ選手権 (en コスタリカの旗 サンホセ 4x400mR 4位 3分01秒73 (2走)
世界選手権 中華人民共和国の旗 北京 400m 4位 44秒11 ドミニカ共和国記録
4x400mR 予選 3分00秒15 (4走) ドミニカ共和国記録
2016 イベロアメリカ選手権 (en ブラジルの旗 リオデジャネイロ 400m 2位 45秒58
オリンピック ブラジルの旗 リオデジャネイロ 400m 準決勝 44秒71
4x400mR 予選 3分01秒76 (2走)
2017 世界選手権 イギリスの旗 ロンドン 400m 予選 45秒73
ユニバーシアード (en チャイニーズタイペイの旗 台北 400m 優勝 45秒24
4x400mR 優勝 3分04秒34 (4走)
2018 世界室内選手権 イギリスの旗 バーミンガム 400m 決勝 DQ 準決勝46秒31
中央アメリカ・カリブ選手権 コロンビアの旗 バランキージャ 400m 優勝 44秒59
4x400mR 2位 3分03秒92 (2走)
コンチネンタルカップ チェコの旗 オストラヴァ 400m 6位 45秒81

脚注[編集]

  1. ^ SANTOS AQUINO Luguelin Miguel”. 2017年夏季ユニバーシアード (2018年3月10日). 2018年3月10日閲覧。
  2. ^ a b c d FOCUS ON ATHLETES BIOGRAPHY参照”. 国際陸上競技連盟 (2018年3月10日). 2018年3月10日閲覧。
  3. ^ 2012年世界ジュニア選手権男子400m予選スタートリスト (PDF, 224 KB) 国際陸上競技連盟 2018年3月10日閲覧
  4. ^ Barcelona 2012 - Event Report - Men's 400m Final”. 国際陸上競技連盟 (2012年7月12日). 2018年3月10日閲覧。
  5. ^ 2012年オリンピック男子400m決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2018年3月10日). 2018年3月10日閲覧。
  6. ^ Rio 2016 Olympic Games Athletics Statistics Handbook / COUNTRY INDEXとYOUNGEST & OLDEST参照(24ページと370ページ参照) (PDF, 36.73 MB) 国際陸上競技連盟 2018年3月10日閲覧
  7. ^ 2013年世界選手権男子400m予選スタートリスト (PDF, 223 KB) 国際陸上競技連盟 2018年3月10日閲覧
  8. ^ 2013年世界選手権男子400m決勝リザルト (PDF, 203 KB) 国際陸上競技連盟 2018年3月10日閲覧
  9. ^ World Championships Beijing 2015 Athletics Statistics Handbook / COUNTRY INDEX参照(542ページ参照) (PDF, 70.89 MB) 国際陸上競技連盟 2018年3月10日閲覧
  10. ^ 2015年世界選主権男子400m準決勝サマリー (PDF, 219 KB) 国際陸上競技連盟 2018年3月10日閲覧
  11. ^ 2015年世界選手権男子400m決勝リザルト (PDF, 200 KB) 国際陸上競技連盟 2018年3月10日閲覧
  12. ^ Report: men’s 400m final – IAAF World Championships, Beijing 2015”. 国際陸上競技連盟 (2015年8月26日). 2018年3月10日閲覧。
  13. ^ The flagbearers are listed in their order of entry into the stadium. (PDF, 106 KB) 国際オリンピック委員会 2018年3月10日閲覧
  14. ^ 2016年オリンピック男子400m準決勝サマリー”. 国際陸上競技連盟 (2018年3月10日). 2018年3月10日閲覧。

外部リンク[編集]

記録
先代
Carlos Rafael JORGE
(20秒63)
2012年5月5日
男子200m
ドミニカ共和国記録保持者
(20秒55)

2011年10月26日 - 2015年5月9日
次代
ヤンカルロス・マルティネス
(20秒37)
2015年5月9日
先代
フェリックス・サンチェス
(44秒90)
2001年8月19日
男子400m
ドミニカ共和国記録保持者
(44秒71 - 44秒11)

2011年10月26日 -
次代
未定
先代
カルロス・サンタ
(45秒96)
2005年2月24日
男子400m
室内ドミニカ共和国記録保持者
(45秒89 - 45秒80)

2014年2月6日 -
次代
未定
先代
アメリカ合衆国の旗 スティーブ・ルイス
(19歳と135日)
1988 ソウル
1988年9月28日
オリンピック男子400m
最年少メダリスト記録保持者
(18歳と268日)

2012 ロンドン
2012年8月6日 -
次代
未定
先代
オーストラリアの旗 ダレン・クラーク
(18歳と337日)
1984 ロサンゼルス
1984年8月8日
オリンピック男子400m
最年少ファイナリスト記録保持者
(18歳と268日)

2012 ロンドン
2012年8月6日 -
次代
ボツワナの旗 カラボ・シバンダ
(18歳と43日)
2016 リオデジャネイロ
2016年8月14日
オリンピック
先代
開会式
Gabriel Mercedes
(男子テコンドー選手)
閉会式
フェリックス・サンチェス
(男子陸上選手)
2012 ロンドン
ドミニカ共和国選手団
旗手

開会式
2016 リオデジャネイロオリンピック
次代
未定
2020 東京