ランドローバー・ディスカバリー

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ランドローバー・ディスカバリー(DISCOVERY)は、イギリスランドローバー社が発売しているSUVの一車種。レンジローバーの下に位置するランドローバーの中核車である。

1990年代、世界で最も過酷なオフロードイベントとして有名だった“キャメルトロフィー”のオフィシャルカーとして使用され、世界的に知られるオフロードカーの一つである。

初代 シリーズI[編集]

ランドローバー・ディスカバリー1
Land Rover Discovery SI maroon front q.jpg
フェイズ2
(1995年以降)
Land-Rover-Discovery.jpg
販売期間 1989年 - 1998年
ボディタイプ 5ドアSUV
エンジン 2.5L I4
ローバーTシリーズエンジン
2.5L I4 ランドローバーエンジン
ターボディーゼル
3.5L ローバー・V8エンジン
3.9L ローバー・V8エンジン
4.0L ローバー・V8エンジン
駆動方式 4WD
変速機 4速AT
5速MT
全長 4,539 mm (178.7 in)
全幅 1,793 mm (70.6 in)
全高 1,966 mm (77.4 in)
ホイールベース 2,540 mm (100.0 in)
車両重量 5
別名 ホンダ・クロスロード
-自動車のスペック表-

1989年、ランドローバー社の第三のモデルとしてデビュー。

北米市場での拡販を担い、レンジローバーの持つ高いオフロード性能はそのままに、量産効果が上がらなかった設計を見直し、パネル割りや組み立ての合理化で、コストダウンと利益率の向上が図られている。ランドローバーとしては異例の大量のテレビCMや、ハリウッド映画とのタイアップも目立った。

フレームをはじめ、ドライブトレイン、サスペンション、フロントウインドシールド、ドアガラスなど、可能な限り初代レンジローバーのものが流用されており、ホイールベースも100インチとまったく同じである。ただし、BOGEのダンパーを使ったセルフレベリング機構の採用は見送られた。また、ニュートラル検出スイッチの不良でスターターモーターが回らないトラブルや、エアミックス式のエアコンの設定がなく、梅雨時などはクーラーとヒーターのあんばいが非常に難しいことなど、ありがたくない点もそのまま受け継がれていた。

正規輸入開始時は、V型8気筒3.5Lローバー・V8エンジン(V8i)と4気筒2.5Lの直噴ターボディーゼル(Tdi)の2本立てで、トランスミッションも、4速ATと5速MTが選べた。その後、マイナーチェンジで、ガソリンエンジンは、レンジローバー同様の3.9Lに変更され、5速MTの輸入も終了した。

当初、日本での車両本体価格は400万円を超えていたが、1994年頃からローバージャパンのフェアプレー政策の一環で、299万円 (消費税抜き) のグレードSが用意され、日本でも手軽に買える輸入SUVといわれるようになり、「ディスコ(Disco)」の愛称も生まれた。

また、その当時ローバーグループと合弁関係にあり、株主でもあったホンダベルノ店からも、クロスロードの名称で販売された。

フェイズ2は、異型ヘッドランプの採用で、フロントフェイスがやや丸みを帯びた滑らかなデザインに変わり、評判の悪かったクーラーもエアミックス式のエアコンへ変更された。

ランドローバー50周年記念モデルは、幅広タイヤと、レートの上がったスタビライザーの組み合わせになっている。


2代目 シリーズII[編集]

シリーズII
シリーズII フェイズ2
(2003年1月以降)

1998年デビュー(日本では1999年6月)。

2代目では、前後リジッドのサスペンションなど、初代の美点はそのままに、ヒルディセントコントロールエレクトロニックトラクションコントールや、リアのみエアスプリングを導入した、セルフレベリングサスペンション(エアサス)などの最新メカを搭載して登場した。ウインドシールドとドアガラスは再び流用された。

リアアクスルの横方向の位置決めに、スカッフの発生がない、ワッツリンクを使っている点が話題になった。

廉価モデルでも399万円と、価格帯はやや上がった。ディスカバリー3では、テレインスポレンスやエアサスなどハイテク装備を多くしているために従来のディスカバリーより50万円以上も高額となり、手軽とは言えなくなったがそのレベルはレンジローバー並といわれている。


3代目 ディスカバリー3[編集]

ランドローバー・ディスカバリー3
3代目(2005年
2005 Land Rover Discovery.JPG
販売期間 2004年 - 2009年
ボディタイプ 5ドアSUV
エンジン 2.7L V6 フォード・AJDエンジン
4.0L V6 SOHC
4.4L ジャガー・AJ-V8エンジン
駆動方式 4WD
変速機 6速AT
6速MT
全長 4,849 mm (190.9 in)
全幅 1,915 mm(75.4 in)
全高 2005–2006: 1,882 mm (74.1 in)
2007–2009: 1,892 mm (74.5 in)
ホイールベース 2,540 mm (100.0 in)
車両重量 5
-自動車のスペック表-

北米では「LR3」、それ以外の地域では「ディスカバリースリー」を名乗る。

フォード傘下での初めてのモデルチェンジ車として2004年(日本市場は2005年5月)にデビュー。当初はエクスプローラーがベースになると思われたが、ランドローバーのオフロード性能に耐え得る「インテグレーテッド・ボディ・フレーム」という独自のシャシーが開発されることとなった。これは、ラダーフレームとモノコックを複合した強靭な車体である。

高級SUVとして生まれ変わったため、価格が大幅に上昇した。サスペンションスプリングがすべてエアとなり、ABS・EBD・ETC・DSC・CBC・EBA・ARM・HDCなどやエンジン・トランスミッションなど、複数搭載されている車両コントロールシステムとエアサスを統合して制御するテレイン・レスポンスと呼ばれるシステムを搭載した。SUVでは、3列目シート乗員はいわゆる体育座りになりがちだが、ディスカバリー3はワンボックス車と変わらぬ3列目シートの居住性を有ている唯一のSUVである。 またエンジンはS、SEがフォード製 (エクスプローラーで使われているものと同じ) に替わり、4リッターエンジンは排気量が4009ccとなったため、日本での自動車税の区分は4500ccと同等になっている。HSEについてはジャガーの4.4リッターAJ-V8エンジンが搭載されている。ジャガーエンジンはディスカバリー3登場以降のレンジローバー、レンジローバースポーツに採用されているものと同等である(レンジローバー、レンジローバースポーツにはスーパーチャージャー搭載の4.2リッターモデルも用意されている)。

日本での販売[編集]

  • 2005年5月にモデルチェンジで3代目となる。日本市場では「HSE」「SE」「S」の3グレード構成[1]
  • 2006年4月、特別限定車「G4 Challenge (G4チャレンジ)」発売。エントリーグレードの「S」をベースに専用のボディ色やトリムパーツが装備された。乗車定員は5名[2]
  • 2006年10月、特別限定車「SE Limited (SEリミテッド)」発売。基本グレードの「SE」をベースに専用のボディ色やウッドが装備された[3]
  • 2007年7月、特別限定車「Supreme (スープリーム)」発売。上級グレードの「HSE」をベースに外装では専用のボディ色やホイールが装備された。内装では専用のトリムパーツやソフトレザーシートが装備された[4]
  • 2007年9月、装備と価格が改定された[5]


4代目 ディスカバリー4[編集]

ランドローバー・ディスカバリー4
2011年モデル HSE(北米仕様)
2011 Land Rover LR4 -- 12-31-2010.jpg
販売期間 2009年 -2016年
乗車定員 7名
ボディタイプ 5ドアSUV
エンジン ジャガー製 5.0 L V8
ジャガー製 3.0 L V6 スーパーチャージド
フォード製 3.0 L V6 ターボディーゼル
フォード製 2.7 L V6 ターボディーゼル
駆動方式 4WD
変速機 6速AT(2009-2013)
8速AT(2013-)
6速MT
全長 4,850 mm
全幅 1,920 mm
全高 1,890 mm
ホイールベース 2,885 mm
車両重量 2,580kg(2009-2013)
2,550kg(2013-2016)
-自動車のスペック表-

5年ぶりのモデルチェンジで2009年12月にデビュー。先代にならって北米では「LR4」、それ以外の地域では「ディスカバリーフォー」を名乗る。

外観は3代目とよく似ているが、中身は大きく変貌、進化を遂げている。特に内装は高級車そのもののハイグレードなものになっている。フロントマスクもより高級感を示す新型レンジローバーと同等のものが、ライトはヘッド・テール共に円を描くLEDランプが装着されており、HSEではカーブ状況によって自動でビームを調節する「AFS(アダプティブ・フロントライトシステム)」も装備されている。走行面でもテレイン・レスポンスなど継承されている。

2013年9月、2014年モデル発表。従来の5.0L V8に代えて3.0L V6 スーパーチャージャー付きエンジンが採用されたほか、全車に8段ATが搭載された[6]

日本での販売[編集]

  • 2009年12月にモデルチェンジで4代目となる。日本でのグレードは廉価版のSが廃止され、基本グレードのSEと上級グレードのHSEのみのラインナップとなった。価格はSEが674万円、HSEが794万円と初代の手軽さからはほど遠いものになった。ただしSEとHSEでの機械面での差異はなくなり、どちらも新型レンジローバーヴォーグ/スポーツと同じ新開発の5リッターAJ-V8 Gen IIIエンジンに統一された。NAだが馬力も375馬力である(レンジローバーヴォーグ、レンジローバースポーツのスーパーチャージャーモデルは510馬力)[7]
  • 2011年3月、特別限定車「Limited Edition (リミテッドエディション)」発売。基本グレードの「SE」をベースに専用の内外装が装備された。30台限定[8]
  • 2012年2月、特別限定車「SE Limited (SEリミテッド)」発売。基本グレードの「SE」をベースに専用のホイールやオプションが装備された。30台限定[9]
  • 2012年9月、特別限定車「SE Premium Edition (SEプレミアムエディション)」発売。基本グレードの「SE」をベースに専用のホイールやオプションが装備された。40台限定[10]
  • 2012年12月、2013年モデル発売。外装と快適装備が小変更された[11]
  • 2013年11月、2014年モデル発売。5リッターV8自然吸気エンジンに代わり3リッターV6スーパーチャージャーエンジンが搭載されたほか、6ATに代えて8ATが搭載された。シングルスピードトランスファーが標準となり、従来の副変速機付きトランスファーはオプションとなった[12]。外装もマイナーチェンジされ、グリル上のボンネットの表記が「LAND ROVER」から「DISCOVERY」に変更された他、車名も世代を表す「4」が外され「ディスカバリー」となる。
  • 2014年10月、2015年モデル発売。オプション装備も強化され、全車追従機能付きのアダプティブ・クルーズ・コントロールが設定された[13]
  • 2014年12月、特別限定車「SE アウトドアパッケージ」発売。基本グレードの「SE」をベースにアクティブ・リア・ロッキングディファレンシャルや副変速機付きトランスファーが装備された。50台限定[14]
グレード 製造年 排気量 エンジン 最高出力/最大トルク 変速機 駆動方式 ハンドル位置
SE 4WD 2009年12月-2013年10月 ジャガー製V型8気筒DOHC 4999cc 375ps/52.0kg・m 6速AT 4WD
HSE 4WD
SE 2013年11月- ジャガー製V型6気筒DOHCスーパーチャージャー付き 2994cc 340ps/45.9kg・m 8速AT
HSE



5代目 ディスカバリー5[編集]

2016年9月28日、5代目であるディスカバリー5を発表した。先代モデルまでの角ばったスタイルはなくなり、フロントエンドなどはスラントさせたデザインとなった。ボディサイズは全長4970×全幅2073(ミラー格納時)×全高1888mmとなり、スリーサイズすべてが拡大された。

ボディは初のアルミモノコックを採用し、大幅な軽量化を実現。インテリアはレンジローバーばりの高級仕立てになり、3列7席シートはフル電動折りたたみ機能が搭載された。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ 悩みが増えるかも?”. 2013年4月7日閲覧。
  2. ^ 自然相手の大冒険「G4チャレンジ」を記念して「ランドローバー・ディスカバリー3」に特別限定車”. 2013年4月7日閲覧。
  3. ^ 「ディスカバリー3」にノーマルにはないブラックの特別限定車”. 2013年4月7日閲覧。
  4. ^ 「ディスカバリー3」にゴールドボディの特別限定車”. 2013年4月7日閲覧。
  5. ^ 「ランドローバー・ディスカバリー3」が装備と価格を改定”. 2013年4月7日閲覧。
  6. ^ ランドローバー「ディスカバリー4」にV6を搭載”. 2013年9月8日閲覧。
  7. ^ 新型ランドローバーファミリー、12月5日に発売”. 2013年4月7日閲覧。
  8. ^ 「ランドローバー・ディスカバリー4」に30台限定の特別仕様車”. 2013年4月7日閲覧。
  9. ^ 「ディスカバリー4」の限定車「SE LIMITED」発売”. 2013年4月7日閲覧。
  10. ^ 40台限定の特別な「ランドローバー・ディスカバリー4」発売”. 2013年4月7日閲覧。
  11. ^ 「ランドローバー・ディスカバリー4」の2013年モデル発表”. 2013年4月7日閲覧。
  12. ^ 「ランドローバー・ディスカバリー」2014年モデルは3リッターV6 SCエンジン搭載”. 2013年11月14日閲覧。
  13. ^ 「ランドローバー・ディスカバリー」2015年モデルは新色を追加載”. 2014年11月3日閲覧。
  14. ^ 「ランドローバー・ディスカバリー」にオフロード性能を高めた限定モデル”. 2015年1月20日閲覧。