ボルツマン定数

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ボルツマン定数
Boltzmann constant
記号 k, kB
1.38064852(79)×10−23 J K−1 [1]
相対標準不確かさ 5.7×10−7
語源 ルートヴィッヒ・ボルツマン
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ボルツマン定数(ボルツマンていすう、: Boltzmann constant)は、統計力学において、状態数エントロピーを関係付ける物理定数である。統計力学の分野において重要な貢献をしたオーストリア物理学者ルートヴィッヒ・ボルツマンにちなんで名付けられた。通常は記号 k が用いられる。特にBoltzmannの頭文字を添えて kB で表されることもある。

ボルツマンの原理において、エントロピーは定まったエネルギー(及び物質量体積などの状態量)の下で取りうる状態の数 W対数に比例する。これを

と書いたときの比例係数 k がボルツマン定数である。従って、ボルツマン定数はエントロピーの次元を持ち、熱力学温度エネルギーに関係付ける定数として位置付けられる。国際単位系(SI)における単位はジュールケルビン(記号: J K−1)が用いられる。

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ボルツマン定数の値は

である(2014 CODATA推奨値[1][2])。

なお、2019年5月20日に施行される予定の新しいSIの定義では、ボルツマン定数の値は正確に k = 1.380649×10−23 J K−1 となり不確かさを持たなくなる。これはメートルの定義に光速が用いられることにより、光速が正確に 299792458 m/s となったことと同じである。

また、ボルツマン定数をプランク定数光速度で換算した量は

である[3][4]

ボルツマン定数の値は熱力学温度の定義とケルビンの定義から決定されるため、原理的には定義定数である。しかし、ボルツマン定数を基本原理から求めることはあまりに複雑すぎるためにまだ達成できておらず、実験的に決定された値が用いられている。

気体分子運動論[編集]

気体の熱力学温度を T とすると、ボルツマン定数によってエネルギー E = kT に換算される。これは大まかに言うと古典的に振る舞う系のミクロな粒子によって運ばれる熱エネルギーである。たとえば、理想気体中の単原子分子は 3/2kT の平均運動エネルギーを持つ。また、室温 25 °C (298 K) に対応するエネルギーは 4.12×10−21 J である。

ボルツマン定数 kアボガドロ定数 NA をかけると、モル気体定数 R となる。

モル気体定数は気体の量を構成粒子の数ではなく物質量で量るときにより有用である。

新しいケルビンの定義[編集]

2018年11月の第26回国際度量衡総会 (CGPM) での改正が予定されている新しいSIの定義の決議案においては、ケルビン定義にボルツマン定数を用いることが提案される[5]

2019年5月20日に施行される予定の新しいSIの定義ではボルツマン定数の値は不確かさを持たず、その値は正確に k = 1.380649×10−23 J K−1 として定義されることになる[6][7]

脚注[編集]

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外部リンク[編集]