ボウショック

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2005年時点でのボイジャー1号ボイジャー2号の位置。描かれている「ボウショック」は、物体が星間を進む時に、太陽が原因で生じる衝撃波である。このスケールでは、地球は小さすぎて見えない。衝撃の強さは、かなり誇張して描かれていることに注意する必要がある。

ボウショック(Bow shock)は、磁気圏と周囲媒質との境界である。恒星にとっては通常、恒星風星間物質との間の境界である。バウショックとも表記される[注 1]

惑星の磁気圏におけるボウショックは、恒星風が磁気圏界面に近づくためにその速度が突然落ちる境界である。最も良く研究されているボウショックの例は、太陽風が地球の磁気圏に入るところであるが、ボウショックは磁場を持つ全ての天体で生じる。地球のボウショックは約100-1000kmの厚さで、地表から約9万kmの位置に存在する。

記述[編集]

ボウショックを定義付ける基準は、流体(この場合は太陽風)の見かけの速度が超音速から亜音速に減速される境界である。プラズマ物理学で音速は次のように定義される。 c_s^2 = \gamma p/ \rho

ここでcsは音速を表し、 \gamma 熱容量の比、pは圧力、 \rho はプラズマ密度を表す。

太陽風の粒子は磁場に沿って螺旋の経路を描く。それぞれの粒子の速度は、通常の気体中の分子の熱運動速度と同じように扱うことができ、熱運動速度の平均はほぼ音速となる。ボウショックでは、太陽風の見かけの速度は粒子が螺旋状に進む速度以下に落ちる。

図にあるように、太陽が星間を進むボウショックも仮定されている。これは、星間物質が太陽に向かって超音速で動き、太陽風が太陽から離れる方向に超音速で動く時に発生する。星間物質の速度が亜音速に減速される境界面がボウショックであり、星間物質と太陽風の圧力が平衡になる境界面をヘリオポーズ、太陽風の速度が亜音速に減速される境界面を末端衝撃波面という。アメリカ航空宇宙局のRobert NemiroffとJerry Bonnellによると、太陽のボウショックは太陽から230 AUの位置にあるらしいという。

ボウショックはハービッグ・ハロー天体の共通の特徴でもあり、そこではかなり強く同じ方向を向いたガスと塵の恒星風が星間物質と相互作用し、可視光の波長で見られる明るいボウショックを形成している。

以下の画像は、オリオン大星雲のガスやプラズマが濃く集まる領域にボウショックが存在する証拠である。

2006年、うみへび座R星の付近に遠赤外線のボウショックが発見された[1]

うみへび座R星の周りのボウショック。左が赤外線画像、右が観測に基づく想像図。

[2]

出典[編集]

  • Kivelson MG, Russell CT. 1995. Introduction to Space Physics. Cambridge University Press. (p. 129)
  • Cravens, TE. 1997. Physics of Solar System Plasmas. Cambridge University Press. (p. 142)

注釈[編集]

  1. ^ 「bow」は船首・舳先を意味する際は「バウ」、弓を意味する場合は「ボウ」と発音する。よって「ボウショック」だと「弓形の衝撃波」になってしまうが、本来は船の舳先が起こす波になぞらえているため「バウショック」が正しい表記である。

外部リンク[編集]