太陽ダイナモ

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太陽ダイナモ(たいようだいなも、: solar dynamo)とは、太陽磁場を生成する物理機構である。 太陽には、地球や他の多くの天体と同じように、双極磁場が存在している。 この双極磁場は、アンペールの法則に従い、太陽内部を流れる環状電流によって励起されている。 さらにこの電流は、太陽内部での、異なる自転速度を持つ領域間の剪断によって作り出されている。 事実、太陽を構成するプラズマの電気伝導率は極めて高く、よってこのプラズマ流体は電磁流体力学によって記述できる。

生成機構[編集]

どのような電気伝導流体であれ、電磁誘導に関するレンツの法則により、流体の内部を剪断する事によってダイナモを形成できる。 この電磁誘導の法則とは、磁場中の流体を動かすと、既存の磁場を歪ませるような電流が流体内部に誘導される、という法則である。 この磁場の歪みは、コーヒーにクリームを入れて攪拌した時にできる渦のように、 流体を動かした方向に沿って、磁場が引き伸ばされるように形成される。 もし流体(の運動)が強い剪断成分を持てば、個々の磁力線は流れによって引き伸ばされ、磁場を増幅することになる。 このような機構を、磁気流体ダイナモと呼ぶ。

磁場の生成[編集]

流体の構造に依存して、ダイナモはいくつかの状態に分類される。 例えば、自己励起かつ安定な系、自己励起かつ非線形な系、減衰する系、などである。 太陽ダイナモは、自己励起系である。 磁場の向きは11年ごとに反転し、太陽の黒点周期を引き起こしている。 (太陽内部で生成された磁場の一部は、磁束管として太陽表面に浮上する。黒点は、この磁束管の断面と考えられている。) 太陽ダイナモは、タコクラインと呼ばれる領域で発生していると考えられる。 タコクラインとは、太陽内部の自転速度の変化(剪断)が大きな領域である。

研究状況[編集]

太陽ダイナモの詳細な物理過程は未だに理解されておらず、現在でも重要な研究対象である。[1]

関連項目[編集]

参考文献[編集]