フェノミナ

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フェノミナ
Phenomena
監督 ダリオ・アルジェント
脚本 ダリオ・アルジェント
フランコ・フェリーニ
出演者 ジェニファー・コネリー
撮影 ロマノ・アルバーニ
公開 イタリアの旗 1985年1月31日
日本の旗 1985年6月22日
上映時間 111分
製作国 イタリアの旗 イタリア
言語 英語
イタリア語
ドイツ語
デンマーク語
製作費 $3,800,000
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フェノミナ』(Phenomena)は、1984年制作のイタリア映画ダリオ・アルジェント監督作品、ジェニファー・コネリー主演。昆虫と交信できる不思議な能力を持った少女を巡る殺人事件を描くホラー作品。

ストーリー[編集]

スイス北部の都市チューリッヒ郊外。この都市では弱い少女ばかりを標的にした連続殺人事件が起こっており、警察は高名な昆虫学者のマクレガー教授に腐敗した被害者の頭部を見せ意見を求める。被害者の頭部に集っている蛆虫が犯人を突き止める手がかりになると考えた教授は事件解決に向けて協力を約束する。

一方、市内の寄宿制女子学校に、有名な映画俳優を父に持つ美少女のジェニファーが転校してくる。彼女は昆虫と交信できる特異な能力の持ち主だった。持病の夢遊病で真夜中に徘徊している最中、殺人現場に遭遇したジェニファーは、ひょんなことからマクレガー教授と親しくなり、自分の持つ能力を活かして教授と共に事件の犯人を追うことになる。

そんな中、ジェニファーのルームメイトであるソフィが惨殺された上、マクレガー教授も犠牲となってしまう。そして殺人犯の魔の手はジェニファーにも及ぶのであった。

登場人物[編集]

ジェニファー・コルビノ
本作の主人公。有名な映画俳優を父に持つ美しい少女。昆虫と交信できるという不思議な能力を持つ。昆虫学者のマクレガー教授と親しくなり、少女連続殺人事件解決のために協力するが、自分自身も命を狙われることになる。持病の夢遊病に悩まされており、特異な能力を持つがゆえに生徒達や教師からも白眼視されている。
フラウ・ブルックナー
ジェニファーの付き添いである教師。ヒステリックな性格で虫が嫌い。息子がいる。
ジョン・マクレガー
高名な昆虫学者。ひょんなことから知り合ったジェニファーの能力に興味を示し、彼女の力を借りて事件解決のために動く。下半身が不随で車椅子に乗っている。
校長
寄宿学校の校長。冷徹な女性。ジェニファーの夢遊病と特異な能力を精神障害と判断し、精神病院に入れようとする。
ルドルフ・ガイガー
殺人事件の調査を担当する警部。犯人に拉致されたジェニファーを追う内、自身にも身の危険が及ぶ。
ベラ・グランド
デンマークからの旅行客。物語の冒頭で殺される。演じているのは監督の実娘フィオーレ・アルジェント
ソフィ
ジェニファーのルームメイト。タバコを隠れて吸ったり、夜に恋人とこっそり会ったりする不良少女だが、ジェニファーの親友として親しくなる。
インガ
マクレガー教授と暮らしているチンパンジー。下半身不随のマクレガーの要求を理解し実行する賢い“親友”。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

  • 監督/制作:ダリオ・アルジェント
  • 製作:DACフィルム/イントラ・フィルムス・ワールドセールス
  • 制作総指揮:アンジェロ・ジャコノ
  • 配給:ティタヌス・ディストリビュージオーネ
  • 脚本:ダリオ・アルジェント、フランコ・フェリーニ
  • 撮影:ロマノ・アルバニ
  • 音楽:サイモン・ボズウェルゴブリン、クラウディオ・シモネッティ、ビル・ワイマン
  • 美術:マウリツィオ・ガローネ、ネロ・ジョルゲッティ、ルチアーノ・スパドーニ、ウンベルト・トゥルソ
  • 衣装:ジョルジオ・アルマーニ、マリナ・マラビシ、パトリジア・マッサイア
  • 編集:フランコ・フラティチェリ

備考[編集]

  • アルジェント監督は、この作品の他に少女を主役に据えたホラー作品である『サスペリア』、『トラウマ/鮮血の叫び』を制作しており、そのため日本発売ビデオではパッケージに「美少女虐待サディスティックホラー三部作」と記載されたことがある。
  • アルジェント監督は企画段階で実娘フィオーレ・アルジェントを主役にと考えていたが、公私混同を避けオーディションで公平に決定するよう製作側から指示され、そしてオーディションを受けにきたジェニファー・コネリーを監督自身気に入ったため、主役としたうえ主役名も同じくジェニファーとした。(スクリーン別冊『ジェニファー・コネリー』)
  • 劇中前半、窓越しに主人公の目の前で女性が殺害される場面で、本筋には無関係な人影がガラスに映り込んでおり、本物の幽霊ではないかと話題になった。真相は現在も不明である。
  • ロケーションはスイスチューリッヒで行われたが、アルジェント監督がここを選んだのは美しく平和でのどかな反面、ヘロインによる死亡率が著しく高いという「矛盾」からだった。タイトルはアルジェントが旅行中に、ここで開かれていた光学関係の博覧会“Fhänomena”(スイス人が話すアレマン語)からとられた。
  • ラスト近く、ジェニファーが蛆虫だらけのプールに落ちるシーンはスタントなしで本人が演じているが、この蛆虫はおがくずなどを使ったフェイクである。
  • サウンドトラックにはアルジェント作品に常連のゴブリンやクラウディオ・シモネッティに加え、ヘビーメタルやパンクグループを数多く起用した。モーターヘッドアイアン・メイデンなどのヘビーメタルバンドやローリング・ストーンズの元ベーシスト、ビル・ワイマンらが選ばれた。
  • 日本では第1回東京国際ファンタスティック映画祭のオープニング作品として上映され、好評を博した。アルジェント監督もゲストとして来日、多数の熱狂的なファンに囲まれた。
  • 本作は1995年に日本で発売されたSFCのホラーアドベンチャーゲーム『クロックタワー』のゲームデザインに大きく影響を与えており、ゲームデザイン担当の河野一二三自らが「この映画のファンであり、この映画のオマージュとして制作した」と語っている。演出、音楽、シナリオ、キャラクター設定などに大きく影響が見て取れる他、ゲームの主人公の少女の容姿、名前が映画に主演したジェニファー・コネリーをモデルにしている。
  • 劇場で公開した際、劇場内にFM電波を飛ばし、観客はヘッドフォンで音声を聞くことができる“クランキーサウンド”という方式で上映した。ここで流れる音声は、ダミーヘッドを使用したバイノーラル録音によるもので、正しく観賞すると音声が観客の周囲に定位するという立体音響を体験できた[1]。(ただし、あまりの音質の悪さなので使用されたのはこの作品1作だけだった)
  • 1997年に発売された「フェノミナ インテグラルハード完全版」という別バージョン(115分)が存在する。カットされた4分が追加されている。VHSでは日本劇場公開時と同じく本編の音声はオリジナル英語(出演者自身の声)である。1999年に発売されたインテグラルハード完全版DVD(115分)においては、音声は伊語(吹き替え)のみとなっている。2004年に公開されたデジタル・ニューマスター版DVD(115分)においては吹き替えによる伊語とオリジナル英語(一部伊語)で収録されている。2012年HDリマスター版(本編115分+特典映像と特典映像77分の2枚組みDVD)発売。

脚注[編集]

  1. ^ 劇場パンフレットより。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]