サスペリアPART2
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サスペリアPART2 | |
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Profondo rosso | |
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監督 | ダリオ・アルジェント |
脚本 |
ダリオ・アルジェント ベルナルディーノ・ザッポーニ |
製作 | クラウディオ・アルジェント |
出演者 |
デヴィッド・ヘミングス ダリア・ニコロディ |
音楽 |
ジョルジオ・ガスリーニ ゴブリン |
撮影 | ルイジ・クヴェイレル |
配給 |
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公開 |
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上映時間 |
106分(劇場公開版) 126分(完全版) |
製作国 |
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言語 | イタリア語 |
『サスペリアPART2』(原題:Profondo Rosso、英題:Deep Red)は、1975年公開のイタリアのダリオ・アルジェント監督によるミステリー映画である。日本公開は1978年9月15日。タイトルは日本独自のもので『サスペリア』の続編ではない。後年発売されたDVDでは『サスペリアPART2/紅い深淵』という副題がついた版もある。
概要[編集]
前作『ビッグ・ファイブ・デイ』でコメディを手がけたアルジェント監督が、再びジャッロ映画に戻り創り上げた。本作のストーリーの鍵となる視覚トリック(画面に真犯人が映し出されているにも関わらず、それとわからない)は高く評価されており「映画秘宝EX最強ミステリ映画決定戦」での「ミステリ映画オールタイム・ベスト10」でも第1位に選出された。“重要なものを見ているのにもかかわらず見過ごしている”というトリックは、初監督作品『歓びの毒牙』でも用いられている。音楽はのちにアルジェント作品の常連となるゴブリンが初めて手掛ける。日本公開版ではピアノの連弾シーンやより詳細な人間関係描写などがカットされていたが、のちに完全版が公開された。
ストーリー[編集]
あるクリスマスの夜、レコードから子供の歌が流れるなか、殺人が行われた。子供の叫び声、地面に落ちた血の付いた包丁、その包丁に近づく子供の足。
それから数十年後、ある欧州超心霊学会でテレパシーの持ち主であるヘルガ・ウルマンの講演が行われていた。彼女は聴衆の一人がポケットに鍵を持っていることや、名前を言い当てるなどして聴衆を驚かせた。しかし突然彼女は苦しみだし、悲鳴を上げ、「聴衆の中にかつて人を殺した邪悪な者がいるのを感じた。そしてその者は再び人を殺す」と発言する。彼女が叫ぶ中、聴衆の中の一人がその場を立ち去る。
その晩ヘルガはアパートに戻り電話をしていたが、どこからともなく子供の歌が聞こえてきた。そしてドアの呼び鈴が鳴る。彼女はドアの前で異様な殺気を感じるが、その瞬間ドアが開き、大きな包丁が彼女に振り下ろされた。
同時刻、アメリカ人ピアニストで作曲家のマークは友人のカルロと出会い雑談していたところ、彼女の悲鳴を聞く。カルロと別れアパートに戻ろうとしたその時、アパートの窓越しにヘルガが殺されるのを目撃してしまう。急いでマークは彼女の部屋へと向かう。部屋に入り、異様な絵が多く飾られた廊下を通った奥に、息絶えたヘルガが倒れていた。窓から外を見ると黒いコートを着た者が逃げていくのを見る。またそこには店から出たカルロの姿もあった。
警察が部屋を調べている中、マークは廊下に並べられた絵が一つ無くなったことに気づく。そこに女性新聞記者ジャンナが現れ、警察との会話の中、マークの写真を撮り、翌日の新聞に掲載した。犯人に自分が姿を見たことを知られたと思ったマークは事件の真相を探り始める。
スタッフ[編集]
- 監督:ダリオ・アルジェント
- 製作:クラウディオ・アルジェント
- 脚本:ダリオ・アルジェント、ベルナルディーノ・ザッポーニ
- 撮影:ルイジ・クヴェイレル
- 音楽:ジョルジオ・ガスリーニ、ゴブリン
キャスト[編集]
役名 | 俳優 | 日本語吹替 | ||
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ソフト版 | TBS版 | |||
マーカス・デリー(マーク) | デヴィッド・ヘミングス | 金尾哲夫 | 仲村秀生 | |
ジャンナ・ブレッチィ | ダリア・ニコロディ | 宮寺智子 | 北浜晴子 | |
カルロ | ガブリエレ・ラヴィア | 古澤徹 | 高山栄 | |
ヘルガ・ウルマン | マーシャ・メリル | 定岡小百合 | 谷育子 | |
カルロの母親(マーサ) | クララ・カラマイ | 紗ゆり | 高村章子 | |
オルガ | ニコレッタ・エルミ | 桑島美由生 | 横沢啓子 | |
カルカブリーニ警部 | エロス・バーニ | 青山穣 | 沖田弘二 | |
ジョルダーニ教授 | グラウコ・マウリ | 石井隆夫 | 麦人 | |
ヴァルゴイ | フランコ・ヴァッカロ | 平林尚三 | ||
バルディ | ピエロ・マッジンギ | 国坂伸 | ||
マッシモ・リッチ | ジェラルディン・フーパー | 山口健 | ||
アマンダ・リジェッティ | ジュリアーナ・カランドラ | 青山淑子 | ||
エルヴィラ | リアナ・デル・バルツォ | 沼波輝枝 | ||
ロディ | フリオ・メニコーニ | 山本廉 | ||
神父 | 伊井篤史 | |||
アナウンサー | 長克巳 | |||
その他 | 樫井笙人 吉田孝 |
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演出 | 多部博之 | 早坂仁 | ||
翻訳 | 笹部祐三子 | 磯村愛子 | ||
調整 | 遠西勝三 | |||
効果 | 新音響 | |||
プロデューサー | 熊谷国雄 | |||
解説 | 荻昌弘 | |||
制作 | コスモプロモーション | TBS ニュージャパンフィルム | ||
初回放送 | 1980年10月6日 『月曜ロードショー』 21:00-22:54 |
- DVD版(完全版):BDに完全版本編の日本語吹替として収録
- TBS版(劇場公開版):BDに劇場公開版本編の日本語吹替として収録
- 放映時タイトル『サスペリア2 約束!決してひとりでは見ないで下さい』
日本での『サスペリアPART2』と『サスペリア』[編集]
本作は『サスペリア』の前に作られたにもかかわらず、日本公開に際しては、2作目という扱いを受けた(本作の初公開は1975年だが、日本公開は1978年)。ストーリーやキャラクターなど内容には全く関連性がない。また、『サスペリア』がオカルト的要素をもったホラー作品であるのに対し、本作は冒頭に霊能力者が登場する点をのぞいては、超自然的な要素は無い。理由としては本作が『サスペリア』より後に輸入されたことと、配給会社が『サスペリア』のヒットを受け、『サスペリア』の続編として公開したほうが売れると考えたためである。これについては監督本人も驚いたとのことである。ちなみに、冒頭で殺される女性霊能者(彼女の能力は本物らしく、本作の唯一の超自然的設定である)がドイツ人(『サスペリア』の舞台はドイツ)という点だけが僅かな関連性となっている。
その後、実際に『サスペリア』続編である『インフェルノ』『サスペリア・テルザ 最後の魔女』2作品が後に制作・公開されており、それぞれの作品に登場する魔女が三姉妹という設定であることから、公式に『魔女三部作』と呼称されている。
本作公開時のキャッチフレーズは「約束です!決してひとりでは見ないでください」であった。
日本ではそういった経緯があり、数量限定で2本がセットになったDVD-BOXが販売された。
その他[編集]
- 劇中犯人の黒手袋をはめた手が出てくるが、これは監督のダリオ・アルジェント本人の手である。殺害シーンは全てダリオ・アルジェントが受け持った。
ギャラリー[編集]
主な使用車両[編集]
- ランチア・ベータベルリーナ - マークが捜査のために使用。
- フィアット・500 2代目 - ジャンナの愛車。サンルーフ付き。
- アルファロメオ・1750/2000セダン - 警察車両として登場。
外部リンク[編集]
- サスペリアPART2 - allcinema
- サスペリアPART2 - KINENOTE
- Profondo rosso - インターネット・ムービー・データベース(英語)
- movie location on google earth
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