パロディ事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
最高裁判所判例
事件名 損害賠償請求上告事件
事件番号 昭和51年(オ)第923号
1980年(昭和55年)3月28日
判例集 民集34巻3号244頁
裁判要旨
  1. 旧著作権法30条1項第二は、すでに発行された他人の著作物を正当の範囲内において自由に自己の著作物中に節録引用することを容認しているが、ここにいう引用とは、紹介、参照、論評その他の目的で自己の著作物中に他人の著作物の原則として一部を採録することをいうと解するのが相当であるから、右引用にあたるというためには、引用を含む著作物の表現形式上、引用して利用する側の著作物と、引用されて利用される側の著作物とを明瞭に区別して認識することができ、かつ、右両著作物の間に前者が主、後者が従の関係があると認められる場合でなければならないというべきであり、更に、法18条3項の規定によれば、引用される側の著作物の著作者人格権を侵害するような態様でする引用は許されないことが明らかである。
  2. モンタージュ写真の作成が同一性保持権を侵害する改変であるとされた事例
  3. モンタージュ写真作成の目的がモンタージュで利用した写真を批判し世相を風刺することにあったためその作成には本件写真の一部を引用することが必要であり、かつ、本件モンタージユ写真は、美術上の表現形式として今日社会的に受けいれられているフォト・モンタージュの技法に従つたものである、との事実によっても動かされるものではない。
第三小法廷
裁判長 環昌一
陪席裁判官 江里口清雄 高辻正己 横井大三
意見
多数意見 全員一致
意見 なし
反対意見 なし
参照法条
旧著作権法30条(明治32年法律39号)、18条、36条ノ2、現著作権法、17条、20条、32条、112条
テンプレートを表示
最高裁判所判例
事件名 損害賠償請求事件
事件番号 昭和58年(オ)第516号
1986年(昭和61年)5月30日
判例集 民集40巻4号725頁
裁判要旨
  1. 当該著作物に対する同一の行為により著作権と著作者人格権とが侵害された場合であつても、著作権侵害による精神的損害と著作者人格権侵害による精神的損害とは両立しうるものであって、両者の賠償を訴訟上併せて請求するときは、訴訟物を異にする二個の請求が併合されているものであるから、被侵害利益の相違に従い著作権侵害に基づく慰謝料額と著作者人格権侵害に基づく慰謝料額とをそれぞれ特定して請求すべきである。
  2. 旧著作権法36条ノ2は、著作者人格権の侵害をなした者に対して、著作者の声望名誉を回復するに適当なる処分を請求することができる旨規定するが、上記規定にいう著作者の声望名誉とは、著作者がその品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的な評価、すなわち社会的声望名誉を指すものであつて、人が自己自身の人格的価値について有する主観的な評価、すなわち名誉感情は含まれないものであり、社会的声望名誉を侵害した事実を認定せずまた推認できる事実も認定せずに、謝罪広告を認めた原審の判断を破棄差し戻しした事例。
第二小法廷
裁判長 藤島昭
陪席裁判官 大橋進 牧圭次 島谷六郎 香川保一
意見
多数意見 全員一致
意見 なし
反対意見 なし
参照法条
旧著作権法18条、36条の2
テンプレートを表示

パロディ事件(パロディじけん)とは、デザイナーマッド・アマノ写真家白川義員との間で争われた日本における著作権等の侵害訴訟事件である。

概略[編集]

1970年1月、マッド・アマノが自身のフォトモンタージュをまとめた作品集『SOS』を出版。その一部が『週刊現代』1967年6月4日号に「マッド・アマノの奇妙な世界」として発表された。その中の1枚が白川義員撮影のアルプスを滑降するスキーヤーの写真をもとにしたものであることがわかり、著作権侵害であると抗議し、『週刊現代』の発行元である講談社が写真の使用料50万円を支払うことになった。

その後1970年9月、白川義員はマッド・アマノにこの作品自体が著作者人格権侵害だとして、再び損害賠償ならびに慰謝料50万円と朝日新聞毎日新聞読売新聞の社会面に二段抜きで謝罪広告を掲載するように内容証明付きの手紙を出した。そして1971年9月、白川義員が同じ内容で東京地裁に訴状を提出した。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]