ハート (バンド)

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ハート
HEART
Heart at the Beacon Theater, 2012.jpg
USA.ニューヨーク公演 (2012年)
基本情報
別名 Hocus Pocus
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ワシントン州シアトル
カナダの旗 カナダ ブリティッシュコロンビア州バンクーバー(結成地)
ジャンル ロック
ハードロック
フォークロック
ヘヴィメタル
活動期間 1973年 - 現在
レーベル キャピトル・レコード
エピック・レコード
Beyond Records
Sovereign
Eagle Records
レガシー・レコーディングス
Concord Bicycle Music
共同作業者 The Lovemongers
公式サイト heart-music.com
メンバー アン・ウィルソン (Vo)
ナンシー・ウィルソン (G)
クレイグ・バートック (G)
ダン・ロスチャイルド (B)
ベン・スミス (Ds)
クリス・ジョイナー (Key)
旧メンバー ハワード・リース (G)
ほか 別記参照

ハート(Heart)は、アメリカ合衆国出身のロックバンド

アンナンシーのウィルソン姉妹率いるユニットとして活動、女性ロック・ミュージシャンを核とした先駆的グループとしても知られる。2013年ロックの殿堂』入り。

来歴[編集]

アン・ウィルソン (2010年)
ナンシー・ウィルソン (2010年)
ナンシー&ロジャー・フィッシャー(右) 1978年
  • 1966年に、ギタリストのロジャー・フィッシャーとベーシストのスティーヴ・フォッセンらが結成した「アーミー」というバンドが母体。1968年にメンバーチェンジを行い「ホワイト・ハート」と改名。
  • 1971年にフィッシャー、フォッセンがオーディションを行いアン・ウィルソンを見出す。アンは2、3週間のつもりでゲスト参加したが、ツアーが上手くいったためそのまま加入、「ホーカス・ポーカス」に改名。ここでアンはロジャーの兄マイク(ホーカス・ポーカスのメンバーでもあった)と出会う。
  • 1972年に「ハート」と改名し、マイクはバンドのマネージャーとなった。1973年から正式に発足。以降ナンシーは時々ライヴに参加、アン達にバンドに誘われていたが、小説家を志していたため決心がつかずにいた。
  • 1975年にナンシーも正式に加入し、ウィルソン姉妹、フィッシャー、フォッセンの4人組で1976年にデビューアルバム『Dreamboat Annie』を発表。レッド・ツェッペリンに強く影響された音楽性やアンの歌声、姉妹バンドであることなどが注目を集め、「Magic Man」(全米9位)「Crazy on You」(全米35位)などの曲がヒットした。この時期アンとマイク、ナンシーとロジャーは恋愛関係にあった。
  • 1977年には1stにも参加していたギタリスト/キーボーディストのハワード・リース、ドラマーのマイケル・デロージャーを加えた編成で2ndアルバム『Little Queen"』を発表。シングル「Barracuda」は全米11位を記録した。
  • 1979年にアンとマイク、ナンシーとロジャーの2組のカップルが破局。フィッシャーが脱退。この時点で完全にウィルソン姉妹が中心のバンドとなる。
  • 1982年にはフォッセンとデロージャーが脱退し、ベースにマーク・アンデス、ドラムにはデニー・カーマッシが加入。この頃には商業的に低迷期に入っていた。
  • 1985年発表の8thアルバム『Heart』では、当時、「サバイバー」や「キッス」等を手がけヒット作を連発していたロン・ネヴィソンをプロデューサーに迎えた。初めて外部のソングライターによるポップでキャッチーな曲を収録し、これが起死回生のヒット作となる。「What About Love?」(全米10位)、「Never」(全米4位)「These Dreams」(全米1位)「Nothin' At All」(全米10位)とシングルヒットを連発、アルバムも全米1位となり、一気にスターダムへと駆け上がった。
  • こうして1987年発表の9thアルバム『Bad Animals』(プロデュース/ロン・ネヴィソン)も全米2位、1990年発表の10thアルバム『Brigade』も全米3位と、バンドは黄金期を迎えた。この時期にはヘヴィメタルのムーヴメントが盛り上がっており、それに乗る形でルックスや音造りもグラマラスでゴージャスなものへと変化していた。姉妹はバンド活動休止時の1990年代後半のインタビューで「ロンのプロデュースは徹底的に売れる音作りを狙っていたので、納得できない点もあった。」と答えている。しかし,この徹底的に売れる音作りが見事に当たったのは事実だ。
  • 1993年発表の11thアルバム『Desire Walks On』はこの頃盛り上っていたグランジブームに押されバンドの人気は急激に低下。ここにベースのマークは参加せず、1992~1993年に脱退したものと思われる。
  • この頃からアンとナンシーは「ラヴモンガーズ」を始めとしたバンド外のプロジェクト活動やソロ活動を重視し、サウンドも原点回帰のアコースティック路線を模索するようになる。
  • この間にデニーは、デイビッド・カバーディル(Vo/ex:ホワイトスネイク)とジミー・ペイジ(g/ex:レッド・ツェッペリン)のプロジェクトであるカバーディル/ペイジに参加。引き続きカバーディルが再始動させたホワイトスネイクにも参加する。こうして1994年頃には脱退。
  • 1995年MTVの看板番組「アンプラグド」に出演。StringsでAcousticなナンバーを披露している。この模様はのちにライブ作品『The Road Home』に収録。このライブには元レッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズをベースに迎えており、姉妹のツェッペリン好きの夢がかなったといったところだろうか。(ちなみにジョンはこのアルバムのプロデュースも行っている)
  • 1999年ナンシー・ウイルソンはソロとして「LIVE AT MCCABE'S GUITAR SHOP」をリリース。
  • 2000年-2001年ナンシーは、当時の夫で映画監督のキャメロン・クロウの『あの頃ペニー・レインと』(2000年)、『バニラ・スカイ』(2001年)のサントラに曲を提供。
  • 2002年HEARTとしてバンドメンバーも変え、久しぶりサマー・オブ・ツアーが行われる。最終日には地元シアトルでライブを行いライブ作品『Alive in Seattle』として発売されている。このツアーにはデビュー当時からバンドを支えていたハワードの姿は見られなかった。
  • 2004年、11年ぶりのオリジナルとなる12thアルバム『Jupiter's Darling』を発表[1]。このレコーディングにもハワードは参加せず脱退が決定的になる。こうしてバンドは実質的に姉妹のプロジェクトとなる。ハワードは2008年頃よりバッド・カンパニーのサポートメンバーとしてツアーに同行していて、2010年には来日もした。

  90年代以降、長期のツアーは避け、単発的なライブ活動を中心に据えるようになってきている。
  また最近は、乳がんやアフリカのエイズ貧困問題など支援活動行っている。

2008年のチャリティーライブにて
  • 2007年アン・ウィルソンが初のソロ・アルバム"Hope & Glory"を9月にリリース。カヴァーアルバムで、ゲストも多彩でエルトン・ジョンk.d.ラングらが参加。「ハート」としては、現在のメンバーにStringsを加えた編成で1stアルバム『Dreamboat Annie』を再現したライブ演奏したライブ作品『Dreamboat Annie Live』を発表。
  • 2010年、13thアルバム『Red Velvet Car』を発表。ナンシーとキャメロン・クロウの離婚が成立。
  • 2012年ナンシーが大手映画会社の幹部と再婚。14thアルバム『Fanatic』を発表[2]
  • 2013年、『ロックの殿堂』入り[3]
  • 2015年、アンが一般男性と結婚[4]
  • 2016年、15thアルバム『Beautiful Broken』を発表[5]

特徴[編集]

USA.サンディエゴ公演 (2010年12月)

音楽性[編集]

  • アンの「女ロバート・プラント」と称されるエネルギッシュな歌声と、ナンシーの激しくも可憐なギタープレイが魅力。
  • 「These Dreams」など、ナンシーが歌ってヒットした曲もある。
  • 総じて1970年代から1980年代前期にかけてはアコースティックな要素のあるハードロックであり、1980年代後期のヒット曲はメロディアスでコマーシャル、2002年以降は初期の音楽性に回帰しグランジの要素も加わっている。

逸話・その他[編集]

  • 『Magazine』リリースまでの紆余曲折

実際は、『Little Queen』よりも『Magazine』の曲の方が先に録音されていた。
レコード会社移籍(マッシュルーム→ポートレイト)に伴う裁判問題で、先に『Little Queen』がリリースされた。
その後契約上の問題のため、マッシュルーム側は上記の録音されていた曲にライブ・テイクを加え、『Magazine』としてリリースした。
しかしハート側は、これを未完成であるとして発売停止を裁判所に訴え、認められる。
これにより、マッシュルーム盤『Magazine』は発売中止・回収を義務付けられた。
結局ハート側はオーバー・ダビング等をし直し新たに『Magazine』をリリースした。

  • メンバーのうち、3人(フィッシャー、フォッセン、デロージャー)はカナダのロックバンドシェリフの元メンバーの2人とエリアスを結成し、1990年に「君がほしい」が大ヒットしたが、これ以降ヒットは続かなかった。

メンバー[編集]

現ラインナップ[編集]

  • アン・ウィルソン Ann Wilson - ボーカル (1972- )
  • ナンシー・ウィルソン Nancy Wilson - ギター (1973-1995, 2002- )
  • クレイグ・バートック Craig Bartock - ギター (2004- )
  • ダン・ロスチャイルド Dan Rothchild - ベース (2012- )
  • ベン・スミス Ben Smith - ドラムス (1995- )
  • クリス・ジョイナー Chris Joyner - キーボード (2014- )

旧メンバー[編集]

  • ロジャー・フィッシャー Roger Fisher - ギター (1973-1979)
  • スティーヴ・フォッセン Steve Fossen - ベース (1973-1982)
  • マイク・フィッシャー Mike Fisher - ギター (1973-1974)
  • ジェフ・ジョンソン Jeff Johnson - ドラムス (1973-1974)
  • デヴィッド・ベルザー David Belzer - キーボード (1973-1974)
  • ブライアン・ジョンストン Brian Johnstone - ドラムス (1974-1975)
  • ジョン・ハンナ John Hannah - キーボード (1974-1975)
  • ハワード・リース Howard Leese - ギター/キーボード (1975-1998)
  • マイケル・デロージャー Michael Derosier - ドラムス (1975-1982)
  • マーク・アンデス Mark Andes - ベース (1982-1993)
  • デニー・カーマッシ Denny Carmassi - ドラムス (1982-1993)
  • フェルナンド・サンダース Fernando Saunders - ベース (1993-1995)
  • デニー・フォンハイザー Denny Fongheiser - ドラムス (1993-1995)
  • スコット・オルソン Scott Olson - ギター (1995-2003)
  • フランク・コックス Frank Cox - ギター (1995, 1998)
  • ジョン・ベイレス Jon Bayless - ベース (1995, 1998)
  • スコット・アダムス Scott Adams - サクソフォーン (1995)
  • マイク・アイネス Mike Inez - ベース (2002-2006)
  • トム・ケロック Tom Kellock - キーボード (2002-2003)
  • ギルビー・クラーク Gilby Clarke - ギター (2003-2004)
  • ダリアン・サハナジャDarian Sahanaja - キーボード (2003-2004)
  • リック・マークマン Ric Marksman - ベース (2006-2009)
  • クリスチャン・アタード Kristian Attard - ベース (2009-2012)
  • デビー・シャイアー Debbie Shair - キーボード (2004-2014)

関連ユニット[編集]

アーミー(The Army) 1966年[編集]

  • ロジャー・フィッシャー(Roger Fisher) - guitar
  • スティーヴ・フォッセン(Steve Fossen) - bass guitar
  • ドン・ウィルヘルム(Don Wilhelm) - vocal/guitar/organ
  • レイ・シーファー(Ray Schaefer) - drums

ホワイト・ハート(White Heart)→ハート(Heart) 1968年 - 1970年[編集]

メンバーチェンジを行いホワイト・ハートと改名。1970年のごく短期間短縮してハートと名乗っていた。

  • ロジャー・フィッシャー(Roger Fisher) - guitar
  • スティーヴ・フォッセン(Steve Fossen) - bass guitar
  • ゲイリー・ジーゲルマン(Gary Ziegelman) - vocal
  • ジェイムズ・チリロ(James Chirillo) - guitar
  • ロン・ルッジ(Ron Rudge) - drums
  • ケン・ハンセン(Ken Hansen) - percussion

ホーカス・ポーカス(Hocus Pocus) 1971年 - 1972年[編集]

  • ロジャー・フィッシャー(Roger Fisher) - guitar
  • スティーヴ・フォッセン(Steve Fossen) - bass guitar
  • アン・ウィルソン(Ann Wilson) - vocal
  • マイク・フィッシャー(Mike Fisher) - guitar
  • ジョン・ハンナ(John Hannah) - keyboard
  • ブライアン・ジョンストン(Brian Johnstone) - drums

ラヴモンガーズ(THE LOVEMONGERS) 1991年 - 1998年[編集]

『The Battle of Evermore』、『Whirlygig』、『A Lovemonger's Christmas』録音。

  • アン・ウィルソン(Ann Wilson) - vocal/bass guitar/acoustic guitar
  • ナンシー・ウィルソン(Nancy Wilson) - acoustic guitar/guitar/vocal/backing vocal/mandolin
  • スー・エニス(Sue Ennis) - keyboard/guitar/vocal
  • フランク・コックス(Frank Cox) - guitar/mandolin/vocal/keyboard

ディスコグラフィ[編集]

アルバム[編集]

スタジオ・アルバム
ライブ・アルバム
コンピレーション

シングル[編集]

  • Crazy On You / Dreamboat Annie (1976年) 全米35位
  • Magic Man / How Deep It Goes (1976年) 全米9位
  • Dreamboat Annie / Sing Child (1976年) 全米42位
  • Barracuda / Cry To Me (1977年) 全米11位
  • Little Queen / Treat Me Well (1977年) 全米62位
  • Kick It Out / Go On Cry (1977年) 全米79位
  • Heartless / Just The Wine (1978年) 全米24位
  • Straight On / Lighter Touch (1978年) 全米15位
  • Dog And Butterfly / Mistral Wind (1979年) 全米34位
  • Magazine / Devil Delight (1979年)
  • Without You / Here Song (1979年)
  • Even It Up / Pilot (1980年) 全米33位
  • Bebe Le Strange / Silver Wheels (1980年) 全米109位
  • Raised On You / Down On Me (1980年)
  • Tell It Like It Is / Strange Euphoria (1980年) 全米8位
  • Unchained Melody (Live) / Mistral Wind (Live) (1981年) 全米83位
  • This Man Is Mine / America (1982年) 全米33位
  • Bright Light Girl / Private Audition (1982年)
  • How Can I Refuse? / Johnny Moon (1983年)
  • Allies / Together Now (1983年) 全米83位
  • What About Love / Heart Of Darkness (1985年) 全米10位
  • Never / Shell Shock (1985年) 全米4位
  • These Dreams / Shell Shock (1985年) 全米1位, マーティン・ペイジ
  • Nothing At All / The Wolf (1986年) 全米10位
  • If Looks Could Kill / What He Don't Know (1986年) 全米54位
  • Alone / Barracuda (Live) (1987年) 全米1位
  • Who Will You Run To / Magic Man (Live) (1987年) 全米7位
  • There's The Girl / Bad Animals (1987年) 全米12位
  • I Want You So Bad / Easy Target (1988年) 全米49位
  • All I Wanna Do Is Make Love To You / Call Of The Wild (1990年) 全米2位
  • I Didn't Want To Need You / The Night (1990年) 全米23位
  • Stranded / Under The Sky (1990年) 全米13位
  • Secret / I Love You (1991年) 全米64位
  • You're the Voice (Live) / Call Of The Wild (Live) (1991年)
  • Will You Be There (In The Morning) / Back To Avalon (1993年) 全米39位
  • The Woman In Me / Risin' Suspicion (1994年) 全米105位

その他[編集]

  • Original Soundtrack『Up The Creek』 (1984年 “The Heat”で参加) オムニバス
  • The Lovemongers / 『The Battle of Evermore』 (1993年)
  • The Lovemongers / 『Whirlygig』 (1997年)
  • The Lovemongers / 『A Lovemonger's Christmas』 (1998年)
  • Ann Wilson / 『Hope & Glory』 (2007年)
  • Namcy Wilson / 『Live At McCabe’s Guitar Shop』 (1999年(録音1996年))
  • Randy Meisner / 『Randy Meisner』 (1982年)(アン、ナンシー、ハワード・リース参加)
  • Original Soundtrack『Footloose』 (1984年 “Almost Paradise”で参加)(Ann Wilson & Mike Reno(Loverboy))
  • Original Soundtrack『The Golden Child』 (1986年 “The Best Man In The World”で参加)(Ann Wilson)
  • Original Soundtrack『Tequila Sunrise』 (1988年 “Surrender To Me”で参加)(Ann Wilson & Robin Zander(Cheap Trick))
  • Alias / Alias (1990年)(フィッシャー、フォッセン、デロージャー参加)
  • Coverdale-Page / 『Coverdale-Page』 (1993年)(デニー・カーマッシ参加)

日本公演(関東地方)[編集]

8月4日,5日 神奈川県江ノ島特設会場、7日 京都府伏見桃山城キャッスルランド
6月25日 NHKホール
3月28日 名古屋市公会堂、30日 大阪城ホール、4月1日,2日 国立代々木競技場第一体育館、5日 横浜文化体育館
10月5日 国立代々木競技場第一体育館、8日,9日 日本武道館、15日 横浜アリーナ
3月11日 横浜文化体育館、13日 日本武道館
  • 2001年  ビートルズ トリビュートコンサート~Abbey Road~
(アン・ウィルソンのみ)
11月9日,10日 東京厚生年金会館、12日 大阪厚生年金会館、14日 愛知厚生年金会館

脚注[編集]

外部リンク[編集]