コンテンツにスキップ

ヌナブト準州

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヌナヴト準州から転送)
ヌナブト準州
Nunavut
ヌナブト準州の旗 ヌナブト準州の印
準州旗 (準州章)
モットー: イヌクティトゥット語: ᓄᓇᕗᑦ ᓴᙱᓂᕗᑦ
"Nunavut Sannginivut"

英語: Our land, our strength
フランス語: Notre terre, notre force
ヌナブト準州の位置
基本データ
準州の花 パープル・サクシフレイジ
Purple Saxifrage
準州の木なし
準州の鳥ライチョウ
準州都イカルイト
最大の都市イカルイト
準州の公用語イヌイット語イヌクティトゥット語イヌイナクトゥン語英語フランス語
面積
 - 総計
 - 陸地
 - 水域(割合)
最高標高
(国内第1位)
2,038,722 km²
1,877,787 km²
160,935 km² (7.9%)
2,210 m
人口2021年
 - 総計
 - 人口密度
(国内第13位)
36,858
0.02 人/km²
GDP2011年
 - 州合計
 - 1人当たり
(国内第13位)
19億6400万[1]カナダドル
5万8452カナダドル
連邦政府加入
 - 順番
 - 加入年月日

13番目
1999年4月1日
時間帯【準州東部】

東部標準時(EST、UTC-5
東部夏時間(EDT、UTC-4
夏時間を採用していないエリアもある。
【準州西部】
中部標準時(CST、UTC-6
中部夏時間(CDT、UTC-5
【準州北西部】
山岳部標準時(MST、UTC-7
山岳部夏時間(MDT、UTC-6

郵便コード
郵便番号
ISO 3166-2:CA
NU(一時的に:NT)
X
CA-NU
公式サイトhttps://www.gov.nu.ca/
行政
弁務官エヴァ・アリアック英語版
準州首相P・J・アキアゴク英語版(無所属)
カナダ議会
 -下院議席数
 -上院議席数

1
1

ヌナブト準州(ヌナブトじゅんしゅう、英語: Nunavut 英語発音: [ˈnuːnəˌvʊt], フランス語: Nunavutイヌクティトゥット語: ᓄᓇᕗᑦ [ˈnunavut])は、カナダ準州の一つ。1993年連邦政府イヌイットの間に締結されたヌナブト協定en)に基づき、1999年4月1日にイヌイットの自治準州としてノースウェスト準州の一部を分割して設立された。ヌナブト(ヌナヴト)とはイヌクティトゥット語で「我々の土地」を意味する[2]

西はノースウェスト準州、南はマニトバ州と接している。北東ではデンマークグリーンランドと国境を接し、ハンス島にはデンマークとの陸上国境がある。カナダ北部にある北極諸島の大部分(バフィン島エルズミーア島デヴォン島など)を含む。ハドソン湾ジェームズ湾に浮かぶすべての島もヌナブト準州に属する。人口は3万6858人(2021年国勢調査)[3]。州都はバフィン島にあるイカルイト

母語話者(ヌナブト準州) 2006
イヌクティトゥット語
 
69.54%
英語
 
26.75%
フランス語
 
1.27%
イヌイナクトゥン語
 
1.02%
人種構成(ヌナブト準州) 2006
先住民
 
85.0%
白人
 
13.6%
黒人
 
0.3%
その他の有色人種
 
1.1%

歴史

[編集]

現在ヌナブト準州のある地域には、4000年前から人類が居住していた。多くの歴史学者はノース人サーガに記述されているヘルランド英語版バフィン島は同一のものと考えており、従ってこの地の住民はノース人と交流があった可能性がある。1576年には、マーティン・フロビッシャー北西航路の探検中に、現在フロビッシャー湾として知られる地域にたどり着いた。これが、ヨーロッパ人とこの地が接触した最初の記録である。

1950年代の冷戦時代には、コーンウォリス島およびエルズミーア島への関心が高まった。その地政学的な重要性から、政府はケベック州北部のイヌイットをレゾリュートおよびグリスフィヨルドへ移住させた。1976年には連邦政府とイヌイット団体の間でノースウェスト準州の分割についての議論が始まり、1982年には住民投票が行われ、分割賛成が多数を占めた。1993年には関連法案が連邦議会で成立し、1999年正式にヌナブト準州が成立した。

地理

[編集]
タンカリー・フィヨルド
シロクマ

主な居住地

[編集]

上記以外の居住地については各地域の記事を参照。

人口動勢

[編集]
アルヴィアットのイヌイット

2006年の調査によれば、イヌイットが総人口の83.6%を占め、以下ファースト・ネーションが0.34%、メティが0.44%、先住民族以外の人々が15.0%となっている[4]

政治

[編集]

準州は州と違って国王の名代である副総督(Lieutenant-Governor)がおらず、その代わり同等の権威を持ち連邦政府から派遣される官僚である弁務官(Commissioner)がいる。一院制の議会は政党制ではなく、個人で選出される議員で構成される。

経済

[編集]

準州の経済は金採掘を始めとする鉱業漁業狩猟伝統工芸観光などで成り立っている。 また公務員の比率が高く、行政が主要な雇用主となっている[5]。2024年の経済成長率は7.5%を記録しており、同年の国内平均1.6%を大きく上回っている[6]

教育

[編集]

イカルイトには幼稚園、小学校、中学校と高校を合わせて5校あり、他に2つの大学がある。 一つはヌナブト北極大学で、アルビアトに本部があり、イカルイト、ケンブリッジベイとランキンインレットにキャンパスがある。もう一つはアキツィラク法科大学英語版で、イカルイトにある。すべて公立大学であり、前者はコミュニティカレッジを兼ねている。

交通

[編集]
航空

各居住地に空港があり、イカルイト空港にはオタワランキン・インレット空港英語版にはウィニペグなどの南部の主要都市へ向かうジェット機が就航している。その他の小規模な空港には、イカルイトやイエローナイフといった地域拠点、或いは最寄りの空港へ向かう双発プロペラ機セスナ機が就航している[7][8]

海運

夏季限定でバージ船()が沿岸部の各集落に燃料や資材を輸送している[9]

道路

大陸部分を含めて地域間を結ぶ道路網は存在しない。ただし、冬季はスノーモービル雪上車で永久凍土や凍った水面を走行し、地域間を移動することが可能である[10]

脚注

[編集]

出典

[編集]
  1. Gross domestic product, expenditure-based, by province and territory (2011)”. Statistics Canada (2013年11月19日). 2013年9月26日閲覧。
  2. Maxine Snowden『北極・南極探検の歴史 極限の世界を体感する19のアクティビティ』丸善出版、2016年、78頁。ISBN 978-4-621-30068-8
  3. Population and dwelling counts: Canada, provinces and territories”. カナダ統計局. 2024年5月13日閲覧。
  4. Statistics Canada. Aboriginal Population Profiles”. Census 2006. 2009年2月1日閲覧。
  5. NWRCC Nunavut Wildlife Resource Centre Coalition. The Economy of Nunavut”. 2026年4月22日閲覧。
  6. Nunatsiaq News. “Nunavut economic growth rate outpaces the rest of Canada in 2024: Statcan” 2026年4月22日閲覧。
  7. Canadian North. Route Map”. 2026年4月22日閲覧。
  8. Clam Air. Route Map”. 2026年4月22日閲覧。
  9. Transportation Safety Board of Canada. “Overloaded barge led to person overboard and loss of cargo” 2026年4月22日閲覧。
  10. New Canadian Life. Can you drive into Nunavut?”. 2026年4月22日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]