ニック・パーク
ニック・パーク(Nick Park、Nicholas Wulstan Park、CBE、1958年12月6日 - )はイギリスのストップモーション・アニメーター。人気シリーズ「ひつじのショーン」「ウォレスとグルミット」の作者として著名。
経歴[編集]
ランカシャーのプレストンに生まれたニックは、幼い頃からアニメーションに強い興味を持っていた。13歳の時には、自宅の屋根裏部屋で親のベル&ハウエル社製8mmフィルムカメラを使いアニメ制作を始め、1975年に制作した『Archie's Concrete Nightmare』がBBCで放映され、注目を浴びた。
1980年にシェフィールド工芸学校(現在のシェフィールド・ハラム大学)でコミュニケーション・アーツの学位を修得。同年世界的に有名な映画・放送学校の1つである国立映画テレビ学校(National Film and Television School)に入学し、「ウォレスとグルミット」シリーズの記念すべき第一作『チーズ・ホリデー(A Grand Day Out)』の制作を開始する。ニックの連絡を受けたアードマン・アニメーションズのピーター・ロードとデイビッド・スプロクストンは彼の作品に感銘を受け、制作中盤の1985年には二人の招きでアードマンに参画、『チーズ・ホリデー』を完成させる。
1989年には「リップ・シンク(Lip Synch)」シリーズ『快適な生活(Creature Comforts)』を監督する。1990年には『チーズ・ホリデー』と『快適な生活』がアカデミー賞短編アニメーション部門に同時ノミネートされ、このうち『快適な生活』が同賞を受賞する。また両作品は英国アカデミー賞(現在のオレンジ英国アカデミー映画賞)にもノミネートされ、こちらは『チーズ・ホリデー』が受賞している。
「ウォレスとグルミット」シリーズは着実にファンを増やしていき、第二作『ペンギンに気をつけろ!(The Wrong Trousers)』(1993年)、第三作『ウォレスとグルミット、危機一髪(A Close Shave)』(1995年)は、両作品ともアカデミー短編アニメ賞に輝き大成功を収めた。
2000年には初の長編である『チキンラン(Chicken Run)』、2002年には短編集『ウォレスとグルミットのおすすめ生活(Wallace & Gromit: Cracking Contraptions)』を制作した。
2005年には「ウォレスとグルミット」シリーズ初の長編『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!(Wallace & Gromit: The Curse of the Were-Rabbit)』を制作した。この作品は宮崎駿監督の『ハウルの動く城』、ティム・バートン監督の『ティム・バートンのコープスブライド』らを抑え、第33回アニー賞及び第78回アカデミー賞の長編アニメ部門を受賞した。
宮崎駿を尊敬しており、宮崎自身もニックの作品を評価している[1]。
主な監督作品[編集]
- Animated Conversations: Down and Out (1977)
- Animated Conversations: Confessions of a Foyer Girl (1978)
- The Amazing Adventures of Morph (1980–1981)
- Conversation Pieces: On Probation (1983) (会話の断壁)
- Conversation Pieces: Sales Pitch (1983)
- Conversation Pieces: Palmy Days (1983)
- Conversation Pieces: Early Bird (1983)
- Conversation Pieces: Late Edition (1983)
- Sweet Disaster: Babylon (1986)
- Sledgehammer (1986)
- My Baby Just Cares for Me (1987)
- Barefootin' (1987)
- Going Equipped (1987)
- War Story(1989)
- Ident (1989)
- Next (1989)
- Adam アダム(1991) (Academy Award nominee)
- Loves Me, Loves Me Not (1993)
- Not Without My Handbag (1993)
- Pib and Pog (1993)
- The Morph Files モープ(1993)
- Pop (1993)
- Wat's Pig (1993) (Academy Award nominee)
- Rex the Runt: How the Dinosaurs Became Extinctレックス・ザ・ラントどうして恐竜は絶滅したか (1993)
- Owzat (1997)
- Stage Fright (1997)
- Humdrum (1998) (アカデミー賞ノミネート)
- Al Dente (1998)
- Minotaur and Little Nerkin (1999)
- Angry Kidアングリー・キッド (1999)
- The Presentators (2003-2004)
- 快適な生活(Creature Comforts、1989年)
- チーズ・ホリデー(A Grand Day Out with Wallace and Gromit、1989年)(アカデミー賞ノミネート)
- ペンギンに気をつけろ!(Wallace & Gromit in The Wrong Trousers、1993年)
- ウォレスとグルミット、危機一髪!(Wallace & Gromit in A Close Shave、1995年)
アカデミー賞受賞[編集]
- レックス・ザ・ラント(Lex The Runt1998年)
- チキンラン(Chicken Run、2000年)
- Robbie the Reindeer (2001)
- BBC One Christmas IDs (2001)
- Wallace & Gromit's Cracking Contraptions (2002)
- BBC Three idents (2003-2008)
- 快適な生活 ぼくらはみんないきている(Creature Comforts、2003年)テレビシリーズ
- ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!(Wallace & Gromit in The Curse of the Were-Rabbit、2005年)
- The Non-Voters for the BBC Election coverage (see external links) (2004)
- プラネット・スケッチPlanet Sketch(2005)
- Purple and Brown (2006)
- Pib and Pog additional episodes (2006)
- Chop Socky Chooks (2008)
- ウォレスとグルミットベーカリー街の悪夢A Matter of Loaf and Death (2008) (アカデミー賞ノミネート)
- Watch idents (2009)
脚注[編集]
- ^ 宮崎駿『折り返し点』 p.382、ニック・パーク監督との公開対談
外部リンク[編集]
- Nick Park - インターネット・ムービー・データベース(英語)