トミー・ハース

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トミー・ハース
Tommy Haas
トミー・ハース
基本情報
フルネーム Thomas Mario Haas
愛称 トミー
国籍 ドイツの旗 ドイツ
出身地 西ドイツの旗 西ドイツ・ハンブルク
生年月日 (1978-04-03) 1978年4月3日(46歳)
身長 188cm
体重 84kg
利き手
バックハンド 片手打ち
ツアー経歴
デビュー年 1996年
引退年 2018年
ツアー通算 16勝
シングルス 15勝
ダブルス 1勝
生涯通算成績 643勝424敗
シングルス 569勝338敗
ダブルス 74勝86敗
生涯獲得賞金 $13,609,987
4大大会最高成績・シングルス
全豪 ベスト4(1999・2002・07)
全仏 ベスト8(2013)
全英 ベスト4(2009)
全米 ベスト8(2004・06)
4大大会最高成績・ダブルス
全仏 1回戦(2011)
全米 1回戦(2005)
キャリア自己最高ランキング
シングルス 2位(2002年5月13日)
ダブルス 82位(2014年2月3日)
獲得メダル
男子 テニス
オリンピック
2000 シドニー シングルス

トーマス・マリオ・"トミー"・ハースThomas Mario "Tommy" Haas, 1978年4月3日 - )は、ドイツハンブルク出身の男子プロテニス選手。愛称の「トミー・ハース」という名前でツアーの公式サイトに登録されている。シングルス自己最高ランキングは2位(2002年5月)。ATPツアーでシングルス15勝、ダブルス1勝を挙げた。身長188cm、体重84kg。右利き、バックハンド・ストロークは片手打ち。

2000年シドニーオリンピックシングルス銀メダリスト。マスターズ1000優勝1回準優勝1回。

選手経歴[編集]

4歳からテニスを始め、11歳の時からアメリカの「ニック・ボロテリー・テニスアカデミー」に留学した。1996年にプロ転向。1999年全豪オープンでベスト4に進出、準決勝でエフゲニー・カフェルニコフに敗れる。2000年シドニー五輪で男子シングルスの銀メダルを獲得したが、この時の決勝で敗れた相手もカフェルニコフであった。2002年全豪オープンで3年ぶり2度目の準決勝に進出したが、マラト・サフィンに敗れて再び決勝進出のチャンスを逃した。

2003年は右肩の手術などでほぼ1年全休を強いられたが、2004年全米オープンレイトン・ヒューイットとの準々決勝に進出し、世界ランキングを17位まで戻した。これにより、彼は2004年度のカムバック賞(ATP Comeback Player of Year)を受賞する。2006年は好調なシーズンを送り、男子ツアーのシングルスで年間3勝を挙げた。この年は全米オープンで2年ぶり2度目のベスト8進出がある。

2007年全豪オープンで、ハースは5年ぶり3度目のベスト4に進出したが、準決勝でフェルナンド・ゴンサレスに1-6, 3-6, 1-6のストレートで完敗した。2月の全米国際インドアテニス選手権決勝でアンディ・ロディックを下し、シングルス優勝を通算「11勝」とする。この年はウィンブルドンで初の4回戦進出があったが、3回戦の試合中に腹痛が悪化し、ロジャー・フェデラーとの試合を棄権した。

2009年6月、ハースは地元ドイツのゲリー・ウェバー・オープン決勝でノバク・ジョコビッチを破り、2年ぶりとなるツアー12勝目を挙げた。この後、ウィンブルドンの準々決勝で再びジョコビッチを破り、初めての準決勝に進出する。ハースは初進出の準決勝でフェデラーに6-7, 5-7, 3-6のストレートで敗れた。

2010年1月27日、ハースはアメリカ国籍の取得を認められた。男子ツアー公式プロフィールの説明では「ドイツとアメリカの二重国籍を保有している」となっているが、トーナメントにはドイツ国籍のまま出場している。

ハースは2010年に音楽プロデューサーのデイヴィッド・フォスターの娘である女優サラ・フォスターと結婚して1児がいる。

2012年のゲリー・ウェバー・オープンでは主催者推薦での出場から決勝に進出。フェデラーを7–6(5), 6-4で破り3年ぶりのツアー13勝目を挙げた。ハースがフェデラーに勝ったのは2002年全豪オープン以来10年ぶりで対フェデラー戦の連敗を9で止めた。10月18日、通算500勝達成。

2013年3月のマイアミ・マスターズでは4回戦で世界ランキング1位のジョコビッチを6-2, 6-4で破りベスト4に進出した。全仏オープンでは2009年ウィンブルドン選手権以来の4大大会シングルスでベスト8に進出した。35歳での4大大会ベスト8進出は2005年全米オープンアンドレ・アガシ以来8年ぶりの快挙であった。準々決勝ではジョコビッチに3-6, 6-7(5), 5-7で敗れた。

その後怪我で2016年を欠場するが、ハースは2017年全豪オープンで2015年10月以来の公式戦に出場した。復帰戦の全豪オープンでは1回戦でブノワ・ペールに敗れた。7月のメルセデス・カップ2回戦でロジャー・フェデラーを 2-6, 7-6(8), 6-4 で破る殊勲を挙げた。これが最後の勝利となった。8月のキッツビュール大会の1回戦でヤン=レナード・ストルフに敗れた試合が最後の出場になり、2018年3月、現役引退を発表した[1]が、2020年の夏に現役復帰した。

ATPツアー決勝進出結果[編集]

シングルス: 28回 (15勝13敗)[編集]

大会グレード
グランドスラム (0-0)
オリンピック (0-1)
ATPファイナルズ (0-0)
グランドスラム・カップ (0–1)
ATPツアー・マスターズ1000 (1-1)
ATPツアー500 (5-4)
ATPツアー250 (9-6)
サーフェス別タイトル
ハード (11-6)
クレー (2-4)
芝 (2-0)
カーペット (0-3)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
準優勝 1. 1997年10月13日 フランスの旗 リヨン カーペット (室内) フランスの旗 ファブリス・サントロ 4-6, 4-6
準優勝 2. 1998年10月19日 フランスの旗 リヨン カーペット (室内) スペインの旗 アレックス・コレチャ 6-2, 6-7(6-8), 1-6
準優勝 3. 1999年1月11日 ニュージーランドの旗 オークランド ハード オランダの旗 チャン・シャルケン 4-6, 4-6
優勝 1. 1999年2月15日 アメリカ合衆国の旗 メンフィス ハード (室内) アメリカ合衆国の旗 ジム・クーリエ 6-4, 6-1
準優勝 4. 1999年7月19日 ドイツの旗 シュトゥットガルト クレー スウェーデンの旗 マグヌス・ノーマン 7-6(8-6), 6-4, 6-7(7-9), 0-6, 3-6
準優勝 5. 1999年10月4日 ドイツの旗 ミュンヘン カーペット (室内) イギリスの旗 グレグ・ルーゼドスキー 3-6, 4-6, 7–6(7-5), 6–7(5-7)
準優勝 6. 2000年5月1日 ドイツの旗 ミュンヘン クレー アルゼンチンの旗 フランコ・スキラーリ 4-6, 4-6
準優勝 7. 2000年10月1日 オーストラリアの旗 シドニー五輪 ハード ロシアの旗 エフゲニー・カフェルニコフ 6-7(4-7), 6-3, 2-6, 6-4, 3-6
準優勝 8. 2000年10月9日 オーストリアの旗 ウィーン ハード (室内) イギリスの旗 ティム・ヘンマン 4-6, 4-6, 4-6
優勝 2. 2001年1月7日 オーストラリアの旗 アデレード ハード チリの旗 ニコラス・マスー 6-3, 6-1
優勝 3. 2001年8月20日 アメリカ合衆国の旗 ロングアイランド ハード アメリカ合衆国の旗 ピート・サンプラス 6-3, 3-6, 6-2
優勝 4. 2001年10月8日 オーストリアの旗 ウィーン ハード (室内) アルゼンチンの旗 ギリェルモ・カナス 6-2, 7-6(8-6), 6-4
優勝 5. 2001年10月15日 ドイツの旗 シュトゥットガルト ハード (室内) ベラルーシの旗 マックス・ミルヌイ 6-2, 6-2, 6-2
準優勝 9. 2002年5月6日 イタリアの旗 ローマ クレー アメリカ合衆国の旗 アンドレ・アガシ 3-6, 3-6, 0-6
優勝 6. 2004年4月19日 アメリカ合衆国の旗 ヒューストン クレー アメリカ合衆国の旗 アンディ・ロディック 6-3, 6-4
優勝 7. 2004年7月12日 アメリカ合衆国の旗 ロサンゼルス ハード ドイツの旗 ニコラス・キーファー 7-6(8-6), 6-4
優勝 8. 2006年2月5日 アメリカ合衆国の旗 デルレイビーチ ハード ベルギーの旗 グザビエ・マリス 6-3, 3-6, 7-6(7-5)
優勝 9. 2006年2月25日 アメリカ合衆国の旗 メンフィス ハード (室内) スウェーデンの旗 ロビン・セーデリング 6-3, 6-2
優勝 10. 2006年7月31日 アメリカ合衆国の旗 ロサンゼルス ハード ロシアの旗 ドミトリー・トゥルスノフ 4-6, 7-5, 6-3
優勝 11. 2007年2月25日 アメリカ合衆国の旗 メンフィス ハード (室内) アメリカ合衆国の旗 アンディ・ロディック 6-2, 6-3
優勝 12. 2009年6月14日 ドイツの旗 ハレ セルビアの旗 ノバク・ジョコビッチ 6-3, 6-7(4-7), 6-1
優勝 13. 2012年6月17日 ドイツの旗 ハレ スイスの旗 ロジャー・フェデラー 7-6(7-5), 6-4
準優勝 10. 2012年7月22日 ドイツの旗 ハンブルク クレー アルゼンチンの旗 フアン・モナコ 5-7, 4-6
準優勝 11. 2012年8月5日 アメリカ合衆国の旗 ワシントンD.C. ハード ウクライナの旗 アレクサンドル・ドルゴポロフ 7-6(9-7), 4-6, 1-6
準優勝 12. 2013年2月17日 アメリカ合衆国の旗 サンノゼ ハード (室内) カナダの旗 ミロシュ・ラオニッチ 4-6, 3-6
優勝 14. 2013年5月5日 ドイツの旗 ミュンヘン クレー ドイツの旗 フィリップ・コールシュライバー 6-3, 7-6(7-3)
優勝 15. 2013年10月20日 オーストリアの旗 ウィーン ハード (室内) オランダの旗 ロビン・ハーセ 6-3, 4-6, 6-4
準優勝 13. 2014年2月9日 クロアチアの旗 ザグレブ ハード (室内) クロアチアの旗 マリン・チリッチ 3-6, 4-6

ダブルス: 1回 (1勝0敗)[編集]

結果 No. 決勝日 大会 サーフェス パートナー 対戦相手 スコア
優勝 1. 2009年2月15日 アメリカ合衆国の旗 サンノゼ ハード
(室内)
チェコの旗 ラデク・ステパネク インドの旗 ロハン・ボパンナ
フィンランドの旗 ヤルコ・ニエミネン
6-2, 6-3

4大大会シングルス成績[編集]

略語の説明
 W   F  SF QF #R RR Q# LQ  A  Z# PO  G   S   B  NMS  P  NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

大会 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 通算成績
全豪オープン A A 1R SF 2R 2R SF A A 2R 4R SF A 3R 3R A 2R 1R 1R A A 1R 26–14
全仏オープン A A 1R 3R 3R 2R 4R A 1R 3R 3R A A 4R A 1R 3R QF 1R A A A 21–13
ウィンブルドン A 2R 3R 3R 3R 1R A A 2R 1R 3R 4R 3R SF A 1R 1R 4R A 2R A 1R 24–15
全米オープン 1R 3R 2R 4R 2R 4R 4R A QF 3R QF QF 2R 3R A 3R 1R 3R A 1R A A 34–17

: 2007年ウィンブルドンの不戦敗は通算成績に含まない

脚注[編集]

外部リンク[編集]

受賞
先代
オーストラリアの旗 マーク・フィリプーシス
アルゼンチンの旗 フアン・マルティン・デル・ポトロ
ATPカムバック賞
2004
2012
次代
アメリカ合衆国の旗 ジェームズ・ブレーク
スペインの旗 ラファエル・ナダル