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チベット文字 (Unicodeのブロック)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
チベット文字 (Unicodeのブロック)
Tibetan
範囲 U+0F00..U+0FFF
(256 個の符号位置)
基本多言語面
用字 チベット文字
主な言語・文字体系
割当済 211 個の符号位置
未使用 45 個の保留
Unicodeのバージョン履歴
2.0 168 (+168)
3.0 193 (+25)
4.1 195 (+2)
5.1 201 (+6)
5.2 205 (+4)
6.0 211 (+6)
公式ページ
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チベット文字(チベットもじ、英語: Tibetan)は、Unicodeの35個目のブロック

解説

[編集]

中華人民共和国チベット自治区に居住するチベット人に話され、チベット仏教の聖典言語にもなっているチベット語や、ヒマラヤ山脈に位置するブータン王国の公用語であるゾンカ語ネパールインドシッキム州などで話されるシッキム語シェルパ語カシミール地方で話されるラダック語バルティ語の表記に用いられるチベット文字を収録している。なお、チベット文字はブータンではボディ(Bodhi; 菩提)文字と呼ばれている[1]

チベット文字はブラーフミー文字から派生した所謂ブラーフミー系文字(インド系文字)の一つであり、音素文字のうち子音字単独では短母音/-a/を伴って発音され、別の母音にする際に母音記号を付加することで発音を切り替えるアブギダに分類される。

デーヴァナーガリー文字などのインドの文字とは異なり、頭子音のない独立した母音を表す文字が存在しない。代わりに頭子音のない母音を表す場合は無子音であることを表す子音字(U+0F68 ཨ)を用いて表現する。なお、チベット文字では無子音であることと声門破裂音[ʔ]を伴うこと(チベット文字:U+0F60 འ)を文字の上で区別する。

書字方向ラテン文字キリル文字などと同様に左から右へと横書き(左横書き)し、下に行を送る。単語毎の分かち書きはせず、代わりに音節ごとにtsheg(U+0F0B ་)と呼ばれる記号を挟む。

子音字は有声音無声音の弁別に加えて、無声音については有気音であるか無気音であるかを区別していた。そのため、各調音点における破裂音には計3種類の子音字が存在していた。現在のチベット語では有声無気音は無声有気音に合流している。現在はこれらの有声音/無声音の弁別の代わりに声調の規則の変化が対応付けられており、子音字にはその規則ごとに高子音字・低子音字の2つのグループに大別される。なお、サンスクリット語の音訳のために有声有気音や反舌音用の文字などが拡張文字として用意されている。子音字は組合せによって発音が大きく変化し、変化規則も複雑であるため綴りと発音には大きな乖離が生じている。

母音字については他の多くのブラーフミー系文字に見られるような母音の長短はチベット語では区別されないが、サンスクリット語の音訳のために母音の長短によって文字を書き分けられるようになっている。

符号位置の順序はおおむね伝統的なブラーフミー系文字の順序に従っている。

加えて、アラビア文字タイ文字などと同様に独自の数字体系(チベット数字)を有している。

Unicodeのバージョン2.0で初めて追加された。

収録文字

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ラテン文字転写」の列はチベット文字のラテン文字への翻字方式の一つであるワイリー方式に従う。

コード 文字 文字名(英語) 用例・説明 ラテン文字転写
音節文字
U+0F00 TIBETAN SYLLABLE OM チベット仏教などにおける聖音のオームを表す記号。
ヘッドマーク
U+0F01 TIBETAN MARK GTER YIG MGO TRUNCATED A テルマという宗教の聖典でテキストの始まりを表す。
U+0F02 TIBETAN MARK GTER YIG MGO -UM RNAM BCAD MA
U+0F03 TIBETAN MARK GTER YIG MGO-UM GTER TSHEG MA テルマという宗教の聖典でテキストの始まりを表す。
U+0F04 TIBETAN MARK INITIAL YIG MGO MDUN MA 敬称(honorific)、テキストの始まりまたは新しいページの始まりを示す記号[1]
U+0F05 TIBETAN MARK CLOSING YIG MGO SGAB MA yig-mgoに後続して連結する[1]。例えば༄༅や༄༅༅のような形でテキストの始まりまたは新しいページの始まりを示す一塊の記号として振舞う。
U+0F06 TIBETAN MARK CARET YIG MGO PHUR SHAD MA 非常に古いチベット語の文献におけるyig-mgoの形状。テキストの始まりを表す。
U+0F07 TIBETAN MARK YIG MGO TSHEG SHAD MA
マークと記号
U+0F08 TIBETAN MARK SBRUL SHAD トピックとサブトピックに相当する意味のセクションを分離する[1]。多くの場合、テキストのコレクション内で新しいテキストの開始を示し、章を区切り、挿入されたテキストを囲む。
U+0F09 TIBETAN MARK BSKUR YIG MGO ブータンで使用されるリスト列挙子[1]ブレットのような働きをする。
U+0F0A TIBETAN MARK BKA- SHOG YIG MGO ブータンで使用される請願の敬称(honorific)[1]
U+0F0B TIBETAN MARK INTERSYLLABIC TSHEG 形態素(おおよその意味)区切り文字[1]。音節の境界に置かれる。

通常のtsheg、この位置での改行が可能である[1]

Unicodeの文字名は誤称である[1]

U+0F0C TIBETAN MARK DELIMITER TSHEG BSTAR 改行禁止のtsheg。この位置での行の改行を禁止する[1]

Unicodeの文字名は誤称である[1]

U+0F0D TIBETAN MARK SHAD テキストの節の終わりを示す (tshig-grub)[1]
U+0F0E TIBETAN MARK NYIS SHAD トピック全体の終わりを示す(don-tshan)[1]
U+0F0F TIBETAN MARK TSHEG SHAD U+0F11 ༑ TIBETAN MARK RIN CHEN SPUNGS SHADの異体字。
U+0F10 TIBETAN MARK NYIS TSHEG SHAD U+0F11 ༑ TIBETAN MARK RIN CHEN SPUNGS SHADの異体字。
U+0F11 TIBETAN MARK RIN CHEN SPUNGS SHAD 新しい行を開始するtsheg-barに続くshad[1]。孤立した単一の音節の後の shad を置き換え、読者に前の音節が前の行のテキストから続いていることを示す。
U+0F12 TIBETAN MARK RGYA GRAM SHAD テルマのテキストではyig mgo(༄༅། །)の代わりに使用されることがある。テキストの冒頭であることを示す。
U+0F13 TIBETAN MARK CARET-DZUD RTAGS ME LONG CAN テキストを挿入すべき箇所を示す。欧文におけるキャレットにあたる。
U+0F14 TIBETAN MARK GTER TSHEG カンマのようなテキスト区切り文字として用いられる[1]テルマのテキストのshadとその変種の代わりに用いられる。
占星術用記号
U+0F15 TIBETAN LOGOTYPE SIGN CHAD RTAGS
U+0F16 TIBETAN LOGOTYPE SIGN LHAG RTAGS
U+0F17 TIBETAN ASTROLOGICAL SIGN SGRA GCAN-CHAR RTAGS
U+0F18 TIBETAN ASTROLOGICAL SIGN -KHYUD PA 数字に結合する結合文字[1]
U+0F19 TIBETAN ASTROLOGICAL SIGN SDONG TSHUGS 数字に結合する結合文字[1]
U+0F1A TIBETAN SIGN RDEL DKAR GCIG
U+0F1B TIBETAN SIGN RDEL DKAR GNYIS
U+0F1C TIBETAN SIGN RDEL DKAR GSUM
U+0F1D TIBETAN SIGN RDEL NAG GCIG
U+0F1E TIBETAN SIGN RDEL NAG GNYIS
U+0F1F TIBETAN SIGN RDEL DKAR RDEL NAG 通常は中立的な運勢を示す[1]

早い時間に幸運が訪れ、その後不運が訪れることを意味することもある[1]

数字
U+0F20 TIBETAN DIGIT ZERO チベット文字における数字の0 0
U+0F21 TIBETAN DIGIT ONE チベット文字における数字の1 1
U+0F22 TIBETAN DIGIT TWO チベット文字における数字の2 2
U+0F23 TIBETAN DIGIT THREE チベット文字における数字の3 3
U+0F24 TIBETAN DIGIT FOUR チベット文字における数字の4 4
U+0F25 TIBETAN DIGIT FIVE チベット文字における数字の5 5
U+0F26 TIBETAN DIGIT SIX チベット文字における数字の6 6
U+0F27 TIBETAN DIGIT SEVEN チベット文字における数字の7 7
U+0F28 TIBETAN DIGIT EIGHT チベット文字における数字の8 8
U+0F29 TIBETAN DIGIT NINE チベット文字における数字の9 9
1/2が引かれた数字
U+0F2A TIBETAN DIGIT HALF ONE 数値0.5を表す。
U+0F2B TIBETAN DIGIT HALF TWO 数値1.5を表す。
U+0F2C TIBETAN DIGIT HALF THREE 数値2.5を表す。
U+0F2D TIBETAN DIGIT HALF FOUR 数値3.5を表す。
U+0F2E TIBETAN DIGIT HALF FIVE 数値4.5を表す。
U+0F2F TIBETAN DIGIT HALF SIX 数値5.5を表す。
U+0F30 TIBETAN DIGIT HALF SEVEN 数値6.5を表す。
U+0F31 TIBETAN DIGIT HALF EIGHT 数値7.5を表す。
U+0F32 TIBETAN DIGIT HALF NINE 数値8.5を表す。
U+0F33 TIBETAN DIGIT HALF ZERO 数値-0.5を表す。
マークと記号
U+0F34 TIBETAN MARK BSDUS RTAGS チベット文字における繰り返し記号。直前の音節を2回繰り返して発音することを表す[1]
U+0F35 TIBETAN MARK NGAS BZUNG NYI ZLA 敬称、強調。下線のように使用される[1]。結合文字。
U+0F36 TIBETAN MARK CARET -DZUD RTAGS BZHI MIG CAN テキスト挿入または注釈の箇所を示す[1]
U+0F37 TIBETAN MARK NGAS BZUNG SGOR RTAGS 強調。下線のように使用される[1]。結合文字。
U+0F38 TIBETAN MARK CHE MGO che mgoは「大きな頭」という意味で、ダライ・ラマや、大きな尊敬を必要とする他の重要なラマ化身ラマの名前に言及する前に用いられる。
U+0F39 TIBETAN MARK TSA -PHRU 軟音化記号[1]。子音字/c/を/ts/に変化させるときなどに用いる。

バルティ語では子音[x]を表すために子音字kha (ཁ)にこの記号を付けて"ཁ༹"としている。

対になる約物
U+0F3A TIBETAN MARK GUG RTAGS GYON チベット文字における開き括弧
U+0F3B TIBETAN MARK GUG RTAGS GYAS チベット文字における閉じ括弧[1]
U+0F3C TIBETAN MARK ANG KHANG GYON 屋根の上に括弧を付けるために用いられる。
U+0F3D TIBETAN MARK ANG KHANG GYAS 屋根の上に括弧を付けるために用いられる[1]
占星術用記号
U+0F3E TIBETAN SIGN YAR TSHES 数字に結合する結合文字[1]
U+0F3F ༿ TIBETAN SIGN MAR TSHES 数字に結合する結合文字[1]
子音字
U+0F40 TIBETAN LETTER KA 子音[k]を表す高子音字。 k
U+0F41 TIBETAN LETTER KHA 子音[kʰ]を表す高子音字。 kh
U+0F42 TIBETAN LETTER GA 子音[kʰ]を表す低子音字。元々は子音[ɡ]を表していた。 g
U+0F43 གྷ TIBETAN LETTER GHA サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。子音[ɡʱ]を表す。 gh
U+0F44 TIBETAN LETTER NGA 子音[ŋ]を表す低子音字。 ng
U+0F45 TIBETAN LETTER CA 子音[c]を表す高子音字。 c
U+0F46 TIBETAN LETTER CHA 子音[cʰ]を表す高子音字。 ch
U+0F47 TIBETAN LETTER JA 子音[cʰ]を表す低子音字。元々は子音[ɟ]を表していた。 j
U+0F48 (予約済み) jh
U+0F49 TIBETAN LETTER NYA 子音[ɲ]を表す低子音字。 ny
U+0F4A TIBETAN LETTER TTA サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。子音[ʈ]を表す。 T
U+0F4B TIBETAN LETTER TTHA サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。子音[ʈʰ]を表す。 Th
U+0F4C TIBETAN LETTER DDA サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。子音[ɖ]を表す。 D
U+0F4D ཌྷ TIBETAN LETTER DDHA サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。子音[ɖʱ]を表す。 Dh
U+0F4E TIBETAN LETTER NNA サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。子音[ɳ]を表す。 N
U+0F4F TIBETAN LETTER TA 子音[t]を表す高子音字。 t
U+0F50 TIBETAN LETTER THA 子音[tʰ]を表す高子音字。 th
U+0F51 TIBETAN LETTER DA 子音[tʰ]を表す低子音字。元々は子音[d]を表していた。 d
U+0F52 དྷ TIBETAN LETTER DHA サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。子音[dʱ]を表す。 dh
U+0F53 TIBETAN LETTER NA 子音[n]を表す低子音字。 n
U+0F54 TIBETAN LETTER PA 子音[p]を表す高子音字。 p
U+0F55 TIBETAN LETTER PHA 子音[pʰ]を表す高子音字。 ph
U+0F56 TIBETAN LETTER BA 子音[pʰ]を表す低子音字。元々は子音[b]を表していた。 b
U+0F57 བྷ TIBETAN LETTER BHA サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。子音[bʱ]を表す。 bh
U+0F58 TIBETAN LETTER MA 子音[m]を表す低子音字。 m
U+0F59 TIBETAN LETTER TSA 子音[t͡s]を表す高子音字。 ts
U+0F5A TIBETAN LETTER TSHA 子音[t͡sʰ]を表す高子音字。 tsh
U+0F5B TIBETAN LETTER DZA 子音[t͡sʰ]を表す低子音字。元々は子音[d͡z]を表していた。 dz
U+0F5C ཛྷ TIBETAN LETTER DZHA サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。子音[d͡zʱ]を表す。 dzh
U+0F5D TIBETAN LETTER WA 子音[w]を表す低子音字。 w
U+0F5E TIBETAN LETTER ZHA 子音[ɕ]を表す低子音字。元々は子音[ʑ]を表していた。 zh
U+0F5F TIBETAN LETTER ZA 子音[s]を表す低子音字。元々は子音[z]を表していた。 z
U+0F60 TIBETAN LETTER -A 子音[ʔ]を表す低子音字。 '
U+0F61 TIBETAN LETTER YA 子音[j]を表す低子音字。 y
U+0F62 TIBETAN LETTER RA 子音[ɹ]を表す低子音字。

後に下接文字が続く場合はra mgoと呼ばれる形状に変化する[1]

r
U+0F63 TIBETAN LETTER LA 子音[l]を表す低子音字。 l
U+0F64 TIBETAN LETTER SHA 子音[ɕ]を表す高子音字。 sh
U+0F65 TIBETAN LETTER SSA サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。子音[ʂ]を表す。 Sh
U+0F66 TIBETAN LETTER SA 子音[s]を表す高子音字。 s
U+0F67 TIBETAN LETTER HA 子音[h]を表す高子音字。 h
U+0F68 TIBETAN LETTER A 頭子音の無い無子音の母音であることを表す高子音字。
U+0F69 ཀྵ TIBETAN LETTER KSSA サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。子音列[kʂ]を表す。 kSh
U+0F6A TIBETAN LETTER FIXED-FORM RA 通常の子音r(0F62 ར)の形態変化を示さない定型文字[1]

翻字と転写にのみ使用される[1]

バルティ語用の拡張
U+0F6B TIBETAN LETTER KKA バルティ語で子音[q]を表す。 q
U+0F6C TIBETAN LETTER RRA バルティ語で子音[ɽ]を表す。 ɽ
従属母音記号
U+0F71 TIBETAN VOWEL SIGN AA サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。長母音[aː]を表す。 A
U+0F72 TIBETAN VOWEL SIGN I 母音[i]を表す。 i
U+0F73 ཱི TIBETAN VOWEL SIGN II サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。長母音[iː]を表す。 I
U+0F74 TIBETAN VOWEL SIGN U 母音[u]を表す。 u
U+0F75 ཱུ TIBETAN VOWEL SIGN UU サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。長母音[uː]を表す。 U
U+0F76 ྲྀ TIBETAN VOWEL SIGN VOCALIC R サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。

音節主音化した短母音としてのR(IPA:[ɹ̩])を表す。

r-i
U+0F77 TIBETAN VOWEL SIGN VOCALIC RR サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。

音節主音化した長母音としてのR(IPA:[ɹ̩ː])を表す。

r-I
U+0F78 ླྀ TIBETAN VOWEL SIGN VOCALIC L サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。

音節主音化した短母音としてのL(IPA:[l̩])を表す。

l-i
U+0F79 TIBETAN VOWEL SIGN VOCALIC LL サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。

音節主音化した長母音としてのL(IPA:[l̩ː])を表す。 この文字は非推奨であり、使用は強く推奨されない[1]

l-I
U+0F7A TIBETAN VOWEL SIGN E 母音[e]を表す。 e
U+0F7B TIBETAN VOWEL SIGN EE サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。二重母音[aɪ]を表す。 ai
U+0F7C TIBETAN VOWEL SIGN O 母音[o]を表す。 o
U+0F7D TIBETAN VOWEL SIGN OO サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。二重母音[aʊ]を表す。 au
発声修飾子
U+0F7E TIBETAN SIGN RJES SU NGA RO 直後に音節が後続する子音字に付き、直後の子音と同じ調音点鼻音が挿入されることを表す。デーヴァナーガリーなどにおけるアヌスヴァーラに相当する。 aM
U+0F7F ཿ TIBETAN SIGN RNAM BCAD 音節末に[h]を伴うことを表す。デーヴァナーガリーなどにおけるヴィサルガに相当する。 aH
従属母音記号
U+0F80 TIBETAN VOWEL SIGN REVERSED I
U+0F81 ཱྀ TIBETAN VOWEL SIGN REVERSED II この文字の使用は推奨されない[1]
マークと記号
U+0F82 TIBETAN SIGN NYI ZLA NAA DA
U+0F83 TIBETAN SIGN SNA LDAN 母音字や母音記号に付き、母音を鼻母音で発音することを表す。デーヴァナーガリーなどにおけるチャンドラビンドゥに相当する[1] a~M
U+0F84 TIBETAN MARK HALANTA 殺母音記号。母音/-a/を発音せず子音のみが読まれることを表す。デーヴァナーガリーなどにおけるヴィラーマに相当する[1] ?
U+0F85 TIBETAN MARK PALUTA サンスクリット語のアヴァグラハ[1]の音訳に用いられる。

連音サンディ)によって語頭の母音 a が消えたことを表す。

U+0F86 TIBETAN SIGN LCI RTAGS
U+0F87 TIBETAN SIGN YANG RTAGS
翻字用頭文字
U+0F88 TIBETAN SIGN LCE TSA CAN
U+0F89 TIBETAN SIGN MCHU CAN モンゴル文字及び満州文字からの翻字で用いられる。U+1884 ᢄ MONGOLIAN LETTER ALI GALI INVERTED UBADAMAに対応する[2]
U+0F8A TIBETAN SIGN GRU CAN RGYINGS 必ず0F82 ྂ TIBETAN SIGN NYI ZLA NAA DAが後続する[1]
U+0F8B TIBETAN SIGN GRU MED RGYINGS
U+0F8C TIBETAN SIGN INVERTED MCHU CAN モンゴル文字及び満州文字からの翻字で用いられる。U+1883 ᢃ MONGOLIAN LETTER ALI GALI UBADAMAに対応する[2]
翻字用の下接記号
U+0F8D TIBETAN SUBJOINED SIGN LCE TSA CAN 通常lce tsa can (0F88 ྈ)は子音字と同じ位置に現れ、その下に別の下接子音記号が付くことが多いが、稀に下接記号の位置にこの記号が書かれることがあるため用意されている[2]
U+0F8E TIBETAN SUBJOINED SIGN MCHU CAN 通常mchu can (0F85 ྉ)は子音字と同じ位置に現れ、その下に別の下接子音記号が付くことが多いが、稀に下接記号の位置にこの記号が書かれることがあるため用意されている[2]
U+0F8F TIBETAN SUBJOINED SIGN INVERTED MCHU CAN 通常inverted mchu can (0F8C ྌ)は子音字と同じ位置に現れ、その下に別の下接子音記号が付くことが多いが、稀に下接記号の位置にこの記号が書かれることがあるため用意されている[2]
下接子音記号
U+0F90 TIBETAN SUBJOINED LETTER KA 子音[k]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。 k
U+0F91 TIBETAN SUBJOINED LETTER KHA 子音[kʰ]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。 kh
U+0F92 TIBETAN SUBJOINED LETTER GA 子音[ɡ]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。 g
U+0F93 ྒྷ TIBETAN SUBJOINED LETTER GHA サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。子音[ɡʱ]を表す。 gh
U+0F94 TIBETAN SUBJOINED LETTER NGA 子音[ŋ]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。 ng
U+0F95 TIBETAN SUBJOINED LETTER CA 子音[c]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。 c
U+0F96 TIBETAN SUBJOINED LETTER CHA 子音[cʰ]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。 ch
U+0F97 TIBETAN SUBJOINED LETTER JA 子音[ɟ]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。 j
U+0F98 (予約済み) jh
U+0F99 TIBETAN SUBJOINED LETTER NYA 子音[ɲ]を表す低子音字。 ny
U+0F9A TIBETAN SUBJOINED LETTER TTA サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。子音[ʈ]を表す。 T
U+0F9B TIBETAN SUBJOINED LETTER TTHA サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。子音[ʈʰ]を表す。 Th
U+0F9C TIBETAN SUBJOINED LETTER DDA サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。子音[ɖ]を表す。 D
U+0F9D ྜྷ TIBETAN SUBJOINED LETTER DDHA サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。子音[ɖʱ]を表す。 Dh
U+0F9E TIBETAN SUBJOINED LETTER NNA サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。子音[ɳ]を表す。 N
U+0F9F TIBETAN SUBJOINED LETTER TA 子音[t]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。 t
U+0FA0 TIBETAN SUBJOINED LETTER THA 子音[tʰ]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。 th
U+0FA1 TIBETAN SUBJOINED LETTER DA 子音[d]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。 d
U+0FA2 ྡྷ TIBETAN SUBJOINED LETTER DHA サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。子音[dʱ]を表す。 dh
U+0FA3 TIBETAN SUBJOINED LETTER NA 子音[n]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。 n
U+0FA4 TIBETAN SUBJOINED LETTER PA 子音[p]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。 p
U+0FA5 TIBETAN SUBJOINED LETTER PHA 子音[pʰ]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。 ph
U+0FA6 TIBETAN SUBJOINED LETTER BA 子音[b]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。 b
U+0FA7 ྦྷ TIBETAN SUBJOINED LETTER BHA サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。子音[bʱ]を表す。 bh
U+0FA8 TIBETAN SUBJOINED LETTER MA 子音[m]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。 m
U+0FA9 TIBETAN SUBJOINED LETTER TSA 子音[t͡s]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。 ts
U+0FAA TIBETAN SUBJOINED LETTER TSHA 子音[t͡sʰ]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。 tsh
U+0FAB TIBETAN SUBJOINED LETTER DZA 子音[d͡z]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。 dz
U+0FAC ྫྷ TIBETAN SUBJOINED LETTER DZHA サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。子音[d͡zʱ]を表す。 dzh
U+0FAD TIBETAN SUBJOINED LETTER WA 子音[w]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。

通常の子音字とは形状が大きく異なる。

w
U+0FAE TIBETAN SUBJOINED LETTER ZHA 子音[ʑ]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。 zh
U+0FAF TIBETAN SUBJOINED LETTER ZA 子音[z]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。 z
U+0FB0 TIBETAN SUBJOINED LETTER -A 子音[ʔ]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。使用はまれで、フルサイズの連結文字にのみ用いられる[1] '
U+0FB1 TIBETAN SUBJOINED LETTER YA 子音[j]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。

通常の子音字とは形状が大きく異なる。

y
U+0FB2 TIBETAN SUBJOINED LETTER RA 子音[ɹ]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。

通常の子音字とは形状が大きく異なる。

r
U+0FB3 TIBETAN SUBJOINED LETTER LA 子音[l]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。 l
U+0FB4 TIBETAN SUBJOINED LETTER SHA 子音[ɕ]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。 sh
U+0FB5 TIBETAN SUBJOINED LETTER SSA サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。子音[ʂ]を表す。 Sh
U+0FB6 TIBETAN SUBJOINED LETTER SA 子音[s]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。 s
U+0FB7 TIBETAN SUBJOINED LETTER HA 子音[h]を表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。 h
U+0FB8 TIBETAN SUBJOINED LETTER A 無子音であることを表す。但し現在のチベット語では発音されないことが多い。
U+0FB9 ྐྵ TIBETAN SUBJOINED LETTER KSSA サンスクリット語の音訳にのみ用いられる。子音列[kʂ]を表す。 kSh
固定形式の下接子音記号
U+0FBA TIBETAN SUBJOINED LETTER FIXED-FORM WA w
U+0FBB TIBETAN SUBJOINED LETTER FIXED-FORM YA y
U+0FBC TIBETAN SUBJOINED LETTER FIXED-FORM RA r
記号
U+0FBE TIBETAN KU RU KHA 3回繰り返されることが多い。繰り返しを示す[1]
U+0FBF ྿ TIBETAN KU RU KHA BZHI MIG CAN テキスト挿入または注釈の箇所を示す[1]
朗唱用記号
U+0FC0 TIBETAN CANTILLATION SIGN HEAVY BEAT 重いドラムの音を表す[1]
U+0FC1 TIBETAN CANTILLATION SIGN LIGHT BEAT 軽いドラムの音を表す[1]
U+0FC2 TIBETAN CANTILLATION SIGN CANG TE-U 小さなチベットの手持ちの鼓を表すシンボル[1]
U+0FC3 TIBETAN CANTILLATION SIGN SBUB -CHAL チベットのシンバルのシンボル[1]
シンボル
U+0FC4 TIBETAN SYMBOL DRIL BU チベットのハンドベルのシンボル[1]
U+0FC5 TIBETAN SYMBOL RDO RJE
U+0FC6 TIBETAN SYMBOL PADMA GDAN
U+0FC7 TIBETAN SYMBOL RDO RJE RGYA GRAM
U+0FC8 TIBETAN SYMBOL PHUR PA
U+0FC9 TIBETAN SYMBOL NOR BU
U+0FCA TIBETAN SYMBOL NOR BU NYIS -KHYIL 二体(double body)のシンボル[1]
U+0FCB TIBETAN SYMBOL NOR BU GSUM -KHYIL tri-kaya或いは三体(triple body)のシンボル[1]
U+0FCC TIBETAN SYMBOL NOR BU BZHI -KHYIL 四体(quadruple body)のシンボル、記号の一種[1]
占星術用記号
U+0FCE TIBETAN SIGN RDEL NAG RDEL DKAR 早い時間は不運、その後に幸運がやってくることを意味する[1]
U+0FCF TIBETAN SIGN RDEL NAG GSUM
マーク
U+0FD0 TIBETAN MARK BSKA- SHOG GI MGO RGYAN ブータンで用いられる[1]

王、導師、その他の高位の人物から身分の低い者への命令の文書の冒頭に書かれる[3]

U+0FD1 TIBETAN MARK MNYAM YIG GI MGO RGYAN ブータンで用いられる[1]

同等の身分の者への文書の冒頭に書かれる[3]

U+0FD2 TIBETAN MARK NYIS TSHEG 古い文献で用いられ、通常のtseg記号(0F0B ་)と同様に音節境界を表す。通常の音節区切り機能に加えて、セクションの終わりを示すために複数本のshad記号(0F0D །)の間に配置されることがある[4]
ヘッドマーク
U+0FD3 TIBETAN MARK INITIAL BRDA RNYING YIG MGO MDUN MA かつてU+0F04 ༄ TIBETAN MARK INITIAL YIG MGO MDUN MAはこのような形状で書かれていた[5]
U+0FD4 TIBETAN MARK CLOSING BRDA RNYING YIG MGO SGAB MA かつてU+0F05 ༅ TIBETAN MARK CLOSING YIG MGO SGAB MAはこのような形状で書かれていた[5]
宗教のシンボル
U+0FD5 RIGHT-FACING SVASTI SIGN インドでは幸運と幸福の象徴として用いられる[1]

」は本来はこの形が正しい字形であったが、日本では左右反転した形で定着している。

漢字化したものがU+5350 卐である。

U+0FD6 LEFT-FACING SVASTI SIGN 日本などではこの字形が記号として定着している。

日本の地図記号では寺院を表す。 漢字化したものがU+534D 卍である。

U+0FD7 RIGHT-FACING SVASTI SIGN WITH DOTS
U+0FD8 LEFT-FACING SVASTI SIGN WITH DOTS
註釈記号
U+0FD9 TIBETAN MARK LEADING MCHAN RTAGS 通常の文章と註釈とを結び、註釈がこの記号の前にあることを表す[6]
U+0FDA TIBETAN MARK TRAILING MCHAN RTAGS 通常の文章と註釈とを結び、註釈がこの記号の後ろにあることを表す。通常はこちらの記号が註釈に用いられる[6]

小分類

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このブロックの小分類は「音節文字」(Syllable)、「ヘッドマーク」(Head marks)、「マークと記号」(Marks and signs)、「占星術用記号」(Astrological signs)、「数字」(Digits)、「1/2が引かれた数字」(Digits minus half)、「対になる約物」(Paired punctuation)、「子音字」(Consonants)、「バルティ語用の拡張」(Extensions for Balti)、「従属母音記号」(Dependent vowel signs)、「発声修飾子」(Vocalic modification)、「翻字用頭文字」(Transliteration head letters)、「翻字用の下接記号」(Transliteration subjoined signs)、「下接子音記号」(Subjoined consonants)、「固定形式の下接子音記号」(Fixed-form subjoined consonants)、「記号」(Signs)、「朗唱用記号」(Cantillation signs)、「シンボル」(Symbols)、「マーク」(Marks)、「宗教のシンボル」(Religious symbols)、「註釈記号」(Annotation marks)の21個となっている[1]。本ブロックでは、Unicodeのバージョン更新時の文字追加が隙間を埋める形で行われた影響で、同一の小分類に属する文字が飛び飛びの符号位置に割り当てられていることがある。また、収録文字が1文字しかない小分類については小分類名が単数形で表現されているが、本記事では単数形か複数形かによる小分類名の表記ゆれについては別の小分類として扱わず、同一の小分類として扱うこととする。

音節文字(Syllable

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この小分類にはチベット文字のうち、聖音のオームを表す記号1つのみが収録されている。

ヘッドマーク(Head marks

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この小分類にはチベット文字のうち、テキストの冒頭に書かれる記号類が収録されている。

マークと記号(Marks and signs

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この小分類にはチベット文字のうち、様々な記号や約物などが収録されている。

占星術用記号(Astrological signs

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この小分類にはチベット文字のうち、占星術で用いられる記号が収録されている。

数字(Digits

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この小分類にはチベット文字で用いられる固有の数字が収録されている。

1/2が引かれた数字(Digits minus half

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この小分類にはチベット文字で用いられる固有の数字のうち、数値から1/2を引いた値を表す文字が収録されている。

対になる約物(Paired punctuation

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この小分類にはチベット文字のうち、2つで1対となる括弧類を収録している。

子音字(Consonants

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この小分類にはチベット文字のうち、基本的な子音字が収録されている。

バルティ語用の拡張(Extensions for Balti

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この小分類にはチベット文字のうち、インドとパキスタンの領土係争地であるカシミール地方の北部に位置するバルティスタンで話されるバルティ語を表記するための拡張子音字が収録されている。

従属母音記号(Dependent vowel signs

[編集]

この小分類にはチベット文字のうち、子音字に結合する母音記号が収録されている。

発声修飾子(Vocalic modification

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この小分類にはチベット文字のうち、子音字に結合して発音を変化させるための記号類が収録されている。

翻字用頭文字(Transliteration head letters

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この小分類にはチベット文字のうち、モンゴル文字満州文字からの翻字で用いられる、通常の子音字と同じ位置に書かれる記号類が収録されている。

翻字用の下接記号(Transliteration subjoined signs

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この小分類にはチベット文字のうち、モンゴル文字や満州文字からの翻字で用いられる、子音字の下部に結合する記号類が収録されている。Unicodeのバージョン6.0で追加された。

通常子音字と同じ位置に現れ、その下に別の下接子音記号が付くことが多い記号類について、稀に下接記号の位置に同じ記号が書かれることがあるため用意されている[2]

下接子音記号(Subjoined consonants

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この小分類にはチベット文字のうち、子音字の下部に結合して子音クラスタを表すための子音記号が収録されている。但し、現在のチベット語では書かれた通りの子音字列では読まれず、大部分が読まれない、或いは別の発音で読まれるようになっている。

WA、YA、RA の連結文字は、完全形と短縮形の両方で表示される。短縮形はそれぞれ wa.zur、ya-btags、rabtags であり、これが最も一般的で、本小分類ではこちらの字形を採用している[1]

固定形式の下接子音記号(Fixed-form subjoined consonants

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この小分類には下接子音記号のWA, YA, RAについて、通常は元の子音字から大きく字形が変化するが翻字などにおいては元の子音字と同じ形でそのまま子音字の下に書かれることがあるため、その場合の下接子音記号を収録している。

これらの文字は、音訳と転写にのみ使用される[1]

記号(Signs

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この小分類にはチベット文字のうち、約物類が収録されている。

朗唱用記号(Cantillation signs

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この小分類にはチベット文字のうち、チベット仏教などの聖典を音楽に合わせて朗唱する際に使われる楽譜で用いられる、打楽器の音を表す記号類が収録されている。

シンボル(Symbols

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この小分類にはチベット文字のうち、物や概念を模ったシンボルが収録されている。

マーク(Marks

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この小分類にはチベット文字のうち、その他の記号類が収録されている。

宗教のシンボル(Religious symbols

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この小分類には仏教などで用いられる卍記号が4種類収録されている。Unicodeのバージョン5.2で追加された。

これらの卍記号はチベット文字以外の文字体系でも使用される[1]

註釈記号(Annotation marks

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この小分類にはチベット文字のうち、註釈を表すために用いられる記号2種類が収録されている。Unicodeのバージョン6.0で追加された。収録されている。

文字コード

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チベット文字(Tibetan)[1]
Official Unicode Consortium code chart (PDF)
  0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F
U+0F0x
 NB 
U+0F1x
U+0F2x
U+0F3x ༿
U+0F4x
U+0F5x
U+0F6x
U+0F7x ཿ
U+0F8x
U+0F9x
U+0FAx
U+0FBx ྿
U+0FCx
U+0FDx
U+0FEx
U+0FFx
注釈
1.^バージョン15.1時点


履歴

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以下の表に挙げられているUnicode関連のドキュメントには、このブロックの特定の文字を定義する目的とプロセスが記録されている。

バージョン コードポイント[a] 文字数 L2 ID ドキュメント
2.0 168 (to be determined)
3.0 U+0F6A,0F96,0FAE..0FB0,0FB8,

0FBA..0FBC,0FBE..0FCC,0FCF

25 L2/98-218 Lloyd Anderson; Robert Chilton; Tony Duff; Michael Everson; Christopher Fynn; Rick McGowan; Sam Sirlin; Kenneth Whistler; Валерий Ушаков (25 May 1998), Proposal for Tibetan extensions to the UCS (英語)
L2/98-331 SC2 N3212; SC2/WG2 N1922 (28 October 1998), Combined PDAM registration and consideration ballot on WD for ISO/IEC 10646-1/Amd. 31, Universal Multiple-Octet Coded Character Set (UCS) -- Part 1: Architecture and Basic Multilingual Plane -- AMENDMENT 31: Tibetan Extension (英語)
L2/99-111 SC2 N3310 (6 April 1999), Text for FPDAM ballot of ISO/IEC 10646, Amd. 31 - Tibetan extensions (英語)
L2/99-256 SC2 N3351 (19 August 1999), Summary of voting on ISO 10646 FPDAM 31 - Tibetan extension (英語)
L2/99-308 SC2 N3369 (1 October 1999), Revised Text for FDAM ballot of ISO/IEC 10646-1/FDAM 31, - AMD. 31: Tibetan extension (see L2/99-352 !) (英語)
L2/99-352 SC2/WG2 N2130R (1 November 1999), ISO 10646-1, Amd. #31 – Tibetan with correct code charts (英語)
L2/99-361 SC2 N3385 (4 November 1999), Corrected text for ISO 10646 FDAM #31 – Tibetan (英語)
4.1 U+0FD0..0FD1 2 L2/04-007 Michael Everson; Chris Fynn (5 January 2004), Proposal to encode two Bhutanese marks for Dzongkha (N2694) (英語)
5.1 U+0F6B..0F6C 2 L2/05-244 Michael Everson (6 September 2005), Proposal to add four Tibetan characters for Balti (WG2 N2985) (英語)
L2/05-338 Andrew West (25 October 2005), Comments on N2985 – Balti Tibetan additions (WG2 N3010) (英語)
U+0FCE 1 L2/05-345 Andrew West (27 October 2005), Proposal to encode one Tibetan astrological character (WG2 N3011) (英語)
U+0FD2..0FD4 3 L2/05-346 Andrew West (27 October 2005), Proposal to encode three archaic Tibetan characters (WG2 N3012) (英語)
L2/05-347 Christopher J. Fynn (27 October 2005), Comments on: N3012 - Proposal to encode three archaic Tibetan characters (英語)
L2/06-043 Andrew West (30 January 2006), Proposal to encode one Tibetan punctuation mark (WG2 N3032) - see also L2/05-346; this splits and revises that proposal) (英語)
L2/06-044 Andrew West (30 January 2006), Proposal to encode two archaic Tibetan punctuation marks (WG2 N3033) - see also L2/05-346; this splits and revises that proposal) (英語)
5.2 U+0FD5..0FD8 4 L2/07-148 Michael Everson; Chris Fynn; Peter Scharf; Andrew West (9 May 2007), Proposal to encode four religious characters in the Tibetan block (英語)
6.0 U+0F8C..0F8F 4 L2/09-032 Andrew West (26 January 2009), Proposal to encode four Tibetan-Sanskrit letters used in Kalacakra texts (WG2 N3568) (英語)
U+0FD9..0FDA 2 L2/09-033 Andrew West (26 January 2009), Proposal to encode two Tibetan annotation marks (WG2 N3569) (英語)
  1. ^ 提案されたコードポイントと文字の名前は、最終決定と異なる場合がある。

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as at au av aw ax ay az ba bb bc bd "The Unicode Standard, Version 15.1 - U0F00.pdf" (PDF). The Unicode Standard (英語). 2024年8月10日閲覧
  2. ^ a b c d e f Andrew West (2009年1月26日). “Proposal to encode four Tibetan-Sanskrit letters used in Kalacakra texts (WG2 N3568)” (英語). Unicode. 2024年8月10日閲覧。
  3. ^ a b Michael Everson; Chris Fynn (2004年1月5日). “Proposal to encode two Bhutanese marks for Dzongkha (N2694)” (英語). Unicode. 2024年8月10日閲覧。
  4. ^ Andrew West (2006年1月30日). “Proposal to encode one Tibetan punctuation mark (WG2 N3032) - see also L2/05-346; this splits and revises that proposal)” (英語). Unicode. 2024年8月10日閲覧。
  5. ^ a b Andrew West (2006年1月30日). “Proposal to encode two archaic Tibetan punctuation marks (WG2 N3033) - see also L2/05-346; this splits and revises that proposal)” (英語). Unicode. 2024年8月10日閲覧。
  6. ^ a b Andrew West (2009年1月26日). “Proposal to encode two Tibetan annotation marks (WG2 N3569)” (英語). Unicode. 2024年8月10日閲覧。

関連項目

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