スコールライン

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渦を巻く低気圧の雲とスコールライン(中央下やや右の、細長い赤い部分)のレーダー画像

スコールライン (squall line) とは、気象用語のひとつで、寒冷前線に先駆けてやってきて雷雨や突風をもたらす小規模な前線。日本では不安定線(ふあんていせん)[1][2]、陣風線(じんぷうせん)[注 1]とも呼ばれる。

詳細[編集]

寒冷前線上では対流活動に伴い、積乱雲が発生して地上は驟雨(雷雨)、突風に見舞われる。この対流活動が発達し、寒冷前線の進行方向前方の暖気域に伸びてできる新たな対流活動域がスコールラインである[1]

寒冷前線が分裂して2列になったようなもので、一時的な気圧上昇、風向の時計回りの急変、突風、驟雨や雷など、寒冷前線本体に似た荒れた天気をもたらす[1]。 また、移動している寒冷前線よりさらに速く、"親"である寒冷前線から離れるように東へ移動する[1][4]

ただ、持続時間は比較的短く1時間程度である[4]

決して珍しい現象ではなく、気象レーダーでは線状のラインエコーが複数平行に並んだように映る。

普通の地上天気図には表れにくい[4](持続時間が短いうえ、小規模であるため)。以前の航空気象用国内悪天予想図では「強いスコールライン (SEV SQL LINE)」は予想対象のひとつであった。

メカニズム[編集]

積乱雲が「伸びる」というのは、積乱雲の世代交代と関係している。積乱雲は上昇気流で雲が湧き上がる成長期、降雨と下降気流が始まる成熟期、下降気流のみになり雲が消えていく減衰期の3つの段階に分けられ、一連の段階を数十分~1時間強の短時間で終える。

1サイクルで消える積乱雲もあるが、寒冷前線のように積乱雲を生み出す土壌(温度差と風の集束、急勾配の前線面)が整っていると、何サイクルもできては消えてを繰り返す。しかも、減衰期に発生する下降気流のうち、東向きの気流は寒冷前線面の暖気とぶつかって、ガストフロントという小規模な寒冷前線を作り出す。

ガストフロントができると、その前線面で暖気が持ち上げられて上昇気流が発生し、新たに積乱雲が発生する。これが、時に南北方向の隣の積乱雲のガストフロントとつながって南北に列をなすことがある。これがスコールラインである。

稀にスコールラインが発達して持続する場合がある。ボウエコーといって、発達しながら弓のように曲がって、高速で進行していく。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 「陣風線」はガストフロントを指す場合もある[3]

出典[編集]

  1. ^ a b c d 饒村曜、「不安定線」、『日本大百科全書(ニッポニカ)』(コトバンク収録)、小学館。
  2. ^ 不安定線」、『大辞林』<第三版>(コトバンク収録)、三省堂。
  3. ^ 岩槻秀明、『図解入門 最新気象学のキホンがよ〜くわかる本』<第3版>、秀和システム、2017年、p.397
  4. ^ a b c 「日本海難防止協会『安全運航のいろは』より ウッカリ禁物 低気圧・前線」、高松海上保安部、2018年4月18日閲覧

関連項目[編集]