ジャノリス・ジェンキンス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジャノリス・ジェンキンス
Janoris Jenkins
サンフランシスコ・フォーティナイナーズ #22
ポジション コーナーバック
生年月日 (1988-10-29) 1988年10月29日(35歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
フロリダ州パホーキー
身長: 5' 10" =約177.8cm
体重: 193 lb =約87.5kg
経歴
大学 ノースアラバマ大学
NFLドラフト 2012年 / 2巡目全体39位
初出場年 2012年
初出場チーム セントルイス・ラムズ
所属歴
2012 - 2015 セントルイス・ラムズ
2016 - 2019 ニューヨーク・ジャイアンツ
2019 - 2020 ニューオーリンズ・セインツ
2021 テネシー・タイタンズ
2022* - サンフランシスコ・49ers
*オフシーズンまたはプラクティススクワッドとしての所属のみ
受賞歴・記録
プロボウル選出(1回)
2016年
NFL 通算成績
(2018年第5週終了時点)
タックル 576回
ファンブルフォース 7回
ファンブルリカバー 2回
インターセプト 27回
タッチダウン 10回
Player stats at NFL.com
Player stats at PFR

ジャノリス・ジェンキンスJanoris Jenkins1988年10月29日 - )はフロリダ州パホーキー出身のアメリカンフットボール選手。現在はNFLのサンフランシスコ・フォーティナイナーズ所属。ポジションはコーナーバック。あだなは「ジャックラビット」[1]

経歴[編集]

プロ入りまで[編集]

高校3年次の2008年には、パレード誌よりオールアメリカンに選ばれた。またRivals.comからは4つ星に評価されて、全米で6位のコーナーバックと評価された[2]

フロリダ大学時代には1年次からレギュラーとしてプレー、BCSナショナル・チャンピオンシップ・ゲームにも出場した[3]。この年、カレッジフットボールニュース、スポーティングニュースよりフレッシュマンのオールアメリカンに選ばれた。

しかし、2009年6月1日にゲインズビルバーのそばでけんかを起こし、逮捕される際に警察に抵抗したためテイサー英語版で制圧された。警察からけんかのきっかけを尋ねられた彼は、誰かが自分の首から金のチェーンを盗もうとしたことだと語った[4]。この事件では、6ヶ月の保護観察処分を受けた。

2010年、サウスカロライナ大学アルション・ジェフリージョージア大学A・J・グリーンアラバマ大学フリオ・ジョーンズとのマッチアップで、平均4.7キャッチ、38ヤードに抑える活躍を見せてAP通信より、サウスイースタン・カンファレンスのファーストチーム、Rivals.comよりオールアメリカンのサードチームに選ばれた[5]

2011年1月と4月23日にマリファナの不法所持で逮捕された。4月26日、フロリダ大学のフットボール部は彼を追放した[6]。その後NCAAディビジョンIIのノースアラバマ大学に編入した[7]

シニアボウルで活躍[8]、ドラフトコンバインでは、40ヤード走で4秒46を出すなど、高い身体能力を示した[9]

セントルイス・ラムズ[編集]

2012年のNFLドラフト2巡でセントルイス・ラムズから指名された。7月に4年500万ドルで契約を結んだ[10]

トレーニングキャンプでは、新人のトルメイン・ジョンソン、ベテランのコートランド・フィネガンブラッドリー・フレッチャーとポジションを争い、開幕から先発コーナーバックに選ばれた。

デトロイト・ライオンズとの開幕戦ではマッチアップしたタイタス・ヤングトラッシュトークをしかけ、試合中に頭突きを受けた[11]。この試合でマシュー・スタッフォードからプロ入り初のインターセプトをあげた。第2週のワシントン・レッドスキンズ戦ではフレッド・デービスへのアンネセサリーラフネスで15,750ドルの罰金を課せられた[12]

第6週のマイアミ・ドルフィンズ戦では彼が守るレシーバーに、9本中9本のパスを決められ、マーロン・ムーアの29ヤードのTDレシーブも許した[13]。第10週のサンフランシスコ・フォーティナイナーズ戦にはチームの規律を破ったことから、インアクティブとなった[14]。第12週のアリゾナ・カージナルス戦では2インターセプト、いずれもリターンタッチダウンをあげた[15]。1試合で2インターセプトリターンTDは、NFLでは1960年のボビー・フランクリン以来となる[16]史上4人目の快挙であり、この週のNFC最優秀守備選手に選ばれた[17]。第13週のサンフランシスコ・フォーティナイナーズ戦では2ヤードのファンブルリカバーTDをあげた[18]。第16週のタンパベイ・バッカニアーズ戦でも41ヤードのインターセプトリターンTDをあげた[19]。この年先発14試合を含む15試合に出場し、73タックル、4インターセプト、4タッチダウンをあげた。パントリターナーとしても起用され9回で46ヤードをリターンしたが、3回ファンブルしている。守備選手としての4タッチダウン(インターセプト3回、ファンブルリカバー1回)はこの年のNFLトップの数字であった。この年彼はキャロル・ローゼンブルーム記念賞を受け取った。新人で3インターセプトリターンタッチダウンをあげたのは、シカゴ・ベアーズチャールズ・ティルマンに並ぶNFLタイ記録となった。

2013年もフィネガンとともに先発コーナーバックを務めた。開幕戦のアリゾナ・カージナルス戦では4タックル、シーズン最多の3パスブロックで27-24の勝利に貢献した。10月13日のヒューストン・テキサンズ戦ではT・J・イエーツをサック、NFL初サックをあげた。次のプレーで彼はイエーツのパスをインターセプト、チームは38-13で勝利した。第15週のニューオーリンズ・セインツ戦ではシーズン最多の6タックルをあげた。この年、全16試合に先発出場し、61タックル、14パスブロック、1サック、1インターセプトをあげた。

2014年E・J・ゲインズと先発コーナーバックを務めた。9月21日のダラス・カウボーイズ戦ではトニー・ロモのパスをインターセプト、25ヤードのリターンタッチダウンをあげた。第9週のシアトル・シーホークス戦ではシーズン最多の9タックルをあげた。第8週と第9週の試合をひざの負傷で欠場した。11月23日のサンディエゴ・チャージャーズ戦では4タックル、1ファンブルフォース、さらに99ヤードのインターセプトリターンタッチダウンをあげた。この年、先発13試合を含む14試合に出場し、59タックル、1ファンブルフォース、2インターセプト、2タッチダウンをあげて、チームメートのタボン・オースティンとともに、プロボウルの補欠選手に選ばれた[20]

2015年9月27日のピッツバーグ・スティーラーズ戦でシーズン最多の9タックル、ベン・ロスリスバーガーからインターセプトを奪ったがチームは6-12で敗れた。。翌週のアリゾナ・カージナルス戦でもカーソン・パーマーのパスをインターセプト、24-22の勝利に貢献した。第12週のシンシナティ・ベンガルズ戦ではアンディ・ダルトンのパスをインターセプトしたが、チームは7-31で敗れた。この年15試合に先発出場し、64タックル、16パスブロック、3インターセプトをあげた。

ニューヨーク・ジャイアンツ[編集]

2016年3月9日、5年6250万ドル(2900万ドルの保証、1000万ドルのサインボーナス)でニューヨーク・ジャイアンツと契約した[21]。この年、ドミニク・ロジャース=クロマティイーライ・アップルランドン・コリンズとともにディフェンスバック陣を形成した。

ダラス・カウボーイズとの開幕戦では、3タックルをあげるとともに、デズ・ブライアントをレシーブ1回、8ヤードに抑え、20-19の勝利に貢献した。翌週のニューオーリンズ・セインツ戦では8タックルをあげるとともに、FGブロックされたボールをリターンし、タッチダウンをあげた。10月9日のグリーンベイ・パッカーズ戦ではアーロン・ロジャースから2回インターセプトをあげた。ロジャースが地元ランボー・フィールドで同じ選手に2度インターセプトされたのは初めてのことであった。11月14日のシンシナティ・ベンガルズ戦ではその時点でNFLのリーディングレシーバーであったA・J・グリーンをわずか4回23ヤードに抑えた。この年15試合に先発出場した彼は、49タックル、自己ベストの18パスブロック、1サック、3インターセプトをあげた。ジャイアンツは、11勝5敗でプレーオフに進出、2017年1月8日のパッカーズ戦は彼にとって初めてのプレーオフとなったが、1タックルにとどまり、チームは13-38で敗れた。この年、自身初のプロボウル及びオールプロセカンドチームに選ばれた。またNFLトップ100選手(2017年)の54位に評価された[22]。プロボウルにノースアラバマ大学出身の選手が選ばれたのは1956年ハーロン・ヒル以来であった[23]

2017年10月15日、デンバー・ブロンコス戦で5タックル及びトレバー・シーミアンのパスをインターセプト、43ヤードのリターンタッチダウンをあげた。10月31日の試合はチームの規律違反を犯したため出場停止となった[24]。わずか1試合の欠場で11月7日の試合に復帰した[25]。足首の手術をすることとなり、11月29日に故障者リスト入りした[26]。この年9試合に出場、31タックル、3インターセプト(2リターンタッチダウン)、1ファンブルフォースをあげた。

2018年は、全16試合に出場し、70タックル、2インターセプト、1ファンブルフォースの成績を残した。ジャイアンツは、5勝11敗でプレーオフを逃した。

2019年、第4週のワシントン・レッドスキンズ戦で新人QBドウェイン・ハスキンズから2インターセプトをあげて、NFCの週間最優秀守備選手に選ばれた[27]。12月13日、Twitterにて中傷的な発言をした後、謝罪することを拒否したとしてジャイアンツから解雇された[28]。ジャイアンツでは13試合に出場し、53タックル、4インターセプトをあげた[29]

ニューオーリンズ・セインツ[編集]

ジャイアンツを解雇された直後の2019年12月16日、ニューオーリンズ・セインツと契約を結んだ。背番号はジャイアンツ時代と同じ20番[29]。第17週のカロライナ・パンサーズ戦でカイル・アレンのパスをインターセプトした。プレーオフのミネソタ・バイキングス戦では8タックル、1ファンブルフォースを記録した。

2020年3月23日、2年1675万ドルの契約を結んだ。第1週のタンパベイ・バッカニアーズ戦でトム・ブレイディのパスをインターセプト、36ヤードのリターンタッチダウンをあげた。第11週のアトランタ・ファルコンズ戦でマット・ライアン、第12週のデンバー・ブロンコス戦でケンドール・ヒントンのパスをインターセプトした。

2021年3月11日、セインツから解雇された[30]

テネシー・タイタンズ[編集]

2021年3月19日、テネシー・タイタンズと2年1500万ドルの契約を結んだ[31]。この年先発13試合を含む14試合に出場、54タックル、6パスディフェンス、1ファンブルフォース1インターセプトをあげた。

サンフランシスコ・フォーティナイナーズ[編集]

2022年11月29日、サンフランシスコ・フォーティナイナーズプラクティス・スクワッド契約を結んだ[32]

人物[編集]

いとこのパーネル・マクフィー英語版もNFL選手となっており、トラッシュトーカーである[33]

2018年6月、彼の所有する住居で遺体が発見され、兄に殺人容疑がかけられた[28]

脚注[編集]

  1. ^ Des Bieler and Matt Bonesteel (2019年12月11日). “Giants cut Janoris Jenkins two days after he directed slur toward fan on Twitter”. ワシントン・ポスト. 2019年12月16日閲覧。
  2. ^ JANORIS JENKINS”. rivals.com. 2013年1月1日閲覧。
  3. ^ 素行に問題ありも素材は一級品、ドラフト注目株のCBジェンキンス”. NFL JAPAN (2012年2月28日). 2013年1月1日閲覧。
  4. ^ Joe Schad (2009年6月1日). “Gators CB Jenkins arrested near bar"”. ESPN. 2013年1月1日閲覧。
  5. ^ PLAYER BIO”. 北アラバマ大学. 2013年1月1日閲覧。
  6. ^ Edward Aschoff (2012年4月26日). “Florida boots Janoris Jenkins from team”. ESPN. 2013年1月1日閲覧。
  7. ^ 更生アピールの問題児 その願いは届くのか”. NFL JAPAN (2012年). 2013年1月1日閲覧。
  8. ^ コンバイン前、注目のCBトップ5”. NFL JAPAN (2012年2月22日). 2013年1月1日閲覧。
  9. ^ 現地28日のコンバイン、トップパフォーマーたち”. NFL JAPAN (2012年2月29日). 2013年1月1日閲覧。
  10. ^ Janoris Jenkins signs $5 million deal”. florida.scout.com (2012年7月25日). 2013年1月1日閲覧。
  11. ^ 喧嘩早い性格直らず?WRヤングが頭突きで一時ベンチ待機”. NFL JAPAN (2012年9月11日). 2013年1月1日閲覧。
  12. ^ 第2週の試合で罰金を受けた選手たち”. アメフトNewsJapan (2012年9月21日). 2013年1月1日閲覧。
  13. ^ Second Read: Washington turns RGIII loose, and other Week 6 observations”. スポーツ・イラストレイテッド (2012年10月16日). 2013年1月1日閲覧。
  14. ^ Josh Katzowitz (2012年11月11日). “Rams' Janoris Jenkins, Chris Givens inactive for rules violations”. CBSスポーツ. 2013年1月1日閲覧。
  15. ^ ラムズが4INT奪取で勝利、CBジェンキンスは2リターンTD”. NFL JAPAN (2012年11月26日). 2013年1月1日閲覧。
  16. ^ 半世紀ぶりの快挙も出た!第12週の記録集”. NFL JAPAN.COM編集部オフィシャルブログ (2012年11月29日). 2013年1月1日閲覧。
  17. ^ 週間MVPに2INTリターンTDのCBジェンキンス -守備部門-”. NFL JAPAN (2012年11月29日). 2013年1月1日閲覧。
  18. ^ ラムズが49ers撃破の番狂わせ、引き分け直前に劇的FG”. NFL JAPAN (2012年12月3日). 2013年1月1日閲覧。
  19. ^ ラムズ、5ターンオーバー奪取でバッカニアーズ撃破”. NFL JAPAN (2012年12月24日). 2013年1月1日閲覧。
  20. ^ Nick Wagoner (2014年12月25日). “Janoris Jenkins, Tavon Austin are Pro Bowl alternates”. ESPN. 2019年12月16日閲覧。
  21. ^ Conor Orr (2016年3月9日). “Janoris Jenkins to sign with New York Giants”. nfl.com. 2019年12月16日閲覧。
  22. ^ “[FORMER LION JANORIS JENKINS IS PRO BOWL PICK TOP 100 PLAYERS OF 2017]”. nfl.com. 2019年12月16日閲覧。
  23. ^ FORMER LION JANORIS JENKINS IS PRO BOWL PICK”. ノースアラバマ大学 (2016年12月10日). 2019年12月16日閲覧。
  24. ^ Kevin Patra (2017年10月31日). “Giants suspend Janoris Jenkins for violating team rules”. nfl.com. 2019年12月16日閲覧。
  25. ^ Kevin Patra (2017年11月7日). “Giants reinstate CB Jenkins after 1-game suspension”. nfl.com. 2019年12月16日閲覧。
  26. ^ Giants place Janoris Jenkins on IR, sign DT Khyri Thornton”. ニューヨーク・ジャイアンツ (2017年11月29日). 2019年12月16日閲覧。
  27. ^ Jeremy Bergman (2019年10月2日). “Nick Chubb, Jameis Winston among Players of the Week”. nfl.com. 2019年12月16日閲覧。
  28. ^ a b ジャイアンツにカットされたCBジェンキンスをセインツが獲得”. NFL JAPAN (2019年12月17日). 2019年12月18日閲覧。
  29. ^ a b Josh Alper (2019年12月16日). “Saints claim Janoris Jenkins off of waivers”. NBCスポーツ. 2019年12月18日閲覧。
  30. ^ セインツがベテランCBジェンキンスをリリース、サラリーキャップへの対応続く”. NFL JAPAN (2021年3月12日). 2022年12月17日閲覧。
  31. ^ Janoris "Jackrabbit" Jenkins Signs with the Tennessee Titans” (英語). Tennessee Titans.com (2021年3月19日). 2022年12月17日閲覧。
  32. ^ 49ers Sign CB Janoris Jenkins to the Practice Squad” (英語). 49ers.com (2022年11月28日). 2022年12月17日閲覧。
  33. ^ Vinvent Rapisardi (2016年11月19日). “Janoris Jenkins & Trash Talker Pernell McPhee Are Cousins”. bigblueunbiased.com. 2019年12月16日閲覧。

外部リンク[編集]