ジャイアントスイング

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クラウディオ・カスタニョーリによるジャイアントスイング。

ジャイアントスイングGiant Swing)は、プロレス技の一種である。

概要[編集]

仰向けの相手の両足首(または両膝)を脇の下に挟み込んでから抱え上げ、回転しながら相手を振り回し、平衡感覚を失わせることでダメージを与える(ように見せる)。最も有名なプロレス技のひとつであるが、現在のプロレスではパフォーマンスとしての意味合いが強く、使用頻度は低くなりつつある。

力任せでできそうに見えるが、きれいにこの技を決めようと思えば、実はパワーよりも自らの平衡感覚と身体的なバランス感覚が高いレベルで必要とされる難しい技である。後述するように、得意としていたプロレスラーは怪力レスラーよりもテクニシャン・タイプが多い。総合格闘技においては須藤元気選手が使用したことがある。

創始者と名手[編集]

1950年代から1970年代にかけて活躍したアメリカのレスラー、ロニー・エチソンが、1961年「第三回ワールド大リーグ戦」にアメリカ代表として出場した際に、日本ではじめて披露した。ロニーは、この技を先輩レスラーだったサンダー・ザボーから教わったと語っている。その後、ドン・レオ・ジョナサンゴリラ・モンスーンビル・ミラーが盛んに使い始める。ジン・キニスキーも時々使っていた。モンスーンとキニスキーは、ジャイアント馬場を振り回した実績を持っている。

日本人では、1960年代にジャイアント馬場が得意技として使っていたことがある。その後長らく使う選手がいなかったが、女子プロレスのリングでライオネス飛鳥が使い、脚光を浴びる。ダンプ松本を振り回したほか、1984年10月29日山崎五紀相手に当時最高の24回転を成功させるなどして第一人者となる。

そして1990年代に入り、男子でも馳浩が毎試合見せるようになり、使い手に名乗りをあげる。保永昇男に25回転を仕掛け日本記録を更新すると、全盛期には30回転を超えるまでになった。引退試合では、自身の年齢と同じ45回転を決めてみせた。

アレクサンダー大塚はかつてよく見せていた。女子プロレスにおいては現在、井上京子が時折使う他、エスイが常用している。

スポーツ界以外では、なんばグランド花月での吉本新喜劇の舞台で、プロレスが好きで座長の石田靖が相手に言うことを聞かせるための荒技として使うこともある。また、『めちゃ×2イケてるッ!』内のコーナー「爆裂お父さん」で、加藤浩次扮するお父さんが、お仕置きの手段として使っている。使うたびに体力が減り、最後はふらふらになるのがお約束。

派生技[編集]

渕正信がわざと相手を綺麗に持ち上げずに振り回すことで相手の頭がリングとこすれて摩擦熱でダメージを与えられる、というジャイアントスイングをファミリー軍団との試合で繰り出していた。これで笑いを取ったあとに永源遙がまともなジャイアントスイングを繰り出すのがお約束。また桜庭和志が「炎のコマ」という名前で、渕のジャイアントスイングに類似した技を使う。

北尾光司がこの技の改良型として、仰向けに寝た相手の両足をテキサスクローバーホールドと同型のクラッチで固め、振り回す「サンダーストーム」という技を開発し、使用した。また、後に井上京子も「キョーコスペシャル」の名称で同型の技を使用している。

川田利明神取忍スリーパーホールドの体制で放つこともあり、“スイング・スリーパー”とも呼ばれている。川田は主に軽量級の相手に繰り出すことが多く、神取は北斗晶との初対決の際にこの技を初公開して以降、得意技としている。

こぼれ話[編集]

馳浩によると、この技をかけた際に自分の目を回さないようにするコツは、目線を回す方向とは逆にしながら回す事だという。これはバレエフェッテ(爪先立ちの片足を軸に回転する)のコツと同じ原理である。