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チジンドゥ・ウジャー

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チジンドゥ・ウジャー Portal:陸上競技
選手情報
ラテン文字 Chijindu Ujah
国籍 イギリスの旗 イギリス
競技 陸上競技短距離走
種目 60m, 100m
生年月日 (1994-03-05) 1994年3月5日(30歳)
出身地 イングランドの旗 ロンドン, エンフィールド・タウン (en
身長 180cm
体重 75kg
成績
オリンピック 100m:準決勝2組4着(2016年
4x100mR:予選2組4着(2016年
世界選手権 100m:準決勝3組4着(2017年
4x100mR:優勝(2017年
地域大会決勝 ヨーロッパ選手権
4x100mR:優勝(2016年
国内大会決勝 英国選手権
100m:優勝(2015年)
自己ベスト
60m 6秒53(2015年, 2018年)
100m 9秒96(2014年, 2015年)
9秒95w(2017年)
200m 20秒39(2017年)
獲得メダル
陸上競技
イギリスの旗 イギリス
オリンピック
剥奪 2020 東京 4x100mR
世界選手権
2017 ロンドン 4x100mR
ヨーロッパ選手権
2016 アムステルダム 4x100mR
ヨーロッパジュニア選手権
2013 リエーティ 100m
イングランドの旗 イングランド
英連邦ユース競技大会
2011 ダグラス 100m
2011 ダグラス 4x100mR
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チジンドゥ・ウジャーChijindu Ujah1994年3月5日 ‐ )は、イングランドロンドン出身でナイジェリアイギリス人陸上競技選手。専門は短距離走で、100mの自己ベストはイギリス歴代3位タイの9秒96。100mの10秒の壁をイギリス史上最年少の20歳で破った選手である。オリンピック世界選手権を通じて、100mでは決勝進出をわずかの差で逃しているが、4×100mリレーでは2017年ロンドン世界選手権で金メダルを獲得している。

経歴

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2010年まで

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ナイジェリアからイギリスに移住した父親と、イギリス出身のナイジェリア系イギリス人の母親の下、3歳年上の兄とともにイギリス・ロンドンのエンフィールド・タウン (enで生まれ育った[1][2]

サッカー陸上競技に取り組んでいたが(サッカーのポジションは右ウイング)[3]、16歳の時に陸上競技に専念することを決めた[4]。なお、もしも陸上競技で上手くいかなかった場合はラッパーになろうと考えていた[5]

2011年

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7月の世界ユース選手権 (enで初の世界大会を経験し、男子100mで決勝まで進出した(結果は8位)。同年9月には英連邦ユース競技大会 (enにイングランド代表として出場し、男子100mは0秒02差[6]、男子4×100mリレー(4走)は0秒06差で金メダルを逃したものの[7]、出場した2種目で銀メダルを獲得した。

2012年

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7月の世界ジュニア選手権男子100mでは決勝に進出し、10秒39(+0.1)の自己ベスト(当時)をマークして6位入賞を果たした[8]

2013年

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2013年ヨーロッパジュニア選手権

6月のヨーロッパジュニア選手権 (en男子100mを10秒40(-1.5)で制し、主要国際大会において初の金メダルを獲得した[9]

2014年

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6月8日のフランシナ・ブランカース=クン大会 (en男子100mで自己ベスト(10秒17)を大幅に更新する9秒96(+1.4)をマークし、イギリス史上5人目となる10秒の壁をイギリス史上最年少(20歳95日)で突破。リンフォード・クリスティ(9秒87)、ジェームズ・ダサオル(9秒91)に次ぐイギリス歴代3位に名を連ね[10]ドウェイン・チェンバースが保持していたU23イギリス記録(9秒97)を更新した[11]。シニア1年目からシニアの主要国際大会での活躍も期待されたが、7-8月の英連邦競技大会には選考期間内(2014年1月1日から6月2日)で基準を満たさなかったためイングランド代表に選出されず[12]、8月のヨーロッパ選手権は男子100mの3つ目のイギリス代表枠をジェームズ・ダサオルと争ったが敗れた(男子4×100mリレー代表には選出されたが出番はなかった)[13]

2015年

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2月の英国室内選手権男子60mは6秒57で初優勝を飾ると、シニアの国際大会初出場となった3月のヨーロッパ室内選手権 (en男子60mは決勝でフライングを犯し失格に終わった。7月の英国選手権 (en男子100mはアダム・ジェミリリチャード・キルティといった有力選手が怪我で不在だったものの、決勝ではジェームズ・ダサオルに0秒12差をつける10秒10(-0.6)で初優勝を飾った[14]。7月24日のセインズブリーズアニバーサリーズゲームズ男子100mでは向かい風の中、2度目の9秒台および自己ベストタイの9秒96(-0.8)をマーク[15]。シニアの世界大会デビューとなった8月の北京世界選手権には男子100mと男子4×100mリレーに出場すると、男子100mは予選と準決勝で9秒台に迫る10秒05をマークしたが(風速はそれぞれ+0.5と+0.9)、決勝に進出するには0秒06及ばなかった[16]。決勝のみ出場した男子4×100mリレー(4走)は3走とのパトンパスに失敗し、3位の座から一転して失格に終わった[17]

2016年

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6月の英国選手権男子100mは9秒97(+3.0)で3位に終わり、追い風参考記録ながら3位までが9秒台という高速レースを制することができず連覇を逃した[18]。7月のヨーロッパ選手権男子4×100mリレー(4走)では38秒17で優勝に貢献し、シニアの国際大会で初のメダルとなる金メダルを獲得した。8月のリオデジャネイロオリンピックでは男子100m男子4×100mリレーに出場すると、男子100mは準決勝で9秒台に迫る10秒01(+0.2)をマークしたが、決勝に進出するには0秒002及ばなかった[19]。男子4×100mリレー(4走)は予選のみ出場し、38秒06で決勝進出に貢献した(決勝のイギリスは37秒98で5位)。

2017年

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7月1日の英国選手権男子100mでは準決勝で9秒98(+2.8)をマークし、全体1位(唯一の9秒台)で決勝に進出したが、軽い怪我を負ったため決勝は棄権した[20]。英国選手権でロンドン世界選手権イギリス代表の座を確保することはできなかったが、選考の結果イギリス代表に選出された(男子100m・男子4×100mリレー)[21]。8月のロンドン世界選手権では男子100mと男子4×100mリレーに出場すると、男子100mは前回大会に続いて準決勝に進出するも、着順で決勝に進出できる組3着には0秒03、タイムで拾われるには0秒02届かず、10秒12(+0.4)の組4着で決勝進出を逃した[22]男子4×100mリレー(1走[注 1])では決勝で37秒47のヨーロッパ新記録を樹立しての優勝に貢献。1999年セビリア大会でイギリスが樹立した従来の記録(37秒73)を18年ぶりに更新し、オリンピックも含めこの種目では1912年ストックホルムオリンピック2004年アテネオリンピックに続く金メダルをイギリスにもたらした[23]。今シーズンのダイヤモンドリーグ男子100mのツアーチャンピオンを決める大会となった8月24日のヴェルトクラッセチューリッヒでは自己ベスト(9秒96)に迫る9秒97(0.0)をマークし、ベン=ユスフ・メイテに同タイム着差ありで競り勝ちツアーチャンピオンに輝いた[24]

2021年

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東京オリンピック陸上男子4×100mリレーでは銀メダルを獲得したが、五輪期間中に受けた検査で反ドーピング規則に違反した分析結果が出たため暫定資格停止処分を受け[25]、2022年2月に失格を正式に決定、メダルが剥奪された。

自己ベスト

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記録欄の( )内の数字は風速m/s)で、+は追い風、-は向かい風を意味する。

種目 記録 年月日 場所 備考
屋外
100m 9秒96 (+1.4)
9秒96 (-0.8)
2014年6月8日
2015年7月24日
オランダの旗 ヘンゲロー
イギリスの旗 ロンドン
U23イギリス記録
9秒95w (+2.4) 2017年5月27日 アメリカ合衆国の旗 ユージーン 追い風参考記録
200m 20秒39 (+1.7) 2017年4月8日 アメリカ合衆国の旗 テンピ
室内
60m 6秒53 2015年2月1日
2018年2月7日
イギリスの旗 リーバレー
イギリスの旗 ニューアム

主要大会成績

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備考欄の記録は当時のもの

大会 場所 種目 結果 記録 備考
2011 世界ユース選手権 (en フランスの旗 リール 100m 8位 10秒69 (-0.3)
英連邦ユース競技大会 (en マン島の旗 ダグラス 100m 2位 10秒52 (+2.9) イングランド代表
4x100mR 2位 41秒06 (4走) イングランド代表
2012 世界ジュニア選手権 スペインの旗 バルセロナ 100m 6位 10秒39 (+0.1) 自己ベスト
4x100mR 決勝 DQ (2走) 予選39秒09 (2走)
2013 ヨーロッパジュニア選手権 (en イタリアの旗 リエーティ 100m 優勝 10秒40 (-1.5)
2015 ヨーロッパ室内選手権 (en チェコの旗 プラハ 60m 決勝 DQ 準決勝6秒57
世界選手権 中華人民共和国の旗 北京 100m 準決勝 10秒05 (+0.9)
4x100mR 決勝 DNF (4走) 予選未出場
2016 ヨーロッパ選手権 オランダの旗 アムステルダム 4x100mR 優勝 38秒17 (4走)
オリンピック ブラジルの旗 リオデジャネイロ 100m 準決勝 10秒01 (+0.2)
4x100mR 予選 38秒06 (4走) 決勝進出[注 2]
2017 世界リレー (en バハマの旗 ナッソー 4x100mR 決勝 DNF (1走) 予選38秒32 (1走)
世界選手権 イギリスの旗 ロンドン 100m 準決勝 10秒12 (+0.4)
4x100mR 優勝 37秒47 (1走) ヨーロッパ記録
2018 世界室内選手権 イギリスの旗 バーミンガム 60m 準決勝 DQ 予選6秒59

ダイヤモンドリーグ

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優勝したダイヤモンドリーグの大会を記載(個人種目のみ)。背景が金色の種目はポイント対象レース、背景が金色の大会はツアーチャンピオンを決める大会を意味する。

大会 場所 種目 記録 備考
2017 ゴールデンガラ イタリアの旗 ローマ 100m 10秒02 (-0.2)
アニバーサリーズゲームズ イギリスの旗 ロンドン 100m 10秒02 (+0.3)
ムハンマド6世・ラバト国際 (en モロッコの旗 ラバト 100m 9秒98 (-0.3) 大会記録
バーミンガムグランプリ イギリスの旗 バーミンガム 100m 10秒08 (-0.2)
ヴェルトクラッセチューリッヒ スイスの旗 チューリッヒ 100m 9秒97 (0.0)

英国選手権

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優勝した英国選手権 (en・英国室内選手権 (enを記載

大会 場所 種目 記録 備考
2015 英国室内選手権 シェフィールド 60m 6秒57
英国選手権 バーミンガム 100m 10秒10 (-0.6)

脚注

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注釈

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  1. ^ 予選と決勝は同じオーダー。1走ウジャー、2走アダム・ジェミリ、3走ダニエル・タルボット英語版、4走ネサニール・ミッチェル=ブレーク
  2. ^ 予選のみ出場。決勝のイギリスは37秒98で5位。

出典

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  1. ^ British 100m sprinter Chijindu Ujah set to catch the Europe bus”. デイリー・エクスプレス (2014年6月28日). 2017年6月10日閲覧。
  2. ^ タイトル”. デイリー・テレグラフ (2011年5月16日). 2017年6月10日閲覧。
  3. ^ 'Spider-Man' Chijindu Ujah is fighting to be Britain’s very own superhero”. London Evening Standard (2015年3月6日). 2017年6月10日閲覧。
  4. ^ Ujah: I'm coming for you, Bolt!”. ESPN UK (2014年6月10日). 2017年6月10日閲覧。
  5. ^ British sprinter Chijindu Ujah targets Usain Bolt after breaking fabled 10-second barrier in 100m”. デイリー・メール (2014年6月9日). 2017年6月10日閲覧。
  6. ^ 2011年英連邦ユース競技大会男子100m決勝リザルト”. 2011年英連邦ユース競技大会公式サイト (2017年6月10日). 2017年6月10日閲覧。
  7. ^ 2011年英連邦ユース競技大会男子4×100mリレー決勝リザルト”. 2011年英連邦ユース競技大会公式サイト (2017年6月10日). 2017年6月10日閲覧。
  8. ^ 第14回世界ジュニア選手権男子100m決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2017年6月10日). 2017年6月10日閲覧。
  9. ^ unstoppable Ujah kick starts gb & Ni medal tally”. 英国陸上競技連盟 (2013年6月19日). 2017年6月10日閲覧。
  10. ^ British sprinter Chijindu Ujah clocks 9.96 seconds in the Netherlands”. ガーディアン (2014年6月8日). 2017年5月2日閲覧。
  11. ^ U23 Outdoor All time”. ヨーロッパ陸上競技連盟 (2017年6月8日). 2017年6月8日閲覧。
  12. ^ Commonwealth Games 2014: James Dasaolu and Chijindu Ujah left out of Team England's Commonwealth Games squad”. インデペンデント (2014年6月16日). 2017年6月10日閲覧。
  13. ^ Dasaolu earns Zurich place as Farah goes for a treble”. ヨーロッパ陸上競技連盟 (2014年7月16日). 2017年6月10日閲覧。
  14. ^ Chijindu Ujah beats James Dasaolu to win 100m title at British Championships”. デイリー・メール (2015年7月5日). 2017年6月10日閲覧。
  15. ^ Usain Bolt storms to victory in 100m final at Anniversary Games and sets sights on showdown with Justin Gatlin”. デイリー・メール (2015年7月24日). 2017年6月10日閲覧。
  16. ^ 第15回世界選手権男子100m準決勝サマリー”. 国際陸上競技連盟 (2017年6月10日). 2017年6月10日閲覧。
  17. ^ Report: men's 4x100m final – IAAF World Championships, Beijing 2015”. 国際陸上競技連盟 (2015年8月29日). 2017年6月10日閲覧。
  18. ^ DASAOLU AND PHILIP SECURE BRITISH 100M TITLES TO BOOK RIO SPOTS”. 英国陸上競技連盟 (2016年6月25日). 2017年6月10日閲覧。
  19. ^ Hudson-Smith 8th in world record Final”. 英国陸上競技連盟 (2016年8月14日). 2017年6月10日閲覧。
  20. ^ Asher-Smith eyes world championships despite trials setback”. ESPN (2017年7月1日). 2017年7月12日閲覧。
  21. ^ BRITISH ATHLETICS NAME TEAM TO #REPRESENT AT LONDON 2017”. 英国陸上競技連盟 (2017年7月11日). 2017年7月12日閲覧。
  22. ^ 2017年世界選手権男子100m準決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2017年8月6日). 2017年8月6日閲覧。
  23. ^ Slick Britain win shock 4x100 relay gold as Bolt pulls up”. ロイター(イギリス) (2017年8月13日). 2017年8月13日閲覧。
  24. ^ 2017年ダイヤモンドリーグ・ヴェルトクラッセチューリッヒリザルト”. 国際陸上競技連盟 (2017年8月25日). 2017年8月25日閲覧。
  25. ^ 五輪=陸上400mリレー銀の英国選手、薬物疑惑で暫定処分 ロイター通信 2021年8月13日(2021年8月15日閲覧)

外部リンク

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記録
先代
ドウェイン・チェンバース
(9秒97)
1999年8月22日
男子100m
U23イギリス記録保持者
(9秒96)

2014年6月8日 -
次代
未定
功績
4人目
ジェームズ・ダサオル
(9秒91)
2013年7月13日
男子100m
10秒の壁を破ったイギリス人
(9秒96)

2014年6月8日
6人目
アダム・ジェミリ
(9秒97)
2015年6月7日
タイトル
先代
ジャマイカの旗 アサファ・パウエル
2016
ダイヤモンドリーグ男子100m
ツアーチャンピオン

2017
次代
未定
2018