サワシロギク

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サワシロギク
サワシロギクの花(葦毛湿原、2012年8月25日)
サワシロギクの花(葦毛湿原
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : キク類 asterids
階級なし : キキョウ類 lamiids
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
亜科 : キク亜科 Asteroideae
: シオン属 Aster
: サワシロギク A. rugulosus
学名
Aster rugulosus Maxim.[1][2]
和名
サワシロギク

サワシロギク(沢白菊、学名Aster rugulosus Maxim.)は、キク科シオン属多年草の一[2]

分布[編集]

日本固有種北海道本州四国九州に分布する[1][3]温帯から暖帯にかけて、日当たりの良い酸性湿地に生育する[1]

特徴[編集]

地下茎は細長く這い、細いは50-60 cmほどの高さまで直立し、無毛[1]舌状花は一列で、白色ののちに紅紫色を帯び、花期は8-10月[1]。頭花のは約27 mm[4]花柄は長く、はなく、痩果はやや円柱[5]。線状披針状のの表面に皺がある[5]

この変種として静岡県浜松市渋川の蛇紋岩の礫斜面に分布するのシブカワシロギク(渋川白菊、学名:Aster rugulosus var. shibukawansis)がある。シラヤマギクとの雑種として、ナガバシラヤマギク(学名:Aster X sekimotoi Makino)がある[1]ヤマシロギク(学名:Aster semiamplexicaulis (Makino) Makino ex Koidz.[6])との雑種のヤマサワシロギク(Aster Hashimotoi KITAMURA)が、滋賀県蒲生郡布施で分布していることが確認されている[7]

野菊山野草として、その苗が市販されている[8]

名前の由来[編集]

沢沿いなどに生育する黄色の花をつけるサワギクNemosenecio nikoensis

本種の和名は山間湿地の生育する白い菊であることに由来する[9]。なお、別属の植物で、黄色い花をつけるサワギク[10]の名前も、本種と同じように沿いなど湿り気のある場所に生育することに由来する[11]

種の保全状況評価[編集]

湿地でシラタマホシクサと混生するサワシロギク、開発により湿地が消滅することにより絶滅した生息地がある。

生育地が消失した例があり[12][13]、個体数は減少傾向にあり以下の都道府県レッドリストの指定を受けている[14]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 福岡県では北九州市に現存する開花個体数は50未満と推定されている。
  2. ^ 千葉県のレッドリストのカテゴリー「重要保護生物(B)」は、環境省の絶滅危惧IB類相当、県北部の湿地に分布し湿地が開発され著しく減少している。
  3. ^ 徳島県では三好市池田町の一地域のみで分布が確認されている。
  4. ^ 香川県では西部地域の山地に点在し、個体数が漸減している。
  5. ^ 岩手県のレッドリストのカテゴリー「Bランク」は、環境省の絶滅危惧II類相当。
  6. ^ 奈良県のレッドリストのカテゴリー「希少種」は、環境省の準絶滅危惧相当。
  7. ^ 京都府の関西文化学術研究都市の開発で多くの生育地が消滅した。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f 佐竹 (1981)、195頁
  2. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Aster rugulosus Maxim.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2013年12月5日閲覧。
  3. ^ 湿原の生物 (PDF)”. 三田市. 2013年12月6日閲覧。
  4. ^ 佐竹 (1985)、III-81頁
  5. ^ a b 佐竹 (1981)、193頁
  6. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Aster semiamplexicaulis (Makino) Makino ex Koidz.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2013年12月6日閲覧。
  7. ^ 北村 (1934)、143頁
  8. ^ サワシロギク”. 山野草、寄せ植え販売のやまおか碧山. 2013年12月9日閲覧。
  9. ^ a b いわてレッドデータブック(種子植物) (PDF)”. 岩手県. pp. 161 (2001年). 2013年12月9日閲覧。
  10. ^ 林 (2009)、57頁
  11. ^ 牧野 (1951)、30頁
  12. ^ a b 京都府レッドデータブック(サワシロギク)”. 京都府 (2002年). 2013年12月6日閲覧。
  13. ^ 西野貴子 (2013年11月18日). “サワシロギク Aster rugulosus における湿地と蛇紋岩地帯への生態的適応”. 日本植物分類学会. 2013年12月8日閲覧。
  14. ^ 日本のレッドデータ検索システム「サワシロギク」”. (エンビジョン環境保全事務局). 2013年12月6日閲覧。 - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典元の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。
  15. ^ 群馬県の絶滅のおそれのある野生生物 植物編(2012年改訂版)植物レッドリスト(2012年改訂版) (PDF)”. pp. 1 (2012年). 2013年12月6日閲覧。
  16. ^ 福岡県の希少野生生物 RED DATA BOOK 2011 FUKUOKA(サワシロギク)”. 福岡県 (2011年). 2013年12月6日閲覧。 - 2001年版では情報不足。
  17. ^ 千葉県の保護上重要な野生生物-千葉県レッドデータブック-植物・菌類編(2009年改訂版) (PDF)”. 千葉県. pp. 212 (2009年). 2013年12月6日閲覧。
  18. ^ 徳島県版レッドデータブック (PDF)”. 徳島県. pp. 317 (2001年). 2013年12月6日閲覧。
  19. ^ 香川県レッドデータブック(サワシロギク)”. 香川県 (2004年3月). 2013年12月6日閲覧。
  20. ^ 秋田県版レッドデータブック2002(植物編) (PDF)”. 秋田県. pp. 160 (2002年). 2013年12月6日閲覧。
  21. ^ 三重県レッドデータブック2005(サワシロギク)”. 三重県 (2005年). 2013年12月6日閲覧。

参考文献[編集]

  • 北村四郎日本産新菊科植物VIII. (PDF) 」 『植物分類・地理』第3巻第3号、日本植物分類学会、1934年10月30日、 NAID 110003761648
  • 『日本の野生植物 離合弁花類』佐竹義輔大井次三郎、北村四郎、亘理俊次、冨成忠夫、平凡社〈草本III〉、1981年10月。ASIN B000J7UPCC。
  • 『日本の野生植物 草木』佐竹義輔、大井次三郎、北村四郎、亘理俊次、冨成忠夫、平凡社〈フィールド版〉、1985年2月15日。ISBN 4-582-53511-9
  • 林弥栄『日本の野草』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2009年10月。ISBN 9784635090421
  • 牧野富太郎『牧野日本植物図鑑』北隆館、1951年、改訂版。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]