キブシ

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キブシ
Stachuurus praecox (200704).jpg
キブシ(山梨県山中湖村・2007年4月)
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : バラ類 Rosids
: クロッソソマ目 Crossosomatales
: キブシ科 Stachyuraceae
: キブシ属 Stachyurus
: キブシ S. praecox
学名
Stachyurus praecox Siebold et Zucc.
和名
キブシ(木五倍子)

キブシ(木五倍子、学名:Stachyurus praecox)は、キブシ科キブシ属に属する雌雄異株落葉低木。別名、キフジともいう。

特徴[編集]

樹高は3m、ときに7mに達するものもある。

は、3-5月の葉が伸びる前に淡黄色の総状花序につける。長さ3-10cmになる花茎は前年枝の葉腋から出て垂れ下がり、それに一面に花がつくので、まだ花の少ない時期だけによく目立つ。花には長さ0.5mmの短い花柄があり、花は長さ7-9mmの鐘形になる。萼片は4個で内側の2個は大きく花弁状、花弁は4個で花時にも開出せず直立する。雄花は淡黄色、雌花はやや緑色を帯びる。雌花、雄花とも雄蕊は8個、雌蕊は1個あるが、雌花の雄蕊は小さく退化している。

には長さ1-3cmの葉柄があり、互生する。葉は長さ6-12cm、幅3-5cm、葉身は楕円形または卵形で、先端は鋭形または鋭尖形、基部は円形、切形または浅心形になり、縁には鋸歯がある。

果実は径7-12mmになる広楕円形、卵形または球形で、緑色から熟すと黄褐色になる。和名は、果実を染料の原料である五倍子(ふし)の代用として使ったことによる。

花序のようす 
雄花序 
雌花序 
若い果実 

分布と生育環境[編集]

日本固有種で、北海道(西南部)、本州、四国、九州、小笠原に分布し、山地の明るい場所に生える。成長が早く、一年で2mくらいは伸びる。先駆植物的な木本で、荒れ地にもよく出現する。生育環境は幅広く、海岸線から内陸の川沿いまで見られる。

下位分類[編集]

葉や果実の形や大きさに変異が多く、多くの変種品種がある。

  • ニシキキブシ Stachyurus praecox Siebold et Zucc. f. bicolor Sakata
  • フクリンキブシ Stachyurus praecox Siebold et Zucc. f. marginatus Hiyama -栽培種。
  • コバノキブシ Stachyurus praecox Siebold et Zucc. f. microphyllus (Nakai) H.Hara -本州の東海地方に分布する、葉が小型のもの。
  • マルバキブシ Stachyurus praecox Siebold et Zucc. f. rotundifolius (Tuyama) Tuyama ex H.Hara -九州に分布する、葉が卵形の傾向のもの。
  • ケキブシ Stachyurus praecox Siebold et Zucc. var. leucotrichus Hayashi -本州の東北地方の日本海側、北陸地方に分布する。日本海側の多雪地帯にのみ産する地方型で、葉の裏面の脈上や脈沿いに白色の軟毛が密生する。
  • ハチジョウキブシ(エノシマキブシ) Stachyurus praecox Siebold et Zucc. var. matsuzakii (Nakai) Makino ex H.Hara -本州の関東地方南部、東海地方、伊豆諸島に分布する。海岸近くに生え、枝が太く花序と葉が長く、果実も大きい。
  • ヒメキブシ Stachyurus praecox Siebold et Zucc. var. parviflorus Makino ex H.Hara -本州、四国、九州に稀に産する。葉がコバノキブシより小型のもの。
  • ナンバンキブシ Stachyurus praecox Siebold et Zucc. var. lancifolius (Koidz.) H.Hara -本州の山口県、四国の南岸、九州、奄美大島、徳之島に分布する。ハチジョウキブシに似、葉は3角形で厚く、果実は大型になる。
  • ナガバキブシ Stachyurus praecox Siebold et Zucc. var. macrocarpus (Koidz.) Tuyama ex H.Ohba (シノニム Stachyurus macrocarpus Koidz.) -小笠原に分布する。ハチジョウキブシより葉が厚く、果実はナンバンキブシくらいに大型になる。絶滅危惧IA類(CR)。
    • ハザクラキブシ (シノニム Stachyurus macrocarpus Koidz. var. prunifolius Tuyama) -小笠原に稀に生育する。ナガバキブシと比べ、葉は薄く長楕円形になる。絶滅危惧IA類(CR)。

参考文献[編集]