カキドオシ

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カキドオシ
Glechoma hederacea1.jpg
カキドオシ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: シソ目 Lamiales
: シソ科 Lamiaceae
: カキドオシ属 Glechoma
: G. hederacea
亜種 : カキドオシ G. h. subsp. grandis
学名
Glechoma hederacea
subsp. grandis
シノニム

G. grandis
G. hederacea var. grandis

和名
カキドオシ(垣通し)
英名
Alehoof

カキドオシ(垣通し)とは、シソ科の植物の1種。学名は Glechoma hederacea subsp. grandis(シノニムはG. grandisG. hederacea var. grandis) 。別名、レンセンソウ(連銭草)、カントリソウ(癇取草)ともよばれる。

名称[編集]

和名の由来は、生け垣の下などで、隣接地から垣根を突き通すほど、勢いよく伸びてくるところから名づけられている[1][2]。丸い葉が並んで見えることから、連銭草(れんせんそう)という別名もある[3]

別称は、小児のの薬とするところからカントリソウや、カンキリグサといわれるほか、地方により、ヤマスミレ(青森県)、モーセン(秋田県)、カジバナ(新潟県)、アサッペイ(島根県)、カキドクサ(熊本県)などの方言でも呼ばれている[4]

学名の Glechoma hederacea は、属名からハッカの一種につけられたギリシャ名 glechon に由来し、種小名は「キヅタ(木蔦)に似た」という意味からきている[4]

外国名は、英語gill over the groundフランス語glechome; lierre terrestre である[4]。漢名では、馬蹄草と書かれ、連銭草、積雪草は誤用だとする説がある[4]

特徴[編集]

日本の北海道本州四国九州に分布し、海外では朝鮮半島中国台湾アジアの温帯域に分布する[5]。原野の草地、野原、道端などに、ふつうに自生する多年草[3][5]

全体に細毛があり、よい香気がある[6]。茎の断面は四角く[3]、はじめは5 - 20センチメートル (cm) ほどの高さに直立するが、伸張するに従ってつる状になって、地面を長く横に這い[6]、節の所々から根を下ろして、1メートル (m) 以上になる[5]。横枝は時に多少立ち上がることもある。葉は対生し、長さ1.5 - 10 cmの長い葉柄がついた、睡蓮の葉のような円形から狭い扇形を切り取った形をしており[6]、大きさは長さ1.5 - 2.5 cm、幅2 - 4 cmで、葉縁は波型に切れ込んでる[3][5]。一般に春の葉は小さいが、夏の葉になると大きくなる[5]。柔らかく、しわがあって毛が生えている。葉は揉むと強い香りがある。

開花期は春(4 - 5月)ごろで、対生する葉腋から1本ずつ花が出て2個並ぶ[5]。薄い紫から紅紫色の唇型の花を咲かせ、よく目立ち、長さは約20ミリメートル (mm) [3][5]。花の内面には濃紫色の斑点とちぢれた毛がある[6][5]は筒状で、長さは8 mm、5深裂して先が鋭く尖る[5]

浅根性で乾燥は好まない性質で、生育地は日当たりの良い適度に湿った土地を選ぶ[6]。半日陰でも生育し、茎をよく伸ばす[6]

利用[編集]

食用[編集]

若葉は食用となり、あくを抜いて、和え物お浸しに調理される[4]

薬用[編集]

全草を乾燥したものは和種・連銭草(れんせんそう)、中国種・金銭草という名で生薬にされ、子供の癇の虫に効くとされる[6]。このことから俗にカントリソウの別名がある[6][7]。地上部の茎葉には、精油としてリモネン、このほかウルソール酸硝酸カリコリンタンニンなどを含んでいる[3]。一般に、精油には、高揚した気分や高ぶりを鎮静する作用があるといわれている[3]。過去の研究によれば、カキドオシの温水エキスを糖尿病の動物に与えた実験で、血糖降下作用があることが認められるとした報告もされている[3]

生薬の連銭草は、4 - 5月ころの開花期に、地上部の茎葉を採取して陰干しにしたものである[3]。上方の花が残っているころに、茎を切って水洗いして、20本ほど束ねて風通しの良い日陰に吊るして陰干しにする[6]

民間では、連銭草1日量10 - 15グラムを、約500 - 600㏄の水で半量になるまで煮詰めた煎じ汁が利用され、1日3回に分けて分けて服用される[6]。幼児の癇の虫には、前記の3分の1量以下の連銭草の煎じ汁を用いるとされ、苦いので甘味を加えて複数回に分けて服用するものとされてる[6]。このほか、湿疹の幹部に煎じ汁を直接塗ったり、糖尿病予防に服用するといった民間療法がある[3]

園芸[編集]

栽培変種に葉に白斑があるものがあり[4]、ヨーロッパ原産の斑入り種は見た目の美しさから、属名の「グレコマ」という名称で、園芸やグランドカバー目的に栽培、販売がされている。主に、花壇の縁取りやロックガーデンなどに植えられる[4]

健康食品[編集]

抽出物には血糖値降下作用、体内の脂肪や結石を溶解させる作用があるなどとして漢方薬、ダイエット茶とされることもある。しかし、国立健康・栄養研究所によれば、ヒトでの安全性を証明する十分なデータは不足している[8]としている。また、「過剰摂取をすると胃腸粘膜や腎臓の炎症を引き起こす可能性」、「ワルファリンを成分とする医薬品等との相互作用」、「発作性疾患のある人は使用禁忌」、腎疾患、肝疾患に罹患している人は使用禁忌などの注意が促されている[8]

一方、研究によるマウスやラットによる動物実験で、発毛効果[9]、血糖上昇抑制[3][10]、血圧上昇抑制[11]などの効果があることが報告されている。

参考画像[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 岩槻秀明『街でよく見かける雑草や野草がよーくわかる本』秀和システム、2006年11月5日。ISBN 4-7980-1485-0 p. 63
  2. ^ 亀田龍吉 2012, p. 42.
  3. ^ a b c d e f g h i j k 田中孝治 1995, p. 77.
  4. ^ a b c d e f g 木村陽二朗 2005, p. 106.
  5. ^ a b c d e f g h i 本田正次監修 1990, p. 216.
  6. ^ a b c d e f g h i j k 馬場篤 1996, p. 36.
  7. ^ 雑草図鑑
  8. ^ a b カキドオシ、レンセンソウ、カントリソウ - 「健康食品」の安全性・有効性情報(国立健康・栄養研究所
  9. ^ 天然由来カキドオシ・エキスの発毛促進効果 秋田医学(2013) 第40巻1号 ,ISSN:03866106
  10. ^ ットにおけるカキドオシ抽出物の血糖値上昇抑制作用 日本食品科学工学会誌 Vol.54(2007) No.9 P412-414
  11. ^ 本態性高血圧自然発症ラットにおけるカキドオシ抽出物の血圧上昇抑制作用 日本食品科学工学会誌 Vol.54(2007) No.9 P415-418

参考文献[編集]

関連項目[編集]


外部リンク[編集]