コンテンツにスキップ

おかしなおかしなおかしな世界

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
おかしなおかしなおかしな世界
It's a Mad, Mad, Mad, Mad World
監督 スタンリー・クレイマー
脚本 ウィリアム・ローズ
タニア・ローズ
製作 スタンリー・クレイマー
出演者 スペンサー・トレイシー
音楽 アーネスト・ゴールド
撮影 アーネスト・ラズロ
編集 ジーン・フォウラー・Jr
ロバート・C・ジョーンズ
フレデリック・ナドソン
配給 ユナイテッド・アーティスツ
公開 アメリカ合衆国の旗 1963年11月7日
日本の旗 1963年12月28日
上映時間 161分[注釈 1]
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $9,400,000[1]
興行収入 アメリカ合衆国の旗 $46,332,858[1]
世界の旗 $60,000,000[1]
テンプレートを表示

おかしなおかしなおかしな世界』(おかしなおかしなおかしなせかい、原題: It's a Mad, Mad, Mad, Mad World)は、1963年11月7日に公開されたアメリカコメディ映画。監督はスタンリー・クレイマー、主演はスペンサー・トレイシー

当時の大物俳優やコメディアンなどが多く出演した豪華ドタバタ喜劇であり、公開当時は初のスーパーシネラマ方式で上映された。主題歌はシュレルズ

当初は210分だったが、試写の時点で192分に短縮された。しかし、製作会社のユナイテッド・アーティスツはクレイマーの意向に反してさらに161分にまでカットし、劇場公開した。このほか、154分や182分など編集の異なるいくつかのバージョンが存在し、日本では161分版を広く入手できる。2014年クライテリオン・コレクションにより、カット部分を可能な限り復元した197分バージョンが、BD/DVDの5枚組セットで発売された[2]

ストーリー

[編集]

35万ドルを盗んだ強盗犯スマイラーが警察から逃げる途中で交通事故を起こし、車は谷に落下した。偶然通りかかった車の運転手らが下に降りるとスマイラーはまだ生きており、運転手らに「35万ドルは大きなWの字の下に隠した」と告白して死亡する。それを聞いた5人の男らが、警察に通報せずに欲にかられ、我先にとその大金を手に入れようと女性も混じって珍道中をする。しかし、やっとのことで隠し場所を見つけ出し、大金を目にしたもののまったく意外な人物に横取りされ、今度は取り返そうと追っかけが始まる。

キャスト

[編集]
役名 俳優 日本語吹替
NETテレビVOD
カルペッパー警部スペンサー・トレイシー森山周一郎西脇保
J・ラッセル・フィンチミルトン・バール羽佐間道夫荒井勇樹
メルヴィル・クランプシド・シーザー穂積隆信飛田展男
ベンジー・ベンジャミンバディ・ハケット和久井節緒ふくまつ進紗
マーカス夫人エセル・マーマン寺島信子加藤美佐
デン・ベルミッキー・ルーニー近石真介越後屋コースケ
シルヴェスター・マーカスディック・ショーン青野武
オットー・マイヤーフィル・シルヴァース勝田久篠原孝太朗
J・アルジャーノン・ホーソンテリー=トーマス川久保潔野坂尚也
レニー・パイクジョナサン・ウィンタース神山卓三間宮康弘
モニカ・クランプエディ・アダムス鈴木弘子
エメライン・フィンチドロシー・プロヴァイン平井道子鳥越まあや
2番目のタクシー運転手エディ・"ロチャスター"・アンダーソン
タイラー・フィッツジェラルドジム・バッカス今西正男
複葉機のパイロットベン・ブルー
労働組合の幹部ジョー・E・ブラウン
警察署長ウィリアム・デマレスト緑川稔
ガレージの外にいる警官チック・チャンドラー
シルベスターのガールフレンドバリー・チェイス
市長ロイド・コリガン
アロイシウスウィリアム・デマレスト
ジンジャー・カルペッパーセルマ・ダイアモンド梅村さえ
3番目のタクシー運転手ピーター・フォークたてかべ和也
墜落現場の刑事ノーマン・フェル
消防署長スターリング・ホロウェイ
ジミー・ザ・クルックバスター・キートン
神経質なドライバードン・ノッツ
空港管制官カール・ライナー
消防士三ばか大将
スマイーラ・グローガンジミー・デュランテ槐柳二
車でカルペッパーの帽子を轢く男ジェリー・ルイス[3]
マーカス夫人に声を掛ける老婦人ジャック・ベニー[3]
不明
その他
N/A上田敏也
仲木隆司
島木綿子
伊武雅刀
加藤正之
石森達幸
徳丸完
田中康郎
清川元夢
市川千恵子
鈴木秀香
玉井勇輝
阿部竜一
佐々木薫
須藤翔
林大地
西垣俊作
中島卓也
吉田勝哉
小林達也

スタッフ

[編集]

日本語版

[編集]
吹き替えNETテレビVOD
演出 春日正伸工藤美樹
翻訳 宇津木道子尾形由美
調整 山田太平
制作 東北新社
NETテレビMGM

その他

[編集]

この作品には往年の喜劇俳優バスター・キートン三ばか大将ジェリー・ルイスなどが顔を出している。

  • サイレント時代から活躍していたバスター・キートン はこの3年後に亡くなるまで顔を見せるだけの出演を含めて12本の映画に出演し続けていた。
  • 三ばか大将 は1930年代から活躍していたが、メンバーの変更もあり、最も知られたモー、ラリー、カーリーの3人の時代は1946年に終わり、この映画ではモー、ラリー、カーリージョーの3人のトリオで「新三ばか大将」のメンバーであった。映画の中では、消防車が出動する場面で端に三人が消防士の服装で立っていた。
  • ジェリー・ルイスは、1946年にディーン・マーティンと一緒に組んで映画界に1949年進出、パラマウントのドル箱【マーティン&ルイス】=日本名「底抜けコンビ」として1956年まで活躍したが、その後コンビを解消して以降も単独で製作・脚本・監督にまで進出、「底抜け○○○」シリーズを続けて、1966年まで製作された。
ピーター・フォーク(予告篇より)
  • 端役でタクシー運転手で出演していたのがピーター・フォーク 。この頃はテレビ映画で悪役やシリアスな役どころが多く、「ベンケーシー」や「トワイライトゾーン」では独裁者も演じていたが、この映画の2年後の「グレートレース」でトニー・カーティスやナタリー・ウッドを相手に、ジャック・レモンと組んで悪玉コンビながら軽妙なコメディアンの片鱗を見せていた。その後1968年に「刑事コロンボ」で一躍スターの座を確保した。

シネラマ方式の映画

[編集]

この映画は、シネラマ方式で撮影されて、映画公開時は初めてのスーパーシネラマとして上映された。この当時までシネラマは3台のカメラを使って撮影されて、上映は3本のフィルムを同時に回すため3台の映写機が必要であった。初期は「これがシネラマだ」など自然を映した記録映画が主で、物珍しさだけが売り物であったが、初めて劇映画に使われたのが1962年の「西部開拓史」であった。迫力はあるが、3本のフィルムを回すため、横のつなぎ目のところがどうしても線が入ったように見にくく、そこでそれまで使っていた35mmフィルムでなく、70mmフィルムにして、そこへシネマスコープのようにアナモルフィックレンズを付けて撮影し、上映時は横に広げられるようにして1台のカメラで1台の映写機でいけるシネラマとして当時「スーパーシネラマ」と名付けられた大型スクリーンの最初の劇映画であった。

しかし、この映画が上映される頃には、すでに70mmフィルムは映写機を新たに設置しなければならず下火となり、シネラマもそれに見合う内容のある超大作を製作できる時代ではなくなり、大型スクリーンはシネマスコープやパナビジョンのように従前の35mmフィルムが使えるものが多数となり、やがて劇映画でシネラマは使われなくなった。

この映画も最初のロードショーではシネラマ専門の映画館でしか上映できず、その後の二番館で上映する際は35mmのシネマスコープサイズに変更して上映されていった。これは米国でも同じ状況であった。

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. 序曲・インターミッション・終曲が含まれる。

出典

[編集]

外部リンク

[編集]