鉄緑会

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鉄緑会(てつりょくかい)は、東京大学志望の中高一貫校の生徒を対象とした大学受験専門学習塾である。は東京大学医学部同窓会組織である鉄門倶楽部は東京大学法学部の自治会である緑会を意味する。

2007年12月3日ベネッセコーポレーションの傘下に入ることが明らかとなった[1]

概要

1983年設立。講師は東京大学の学部生および院生や卒業生のみであり、2008年現在、医学部78名、法学部36名、大学院46名等、計180名の講師がいる。

1学年の生徒数は約400人程度だったが、2007年度より500人程度に増員している。これに伴い本部ビルが手狭になり高学年の一部クラスは近所ビルの教室で実施されている。不定期に行われる編入試験で若干名の補充を行っている。明確な学年別クラス編成となっており、他の学年のクラスに参加することはできない。同様に浪人の受験生の参加もできないが、入試直前の直前講習の一部は前年度卒業生の受講が認められる。

指定校制度を取っているが、入塾テスト(受験料1回2000円)に合格さえすれば指定校以外の生徒や、中高一貫校以外の生徒でも入塾可能である。試験科目は、受講希望科目に関わらず、英数2教科。ただし、中学1年4月新入会に限り、指定校の生徒は無条件で入塾可能(後述のレギュラーコースに入るには入塾試験を受ける必要がある)。

中1から高2までの英語・数学(数III科は除く)は、レギュラーコース・オープンコースの2コースに分かれている。それぞれのコースはさらに複数のクラスに分かれているが、オープンコースは日曜を除く全曜日に開講されていてクラス間のレベル差がないのに対し、レギュラーコースはレベル別にクラス編成されている。どちらのコースも基本的な教材は同じものを使用しているが、授業の深さやスピード、宿題の範囲が異なる。なお、レギュラーコースに入るには、全生徒を対象に年2回実施される校内模試で高得点をとることが必要である。英数は、レギュラーコースは学力順にA、B、Cに分かれ、オープンはDクラスと呼ばれ複数ある。レギュラーコースは20人程度の少人数になるが、その他は30人程度が一般的。高入生は、最初はDクラスからのスタートで、その後の校内模試の結果でクラスが上がることができる。高入生の数学の場合、教材が若干易しいが、内容的には高2で中入生に追いつくように出来ているためクラスが変わるのは高1の2回目の校内模試の結果によることが一般的。なお、高校ではレギュラー、オープンという名称は使用されていない。高2の12月の校内模試の結果により、高3で新たに英数をA、B、Cの3つにクラスに再編成する。Aは上位100人、Bが300人、Cが残り100人ほどになり、それぞれが、さらに20人ほどのクラスに細分化される。数III科および国語・理科・社会(地歴)の各クラスはレベル分けを行っていない。カリキュラムは原則全クラスで同一だが、担当講師に依存する部分も大きく、予定時間を延長して授業・居残りを行う講師も少なくない[要出典]。2015年度からは、高2の校内模試の結果に基づく高3のクラス振り分けにおいて、従来のCクラスがなくなり、おおよそ平均点においてA、Bにクラスが分かれることになった。従来のAクラスにあたるものに、Aクラス内で上位クラスとして扱われるクラスがあり、この上位クラスに所属する人数は、理系数学では60人ほどである。

東大数学問題集、東大古典問題集、東大英単語熟語鉄壁、物理攻略のヒントを角川書店から刊行している。

規則がかなり厳しいこと、特に他塾に比べ多い宿題を生徒に課すことで知られる。出欠、遅刻、宿題、毎週複数行われるテストの結果が、教師の生徒に対するコメントと(取り組み方、アドバイス、たまに授業態度)ともに、家庭宛報告書として保護者の下に送られてくる。授業毎に授業アンケートを提出することになっており、これによって出欠をとる教師が多い[要出典]

2012年9月より校舎建て替えのため、本部をNOF新宿南口ビルに移転していた。(中1~高2) 高3の授業と高2の数Ⅲの授業の一部は、2014年8月まで吉野ビル・西脇第一ビル・代々木センタービルのいずれかで行われる。(事務室は吉野ビル4階) 2014年8月に本部のビルが完成した後も、高2、高3のほとんどの授業はNOF新宿南口ビルで行われている。

カリキュラム

鉄緑会では高1までは英数に集中し、この2科目については高2終了時点で東大合格レベルを身につけることを目標として、高2・3でなるべく国理社に時間をまわせるようにという方針をとっている。そのため、中3までで高校範囲を一通り終わらせるようなカリキュラムが組まれている。文理別にクラスを分け、東大の過去問を中心に扱った問題を授業中に演習として行い、その解説と講師による厳しい添削により、本番で得点をとる技術を身につける。その他、入試数学確認シリーズという教材を用いてこれまでの復習をする。宿題としては、入試数学問題集を用いる他、後期には宿題ゼミという6題セットを150分で解くという宿題も出る。高3後期には入試演習として各科目の東大の過去問を中心に扱った問題を授業中に演習として行い、その解説と講師による添削により、本番で得点をとる技術を身につける。その他入試物理(化学・生物)問題集から宿題が出される[要出典]

概況

講師は全員現役東大生または東大卒業生であるが、それらの講師は全員、東大生のみを対象にした採用試験を通過している。なお、女優でタレントの菊川怜も鉄緑会出身で、無事に東京大学理科一類慶應義塾大学医学部に合格している。 他にも、タレント楠城華子(文科一類)や、たけしのコマネチ大学数学科出演メンバーである松江由紀子(理科二類)、生駒尚子(文科二類)、衛藤樹(理科三類)などは鉄緑会出身である。また、鉄緑会講師OBには日テレアナウンサーの加藤聡(文科一類)がいる。

代々木1校舎で1学年500数十名であるが、2014年度で271人の東大合格者、228名もの国公立医学部合格者を輩出している。[2][3]

鉄緑会大阪校

鉄緑会大阪校は、関西地区の東大・京大・難関国立大医学部受験生を対象とした塾である。 鉄緑会(東京)の指導方針に賛同した京大医学部の学生が中心となって設立した。校舎は梅田大阪府大阪市北区芝田)と西宮北口教室(中学部のみで、かつ上位クラスは設置されていない)と京都教室(中学部と高1・2の英数のみで、同じく上位クラスは設置されていない)がある。カリキュラム等は基本的に東京校と同じであるが、大阪校には現代文、古典、地理、世界史、日本史といった文系生向けの科目は設置されていない(高3の直前期にはセンター地理が開設される)。また、東京校には設置されていないが、高2での学習量軽減のために、高1オープン化学(毎回大阪校オリジナルのプリント教材が配られる。)が設置されている。 講師は東京が全員東大生であるのとは異なり、京大医学部生が中心で、阪大医学部生や京大の他の学部生、京都府立医大生で構成されている。 関西では東京と異なり、東大を目指す生徒よりも医学部を目指す生徒の方が多いため東大理Ⅲに合格する学力をもつが京大医学部を目指す生徒がたくさんいるため実際東大理Ⅲの合格者は鉄緑会東京・大阪でほとんどを占める形になっている。

脚注

  1. ^ “ベネッセ、東大受験専門塾を傘下に”. 朝日新聞. (2007年12月4日) 
  2. ^ [1]
  3. ^ [2]

外部リンク