逆エビ固め
逆エビ固め(ぎゃくえびがため、boston crab)は、プロレス技のひとつ。
概要
アメリカ人プロレスラー、ジム・ロンドスによって開発されたと言われている。フォール技であるボストンクラブ(エビ固め[1])を裏返したような形になるためリバース・ボストンクラブと呼ばれる。[要出典]
ただし、現在はエビ固めをボストンクラブと呼ぶことは少なく、ボストンクラブという名称は逆エビ固めを指すことがほとんどなのが現状である。同様に元来片エビ固めを指すハーフ・ボストンクラブ、シングル・ボストンクラブは、現在では逆片エビ固め(後述)を指すことが多い。[要出典]
仰向けになっている相手の両足をそれぞれのわきの下にはさみこみ、そのまま相手の身体をまたぐようにステップオーバーして、相手の背中を反らせて背中・腰を極める。プロレスの基本技のひとつ。片足だけを極める場合は逆片エビ固め(リバース・シングル・ボストンクラブ/リバース・ハーフ・ボストンクラブ)と呼ばれる。逆片エビ固めでは足首や膝をも極める場合が多い(後述)。
日本では力道山時代から多くのレスラーによって使用されてきた非常にポピュラーな技であり、日本プロレスでは豊登、全日本プロレスではジャンボ鶴田、新日本プロレスでは、坂口征二や藤波辰爾等がよく使用していた。また、ジャイアント馬場も日本プロレス時代にはよく使用していた。藤原喜明はマットに頭を付け倒立し、身体を反転させて抱えられた脚をクロスした状態から相手を投げ飛ばすという返し技を開発して使っていた。平成以降では佐々木健介が2000年夏のG1 CLIMAX決勝においてフィニッシュとして使用、中西学を下して注目を集めた。
かつて小中学校でプロレスごっこが流行っていた頃、この技による窒息死で死者が出るほど非常に危険な技である。まだ体力の付いていない若手レスラーのフィニッシュ・ホールドとなる場合も多く、素人が遊び半分でこの技の真似をするのは避けるべきである。
派生技
逆片エビ固め
片逆エビ固め、リバース・ハーフ・ボストンクラブ、リバース・シングル・ボストンクラブとも呼ばれる。相手の片足を抱えて極める逆エビ固め。通常の逆エビ固め同様、数多くのレスラーによってフィニッシュ・繋ぎ技双方で現在に至るまで幅広く使用される。ランス・ストームは「カナディアン・メイプル・リーフ」の名称でフィニッシュとして使用していた。また旧UWF勢は「ジャパニーズ・レッグクラッチ」と呼称していた。相手の足首・膝を両手のクラッチを用いて極めることを主目的とした技であることから、通常の足首をホールドする本来の逆片エビと区別していた。一般的には同一の技として認識される。
鯱式逆エビ固め
クリス・ジェリコがウォールズ・オブ・ジェリコの名称でWWEで用いている。脛ではなく太腿をロックし、相手が反り返る角度が急になっている。命名の由来はヘブライ聖書。 新生UWF時代の中野龍雄は、逆片エビ固めでこの技を使用(鯱式逆片エビ固め)した。内藤恒仁と対戦した際に使用した逆片エビ固めに対し専門誌が付けたネーミングであり、彼がこの方式の元祖である。まるで相手が鯱のように反ることからこの名が着いた。
抱え込み式逆エビ固め
新日本に登場していた頃のスティーブ・ウィリアムスが使用していた。後に天山広吉が本名の山本広吉時代に使用。相手の両足を、自らの胸の前で抱え込むように固めてかける。ヤングライオンがある程度成長してからこの技を使うことも多い(山本尚史、裕次郎ら)。
腕取り逆片エビ固め
川田利明がフットルース時代の短期間使用。相手の片腕を、自らの足で巻き込んでハンマーロックに極めておき、同時に足を取って逆片エビ固めとの複合技に極める。後に格闘探偵団バトラーツの石川雄規が「情念固め」として復活させる。
拷問逆エビ固め
自らが立った状態で逆エビ固めをかけながら、片足で相手の頭部を踏みつける技。逆片エビ固めで行う場合もある。1990年代前半の全日本プロレスでよく見られた技で、ジャンボ鶴田、田上明、川田利明、渕正信らが挑発の意味も含めて使用した。
ハース・オブ・ペイン
チャーリー・ハースのフィニッシュ技。相手の背中に片足を乗せての逆エビ固め。
サソリ固め
長州力の必殺技。相手の両足をクロスし、自分の足を差し込んで固定。そのまま跨ぐようにステップオーバーする。背中、腰に加え、両足の関節も決めていく。英名はスコーピオン・デスロックあるいはシャープシューター。
テキサスクローバーホールド
(テキサス式)四葉固め。両足を交差し、自分の腕で固定して決める変形のサソリ固め。元祖はテリー・ファンク。ほかには、天龍源一郎、小橋建太、棚橋弘至、ディーン・マレンコ、漫画『キン肉マン』のテリーマンなどが使用する。
タランチュラ
ロープ越しの逆エビ固め。TAJIRIの得意技。別名ロープ・ハング・ボストンクラブ。
ラッソ・フロム・エルパソ
エディ・ゲレロの得意技。変形のテキサスクローバーホールド。2002年の一時期にフィニッシュ技として使用したが、以後は全く出さなかった。