砂
砂(すな、sand)は、砕屑物のうち、礫とシルトの中間(粒径が2~1/16mm (62.5μm)の粒子)のものをいう[1]。
岩石が風化・浸食・運搬される過程で生じた岩片や鉱物片などの砕屑物(砕屑性堆積物)から構成され、珊瑚・貝殻などの石灰質の化石片を含むこともある。河川の下流、河口、海岸、海底など、様々な堆積環境下で観察される。 また、岩石を人工的手段で破砕した破砕物のうち、上記定義に該当する粒度のものを指す場合もある。
分類
地質学の分野においては、砂は粒度、構成鉱物、円摩度、成因、堆積環境等で分類される。
粒径による分類では、以下のように細かく分けられる。
名称 | 英名 | 粒径 |
極粗粒砂 | very coarse sand | 2〜1mm |
粗粒砂 | coarse sand | 1〜1/2mm (1,000〜500μm) |
中粒砂 | medium sand | 1/2〜1/4mm (500〜250μm) |
細粒砂 | fine sand | 1/4〜1/8mm (250〜125μm) |
極細粒砂 | very fine sand | 1/8〜1/16mm (125〜62.5μm) |
粗砂(2〜0.2mm)と細砂(0.2〜0.02mm)に分ける場合もある。
粒径が2mm以上のものを礫、1/16mmより小さいものを泥(粘土とシルト)という。
細粒砂 |
中粒砂 |
粗粒砂 |
構成鉱物による分類では主に石英、長石、岩片、有色鉱物に着目して行われる(石英砂など)。構成鉱物の比率は、砂の供給源となった母岩を推定する上で重要な手がかりとなる。
山砂や川砂、火山砂など、堆積環境や成因に着目した分類も行われる。
主な利用法
- コンクリートなどの原料(細骨材)として用いられる。
- 砂撒き装置などを用いて路面凍結(滑走)の防止に用いられる。
- アルコール類の火災発生時に、消火で使う。ただしかなりの量をかける必要がある。
- 砂場や砂浜などで砂遊びをする。
- 砂時計の中で使われる。
別名など
- 鉄(鉄鉱石)や金が砂となったものは「砂鉄」「砂金」と呼ぶ。
- 石英を中心とする砂(「珪砂」)には、音の出る「鳴り砂、鳴き砂」と呼ばれるものがある。
- 砂と小石が混ざったものは「砂利」と呼ばれる。
- 砂でできた堆積物が続成作用により岩石(堆積岩)になったものを「砂岩」と呼ぶ。
砂による地形
- 砂の堆積する海岸を「砂浜」と呼ぶ。
- 珊瑚礁などに見られる砂浜などは珊瑚の破砕物である。
- 砂が丘状に堆積する地形を「砂丘」と呼ぶ。
- 砂が海に堆積してできる、くちばし型の地形を「砂嘴」と呼ぶ。
- 砂が海に細長く堆積して出来る地形を「砂州」と呼ぶ。
星の砂
詳細は「星の砂」を参照
一つ一つの粒が星形をしている。日本沖縄諸島、台湾澎湖諸島などの名産。正確には有孔虫という生物の殻で、砂ではない。
関連項目
脚注
- ^ 地学団体研究会(1996)による。
参考文献
- 国立天文台編 『理科年表 平成20年』 丸善、2007年、ISBN 978-4-621-07902-7。
- 砕屑性堆積物研究会編 『堆積物の研究法-礫岩・砂岩・泥岩』 地学団体研究会<地学双書>、1983年
- 地学団体研究会 編『新版 地学事典』平凡社、1996年。ISBN 4-582-11506-3。
外部リンク
- 須藤定久研究室(独立行政法人産業技術総合研究所)