登山道
もともと登山以外の目的で設置されたものの、登山目的として使用されている道も登山道として呼ぶこともある。
登山目的に関わらず、山中にある道全般をさす場合は山道(やまみち)と表現されうる。 本稿では日本国内での登山道について述べる。
解説
登山道の種類はさまざまであり、富士登山道など軽自動車が走行できるほどの広いものや、道があることさえわからないけもの道同様の程のものまである。日本アルプス(あるいは八ヶ岳連峰など)には尾根沿いに網目のように敷設され、避難小屋・展望台などがある。
登山国道
車両が通れず、歩行者のみが通れるような登山道が国道になっているところもある(いわゆる酷道の一種)。このような登山国道は、地図上では、登山道部分が通常の道路と同じく線で描かれていたり、破線(点線国道)で描かれていたり、登山道部分が線・破線共に描かれていないなど、地図によって様々なパターンがある。現在登山国道の多くは将来、車道として開通する予定であるが、自然環境の保護(国道401号の尾瀬部分など)や財政難などの理由により車道として開通する予定がないものもある。かつて国道289号甲子峠は登山道に国道標識があり、登山国道として有名であったが、2008年9月21日に甲子道路が開通し、国道の指定がなくなったため国道標識は撤去された[1]。
この他に都道府県道や市町村道が登山道になっているものも全国的に存在する。
主な登山国道 - 国道152号、国道256号、国道257号、国道274号、国道289号、国道291号、国道305号、国道352号、国道353号、国道371号、国道401号、国道405号、国道416号、国道422号、国道452号、国道472号、国道476号、国道482号
管理者
登山道は、前述の一部公道を除き管理者が不明確になっている場合が多い[2]。これは登山道の多くが自然発生的に成立したものがほとんどであり、管理上のコストやリスクを特定の者(地方自治体を含む)が負うことが困難なためである(遊歩道内の倒木による事故では、2億円近い損害賠償が認められた事例がある[3])。このため道の修繕をはじめとした管理の実態は、地元の山小屋や愛好者の一部が匿名のまま自腹や寄付金により行っている場合が多い[4]。
著名な登山道
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- お鉢巡り(富士山火口周囲の縦走路)
- 表銀座・裏銀座・西銀座ダイヤモンドコース(北アルプスの主要縦走路の通称)
- 小池新道(北アルプス、新穂高温泉から双六小屋に至る縦走路)
- 水平歩道・日電歩道(黒部峡谷・下廊下の縦走路)
- 奥高尾縦走路
出典
- ^ 佐藤健太郎『ふしぎな国道』講談社〈講談社現代新書〉、2014年、21-24頁。ISBN 978-4-06-288282-8。
- ^ 八ケ岳登山道の管理責任は誰に-茅野市と管理署で論議(47Club 信州山小屋ネット2007年1月5日)
- ^ 1億9300万円賠償確定/奥入瀬渓流落枝訴訟(デイリー東北新聞社2009年2月6日)
- ^ 登山道整備協力呼び掛け、各山小屋に募金箱(信濃毎日新聞2005年8月3日)