梶山雄一

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Tanaka0519 (会話 | 投稿記録) による 2015年11月4日 (水) 08:43個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (適当な順序に変更)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

梶山 雄一(かじやま ゆういち、1925年1月2日 - 2004年3月29日)は、日本仏教学者、文学博士、京都大学名誉教授。

来歴・人物

静岡市出身。旧制静岡高校を経て、京都大学文学部哲学科(仏教学専攻)卒業。久松真一長尾雅人の指導を受ける。1953年から3年間インドビハール州ナーランダ・パーリ研究所に留学、1959年5月に「居庸関」の共同研究で日本学士院賞受賞。

京都大学文学部助教授・教授。同僚に大地原豊服部正明柳田聖山らがいる。退職後は佛教大学教授、総合研究所を設立し所長。1997年から創価大学国際仏教学高等研究所教授、海外の諸大学での客員教授等や、日本印度学仏教学会常任理事を務めた。

大乗仏典における「」思想〉研究の第一人者で、ダルマキールティを中心とした仏教論理学中観研究、浄土思想研究にも多大な功績がある。門下生には、御牧克己(京都大学名誉教授、日本学士院会員)をはじめ、赤松明彦(京都大学元副学長、現教授)、桂紹隆(広島大学名誉教授)や没後の著作集編纂に携わった吹田隆道などがいる。

没後に『梶山雄一著作集』(春秋社、全8巻)が刊行された。

著書

単著

  • 般若経 空の世界』 中公新書 1976年/新装版 中公文庫BIBLIO 2002年
  • 『「さとり」と「廻向」 大乗仏教の成立』 講談社現代新書 1983年/改訂版 人文書院 1997年
  • 『仏教における存在と知識』 紀伊国屋書店 1983年、新装版2011年
  • 『空入門』 春秋社 1992年、新装版2003年
  • 『空の思想 仏教における言葉と沈黙』 人文書院 1983年
  • 菩薩ということ』 人文書院 1984年
  • 『輪廻の思想』 人文書院 1989年
  • 『梶山雄一仏教哲学論集』 臨川書店 1989年、普及版2005年、欧文21篇の論文集

著作集

  • 『第1巻 仏教思想史論』 吹田隆道編、春秋社、2013年3月
  • 『第2巻 般若の思想』 御牧克己編、2012年6月
  • 『第3巻 神変と仏陀観・宇宙論』 吹田隆道編、2012年12月
  • 『第4巻 中観と空I』 御牧克己編、2008年
  • 『第5巻 中観と空II』 御牧克己編、2010年
  • 『第6巻 浄土の思想』 吹田隆道編、2013年7月
  • 『第7巻 認識論と論理学』 吹田隆道編、2013年11月 
  • 『第8巻 報と輪廻・仏教と現代との接点』 御牧克己編、2011年

共著・編訳著

  • 『空の論理 中観 〈仏教の思想3〉』 上山春平共著、角川書店(全10巻)、初版1969年 / 角川文庫ソフィア(改訂版)、1997年
  • 『仏教の思想 その原形をさぐる』 上山春平共編、中公新書、1974年
  • 世界の名著2 大乗仏典』 中央公論社、初版1967年、新装版・中公バックス
    • 上記の一部、モークシャーカラグプタ 『論理のことば』 中公文庫、1975年、復刊1992年
  • 「大乗仏典 インド篇」全15巻、中央公論社、初版1974-76年、新装版1980-81年 / 中公文庫、2001~05年、編集委員
  • 「大乗仏典 日本・中国篇」全30巻、中央公論社、長尾雅人柳田聖山と監修、1987年~96年
  • 『さとりへの遍歴 華厳経入法界品』(監修、上下、中央公論社、1994年)
共訳者は桂紹隆・丹治昭義・田村智淳・津田真一。サンスクリット文原典)より現代語訳
  • 「講座・大乗仏教」 全10巻、春秋社、1982-85年、新装版1995-96年。以下は各編集委員
    • 『第2巻 般若思想』、『第7巻 中観思想』、『第9巻 認識論と論理学』に論考収録
  • 「岩波講座 東洋思想」 全16巻、岩波書店、1988~90年、復刊1998~99年
    • 『第8巻 インド仏教I』、『第10巻 インド仏教III』に論考収録
  • 「原始仏典」 全10巻、講談社 1985年ほか。『第10巻 ブッダチャリタ』ほか
  • 「浄土仏教の思想」 全15巻、講談社 1991年~2000年

論文