本人確認
本人確認(ほんにんかくにん)とは、行政庁等に対して公文書の申請や公的機関などで手続きをする際、及び犯罪収益移転防止法における特定事業者と取引をする際に、当該行政庁等、公的機関及び特定事業者が、相手方が本人であることに間違いがないことを確認することをいう。
本人確認が必要なケース
本人確認が必要とされるケースとして、以下のような例がある。
当初は本人確認が不要であったか、または簡易な手続きのみ(公文書を提示せず、自己申告で住所・氏名など最低限の個人情報を記入させるなど)で済ませ、提供されていたサービスが多く見られたが、次第に詐欺などの犯罪行為へ悪用されるケースが増えてきたため、後から本人確認を導入し、また犯罪収益移転防止法などの法律で義務づけるケースさえ出てきた。
このケースから、セキュリティや危機管理を軽視していた感も否めず、最近の本人確認の重要性が改めて認識されるようになりつつある[要出典]。
- サービスが開始されたばかりの当初は、本人確認が不要で気軽に購入できたことから、誘拐や振り込め詐欺、闇金融などの犯罪で悪用される事件が多発するようになったため、後手で身分証明書の提示を要求するようになった。
- 本人確認を導入する前に購入された端末が大量に転売され、依然犯罪行為への悪用が続いているが、合法的な利用者も数多く存在するため、全ての端末の使用を停止したり、処分することができない問題を残している。
- 近年多発しているワンクリック詐欺や振り込め詐欺などにより架空口座の横行が問題となっているため、それらの防止を強化する観点から、金融機関の口座を開設する際に本人確認が必要になり、より厳密な条件で運用されるようになっている。
- Yahoo! オークション(通称ヤフオク)のサービス開始時においても、本人確認を行わず、かつ無料でユーザ登録や出品も可能であったことからオークション詐欺が多発してしまった。
- そのため、本人確認の導入を余儀なくされ、基本的な対策が後手に回る結果となり、さらに全てのサービスが有料化されることにもなったため、一時はユーザからの苦情も絶えなかったという。
- コンサートやライブ
- インターネットオークションやダフ屋などでの転売防止対策の為に入場時に行われる。主にチケット券面記載の氏名と身分証の氏名が一致するかチェックされる。入場に時間がかかる大規模な会場では、全員では無くランダムで行われることもある。
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本人確認の手段
一般的には国籍(外国人の場合)・本籍・現住所(本籍と異なる場合)・氏名・生年月日(年齢[1])など必要最低限な個人情報を確認できる公文書[2]を要し、主に以下のようなものが用いられる。
- 住民票
- 戸籍謄本
- 運転免許証
- 旅券(パスポート)
- 個人番号カード
- 住民基本台帳カード(写真付きのもの)
- 在留カード(外国人の場合)
- 健康保険証
- 障害者手帳
- 学生証
- 印鑑証明書
- 宅地建物取引士証
- 無線従事者免許証
- その他の公文書(原則は原本だがインターネット関係の業者と利用者との本人確認によりコピーが利用できる場合がある。)
問題点
ひとたび成人すれば、本人確認で用いる公文書や、宅地建物取引士証のような国家資格の証明書などを所持する機会も多くなるが、児童の場合、本人確認に用いる公文書を所持するのが困難(無資格では住民票や個人番号カードや国民健康保険証やパスポートくらいしか所持できない)、年齢の上限に関わる申請が困難となることもある[3]ため、その場合は保護者が代理となる形で申請しなければならなくなることもある。なお、一般に、生徒証・学生証は、国公立学校発行のものであっても、それのみでは本人確認に用いることができない。
脚注
- ^ 一定の年齢以上(20歳以上〜など)にあるかを見るため、年齢の下限を調べるケースが多いが、まれに年齢の上限が課せられるケース(公務員試験など)もある。
- ^ 個人情報の改竄(公文書偽造罪)を防ぐため、コピーの提示は不可とし、原本を提示するよう要求されることもある。
- ^ 法令上、16歳以上であれば原付免許の取得も不可能ではないが、全日制の高等学校の生徒は多くの場合は、三ない運動や校則で免許の取得を禁止や取得の条件を制限している。
関連項目
- 犯罪による収益の移転防止に関する法律(通称:犯罪収益移転防止法)
- 生体認証
- パスワード
- 身分証明書