幻冬舎

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株式会社 幻冬舎
GENTOSHA INC.
種類 株式会社
市場情報
東証JQ 7843
2011年3月16日上場廃止
本社所在地 151-0051
東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目9番7号
設立 1993年11月12日
業種 情報・通信業
法人番号 3011001029520 ウィキデータを編集
事業内容 書籍の出版
代表者 代表取締役社長 見城徹
資本金 3億3591万円
従業員数 81名(2010年3月31日現在)
決算期 3月31日
主要株主 TKホールディングス 100%
外部リンク http://www.gentosha.co.jp/
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株式会社 幻冬舎(げんとうしゃ)は日本出版社

概要

角川書店の有力編集者であった見城徹が、当時の社長・角川春樹コカイン密輸事件をきっかけに退社し、仲間5人と1993年11月12日に設立した。出版社を設立するよう見城に勧めたのが五木寛之であり、社名も五木の命名による(五木が提示した3案から見城が選んだ)[1]。幻冬舎のマークに描かれている「槍を高くかざした人間」のモデルは見城本人で、自らポーズをとって描かせたものである。

1994年3月に初の単行本6点を出版。創業したばかりの出版社であるにも関わらず、五木寛之北方謙三篠山紀信村上龍山田詠美吉本ばなな、という人気作家揃いの内容であった[2]

書籍文庫のほか、子会社である「幻冬舎コミックス」で漫画も出版している。コミック部門から撤退したソニー・マガジンズのコンテンツを引き継ぐ形で業務を始めた。またボーイズラブ系文庫・ノベルズもこの会社から出されている(販売はすべて幻冬舎が受け持っている)。創立から15年間の間に14冊のミリオンセラーが出ている。

2003年には日本スポーツビジョンを子会社化し、スポーツのライセンスビジネスに乗り出したが[3][4]、5ヶ月後の2004年3月、同社の民事再生法適用を申請、特別損失10億円を計上した[5]

ライブドアと出版分野で業務提携を行い、子会社の幻冬舎ルネッサンスを通じて、ライブドアパブリッシングを合弁で設立している。また、サイバーエージェント系の出版社アメーバブックスの販売も受託。2007年にサイバーエージェントが出版から撤退する方針を示し、アメーバブックスは業務を終了したが、直後に「アメーバブックス新社」として再興し、幻冬舎が引き続き販売権を保持している。

過去に、アウトロー作品を対象とした「幻冬舎アウトロー大賞」を開催していた。(現在は中止)

2008年5月TOKYO FMSCHOOL OF LOCK!」との共同プロジェクトによりあらすじと第一話のみ応募する10代限定の文学新人賞「蒼き賞」を行う。

2009年3月吉本興業との共同プロジェクトにより「幻冬舎よしもと文庫」が創刊。吉本所属の芸人が、さまざまな出版社から出してきた小説やエッセーの文庫化にあたり、幻冬舎が新レーベルを立ち上げて一本化することで合意した。

東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目に本社がある。2007年に本社ビルの正面に当る敷地に新館ビルを建設。

2010年10月29日にMBO(マネジメント・バイアウト)の実施を発表した。しかし、投資ファンドのイザベルリミテッドが市場で買い進め、同年12月6日に筆頭株主になったことが、関東財務局に提出された大量保有報告書及び変更報告書により判明した[6]。公開買い付け(TOB)を行っているTKホールディングスは、イザベルリミテッドに対抗して、同年12月13日にTOBの買付け価格を220,000円から248,300円に変更し、同時に買付予定数の下限を18,300株から13,725株に変更し、買付期間も9営業日延長し2010年12月28日までとすることを発表した[7][8]。その後、MBOは成立。上場廃止となった。

沿革

  • 1993年11月12日 - 株式会社幻冬舎を東京都新宿区に設立。
  • 2001年10月1日 - 株式会社幻冬舎コミックを設立。
  • 2003年1月30日 - 株式を店頭公開。
  • 2011年3月16日 - 上場廃止。

主なベストセラー

発行雑誌(定期刊行物)

  • GINGER』(ジンジャー) 女性向けのファッション情報誌。
  • GOETHE』(ゲーテ) 男性向けビジネス情報月刊誌。
  • papyrus』(パピルス) 文芸誌だが、タレントやスポーツ選手が多く登場。かつて見城が手がけていた『月刊カドカワ』に近い。
  • GINGER L。』(ジンジャー エール) 女性向けの文芸誌。『GINGER』の姉妹紙。

漫画雑誌・ウェブコミック

※幻冬舎コミックスより出版

横領事件

2009年5月、元経理部社員による横領事件が発覚。着服は2001年8月から2009年3月の8年間で9億1230万円。同社会計システムを操作し、取引先に同社の書籍を出荷したように装い、架空の売掛金を計上していた[9]

脚注

  1. ^ 塩澤実信『出版社大全』、838頁。
  2. ^ 塩澤実信『出版社大全』、840頁。
  3. ^ 相場概況”. ゴールデンチャート社 (2003年10月3日). 2011年7月21日閲覧。
  4. ^ 幻冬社、日本スポーツビジョンを子会社化”. SSK (2003年10月23日). 2011年7月21日閲覧。
  5. ^ 日本スポーツビジョンが民事再生法適用を申請”. SSK (2004年4月5日). 2011年7月21日閲覧。
  6. ^ 主要株主及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ(幻冬舎 2010年12月7日プレスリリース)
  7. ^ 株式会社TKホールディングスによる買付条件等の変更後の当社普通株式等に対する公開買付けへの賛同及び応募の推奨に関するお知らせ(幻冬舎 2010年12月13日プレスリリース)
  8. ^ TKホールディングスは、2010年12月29日の公式発表で、多くの既存株主からのTOB応募がありTOBは成功したことを発表した。しかし、株主総会で重要案件を否決可能な議決権ベースで3分の1以上の株式を取得しているイザベルリミテッドがTOB参加に拒否しているため、MBOの成立は不透明な状況が依然として続いている。
  9. ^ 幻冬舎、元社員の着服、8年にわたり約9億円”. 日経BP (2009年5月20日). 2011年7月21日閲覧。

外部リンク