幕末純情伝
『幕末純情伝』(ばくまつじゅんじょうでん)は、つかこうへい作の小説、演劇、およびこれを原作として薬師寺光幸が監督した1991年公開の日本映画。
概要
沖田総司は女性だったという設定で幕末の騒乱記を描く時代劇で、沖田と土方歳三や坂本龍馬の恋愛模様が繰り広げられる。 発表媒体で設定は異なり、たとえば捨て子だった沖田の養家の義兄(これも沖田と恋愛関係にある)は小説では小栗忠順、舞台版では勝海舟となっており、映画では沖田の出自には触れておらず義兄は登場しない。
小説
『幕末純情伝―龍馬を斬った女―』のタイトルで『野性時代』(角川書店)1988年7月号に一挙掲載され、同9月30日に単行本として刊行。のちに角川文庫化され、さらに光文社文庫から「つかこうへい演劇館」の一冊として再刊されたものが電子書籍になっている。 関連作として、舞台版の設定を踏まえた新選組メンバーのキャラクターや沖田総司の出生の設定等スケールアップされた『龍馬伝』三部作(完結はしていない)がある。 舞台上演に際して戯曲が発表されているが、実際の芝居内容と異なるところも多い。
書誌情報
- 幕末純情伝―龍馬を斬った女―
- 角川書店 1988年9月30日 ISBN 978-4048725092
- 角川文庫 1990年12月10日 ISBN 978-4041422342
- 光文社文庫(つかこうへい演劇館) 1998年3月20日 ISBN 978-4334725693
- 戯曲 幕末純情伝 白水社 1989年8月7日 ISBN 978-4560033455
- つかこうへい戯曲シナリオ作品集(4) 白水社 1996年11月15日 ISBN 978-4560034897
- 新・幕末純情伝 戯曲(ENBU研究所の本) 演劇ぶっく社 1999年7月 ISBN 978-4795235848 ※構成:岡村俊一
- 戯曲&小説 幕末純情伝 トレンドシェア 2008年 ISBN 978-4-905090-00-7
- 龍馬伝 野望篇
- 角川書店 1991年2月 ISBN 404872617X
- 角川文庫 1991年7月 ISBN 978-4041422361
- 龍馬伝 青春篇
- 角川書店 1991年12月 ISBN 978-4048726849
- 角川文庫 1995年2月 ISBN 978-4041422396
- 龍馬伝 決死篇
- 角川書店 1993年6月 ISBN 978-4048727524
- 角川文庫 1995年11月 ISBN 978-404142240X
- 龍馬伝 三部作完全収録 トレンドシェア 2010年6月8日 ISBN 978-4905090069
舞台
この節の加筆が望まれています。 |
年 | タイトル | 演出 | 沖田総司 | 坂本龍馬 | 主催・制作・劇団 | 主な劇場 |
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1989 | 「幕末純情伝 黄金マイクの謎」 | つかこうへい | 平栗あつみ | 西岡徳馬 | パルコ | PARCO劇場 |
1990 | 「幕末純情伝 黄金マイクの謎」 | つかこうへい | 平栗あつみ | 西岡徳馬 | パルコ | PARCO劇場 |
1998 | つかこうへいオールスター顔見世興行 「新幕末純情伝」 |
岡村俊一 | 藤谷美和子 | 筧利夫 | R.U.Pプロデュース | Bunkamura シアターコクーン |
1999 | 「新幕末純情伝 空駆ける龍、再び」 | 岡村俊一 | 藤谷美和子 | 筧利夫 | R.U.Pプロデュース | 銀座セゾン劇場 |
2003 | つかこうへいダブルス2003 「幕末純情伝」 |
杉田成道 | 広末涼子 | 筧利夫 | アール・ユー・ピー | 青山劇場 |
2007 | 「幕末純情伝」 | 後藤宏行 | 小野妃香里 | 藤浦功一 | 劇団OPA | 笹塚ファクトリー |
2008 | 「幕末純情伝 龍馬を斬った女」 | つかこうへい | 石原さとみ | 真琴つばさ | 松竹株式会社 | 新橋演舞場 |
2011 | パルコ劇場 つかこうへい追悼公演 「新・幕末純情伝」 |
杉田成道 | 鈴木杏 | 馬場徹 | パルコ | PARCO劇場 |
2012 | つかこうへい三回忌特別公演 「新・幕末純情伝」 |
岡村俊一 | 桐谷美玲 | 神尾佑 | アール・ユー・ピー | Bunkamura シアターコクーン |
2014 | つかこうへいダブルス2014 「新・幕末純情伝」 |
岡村俊一 | 河北麻友子 | 神尾佑 | アール・ユー・ピー | シアタートラム |
2015 | 「新・幕末純情伝」 | 松本和巳 | 西平風香 | 武田航平 | gmk project | 新国立劇場 小劇場 |
2016 | つかこうへい七回忌特別公演 「新・幕末純情伝」[1] |
岡村俊一 | 松井玲奈 | 天王洲銀河劇場 紀伊國屋ホール 梅田芸術劇場メインホール |
1989年1 - 2月、つかこうへい演劇復帰作『今日子』において、当日の出演者に春田純一を加えた特別キャストで『幕末純情伝』予告編が披露された[2]。
映画
幕末純情伝 | |
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監督 | 薬師寺光幸 |
脚本 | 薬師寺光幸 |
原作 | つかこうへい |
製作 | 奥山和由 |
製作総指揮 | 角川春樹 |
出演者 |
渡辺謙 牧瀬里穂 杉本哲太 |
音楽 | 国吉良一 |
主題歌 | BY-SEXUAL |
撮影 | 浜田毅 |
編集 | 荒川鎮雄 |
製作会社 | 角川春樹事務所 |
配給 | 松竹 |
公開 | 1991年7月6日 |
上映時間 | 105分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 8.6億円(配給収入)[3] |
1991年公開。松竹製作。併映は『ぼくらの七日間戦争2』。
急病により「天と地と」を降板した渡辺謙の復帰第1作でもある(角川春樹が渡辺に「復帰したら、(復帰後に)最初に製作される映画に出演させる」と約束したため)。
概要
~沖田総司はBカップ~
「沖田総司は女だった」という奇想天外なストーリーの痛快幕末時代劇コメディー。牧瀬里穂が沖田総司を演じた。
キャスト
- 牧瀬里穂(沖田総司)
- 杉本哲太(土方歳三)
- 渡辺謙(坂本竜馬)
- 伊武雅刀(近藤勇)
- 財前直見(深雪)
- 石丸謙二郎(大久保利通)
- 榎木孝明(松平容保)
- 柄本明(桂小五郎)
- 津川雅彦(岩倉具視)
- 桜金造(西郷隆盛)
- 松金よね子(お登勢)
- 木村一八(岡田以蔵)
- 伊藤敏八(中村半次郎)
- 角田英介(井上源三郎)
- 貞永敏(山南敬助)
- 野崎海太郎(原田左之助)
- 五島拓弥(永倉新八)
- 友居達彦(藤堂平助)
スタッフ
- 原作:つかこうへい
- 脚本・監督:薬師寺光幸
- 製作総指揮:角川春樹
- 製作者:奥山和由
- 撮影:浜田毅
- 編集:荒川鎮雄
- 録音:弦巻裕
- 音楽:国吉良一
- 主題歌:BY-SEXUAL「幕末純情伝」
- 劇中振付:ラッキィ池田
脚注
- ^ “つかこうへい七回忌特別公演「新・幕末純情伝」主演に松井玲奈”. ステージナタリー (2016年3月1日). 2016年3月1日閲覧。
- ^ “1994年「つかこうへい」という世界(一志治夫)|第4回:変わり続ける台詞〈1〉”. G2. 2016年4月3日閲覧。
- ^ 中川右介「資料編 角川映画作品データ 1976-1993」『角川映画 1976‐1986 日本を変えた10年』角川マガジンズ、2014年、285頁。ISBN 4-047-31905-8。