三井芦別鉄道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Tamrono157 (会話 | 投稿記録) による 2015年9月12日 (土) 06:10個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎輸送・収支実績)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

三井芦別鉄道
概要
現況 廃止
起終点 起点:芦別駅
終点:頼城駅
駅数 10駅
運営
開業 1940年11月25日 (1940-11-25)専用鉄道として)
地方鉄道変更 1949年1月20日
廃止 1989年3月26日 (1989-3-26)
所有者 同社
路線諸元
路線総延長 9.1 km (5.7 mi)
軌間 1,067 mm (3 ft 6 in)
最小曲線半径 220 m (720 ft)
電化 全線非電化
最急勾配 16.6
テンプレートを表示
停車場・施設・接続路線
STR
JR北根室本線
BHF
0.000 芦別駅
exSTRrg eABZrf
exBHF STR
0.630 高校通駅
exSTR STRlf
根室本線
exTUNNEL1
1.496 芦別隧道 69m
exBHF
3.510 山の手町駅
exBHF
4.100 三井芦別駅
exBHF
5.100 入山駅
exWBRÜCKE
5.259 炭山川橋梁 81.92m
exBHF
5.830 中の丘駅
exWBRÜCKE
6.383 芦別川橋梁 104.09m
exBHF
6.800 幸町駅
exBHF
7.450 緑泉駅
exBHF
8.110 西町アパート前駅
exBHF
8.670 芦の湯駅
exBHF
9.110 頼城駅
exKHSTe
9.910 玉川駅

三井芦別鉄道(みついあしべつてつどう)は、北海道芦別市で鉄道事業を行っていた鉄道事業者、あるいは同社が運営した芦別駅と頼城駅を結ぶ鉄道路線である。

路線データ

  • 路線距離(営業キロ):芦別 - 頼城間 9.6km[1]
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:10駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:なし(全線単線)
  • 電化区間:なし(全線非電化
  • 閉塞方式:タブレット閉塞式

運行形態

専用鉄道時代には滝川機関区の蒸気機関車が石炭列車と便乗扱いの客車の運行に当たった。地方鉄道化後は混合列車が主体となったが、気動車導入により最盛期には女性車掌が乗務し一日20数往復した。末期は数往復の貨物列車が運行されていた。

歴史

1940年(昭和15年)12月開業の三井鉱山芦別専用鉄道(芦別 - 西芦別・後の三井芦別)が、その後延長され1949年(昭和24年)1月に三井鉱山株式会社芦別鉄道(芦別 - 頼城間)として地方鉄道に改組・開業したものである。

専用鉄道時代は滝川機関区の機関車が入線し石炭輸送に当たったが、地方鉄道化により機関車が増備された。1958年(昭和33年)1月には気動車3両が導入され旅客輸送の近代化が図られ、また炭鉱の合理化に伴い鉄道部門は1960年(昭和35年)10月に三井芦別鉄道株式会社として分離・独立した。1964年(昭和39年)11月には貨物部門の輸送力増強のために国鉄DD13形と同等の社形ディーゼル機関車が導入された。一方旅客部門は炭鉱合理化に伴う沿線人口の減少、並行バス路線の充実により、1972年(昭和47年)5月末に運行を取り止めた。残った石炭輸送も、三井芦別炭鉱の合理化に伴い1989年(平成元年)3月に廃止され、炭鉱自体も1992年(平成4年)9月に閉山となった。

  • 1940年(昭和15年)11月25日:三井鉱山専用鉄道 芦別 - 西芦別(のちの三井芦別)間4.1km開業
  • 1945年(昭和20年)12月15日:三井鉱山専用鉄道 西芦別 - 頼城間5.5km開業[1]
  • 1949年(昭和24年)
  • 1958年(昭和33年)
    • 1月:気動車3両を導入し客貨分離を図る
    • 1月20日:高校通駅、山の手町駅、入山駅、幸町駅、西町アパート前駅、芦の湯前駅開業
  • 1960年(昭和35年)10月1日:三井鉱山芦別鉄道が三井芦別鉄道に譲渡される
  • 1964年(昭和39年)11月:50tディーゼル機関車導入
  • 1972年(昭和47年)6月1日:旅客輸送廃止[1]。気動車全廃[1]
  • 1989年(平成元年)3月26日:芦別 - 頼城間地方鉄道営業廃止[1]

駅一覧

芦別駅 - 高校通り駅* - 山の手町駅* - 三井芦別駅 - 入山駅* - 中の丘駅 - 幸町駅* - 緑泉駅 - 西町アパート前駅* - 芦の湯前駅* - 頼城駅 - 玉川町駅*

*印の駅は停留所。ただし玉川町駅は乗降所で正式には頼城駅構内扱い。

接続路線

輸送・収支実績

年度 旅客輸送人員(人) 貨物輸送数量(トン) 鉄道業営業収入(千円) 鉄道業営業費(千円)
1952 2,478,527 780,791
1958 3,612千 631,630
1963 2,309千 1,047,611
1966 1,943千 1,458,731
1979 768,266 355,629 303,360
1980
1981
1982 720,600 365,846 350,790
1983
1984 718,566 358,451 339,460
1985 754,166 390,482 366,375
1986 576,549 308,208 301,746
1987 587,836 317,051 305,812
1988 434,469 268,351 276,857
  • 地方鉄道軌道統計年報1952年、私鉄統計年報1958.1963.1966年、民鉄主要統計『年鑑世界の鉄道』1983年『年鑑日本の鉄道』1985年、1987年-1991年

保存車両・施設

かつての入山駅 - 中の丘駅間に架かる炭山川橋梁に、ディーゼル機関車DD501と石炭貨車セキ3000が保存展示されている。定期的に塗り直しており、冬季は鉄橋から地上区間に移動のうえで保管し、傷みから守っている。芦別駅から、空知交通バス(北海道中央バス芦別営業所廃止代替バス)頼城線に乗車、西芦6丁目バス停下車徒歩5分。

炭山川橋梁自体も、2009年(平成21年)1月22日に国の登録有形文化財に登録された。

また廃止後、ディーゼル機関車DD503が京葉臨海鉄道に売却されている。

脚注

  1. ^ a b c d e f 鉄道ファン』第35巻第8号、交友社、1995年8月、66頁。 

参考文献

  • 小熊米雄 (1966). “三井芦別鉄道”. 鉄道ピクトリアル No. 186 (1966年7月臨時増刊号:私鉄車両めぐり7): pp. 4, 11-21. (再録:鉄道ピクトリアル編集部 編『私鉄車両めぐり特輯』 2巻、鉄道図書刊行会、東京、1977年。 

関連項目

外部リンク