リュウキュウツチトリモチ

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リュウキュウツチトリモチ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ビャクダン目 Santalales
: ツチトリモチ科 Balanophoraceae
: ツチトリモチ属 Balanophora
: リュウキュウツチトリモチ B. fungosa
学名
Balanophora fungosa
J. R. et G. Forster
和名
リュウキュウツチトリモチ

リュウキュウツチトリモチ(琉球土鳥黐、Balanophora fungosaシノニムB. kuroiwai)とは、ツチトリモチ科ツチトリモチ属寄生植物

特徴[編集]

小型の寄生植物で、12 - 1月頃、高さ8 - 15cmの植物体花茎)を地上に出す。鱗片葉は橙色、地上に出始めの頃は花茎に密着しているが、次第に開いていく。地下茎は塊状で、皮目がない。花茎はこの地下茎の頂端から複数個出る。花序は短くてほぼ球形をしている。雌雄同株で一つの花穂に雄花と雌花が一緒につく。花穂(花)は球形から楕円形(卵型)で、長さ1.5 – 3 cm、普通は帯紅色。ごく微少な雌花が花穂の表面に密生し、雄花は花穂の基部を取り巻くようにつく。雄花の花被は四枚で、成熟後に反り返る。雄しべは四つあるが、互いに寄り合うので花びらの真ん中に雄しべが一つだけ突き出しているように見える。

石灰岩地域の海岸林内で、クロヨナリュウキュウガキオオバギに寄生し、場所によっては森林の地表に一面に姿を見せる。南西諸島ではキイレツチトリモチも似た場所に姿を見せる。

分布[編集]

日本には沖縄県沖縄諸島沖縄島伊計島久高島)、宮古諸島宮古島)、八重山諸島石垣島竹富島西表島与那国島)及び尖閣諸島魚釣島久場島)に、日本国外には台湾フィリピンオセアニアスラウェシ島に分布する。

分類について[編集]

リュウキュウツチトリモチは、牧野富太郎により琉球諸島固有種B. kuroiwaiとされ、古い図鑑等ではこれを採用していることが多いが(沖縄県、1997・多和田、1989)、最近では、琉球諸島及び東南アジア・オセアニナ等に広く分布するB.fungosaと同一する事が定説になっている(沖縄県、2006)。

保護上の位置づけ[編集]

生育地である下記の地方公共団体が作成したレッドデータブックにも掲載されている。

参考文献[編集]

  • 沖縄県環境保健部自然保護課編 『沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物 - レッドデータおきなわ - 』、1997年。
  • 沖縄県文化環境部自然保護課編 『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(菌類編・植物編) - レッドデータおきなわ - 』、2006年。
  • 多和田真淳監修・池原直樹著 『沖縄植物野外活用図鑑 第7巻 シダ植物~まめ科』 新星図書出版、1989年。
  • 初島住彦・天野鉄夫 『増補訂正 琉球植物目録』 沖縄生物学会、1994年。

外部リンク[編集]