スモモ

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スモモ
スモモ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: バラ目 Rosales
: バラ科 Rosaceae
亜科 : スモモ亜科 Prunoideae
: スモモ属 Prunus
: スモモ P. salicina
学名
Prunus salicina
和名
スモモ(酢桃、李)
英名
Japanese plum

スモモ(李、酢桃、学名:Prunus salicina)はバラ科サクラ属落葉高木。また、その果実のこと。中国原産。

概要

スモモの果実はモモに比べて酸味が強いことが、和名の由来となっている。漢字では「李」とも書かれる。英語では"Asian plum","Japanese plum"などと呼ばれる[1](ただしウメも「プラム」と呼ばれることがある)。地域によっては、ハダンキョウあるいはハタンキョウ(巴旦杏)とも呼ばれるが、同じく巴旦杏と呼ばれるアーモンドとは別種である。古くから日本に伝わっており、和歌などにも詠まれる。農園で栽培される他、自生しているものもある。

19世紀にアメリカに渡ったスモモは育種家のルーサー・バーバンクの手により「ソルダム」、「サンタローザ」、「ビューティー」などの品種として改良され、再び日本に「プラム」として輸入された。それらを元に日本では「大石早生」、「月光」などに発展させていった[2]

特徴

花期は初春で白い花が咲く。花芽分化は7 - 8月頃。果実はスモモ系は6月下旬から8月中旬、プルーンの系統は9月頃収穫できる。果実は紅や黄色、果肉は淡黄色や紅色など品種によって異なる。代表的な品種としては「大石早生」、「ソルダム」、「サンタローザ」、「メスレー」、「太陽」、「ケルシー」など。比較的新しい品種では「紫峰」、「月光」、「貴陽」、「秋姫」、「いくみ」などがあり、これらの品種は従来種より糖度が高く、生食用に品種改良されている。葉が紅色のハリウッドは受粉樹に向く。スモモは自分の花粉では結実しにくい自家不和合性なのでほとんどの品種で受粉樹が必要である。日本での主産地は山梨県など。

とは異なるで、同じバラ科サクラ属の梅、、桃の花粉を利用して人工授粉させることができる。長果枝は開花しても結実しにくいので、中短果枝および花束状短果枝を出させる剪定を冬季に行う。開花期に霜に当たると、不完全花となり結実しないため、開花時期に晩霜に遭わない地域が適する。成木なのに収量が少ないのは受粉樹が近くにない・受粉樹との相性が悪い・低温晩霜に当たったのが原因と考えられる。発芽する前に石灰硫黄合剤を散布して葉や果実が膨れ上がるふくろみ病を防ぐ。シンクイムシアブラムシカイガラムシイラガ等がつく。

平成22年より、ウメ輪紋ウイルス(プラムポックスウイルス)の規制対象植物に指定され、指定地域からの種子、果実以外の持ち出しが禁止されている[3]

収穫

収穫量

都道府県別収穫量(2013年[4]

全国収穫量 21,800t
  1. 山梨県 7,450t (34.17%)
  2. 和歌山県 2,940t (13.48%)
  3. 長野県 2,810t (12.89%)
  4. 山形県 1,560t (7.16%)
  5. 青森県 998t (4.58%)
産地

主な産地として南アルプス市(山梨県)などが挙げられる。

脚注

  1. ^ Germplasm Resources Information Network "Prunus salicina Lindl. var. salicina" USDA 2015年6月1日閲覧。
  2. ^ 講談社編『旬の食材:四季の果物』、講談社、2004年、p.52.
  3. ^ 植物防疫所「ウメ輪紋ウイルス(プラムポックスウイルス)の緊急防除について」 農林水産省 2015年6月1日閲覧
  4. ^ 農林水産省 平成25年産もも、すももの結果樹面積、収穫量及び出荷量