オオツノシカ

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オオツノシカ
生息年代: 0.781–0.008 Ma
オオツノシカ骨格
スミソニアン博物館所蔵の全身骨格
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
亜綱 : 獣亜綱 Theria
: 鯨偶蹄目 Cetartiodactyla
亜目 : 反芻亜目 Ruminantia
: シカ科 Cervidae
亜科 : シカ亜科 Cervinae
: メガロケロス属 Megaloceros
学名
Megaloceros giganteus
Blumenbach,1799
和名
オオツノシカ
英名
Irish Elk
  • M. antecedens
  • M. cazioti
  • M. dawkinsi
  • M. giganteus (模式種)
  • M. luochuanensis
  • M. obscurus
  • M. pachyosteus
  • M. savini
  • M. verticornis

オオツノシカMegaloceros giganteus/大角鹿)は、200万年前 - 1万2000年前(新生代第三紀鮮新世後期 - 第四紀更新世末)のユーラシア大陸北部に生息していた大型のシカオオツノジカとも記される。マンモス毛サイと並んで氷河期を代表する動物として知られる。和名はこの属の特徴である巨大なの後枝から。学名も同様に「巨大な枝角」を意味する。なお、日本で発掘されるヤベオオツノシカSinomegaceros yabei)は別属別種であり、単にオオツノシカと呼ぶ場合は大陸産の本種を指す。

概要

オオツノシカ復元想像図。

最大のものでは肩高約2.3メートル、体長3.1メートルに達した大型のシカ。その名の通り巨大な角を持つ。角の差し渡しは最大3.6メートル以上、重量は50キログラムを超えるといわれる。この角を支えるため、首筋から肩にかけての筋肉が発達していた。この角は発情期において性的ディスプレイ及び闘争の手段として使われたと思われる。それによって傷を負い、動けなくなって餓死したと思われる個体の化石も発見されている。現生のヘラジカも大型の角を持つが、両者の類縁は遠い。

旧石器時代の壁画にかれらの姿が描かれている。おそらく人類の狩の対象になったと思われる。

分布

ヨーロッパからアジアの中北部に生息。特にアイルランドの泥炭地帯から多数化石が発見されている。そのため、かつてはアイルランドオオツノシカなどとも呼ばれた。氷河周辺の草地や疎林などで暮らしていたと思われる。

長野県野尻湖では、ナウマンゾウとならび、数多くの化石が発見されている。

参考文献