ウサギ科

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ウサギ科
ユキウサギ
ユキウサギ Lepus timidus
地質時代
始新世 - 現代
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
上目 : 真主齧上目 Euarchontoglires
大目 : グリレス大目 Glires
: ウサギ目 Lagomorpha
: ウサギ科 Leporidae
学名
Leporidae
Fischer de Waldheim, 1817
タイプ属
Lepus

ウサギ科(ウサギか、Leporidae)は、動物界脊索動物門哺乳綱ウサギ目に属する科。

分布

アフリカ大陸北アメリカ大陸南アメリカ大陸ユーラシア大陸インドネシアスマトラ島南部)、スリランカ日本[1]

形態

最大種はヤブノウサギ体長50-76センチメートル、体重2.5-5キログラム[1]。最小種はピグミーウサギで体長25-29センチメートル、体重0.3キログラム[1]

耳介は長くて、可動することができる[1]。眼は大型で、夜間および薄明薄暮時の活動に適している[1]。多くの種で歯式はの計28本[1]。 前肢よりも後肢が長く、走行に適している[1]。足裏は体毛で覆われ、走行時に地面をとらえたり衝撃を和らげる働きをする[1]。前肢の指は5本、後肢の趾は4本[1]

分類

科内の構成種はノウサギ属を除いたアナウサギ類(rabbit)と、ノウサギ属のみでノウサギ類(hare)に分けられる[1]。しかし形態からアナウサギ類に属する種でもアラゲウサギのように英名がhare(ノウサギ)とされる種もいる[1]

ウサギ科の既知の最も古い種は始新世末期に遡り、この時期に既に北アメリカとアジアに分布していた。4800万年前の中国、5300万年前のインドで発見された未命名の化石種は、原始的ではあるがウサギ科の踵の特徴を備えていた[2]。 本科の構成種は漸新世から中新世初期にかけて北アメリカ大陸で進化したと考えられている[1]。例えばパレオラグスの後肢は、現在のウサギ科と比べて短かったが、他はウサギの特徴を多く備えていた[3]

ブッシュマンウサギ属 Bunolagus

アラゲウサギ属 Caprolagus

ノウサギ属 Lepus

Nesolagus

アナウサギ属 Oryctolagus

アマミノクロウサギ属 Pentalagus

ウガンダクサウサギ属 Poelagus

アカウサギ属 Pronolagus

メキシコウサギ属 Romerolagus

ワタオウサギ属 Sylvilagus

生態

草原砂漠森林湿原などの様々な環境に生息する[1]。ノウサギ属を除いた種では地中に穴を掘って生活する(ノウサギ属の構成種でも種や気候、地域によっては穴を掘る)[1]

ウサギもノウサギもほぼ草食性[4][5]

食性は植物食で、、木の葉、樹皮、根、種子なども食べるが、昆虫を食べることもある[1]

繁殖形態は胎生。妊娠期間は多くの属で約30日(例としてアナウサギは28-33日)、妊娠期間が長い傾向にあるノウサギ属でも約40日(最も長いユキウサギで50日)[1]。ノウサギ属の幼獣は出産直後から体毛で覆われ目も開いているが、他属の幼獣は出産直後は体毛で覆われず例としてアナウサギでは生後10日で開眼する[1]

人間との関係

アナウサギは家畜化されカイウサギになった[1]

苗木などを食害する害獣とみなされることもある[1]。アナウサギやヤブノウサギはオーストラリアやニュージーランドなどに移入され、在来の植生や農地を食害し問題になっている[1]

 出典 

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編 『動物大百科5 小型草食獣』、平凡社1986年、128-143頁。
  2. ^ Handwerk, Brian (2008年3月21日). “Easter Surprise: World's Oldest Rabbit Bones Found”. National Geographic News (National Geographic Society). http://news.nationalgeographic.com/news/2008/03/080321-rabbit-bones.html 2008年3月23日閲覧。 
  3. ^ Savage, RJG, & Long, MR (1986). Mammal Evolution: an illustrated guide. New York: Facts on File. pp. 128–129. ISBN 0-8160-1194-X 
  4. ^ Best, Troy L.; Henry, Travis Hill (1994年). “Lepus arcticus”. Mammalian Species (American Society of Mammalogists) (457): pp. 1–9. June 2, 1994. doi:10.2307/3504088. OCLC 46381503. http://jstor.org/stable/3504088 
  5. ^ Snowshoe Hare” (HTML). eNature: FieldGuides. eNature.com (2007年). 2008年3月23日閲覧。

関連項目