アドレナライズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。タバコはマーダー (会話 | 投稿記録) による 2015年10月18日 (日) 21:41個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎解説)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

アドレナライズ
デフ・レパードスタジオ・アルバム
リリース
録音 1989年-1991年(オランダアイルランド
ジャンル ハードロック
ヘヴィ・メタル
時間
レーベル イギリスの旗Bludgeon Riffola
アメリカ合衆国の旗日本の旗マーキュリー・レコード
カナダの旗ヴァーティゴ
プロデュース マイク・シプリー
デフ・レパード
専門評論家によるレビュー
デフ・レパード アルバム 年表
ヒステリア
(1987)
アドレナライズ
(1992)
レトロ・アクティヴ
(1996)
テンプレートを表示

アドレナライズ (Adrenalize)はデフ・レパードの5枚目のスタジオ・アルバムである。1992年3月31日にリリースされた。このアルバムは、バンドのギタリストであるスティーヴ・クラーク死後初めてリリースされた作品でもある。プロデュースはマイク・シプリーとデフ・レパード。エグゼクティブプロデューサーロバート・ジョン・マット・ランジ(Robert John "Mutt" Lange)。

解説

ヒステリア』のワールドツアーも終了した1988年10月、デフ・レパードはプレスに「次のアルバムはリリースまでに4年もかけない」と宣言し、数週間後には作業に取り掛かった。しかしながら、リズムギター担当であったスティーヴ・クラークのアルコール依存は悪化の一途を辿るばかりであった。ツアー時はステージ上の活動により飲酒を抑えられていたが、その一方、ステージに出ないときのときの彼の健康状態はスタジオでの作業に支障をきたすようになっていた。その上、前作までのプロデューサーであった”マット・ランジ”はカナダのロックシンガー、ブライアン・アダムスの作品、『ウェイキング・アップ・ザ・ネイバーズ』のプロデュースで戻ってこれなくなっていた。

バンドは自身でプロデュースすることにしたが、クラークのアルコール問題は作業の進歩そのものを妨げ、遅らせていた。1989年の暮れには、クラークがミネソタ州ミネアポリス市内で意識を失っているところを発見された。彼は直ちにリハビリ施設に送られ、メンバーは彼の中毒を断ち切るために看病を始めた。絶望の中、彼らの友であるマルヴィン・モーティマーに働きかけクラークの行動を24時間監視するよう尋ねることとなる。

何も改善されることはなかったので、メンバーは6ヶ月の休暇を与えた。この休暇がいかなる苦労からも彼を解放することが望まれていた中、メンバーはもはや彼のために何も出来ないという事実を受け入れていたかの様に見えた。

1991年1月8日にはロンドンの自宅ですでに死亡しているのが彼のガールフレンドにより発見された。調べに因ると、鎮痛剤抗うつ薬アルコールが同時に摂取されたことにより、脳幹が麻痺し、呼吸困難に陥り死亡したものとされている。

バンドの将来が危ぶまれた中、残されたメンバーは作業をやり直すよう決心し、以前の“マット”ランジのエンジニアであったマイク・シプリーを共同制作者として抜擢する。

クラークの後任者探しはアルバムの完成後までに延期し、レコーディング作業は順調に進んだ。そしてついに、1992年3月31日、『アドレナライズ』は全世界にリリースされた。作品に関して好意的なレビューもあったが、多くの批評家は「陳腐だ」、「『ヒステリア』に似すぎている」と批判した。

また、困難なことではあったが、『アドレナライズ』はグランジオルタナティヴ・ロックの時代にありながら、ヘアメタル勢としてメインストリームの中での成功を収めた。イギリスアメリカでは初登場1位となり、現在までに全世界で700万枚を売り上げている。26ヶ国でチャート1位を獲得するという前作『ヒステリア』以上の成功を収め(総売上枚数では『ヒステリア』が上。)、クラークへの追悼盤として捧げられた。

1992年4月には、長い間、バンドとも親交のあった元ディオホワイトスネイクのギタリストであったヴィヴィアン・キャンベルを新任ギタリストとして迎えた。彼はアルバム中ではプレイしていないが「レッツ・ゲット・ロック」を除くすべてのプロモーションビデオに出演している。

2009年6月8日にはデジタルリマスター仕様のデラックス・エディションが発売され、B面曲もボーナスとして収録されている。

収録曲

日本盤(1992年発売)はボーナストラックとして「ミス・ユー・イン・ア・ハートビート」、「シーズ・トゥー・タフ」が収録されている。

#タイトル作詞・作曲時間
1.「レッツ・ゲット・ロックド Let's Get Rocked」Phil Collen, Joe Elliott, Robert John "Mutt" Lange, Rick Savage
2.「ヘヴン・イズ Heaven Is」Steve Clark, Collen, Elliott, Lange, Savage
3.「メイク・ラヴ・ライク・ア・マン Make Love Like a Man」Clark, Collen, Elliott, Lange
4.「トゥナイト Tonight」Clark, Collen, Elliott, Lange, Savage
5.「ホワイト・ライトニング White Lightning」Collen, Elliott, Lange, Savage
6.「スタンド・アップ Stand Up (Kick Love Into Motion)」Clark, Collen, Elliott, Lange
7.「パーソナル・プロパティ Personal Property」Collen, Elliott, Lange, Savage
8.「サムワン・ソー・バッド Have You Ever Needed Someone So Bad」Collen, Elliott, Lange
9.「アイ・ウォナ・タッチ・ユー I Wanna Touch U」Rick Allen, Clark, Collen, Elliott, Lange
10.「ティア・イット・ダウン Tear It Down」Clark, Collen, Elliott, Savage

デラックス・エディション (ボーナスディスク)

In The Clubs, In Your Face - Bonn, Germany 29/05/92
#タイトル作詞・作曲時間
1.「Hysteria (Live)Clark, Collen, Elliott, Lange, Savage
2.「Photograph (Live)Clark, Elliott, Lange, Savage, Pete Willis
3.「Pour Some Sugar On Me (Live)Clark, Collen, Elliott, Lange, Savage
4.「Let's Get Rocked (Live)Collen, Elliott, Lange, Savage
Adrenalize b-sides
#タイトル作詞・作曲時間
5.You Can't Always Get What You WantMick Jagger, Keith Richards
6.Little Wing (with Hothouse Flowers)Jimi Hendrix
7.「Tonight (Version 2 - Demo Version)Clark, Collen, Elliott, Lange, Savage
8.Now I'm Here (Live at Wembley Stadium - featuring Brian May)Brian May
9.「Two Steps Behind (Acoustic)Elliott
10.「Tonight (Acoustic - Sun Studios 1993)Clark, Collen, Elliott, Lange, Savage
11.「Too Late For Love (Live at Denver 1988)Clark, Elliott, Lange, Savage, Willis
12.「Women (Live at Denver 1988)Clark, Collen, Elliott, Lange, Savage

参加ミュージシャン

チャート順位

  • 全米1位、全英1位、全豪1位