アドレナライズ
『アドレナライズ』 | ||||
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デフ・レパード の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 1989年-1991年(オランダ、アイルランド) | |||
ジャンル |
ハードロック ヘヴィ・メタル | |||
時間 | ||||
レーベル |
Bludgeon Riffola マーキュリー・レコード ヴァーティゴ | |||
プロデュース |
マイク・シプリー デフ・レパード | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
デフ・レパード アルバム 年表 | ||||
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アドレナライズ (Adrenalize)はデフ・レパードの5枚目のスタジオ・アルバムである。1992年3月31日にリリースされた。このアルバムは、バンドのギタリストであるスティーヴ・クラーク死後初めてリリースされた作品でもある。プロデュースはマイク・シプリーとデフ・レパード。エグゼクティブプロデューサーはロバート・ジョン・マット・ランジ(Robert John "Mutt" Lange)。
解説
『ヒステリア』のワールドツアーも終了した1988年10月、デフ・レパードはプレスに「次のアルバムはリリースまでに4年もかけない」と宣言し、数週間後には作業に取り掛かった。しかしながら、リズムギター担当であったスティーヴ・クラークのアルコール依存は悪化の一途を辿るばかりであった。ツアー時はステージ上の活動により飲酒を抑えられていたが、その一方、ステージに出ないときのときの彼の健康状態はスタジオでの作業に支障をきたすようになっていた。その上、前作までのプロデューサーであった”マット・ランジ”はカナダのロックシンガー、ブライアン・アダムスの作品、『ウェイキング・アップ・ザ・ネイバーズ』のプロデュースで戻ってこれなくなっていた。
バンドは自身でプロデュースすることにしたが、クラークのアルコール問題は作業の進歩そのものを妨げ、遅らせていた。1989年の暮れには、クラークがミネソタ州のミネアポリス市内で意識を失っているところを発見された。彼は直ちにリハビリ施設に送られ、メンバーは彼の中毒を断ち切るために看病を始めた。絶望の中、彼らの友であるマルヴィン・モーティマーに働きかけクラークの行動を24時間監視するよう尋ねることとなる。
何も改善されることはなかったので、メンバーは6ヶ月の休暇を与えた。この休暇がいかなる苦労からも彼を解放することが望まれていた中、メンバーはもはや彼のために何も出来ないという事実を受け入れていたかの様に見えた。
1991年1月8日にはロンドンの自宅ですでに死亡しているのが彼のガールフレンドにより発見された。調べに因ると、鎮痛剤、抗うつ薬、アルコールが同時に摂取されたことにより、脳幹が麻痺し、呼吸困難に陥り死亡したものとされている。
バンドの将来が危ぶまれた中、残されたメンバーは作業をやり直すよう決心し、以前の“マット”ランジのエンジニアであったマイク・シプリーを共同制作者として抜擢する。
クラークの後任者探しはアルバムの完成後までに延期し、レコーディング作業は順調に進んだ。そしてついに、1992年3月31日、『アドレナライズ』は全世界にリリースされた。作品に関して好意的なレビューもあったが、多くの批評家は「陳腐だ」、「『ヒステリア』に似すぎている」と批判した。
また、困難なことではあったが、『アドレナライズ』はグランジやオルタナティヴ・ロックの時代にありながら、ヘアメタル勢としてメインストリームの中での成功を収めた。イギリス、アメリカでは初登場1位となり、現在までに全世界で700万枚を売り上げている。26ヶ国でチャート1位を獲得するという前作『ヒステリア』以上の成功を収め(総売上枚数では『ヒステリア』が上。)、クラークへの追悼盤として捧げられた。
1992年4月には、長い間、バンドとも親交のあった元ディオ、ホワイトスネイクのギタリストであったヴィヴィアン・キャンベルを新任ギタリストとして迎えた。彼はアルバム中ではプレイしていないが「レッツ・ゲット・ロック」を除くすべてのプロモーションビデオに出演している。
2009年6月8日にはデジタルリマスター仕様のデラックス・エディションが発売され、B面曲もボーナスとして収録されている。
収録曲
日本盤(1992年発売)はボーナストラックとして「ミス・ユー・イン・ア・ハートビート」、「シーズ・トゥー・タフ」が収録されている。
# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
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1. | 「レッツ・ゲット・ロックド Let's Get Rocked」 | Phil Collen, Joe Elliott, Robert John "Mutt" Lange, Rick Savage | |
2. | 「ヘヴン・イズ Heaven Is」 | Steve Clark, Collen, Elliott, Lange, Savage | |
3. | 「メイク・ラヴ・ライク・ア・マン Make Love Like a Man」 | Clark, Collen, Elliott, Lange | |
4. | 「トゥナイト Tonight」 | Clark, Collen, Elliott, Lange, Savage | |
5. | 「ホワイト・ライトニング White Lightning」 | Collen, Elliott, Lange, Savage | |
6. | 「スタンド・アップ Stand Up (Kick Love Into Motion)」 | Clark, Collen, Elliott, Lange | |
7. | 「パーソナル・プロパティ Personal Property」 | Collen, Elliott, Lange, Savage | |
8. | 「サムワン・ソー・バッド Have You Ever Needed Someone So Bad」 | Collen, Elliott, Lange | |
9. | 「アイ・ウォナ・タッチ・ユー I Wanna Touch U」 | Rick Allen, Clark, Collen, Elliott, Lange | |
10. | 「ティア・イット・ダウン Tear It Down」 | Clark, Collen, Elliott, Savage |
デラックス・エディション (ボーナスディスク)
# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
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1. | 「Hysteria (Live)」 | Clark, Collen, Elliott, Lange, Savage | |
2. | 「Photograph (Live)」 | Clark, Elliott, Lange, Savage, Pete Willis | |
3. | 「Pour Some Sugar On Me (Live)」 | Clark, Collen, Elliott, Lange, Savage | |
4. | 「Let's Get Rocked (Live)」 | Collen, Elliott, Lange, Savage |
# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
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5. | 「You Can't Always Get What You Want」 | Mick Jagger, Keith Richards | |
6. | 「Little Wing (with Hothouse Flowers)」 | Jimi Hendrix | |
7. | 「Tonight (Version 2 - Demo Version)」 | Clark, Collen, Elliott, Lange, Savage | |
8. | 「Now I'm Here (Live at Wembley Stadium - featuring Brian May)」 | Brian May | |
9. | 「Two Steps Behind (Acoustic)」 | Elliott | |
10. | 「Tonight (Acoustic - Sun Studios 1993)」 | Clark, Collen, Elliott, Lange, Savage | |
11. | 「Too Late For Love (Live at Denver 1988)」 | Clark, Elliott, Lange, Savage, Willis | |
12. | 「Women (Live at Denver 1988)」 | Clark, Collen, Elliott, Lange, Savage |
参加ミュージシャン
チャート順位
- 全米1位、全英1位、全豪1位