きかんしゃトーマス ディーゼル10の逆襲
きかんしゃトーマス ディーゼル10の逆襲 | |
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Day of the Diesels | |
監督 | グレッグ・ティアナン |
脚本 | シャロン・ミラー |
配給 | ヒット・エンターテインメント |
公開 |
2011年9月6日 2011年9月26日 2012年4月28日 |
製作国 | カナダ |
言語 | 英語 |
きかんしゃトーマス ディーゼル10の逆襲(きかんしゃトーマスディーゼルテンの逆襲、Day of the Diesels)は、人気子供番組『きかんしゃトーマス』の長編シリーズ第6作目の作品である。
概要
「きかんしゃトーマス」シリーズの長編第6作であり、フルCG長編第3作。
蒸気機関車とディーゼル機関車の間での争いを軸に、トーマスとパーシーの友情などを描いた作品である。
主題歌はロックソング「Day of the Diesels」。歌い手はサム・ブリューイット。
キャッチコピーは「アイツがついに帰ってきた…」。
本作の特徴
本作は、トーマスの親友パーシーを主人公とした長編シリーズの中では珍しい作品である。トーマスは序盤こそ主人公らしいが、中盤以降は「主人公の親友」というポジションとなっている。
トーマスとパーシーの友情の他、ディーゼル10の謀略、ビクターとケビンの信頼関係、ディーゼル機関車と蒸気機関車それぞれの団結力なども描かれた。
また、ただディーゼル機関車を悪役とせず、蒸気機関車やトップハム・ハット卿にも落ち度があったことを示唆しているのも本作の特徴である。
劇中でのディーゼル10と蒸気機関車達とのやり取りから、「きかんしゃトーマス 魔法の線路」や「きかんしゃトーマス みんなあつまれ!しゅっぱつしんこう」の続編的要素も強い。
新キャラクターが多く、放水銃を備えた消防機関車ベルや、大型軌陸消防車フリンなどが登場した。
日本での公開
日本では本国より半年ほど遅れた2012年4月28日より公開された。
ゲスト声優としてディーゼル10役に南海キャンディーズの山里亮太が起用された一方で、新キャラクターの声優は全て兼役である。
日本オリジナルの演出として、オープニング前に前作「きかんしゃトーマス ミスティアイランド レスキュー大作戦!!」のラストシーンが挿入された。なお、このシーンでのディーゼル10の声は黒田崇矢から山里亮太に差し替えられている。
あらすじ
ソドー島の農村で火災が発生。トーマスとパーシーが消火に当たるが、すぐに来島して間もないベルが見事に火を消し止めた。トーマスは、多くの魅力を持ったベルに夢中になり、親友パーシーは嫉妬と孤独を覚える。
そんな時、ディーゼルがパーシーの感情に付け込んで「ディーゼル整備工場に来ないか」と彼を誘惑。トーマスは「行ってはいけない」と戒めるが、パーシーは葛藤の後、ディーゼル整備工場へ行くことを決断する。そこで待っていたのは、かつてトーマス達と争ったディーゼル10と仲間のディーゼル機関車達だった。
ディーゼル10に歓迎されたパーシーは気を良くし、彼らこそが自分の友達だと思い込む。ベルに続きフリンが来島したことで、パーシーは更に蒸気機関車達の中で孤立し、やがてディーゼル整備工場へと通い詰める様になる。ところが、これらは全てディーゼル10の恐るべき罠だった…。
地名
- ディーゼル整備工場(Sodor Dieselworks)
登場キャラクター
蒸気機関車
- パーシー
- 英国吹き替え - キース・ウィッカム
- 米国吹き替え - マーティン・シャーマン
- 日本吹き替え - 神代知衣
- 緑の小型タンク機関車。本作では彼が初めて主人公で、彼主体にストーリーが進んでいく。
- トーマス
- 英国吹き替え - ベン・スモール
- 米国吹き替え - マーティン・シャーマン
- 日本吹き替え - 比嘉久美子
- 青い小型タンク機関車。今回すぐさま火災現場に遭遇し、ベル、フリンといった新しい仲間たちと出会う。
- ゴードン
- 英国吹き替え - キース・ウィッカム
- 米国吹き替え - ケリー・シェイル
- 日本吹き替え - 三宅健太
- 青い大型テンダー機関車。フリン到着をブレンダムの港からずっと見ていた。その後ナップフォード駅のみんなにソドー整備工場のケビン失踪を伝えに走ってくる。
- ジェームス
- 英国吹き替え - キース・ウィッカム
- 米国吹き替え - ケリー・シェイル
- 赤い中型テンダー機関車。ソドー整備工場を取り戻すために、蒸気機関車たちと、立ち向かう。
- イギリス版及びアメリカ版では台詞があるが、日本版では台詞なし(口パクのみ)で登場している[2]。
- トビー
- 英国吹き替え - ベン・スモール
- 米国吹き替え - ウィリアム・ホープ
- 日本吹き替え - 坪井智浩
- 茶色い小型路面機関車。終盤で、不安そうな顔をしていたものの、他の仲間たちが見えると、不安が吹き飛び、ソドー整備工場を取り戻すために、蒸気機関車たちと、立ち向かう。
- エミリー
- 英国吹き替え - テレサ・ギャラガー
- 米国吹き替え - ジュール・デ・ヨング
- 日本吹き替え - 山崎依里奈
- 女の子の深緑の中型テンダー機関車。フリン到着をブレンダムの港からずっと見ていた。
- ビクター
- 英国吹き替え - マット・ウィルキンソン
- 米国吹き替え - デヴィッド・ベデラ
- 日本吹き替え - 坂口候一
- 赤い小型タンク機関車。ソドー整備工場の責任者でケビンのボス。いつも怒っているが彼はディーゼル整備工場に送ったパーシーに対しケビンは必要だと訴えた。が……
- スタンリー
- 英国吹き替え - マット・ウィルキンソン
- 米国吹き替え - ベン・スモール
- 日本吹き替え - 土田大
- 銀色の小型タンク機関車。
新キャラクター
- ベル
- 英国・米国吹き替え - テレサ・ギャラガー
- 日本吹き替え - 根本圭子
- 女の子の群青の大型タンク機関車。二丁の放水銃をタンクに所持している。農家の火事現場に遭遇し無事のその現場の火を消した。その後トップハム・ハット卿にフリンをソドー島入りさせるよう勧めた。
ディーゼル機関車
- ディーゼル
- 英国吹き替え - ケリー・シェイル
- 米国吹き替え - マイケル・ブランドン
- 日本吹き替え - ケン・サンダース
- 黒い小型ディーゼル機関車。仲間はずれのパーシーを見て彼をディーゼル整備工場に誘った。
- メイビス
- 英国吹き替え - テレサ・ギャラガー
- 米国吹き替え - ジュール・デ・ヨング
- 日本吹き替え - 吉岡さくら
- 黒色と正面、後ろ共に黄色と黒い縞の女の子の小型ディーゼル機関車。ソルティーによってディーゼル整備工場に運ばれ二日ほど整備工場内で泊まった。
- ハリーとバート
- 英国・米国吹き替え - ケリー・シェイル
- 日本吹き替え - 並木伸一
- 双子の深緑と正面、後ろ共に黄色い縞の小型ディーゼル機関車。今作では(同じ双子のディーゼル機関車であるスプラッターとドッヂの役割を引き継ぐためか)ディーゼル10の横に常にいる。
- ソルティー
- 英国・米国吹き替え - キース・ウィッカム
- 日本吹き替え - 石野竜三
- 赤色と正面、後ろ共に黄色と黒い縞の小型ディーゼル機関車。今回メイビスを押して整備工場に来た。デンをビクター並みに評価はしていたが道具や車庫にはニヤついて不平をこぼしていた。なおパーシーが最初に去った時は整備工場に残っていたが翌朝メイビスの後ろから姿が消えていた(パーシーが帰って以降自分も帰ったと思われる。)
- ディーゼル10
- 英国・米国吹き替え - マット・ウィルキンソン
- 日本吹き替え - 山里亮太
- 黄土色の大型ディーゼル機関車。前作ラストで登場した今作の黒幕。仲間はずれのパーシーのことをディーゼルから聞いて彼をここへ連れてくるよう仕向けた。
- 現在、長編シリーズに登場するのは今作が最後[3]。
新キャラクター
- デン
- 英国・米国吹き替え - キース・ウィッカム
- 日本吹き替え - 石野竜三
- オレンジの中型ディーゼル機関車でディーゼル整備工場の責任者。まじめで働き者でディーゼル10の命令は守るが、根は良い機関車。
- ダート
- 英国・米国吹き替え - ルパート・ディガス[4]
- 日本吹き替え - 河本邦弘
- 赤紫の小型ディーゼル機関車。ディーゼル整備工場でのデンのアシスタント。ディーゼル10の計らいでパーシーの運んでいたレスキューセンターへのフリンのホースを任せる。だが……
- シドニー
- 日本吹き替え - ケン・サンダース[5]
- 青いディーゼル機関車。常に修理台に置かれバートの左隣で笑っているか寝ている(そのため整備工場占領には彼だけ参加していなかった)がディーゼル整備工場の火災からは難を逃れている。その後二年間クレーンに吊り下げられることとなる[6]。
- パクストン
- 日本吹き替え - 坂口候一
- 深緑の小型ディーゼル機関車。ディーゼル機関車一向に加わりソドー整備工場占領に参加するが、本来蒸気機関車大好きらしく優しい性格の持ち主らしい。この性格は次回作以降から活かされることとなる。
クレーン車
- ロッキー
- 英国吹き替え - マット・ウィルキンソン
- 米国吹き替え - ウィリアム・ホープ
- 日本吹き替え - 河本邦弘
- 大きな赤いクレーン車。前作から車庫をもらったものの車庫にはおらず荷物の荷降ろしやフリンの放水タンク車の配置にたびたび出ている(その際ベルが彼を引いていた。)
自動車
- ケビン
- 英国吹き替え - マット・ウィルキンソン
- 米国吹き替え - ケリー・シェイル
- 日本吹き替え - 河杉貴志
- 黄色いクレーン。ビクターの助手だが部品等をよく落とす。パーシーの誘いで彼もディーゼル整備工場に行ってしまう(本来はダートのハッピー・フックに対しての文句を聞いたパーシーがディーゼル10の困った顔を見て連れてきたが…)。
新キャラクター
- フリン
- 英国・米国吹き替え - ルパート・ディガス
- 日本吹き替え - 坪井智浩
- 赤い特殊消防車。二丁の放水銃が特徴。ベルの勧めでソドー島にやってきた。ブレンダムの港の船からクランキーに降ろされた(この時降ろされた時に車輪がタンヤの内側から出て線路に載った)。
- 彼が港に到着前に彼専用のホースがパーシーによって運ばれたハズだったが……
クレーン
- クランキー
- 英国吹き替え - マット・ウィルキンソン
- 米国吹き替え - グレン・ウレッジ
- 日本吹き替え - 黒田崇矢
- ブレンダムの港に常にいる灰緑のクレーン。ベルに興味を持ったりそのベルの推薦で来たフリンを降ろしたりと、今作では自分がこれまで見たことのない機関車達と対面を果たしている。
人物
- トップハム・ハット卿
- 英国吹き替え - キース・ウィッカム
- 米国吹き替え - ケリー・シェイル
- 日本吹き替え - 納谷六朗
- お馴染みソドー鉄道局長。今回は農家の火災現場の農家の人たちや作業員らを指揮したり、開通後のレスキューセンターの消防車配備を考えたりと、いろいろと考えていてディーゼル整備工場までは”順番”を待たせていた(つもりだったのだが…ディーゼル達からはそれで誤解してしまう)。
- トップハム・ハット卿夫人
- 英国吹き替え - テレサ・ギャラガー
- 米国吹き替え - ジュール・デ・ヨング
- 日本吹き替え - 吉岡さくら
- トップハム・ハット卿の妻。ラストのディーゼル整備工場のオープンに夫と彼のお母さんと共に参加した。
- トップハム・ハット卿のお母さん
- 英国・米国吹き替え - キース・ウィッカム
- 日本吹き替え - 根本圭子
- トップハム・ハット卿のお母さん。息子と体型がそっくり。長編作品では今回が初登場。
- ブリジット
- 英国吹き替え - テレサ・ギャラガー
- 米国吹き替え - ジュール・デ・ヨング
- 日本吹き替え - 吉岡さくら
- トップハム・ハット卿の孫。
脇役
- ロージー
- ヒロ
- チャーリー
- ハロルド
- キャプテン
新キャラクター
- ハッピー・フック
- 日本吹き替え - なし
- シドニーの修理台すぐ横にいる茶色いクレーン(しかし整備不良で当初は全く動かなかった…)。ダートからはコレより新しいクレーンを導入をと不平をこぼしていたが、それをパーシーが聞き、ケビンがこの工場に入ることとなる。その後オープン時に工場内の掃除と共に修理が行われて再び動くようになった。
トリビア
- 冒頭の作業員の台詞から、トーマスの機関士の名前がボブであると判明した(日本語版では作業員の台詞が変更されている)。
- 長編シリーズでは必ず劇中で橋に関するハプニングが発生したが、この作品のみそれがない。
- 第2シーズン『ディーゼルのわるだくみ』以来、機関車が涙を流す。また、第5シーズン「トーマスとふるいきゃくしゃ」及び第7シーズン「トビーのふうしゃ」に続き、劇中で2度火災が発生する[7]。
脚注
- ^ 金丸淳一が都合があって来れなかったからと思われる。
- ^ 理由は、彼の台詞がナレーションにあてられている為。
- ^ 後は第17シーズン『きえたクリスマスのかざり』に登場するだけ。
- ^ 長編シリーズで彼がダートの声を演じたのは今作のみ。
- ^ or樫井笙人
- ^ 後に第17シーズン「きえたクリスマスのかざり」で判明する。
- ^ 1回目は農家、2回目はディーゼル整備工場。