SIG MCX

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SIG MCX
折りたたみストック仕様のSIG MCX
種類 自動小銃
原開発国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ドイツの旗 ドイツ
運用史
配備期間 2015年
開発史
製造業者 SIG Sauer
値段 MCX VIRTUS Patrol: MSRP: 2,233ドル
MCX VIRTUS SBR: MSRP 2,233ドル
MCX VIRTUS Pistol: MSRP 2,235ドル[1]
製造期間 2015年–
諸元
重量 2.61 kg (5.8 lb) (229 mm銃身モデル)
2.72 kg (6.0 lb) (292 mm銃身モデル)
3.6 kg (7.9 lb) (406 mm 銃身モデル)
全長 730 mm (29 in) ストック展開時 (229 mm銃身モデル)
908 mm (35.7 in) ストック展開時 (406 mm銃身モデル)
銃身 229 mm (9.0 in)
292 mm (11.5 in)[2]
406 mm (16.0 in)

弾丸 5.56×45mm NATO
.300 AAC Blackout
作動方式 ショートストローク・ガスピストン, ロータリングボルト式 
発射速度 900 RPM
装填方式 30発仕様の STANAG マガジン
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SIG MCXまたはSIG Sauer MCXは、シグザウエル&ゾーン社のアメリカ合衆国現地法人SIG SAUER社の新型小銃である。

概要

AR-15を原型としたライフルで、反動を軽減し信頼性を向上させるためショートストロークガスピストンシステムを特徴としており、デルタフォースの要望を基に9mm短機関銃カービンライフルのギャップを埋める為に開発された。MCXの設計は先行して開発されたSIG MPXに準じている。

競合するジャンルに対しては、9mm口径銃・PDWと比較してより高威力かつ長射程、既存ライフルとの弾薬の互換性による経済性が優位性としてあげられ、M4カービンと比較して5.56x45mm NATO弾.300 AAC Blackout弾の併用による弾薬性能の最大化、折り畳み式銃床と短銃身化による小型化、等が優位性としてあげられる。

SIG MCXは、米国の民間市場向けのセミオート仕様、軍事および法執行機関向けフルオート・セミオート選択式の仕様で利用できる。

銃身の形状は先端で先細になっており、性能を低下させる様なワッシャーを使用せずにマズルデバイスと直接ねじ込み式のサウンドサプレッサーを取り付けることができ、セルフセンタリングできるようにするデバイスを取り付けることが出来る。銃身はほんの数秒で別の長さまたは別の口径のものに変更できる。さらに、銃身は耐食性のために窒化物コーティングされ、摩耗しやすい部分に硬化鋼が使用されている[3][4]

各種操作は、チャージングハンドルを含む殆んどが両手利き仕様であるが、ボルトリリースだけは異なっている。SIG SAUER社は、MCXカービン銃用に4種類の銃床を用意している。

SIG SAUER社は、標準のAR-15およびM16の下部レシーバーとアダプターを介して互換性がある様に上部レシーバーを設計しており、SIG MCXとAR-15およびM16の全体的なレイアウトは似ている[3][5][6]

バリエーション

SIG MCX(第1世代)

SIG MCXは、米国の民間市場向けのセミオート仕様、軍事および法執行機関向けフルオート・セミオート選択式の仕様で利用できるが、民間市場向けにはセミオート仕様の小銃を以下の3つの異なる構成でのみ提供している。

第1世代のMCXバリエーションには、アクセサリを追加するためKeyModシステムを備えたアルミニウム製のハンドガードが装備されている。

  • SIG MCXは、406 mm(16インチ)銃身を装備する本銃の標準モデルである。
  • SIG MCX SBRは、229 mm(9インチ)銃身を装備する短銃身モデルである。(米国連邦法の下では、銃身が16インチより短い小銃は、タイトルIIの武器との扱いとなり、連邦規制の対象であり、州法によって規制されている。)
  • SIG MCX Pistolは、229 mm(9インチ)銃身または292 mm(11.5インチ)銃身を装備するピストル(拳銃)モデルであり、ハンドガンを前腕部で体に固定するために、SIG Sauer SBX(ピストル安定化ブレース)またはSIG Sauer PCB(ピストルピボット輪郭折りたたみブレース)のいずれかが付属している。 (このモデルは、「拳銃」の米国の法的な定義に適合する。これは、中間弾薬を使用する実質的にはコンパクトなカービン銃であるが、射手の体との単一の接触点でのみ発射されるように設計されているということによる。米国当局は以前、SIG SBXまたは同様の前腕ブレースを装備し、短銃身のライフルとして登録されていない武器を背負うことは、タイトルIIの武器として短銃身のライフルを見なされるとユーザーに警告した。ただし、2017年4月以降は、これは当てはまらない。)
  • SIG MCX低可視性アサルトウェポン(LVAW)は、軍や法執行機関のみが利用できる、短銃身、サプレッサー付属、セミオート・フルオート選択式のバリエーションである。「ブラックマンバ」の愛称で呼ばれていいる。

SIG MCX VIRTUS

SIG MCX VIRTUSは、SIG MCXシリーズの第2世代であり、2017年に導入された。第1世代とは異なりM-LOKシステムを備えたハンドガードに変更している。

  • SIG MCX VIRTUS Patrolは、アサルトライフル仕様の標準モデルであり、1:7インチのツイストレートの406 mm(16インチ)銃身、精度を向上させるカスタムSig Matchlite Duoトリガー、折り畳み式および5ポジション伸縮式の銃床、長さを選択可能な4種類のハンドガード、交換可能な銃身、および特別な内部反動システムを備えている[7]
  • SIG MCX VIRTUS SBRは、MCX VIRTUSの短銃身小銃モデルである。5.56×45mm NATO弾向けの292mm(11.5インチ)銃身と、.300 AAC Blackout弾向けの140mm(5.5インチ)銃身と229 mm(9インチ)銃身を備えている。
  • SIG MCX VIRTUS Pistolは、SBX安定化ブレースを備えたMCX VIRTUSのピストル(拳銃)モデルである。5.56×45mm NATO弾向けの292mm(11.5インチ)銃身と、.300 AAC Blackout弾向けの229mm(9インチ)銃身を備えている。

SIG MCX RATTLER

SIG MCX RATTLERは、個人護身用武器として機能することを目的とした短銃身小銃のバリエーションであり、140 mm(5.5インチ)の銃身を備え、コンパクトな銃床または折りたたみ式PCB(ピストル型)ブレース、ピカティニーレールが付属している。5.56×45mm NATO弾および .300 AAC Blackout弾で利用可能である。

2022年5月にアメリカ特殊作戦軍(USSOCOM)は、.300 AAC Blackout弾(7.62×35mm弾)と5.56x45mm NATO弾を併用する銃身長140mm(5.5インチ)のSIG MCX Rattlerを、個人護身用武器(PDW)として採用することを発表した[8][9]

SIG MCX-SPEAR LT

SIG MCX-SPEAR LTは、2022年に登場したSIG MCXの第3世代モデルである。カービンとしての機能を意図しており、9インチ(230mm)、11.5インチ(290mm)、16インチ(410mm)のバレルと、バットストックまたはPCB(ピストル型)ブレースを取り付けるためのピカティニーレールテールインターフェースを装備している。5.56×45mm NATO弾.300 AAC Blackoutおよび7.62x39mm弾に対応している[10][11]

派生型

SIG MCX-MR(Mid Range)

SIG MCX-MR(Mid Range)は、アメリカ陸軍コンパクト半自動狙撃システム(CSASS)プログラムに対する、SIG SAUER社の応札モデルであるが、採用はされなかった[12]

7.62×51mm NATO弾を使用し、セミオート・フルオート選択式の射撃能力を備えている。重量は8.9ポンド(4.0 kg)で、1:10インチのツイストレートの406 mm(16インチ)の溝付き416ステンレス鋼銃身が特徴で、銃身はBartlein Barrelsによって製造されている。ガスシステムは、サプレッサーの有無に応じて切替可能な設定を備えている。フロントピボットピンを引いた後にスライドするMCXのハンドガードとは異なり、MCX-MRでは最初に2本のネジを外す必要がある。AR-15/M16タイプのチャージングハンドルと左側のチャージングハンドルの両方を備えている。20発の弾倉を使用し、SR-25用弾倉を使用するためにSR-25の下部レシーバーとも互換性がある[13]

SIG MCX RAPTOR

SIG MCX RAPTORは、カービン銃として機能することを目的とした短銃身小銃のバリエーションであり、200 mm(7.9インチ)の銃身を備え、コンパクトな銃床または折りたたみ式PCB(ピストル型)ブレース、ピカティニーレールが付属している。7.62x51mm NATO弾6.5mmクリードモア弾 、6.8x51mm SIG FURY弾で利用可能である。

SIG MCX SPEAR

SIG MCX SPEARは、2022年1月に民間向けモデルが発売された、6.8x51mm SIG FURY弾を使用するバトルライフルである。1:7インチのツイストレートの330.2 mm(13インチ)銃身を装備し、全長866.14 mm、重量3.8 kgである[14]。弾薬変更可能であり7.62x51mm NATO弾6.5mmクリードモア弾の両方に簡単に変換でき、後部と左側面にボルトと連動しないチャージングハンドル、両手利き操作、6ポジションの伸縮式・折り畳み式銃床、サプレッサーの有無に応じて2段階調整可能なガスシステム、20発弾倉を備えている[15]

SIG SAUER社は、アメリカ陸軍の次世代分隊火器プログラムに対しSIG MCX SPEARの6.8x51mm SIG FURY弾仕様の改造モデルで応札した[16][17][18]。2022年4月19日、同プログラムにおいてSIG SAUER社が勝者と選定され、このSIG MCX SPEARの派生版が米軍制式名XM5として採用された[19]

使用国

脚注

  1. ^ MCX VIRTUS” (英語). sigsauer.com. 2019年1月5日閲覧。
  2. ^ Sig MCX VIRTUS SBR” (英語). sigsauer.com. 2019年1月5日閲覧。
  3. ^ a b Merrill, David. “RECOIL Exclusive: Breakdown of the Sig MCX”. Recoil. 2015年1月16日閲覧。
  4. ^ Warden, Drew. “Full Review: SIG Sauer MCX”. Gun Digest. 2015年10月7日閲覧。
  5. ^ AR Lower Receiver Extension Adapter for SIG MCX Upper - Soldier Systems Daily”. 2017年6月10日閲覧。
  6. ^ Utley, Sean. “Sig Sauer's MCX Rifle: An Elite Modular Weapons System”. Tactical Life. 2015年6月30日閲覧。
  7. ^ Martin, Clay (2017年11月3日). “Ready for Any Mission: SIG Sauer MCX Virtus — Full Review” (英語). gunsamerica.com. 2019年1月5日閲覧。
  8. ^ a b SIG Sauer Rattler Wins US SOCOM Personal Defense Weapon Contract”. The Firearm Blog (2022年5月23日). 2022年5月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月24日閲覧。
  9. ^ a b Special Operations Command finally found its next-generation personal defense weapon. Task & Purpose. 21 May 2022.
  10. ^ Sig MCX-SPERA LT”. SIG Sauer. 2022年11月20日閲覧。
  11. ^ Introducing the new Sig MCX-SPEAR LT”. The Firearm Blog (2022年9月18日). 2022年11月20日閲覧。
  12. ^ Jahner, Kyle (2016年4月8日). “H&K confirms: This is the Army's new and improved sniper rifle”. http://www.armytimes.com/story/military/2016/04/08/hk-confirms-armys-new-and-improved-sniper-rifle/82788202/ 2016年6月9日閲覧。 
  13. ^ Merrill, David. “RECOIL Exclusive: An Inside Look at Sig Sauer's CSASS – The MCX-MR”. Recoil. 2015年5月21日閲覧。
  14. ^ https://www.sigsauer.com/mcx-spear.html
  15. ^ https://www.thefirearmblog.com/blog/2022/01/13/sig-sauer-ngsw-mcx-spear/
  16. ^ SIG Sauer NGSW-R MCX Spear assault rifle (USA)”. 2019年12月閲覧。
  17. ^ SIG MCX Spear: The U.S. Army's Next Rifle?”. 2021年3月23日閲覧。
  18. ^ [TFB GUNFEST] the SIG Sauer MCX Spear NGSW Rifle -”. 2021年1月15日閲覧。
  19. ^ a b https://www.army.mil/article/255827/army_awards_next_generation_squad_weapon_contract
  20. ^ Peter Mitchell (24 July 2017). Elite Force. 7 News Melbourne (Television production). Seven Network. 2018年11月10日閲覧
  21. ^ Flashbang - TOU”. 2017年6月10日閲覧。
  22. ^ https://pbs.twimg.com/media/ENoaCMtX0AAM8qB.jpg
  23. ^ https://scontent.fsyd3-1.fna.fbcdn.net/v/t1.0-9/77259124_2530924620359656_2745192355136012288_o.jpg?_nc_cat=101&_nc_ohc=8H8PHksRukoAX9gOf9T&_nc_ht=scontent.fsyd3-1.fna&oh=ae63434e25d6fec47d4fa91e6845b43a&oe=5E8E6341
  24. ^ ADF signs up for next generation of weapons”. オーストラリア国防軍 (2022年9月30日). 2022年11月12日閲覧。
  25. ^ “Sask. seals deals to equip conservation officers with carbines” (英語). CBC News. (2019年1月23日). https://www.cbc.ca/news/canada/saskatchewan/sask-conservation-officers-ammunition-carbines-1.4988312 
  26. ^ FOTOD: Suure politseiõppuse käigus harjutati ohtlike kurjategijate tabamist” (2018年6月20日). 2018年11月10日閲覧。
  27. ^ Sturmgewehr soll Terroristen abschrecken - Neue Super-Waffe für Berliner Polizisten”. bild.de. 2017年6月10日閲覧。
  28. ^ Polizei in Schleswig-Holstein bekommt 522 neue Sturmgewehre”. LN - Lübecker Nachrichten. 2017年6月10日閲覧。
  29. ^ “Indonesia Defence Forum” (英語). Pakistan Defence. https://defence.pk/pdf/threads/indonesia-defence-forum.229571/page-908 2017年6月10日閲覧。 
  30. ^ Wilk, Remigiusz (2016年11月24日). “SIG MCX rifles delivered to Dutch special forces” (英語). IHS Jane's 360. IHS Jane's Defence Weekly. 2017年6月10日閲覧。
  31. ^ Request Rejected”. www.psp.pt. 2017年6月10日閲覧。
  32. ^ Спецподразделение "Альфа" и боевые машины: СБУ будет работать в день выборов 2019 – фото и видео” (2019年3月30日). 2020年4月28日閲覧。
  33. ^ SCO19 Spotted With MCX Carbine” (英語). Elite UK Forces (2015年11月17日). 2020年3月16日閲覧。
  34. ^ U.S. Special Forces to purchase Sig Sauer MCX rifle carbine” (英語). Army Recognition (2018年2月15日). 2018年2月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年2月17日閲覧。

外部リンク