Affinity Photo

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Affinity Photo
Logo AffinityPhoto
開発元 Serif (Europe) Ltd.
最新版
2.0.0 / 2022年11月9日 (17か月前) (2022-11-09)
対応OS macOSWindowsiOS
種別 画像編集ソフトウェア
ライセンス プロプライエタリ
公式サイト Affinity Photo
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Affinity Photo(アフィニティフォト)は、Serif Europeが販売するビットマップ画像編集アプリケーションソフトウェアである。macOSWindows、iOS(iPad版)にて提供されている。

概要

主に写真編集(フォトレタッチ)イラストレーションRAW現像など画像の加工・編集のためのソフトウェアである。特にAdobe Photoshopの代替となる事をアピールしており、PSDEPSSVGPDFなどの一般的なグラフィックファイル形式と互換性がある。一部のPhotoshopプラグインも利用可能である[1]。Affinity Photoをはじめとするセリフの製品は買い切り型のソフトウェアであり、サブスクリプション形式との差別化を強調している。

同じAffinityシリーズとの連携機能を備えている。ベクターイメージの取り扱いに秀でるAffinity Designer印刷やテキスト関連の機能が豊富なAffinity Publisherへワンクリックで高速に移管する機能を持っている。またiPad版との互換性もあるため、iPadmacOS/Windows間で一貫性を保った編集を行う事ができる。

機能

Affinity Photoは5つのペルソナモードを切り替えて使用する。モードごとに得意とする画像処理の分野が分かれている。

写真ペルソナ

AffinityPhotoの写真ペルソナのアイコン
AffinityPhotoの写真ペルソナのアイコン

Affinity Photoの最も基本的なモードである。レイヤーを用いて画像の全体像を操作できる。他のペルソナを使用後は必ず写真ペルソナに戻って全体像をチェックする事になる。いわば中心駅のようなモードと言える。また他のペルソナモードが得意とする処理も写真ペルソナ内で簡易的に行える。

ゆがみペルソナ

AffinityPhotoのゆがみペルソナのアイコン
AffinityPhotoのゆがみペルソナのアイコン

画像のゆがみ処理に特化したモード。たとえば写真内の人物を小顔にしたり目を大きく加工するなど、画像の変形処理を行える。

現像ペルソナ

AffinityPhotoの現像ペルソナのアイコン
AffinityPhotoの現像ペルソナのアイコン

RAW画像の現像を行うモード。色調補正、レンズ補正、赤目補正、傷除去などの機能を備える。

トーンマッピングペルソナ

AffinityPhotoのトーンマッピングペルソナのアイコン
AffinityPhotoのトーンマッピングペルソナのアイコン

コントラストの調整や、シャドウとハイライトの操作など、画像の見え方を調整するモード。

書き出しペルソナ

AffinityPhotoの書き出しペルソナのアイコン
AffinityPhotoの書き出しペルソナのアイコン

ファイルの書き出しを行うモード。画像の分割やサイズ変更、複数のファイル形式への出力などの設定を行える。

ファイル形式

Affinity Photo File
拡張子.afphoto
MIMEタイプapplication/octet-stream
開発者Serif (Europe)
種別画像ファイルフォーマット

Affinity Photoが出力するデフォルトのファイル形式は .afphoto である。afphotoファイルは複数の画像レイヤー、図形、鉛筆やペンの描画、ペイントストローク、テキスト、照明、着色効果など、Affinity Photoの要素を格納するファイル形式となっている。

対応する読み込みと書き出しのファイル形式
ファイル形式 読み込み 書き出し
Adobe Illustrator(AI) Yes No
Adobe Freehand(10およびMX) Yes No
Adobe Photoshop (PSD) Yes Yes
Adobe Photoshop (PSB) Yes No
DNG Yes No
EPS Yes Yes
GIF Yes Yes
HEIF Yes No
JPEG Yes Yes
J2K、JP2 Yes No
JPEG XL[2] Yes Yes
JPEG-XR/JXR(WDP/HDP) Yes No
PDF Yes Yes
PNG Yes Yes
RAW Yes No
SVG Yes Yes
TGA Yes Yes
TIFF Yes Yes
WEBP Yes Yes[2]
OpenEXR Yes Yes
Radiance HDR Yes Yes
FITS Yes No

歴史

2015年7月に、macOS専用の画像編集ソフトとして、Mac App Storeにてリリースされた。

2015年のAppleが選ぶMac App of the Yearを受賞した[3]

2016年12月に、Windows版がリリースされた[4][5]

2017年6月に、iPad版がリリースされた[6](AppleのWWDC 2017 基調講演中に行われた[7])。

2020年11月12日、Macの新プロセッサApple M1に対応するため、macOS版のみバージョン1.8.6をリリースした[8]

2022年11月9日、Affinityバージョン2を発売。バージョン1とライセンスの互換性はないが大幅な機能追加が行われた。対応動作OSも更新された。またライセンス形態が変更され、PC版とiPad版の統合ライセンスであるユニバーサルライセンスをリリース。

リリース履歴

macOSおよびWindows版

バージョン リリース日 備考
サポート終了:1.3 2015年07月09日 Mac版公開。
サポート終了:1.4 2016年02月12日 日本語に対応。アートボード、キャンバスの回転、キーボードショートカット機能の追加。
サポート終了:1.5 2016年12月08日 シンボル機能、制約機能の追加。Windows版公開。
サポート終了:1.6 2017年11月02日 フォント機能の強化。
サポート終了:1.7 2019年06月05日 ブラシストークの改善、RAWエンジンの改善、Metalアクセラレーション対応による高速化。HDR/EDRモニタの対応。
サポート終了:1.8 2020年02月26日 テンプレート機能、PSDスマートオブジェクトの読み込み対応。
サポート終了:1.9 2021年02月04日 ライブゆがみレイヤー、パステキスト機能、画像のリンク化の機能を追加。RAWエンジンの改善。
サポート終了:1.10 2021年08月05日 パフォーマンスの改善。
現行バージョン:2.0 2021年11月09日 非破壊RAW現像、複合マスク、色相範囲の抽出等の追加
凡例
サポート終了
サポート中
現行バージョン
最新プレビュー版
将来のリリース

iPad版

バージョン リリース日 備考
サポート終了:1.0 2017年06月06日 iPad版公開
サポート終了:1.7 2019年06月05日 Metalアクセラレーション対応による高速化。アセットパネル、ストックパネルの追加。ドキュメント履歴機能、ライブフィルターエフェクト、ノイズ軽減機能の強化
サポート終了:1.8 2020年02月26日 テンプレート機能、キーボードショートカットのカスタマイズ機能の追加、PSDスマートオブジェクトの読み込み対応。
サポート終了:1.9 2021年02月04日 ライブぼかしレイヤー機能の追加、外部ディスプレイ設定機能の追加、RAWエンジンの改善。
サポート終了:1.10 2021年08月05日 パフォーマンスの改善。
現行バージョン:2.0 2021年11月09日 非破壊RAW現像、複合マスク、色相範囲の抽出等のデスクトップ版と同様の新機能に加え、クイックメニュー、コマンドコントローラなどUIの機能追加。
凡例
サポート終了
サポート中
現行バージョン
最新プレビュー版
将来のリリース

シリーズ製品

脚注

外部リンク