浜頓別駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
浜頓別駅
駅跡に建つ浜頓別バスターミナル
(2017年10月)
はまとんべつ
Hama-Tombetsu
所在地 北海道枝幸郡浜頓別町字浜頓別
北緯45度7分28.7秒 東経142度21分40秒 / 北緯45.124639度 東経142.36111度 / 45.124639; 142.36111
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
日本国有鉄道(国鉄)
電報略号 ハト
駅構造 地上駅
ホーム 2面3線
開業年月日 1918年大正7年)8月25日[1]
廃止年月日 1989年平成元年)5月1日[1]
乗入路線 2 路線
所属路線 天北線
キロ程 61.5 km(音威子府起点)
常盤 (6.7* km)
(6.2 km) 山軽
所属路線 興浜北線
キロ程 0.0 km(浜頓別起点)
(2.7* km) 頓別仮乗降場
備考 興浜北線は国鉄時代の1985年(昭和60年)7月1日に廃止[2]
*キロ程は実キロ(営業キロは最後まで設定されなかった)
テンプレートを表示
1977年の浜頓別駅と周囲約750m範囲。上が猿払方面。興浜北線がまだ現役の頃で、下端に右へ別れて北見枝幸に向かう興浜北線が見える。国鉄型配線の2面3線とその外側に4本の側線を持ち、駅舎横の貨物ホームに引込み線がある。この引込み線からは中頓別側(南側)に設けられたストックヤードへ貨物の留置線が伸び、貨物車両が停車しているのが確認できる。興浜北線の起点駅として機関区を持っており、駅裏北側にある機関車庫から南側に残る転車台まで入出庫線が伸び、周囲に給水塔などの施設も見えて、蒸気機関車が現役だった頃の状態が良く残っている。また駅裏の北側にある木工場へ、本線脇を並行して専用線が伸びている様子が見える。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

浜頓別駅(はまとんべつえき)は、北海道宗谷支庁枝幸郡浜頓別町字浜頓別にあった北海道旅客鉄道(JR北海道)の廃駅)である。電報略号ハト事務管理コードは▲121908[3]

1989年(平成元年)5月1日に廃止となった天北線を所属路線とし[1]1985年(昭和60年)まで興浜北線が分岐した。また天北線廃止時まで運行されていた急行天北」の停車駅であった。

歴史[編集]

駅名の由来[編集]

「頓別川がオホーツク海にそそぐ附近にある」ためとして命名された[11]。なお、自治体名としての「浜頓別」は駅開業後の1951年(昭和26年)の町制施行時からである[6]

駅構造[編集]

廃止時点で、島式ホーム1面2線を有する地上駅で、列車交換可能な交換駅であった。かつては島式ホーム2面3線(駅舎側ホームは片面使用)を有しており[12]、1985年(昭和60年)7月1日に興浜北線が廃止されたのち、1番線の線路が撤去された。尚、1983年(昭和58年)時点では駅舎側(東側)から1、2、3番線で、2、3番線ホームと駅舎は南稚内方の跨線橋で、1番線ホームと駅舎は通路で連絡していた。1番線が興浜北線専用[13]、2番線が天北線上り、3番線が天北線の下りとなっていた。そのほか1番線ホームの未利用の片面部分に旧貨物側線を1線有し、3番線の外側(西側)に5線の側線、及びそれらから分岐した側線があり、うち1線には転車台も備えられていた[12]

職員配置駅で、駅舎は構内の東側に位置していた[12]。鉄筋の駅舎は内部もかなり広く取られた、天北線の中心駅、また観光の拠点らしい建物であった[12]。1983年(昭和58年)時点では待合室ズワイガニの剥製が展示されていた[12]「わたしの旅スタンプ」が設置されていた[12]

興浜北線は当駅所属の車掌が担当していた。

利用状況[編集]

  • 1981年度(昭和56年度)の1日乗降客数は495人[12]
乗車人員推移[6]
年度 1日平均人数
1934 86
1951 376
1961 873
1965 1028
1971 580
1981 408
1985 350

駅周辺[編集]

駅跡[編集]

廃止後は設備を撤去後、浜頓別町により「浜頓別バスターミナル」として整備された。宗谷バスの窓口が設置され、天北線代行バス興浜北線代行バス都市間バスが乗り入れることとなった。建物2階には、浜頓別町立図書館と鉄道記念館が設けられた。1997年(平成9年)時点では空地も多かった[15]。駅の裏手に当たる位置には、2001年(平成13年)8月、浜頓別町役場が移転新築された。

駅跡の「浜頓別バスターミナル」は、2019年(平成31年)4月に、国道を挟んだ北側の道の駅北オホーツクはまとんべつ内の浜頓別町交流館に移転し、各バス路線はそちらへ乗り入れる形に変更された[16][17]。旧バスターミナルの建物は2021年(令和3年)に全館が町立図書館としてリニューアルされた[18]。鉄道関係資料の一部は駅跡東側にある浜頓別町郷土資料館に収蔵されている[19]

線路跡の一部は国道275号に転用されたほか、公園や遊歩道として整備された。また南稚内方の線路跡は当駅跡から猿払駅跡までが「北オホーツクサイクリングロード」に転用されている[20]

その他[編集]

1987年(昭和62年)4月時点で、当駅を発着駅とする区間列車が1往復(音威子府駅 - 当駅間)設定されていた(1987年(昭和62年)3月20日改定の時刻[21])。

隣の駅[編集]

北海道旅客鉄道
天北線
常盤駅 - 浜頓別駅 - 山軽駅
かつて当駅と山軽駅との間に北頓別仮乗降場(きたとんべつかりじょうこうじょう)が存在した(開業年月日不詳、1967年(昭和42年)10月1日廃止)。
日本国有鉄道
興浜北線
浜頓別駅 - <頓別仮乗降場> - 豊牛駅

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f 石野 1998, p. 906.
  2. ^ a b c d e 石野 1998, p. 908.
  3. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、240頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362023年2月11日閲覧 
  4. ^ a b c d e f g 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 20号・宗谷本線/留萌本線、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2009年11月2日、14-17,27頁。 
  5. ^ 『鉄道省年報. 昭和11年度』は7月10日(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
  6. ^ a b c d e f g 浜頓別町史編集委員会 編『浜頓別町史』北海道出版企画センター、1995年3月。ISBN 978-4832895010 
  7. ^ 1961年(昭和36年)3月29日日本国有鉄道公示第100号「日本国有鉄道線路名称の一部を改正する件」
  8. ^ 1974年(昭和49年)9月12日日本国有鉄道公示第208号「駅の営業範囲の改正」
  9. ^ 1984年(昭和59年)1月30日日本国有鉄道公示第174号「駅の営業範囲の改正」
  10. ^ 1985年(昭和60年)6月21日日本国有鉄道公示第32号「旅客運輸営業の廃止」
  11. ^ 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、187頁。ASIN B000J9RBUY 
  12. ^ a b c d e f g 宮脇俊三 編『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』原田勝正小学館、1983年7月、189頁。ISBN 978-4093951012 
  13. ^ 高浜博隆『国鉄駅名全百科』 36巻、鉄道友の会東京支部(56.4訂補版)、小学館〈コロタン文庫〉、1981年10月、27頁。 
  14. ^ 『北海道道路地図 改訂版』地勢堂、1980年3月、17頁。 
  15. ^ 宮脇俊三 編『鉄道廃線跡を歩くIV』JTBパブリッシングJTBキャンブックス〉、1997年11月、25頁。ISBN 978-4533028571 
  16. ^ 浜頓別バスターミナルの移転について”. 浜頓別町. 2024年1月3日閲覧。
  17. ^ 浜頓別ターミナル乗り場のご案内”. 宗谷バス. 2024年1月3日閲覧。
  18. ^ 令和3年1月28日(木)図書館がリニューアルオープンします!”. 浜頓別町. 2024年1月3日閲覧。
  19. ^ 郷土資料館”. 浜頓別町. 2024年1月3日閲覧。
  20. ^ 宮脇俊三 編『鉄道廃線跡を歩くVIII』JTBパブリッシング〈JTBキャンブックス〉、2001年7月、40-42頁。ISBN 978-4533039072 
  21. ^ JNR編集『時刻表』1987年4月号、弘済出版社、1987年4月、508-509頁。 

参考文献[編集]

  • 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日。ISBN 978-4-533-02980-6 

関連項目[編集]