豊竹咲寿太夫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
豊竹 咲寿太夫
生誕 (1989-09-07) 1989年9月7日(34歳)
出身地 日本の旗 日本 大阪府大阪市高津
学歴 大阪府立清水谷高等学校卒業[1]
ジャンル 日本伝統芸能
職業 文楽の「太夫」
活動期間 2002年 -
漫画家イラストレーターコラムニスト
公式サイト 公式ブログ「さきじゅびより」

豊竹 咲寿太夫(とよたけ さきじゅだゆう、1989年平成元年9月7日 - )は、日本文楽の「大夫」(太夫)。「美少年」「イケメン大夫」「美しすぎる文楽大夫」[2][3]などとマスメディアから呼ばれている。

来歴[編集]

1989年平成元年)、重要無形文化財ユネスコ無形文化遺産である文楽の発祥地「高津」(大阪市中央区)に生まれ、育つ。

「親も普通のサラリーマン」だが伝統芸能・芸術好き一家。このため、幼稚園のころから歌舞伎や文楽、ミュージカル、コンサートを鑑賞し、地元にある国立文楽劇場の親子向け公演で、「『西遊記』とか『瓜子姫とあまんじゃく』とか、小さい子でも見やすい演目がかかることが多く、吉本(新喜劇)と同じような“地元の芸能”として(文楽を)親しんでいた」[4][5]

2001年(平成13年)大阪市立高津小学校6年生のとき、総合学習の特別授業「文楽を学ぶ」で大夫(太夫)を演じ、「語り出した時、体育館が文楽の世界になったのを感じて、その快感・高揚感が鮮烈なイメージ」に魅せられる。このとき、人形浄瑠璃義太夫の語りを教わった講師の豊竹咲甫大夫(現竹本織太夫[6]との縁で、国立文楽劇場の楽屋に遊びに行くようになり、「文楽好きなら、やってみるか?」と誘われる。2002年12月1日大阪市立南中学校1年生のとき、咲甫大夫の師である豊竹咲太夫に正式に入門。学生服のまま伝統の「『お盆』の儀式を行い[7][8]文楽協会の研究生となる。

2003年12月「豊竹咲寿太夫」の太夫名(芸名)を名乗る。同年7月、咲太夫の舞台生活50周年記念公演に出演。2005年(平成17年)7月16日、大阪府立清水谷高等学校1年生のとき、国立文楽劇場で初舞台を踏む[9]

人物[編集]

テレビで文楽が特集されるたび「イケメン太夫」として紹介される端正な顔立ちだが、運動神経が良いアスリートである。中学のクラブ活動では体操部に所属し、跳馬で大阪府5位に。高校では陸上部に所属し、100メートル競走11秒6の俊足であり、2015年の「(今でも)鉄棒で大車輪ができるし、バク宙(後方宙返り)もできます」[10]。だが、野球は苦手で、文楽の技芸員の大会に参加した折、人間国宝竹本住大夫の代走となったが、ルールに詳しくないまま三塁まで駆け抜けてしまい、住大夫から「お前は浄瑠璃を覚える前に野球を覚えぇ!」と怒られる[11]

また、イラストレーター漫画家コラムニストとしても活躍。桐竹勘十郎吉田玉女の共著「文楽へようこそ」(2014年、小学館)に挿絵に描いたり、東京新聞ではイラストも描いて連載コラムを執筆したりしている。そのほか、北駒生による漫画「火色の文楽」(徳間書店)では、義太夫文字も披露している。宝塚歌劇団好きで、竹本住大夫から「君、宝塚が好きなんやろ。僕も好きなんや」と話しかけられるほど。

座右の銘は「挑戦、そして前進」。高校の陸上部の旗に書いてある言葉という[12]

脚注[編集]

  1. ^ 産経新聞2005年(平成17年)7月14日朝刊 情の語りに魅せられ入門 文楽に高1太夫デビュー 清水谷高生、実は「豊竹 咲寿大夫」
  2. ^ 産経新聞2003年平成15年)1月16日朝刊「平成十五年 文楽ざんまい(5)豆太夫 授業で触れ とりこに」
  3. ^ 日刊スポーツ2013年10月15日 気になリスト(23)24歳イケメン豊竹咲寿大夫
  4. ^ 産経新聞2014年1月5日朝刊 花形出番です 文楽太夫 豊竹咲寿大夫さん(24)(1)発祥の地で生まれ育ち
  5. ^ 第1回 文楽との出会い:かもめの本棚 online
  6. ^ dsk2_000 - 道頓堀商店会
  7. ^ 産経新聞2002年12月2日朝刊 豊竹咲大夫さんに入門 語りに魅せられ 13歳文楽太夫
  8. ^ 産経新聞2015年4月30日夕刊【恋する伝芸 亀岡典子】文楽に飛び込む若者たち すべてを懸け決意の盃
  9. ^ 産経新聞2005年7月14日朝刊 情の語りに魅せられ入門 文楽に高1太夫デビュー 清水谷高生、実は「豊竹 咲寿大夫」
  10. ^ 日刊スポーツ2013年10月15日 気になリスト(23)24歳イケメン豊竹咲寿大夫
  11. ^ 読売新聞2015年4月15日 若手の頃から要注目!文楽太夫の豊竹咲寿大夫さん登場
  12. ^ 2014.08.01 かもめアカデミー ・伝統の継承者 文楽太夫 豊竹咲寿大夫 最終回 若手にとっての修業の日々とは:かもめの本棚 online

関連項目[編集]

外部リンク[編集]