窪木一茂

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窪木一茂
Kazushige Kuboki
2018年
個人情報
本名 窪木一茂
くぼき かずしげ
生年月日 (1989-06-06) 1989年6月6日(34歳)
国籍 日本の旗 日本
身長 173cm
チーム情報
所属 チーム ブリヂストン サイクリングJPCU福島
期別 119期
分野 ロード
トラック
役割 選手
アマ所属チーム
2008 - 2012
日本大学
プロ所属チーム
2012 - 2013
2014 - 2015
2016 - 2017
2018 - 2020
2021 -
マトリックス・パワータグ
TeamUKYO
NIPPO・ヴィーニファンティーニ
チーム ブリヂストン サイクリング
チーム ブリヂストン サイクリング、JPCU福島
グランツール最高成績
主要レース勝利
日本の旗 日本選手権:
ポイントレース 2010、2012、2015、2019
個人追抜 2010、2015、2018、2019、2022
団体追抜 2010、2015、2018、2019、2022、2023
オムニアム 2014、2018、2022
ロードレース 2015
個人タイムトライアル 2018
マディソン 2018、2019、2022、2023
獲得メダル
トラックレース
世界選手権自転車競技大会
2022 フランス スクラッチ
2023 イギリス スクラッチ
アジア競技大会
2023 2022・杭州 団体追抜
2023 2022・杭州 オムニアム
2014 仁川 団体追抜
UCIトラック ネーションズカップ
2022 第1戦グラスゴー マディソン
アジア自転車競技選手権大会
2023 マレーシア 4km団体追抜
2023 マレーシア 4km個人追抜
2023 マレーシア マディソン
2022 インド 4km団体追抜
2022 インド マディソン
2020 韓国 団体追抜
2020 韓国 マディソン
2019 ジャカルタ 団体追抜
2016 伊豆 団体追抜
2015 ナコンラチャシマ 団体追抜
2013 ニューデリー 団体追抜
2019 ジャカルタ マディソン
2013 ニューデリー オムニアム
2011 ナコンラチャシマ 個人追抜
2011 ナコンラチャシマ マディソン
最終更新日
2023年8月5日

窪木 一茂(くぼき かずしげ、1989年6月6日 - )は、福島県石川郡古殿町出身の自転車競技選手、競輪選手ロードレーストラックレース、双方に出場する。

競輪選手としては、日本競輪選手養成所(以下、養成所)119期生。日本競輪選手会福島支部所属。ホームバンクはいわき平競輪場。師匠は須永優太(94期)。

経歴[編集]

小学〜大学時代[編集]

小学校ではサッカーを4年間続け、福島県大会で優勝。中学校ではバスケットボール部に入部し、3年時には主将になる。同時に陸上競技の特設駅伝部にも入っていた。

学校法人石川高等学校に入学後、自転車競技部に入部。2006年の2年生時に兵庫国体、少年の部ポイントレースで優勝。2007年の3年生時には、カナダでの8日間のステージレースであるツール・ド・ラビティビにジュニア日本代表として参戦、最終日には日本人初となるステージ優勝を獲得。

2008年に日本大学に進学、自転車競技部に入部。大学生活初年度は環境の変化、厳しい上下関係、寮生活に戸惑い成績不振に陥るも、2010年の大学3年時にインカレにてポイントレース、個人追抜きに優勝し、以後多くの勝利を重ねていく。

大学卒業後〜プロチーム所属[編集]

2012年に大学卒業後、和歌山県庁に就職、職員として働きながらも、自転車競技を継続する。2012年〜2013年はマトリックス・パワータグに所属し、2013年は東京国体で優勝。2014〜2015年はチーム右京に所属し、2015年に全日本自転車競技選手権ロード・レースを優勝。

この2012〜2015年の間も、日本代表としてUCIワールドカップ、アジア選手権、世界選手権など国際レースにも多く参戦。また全日本自転車競技選手権トラックレースでも、2012年のポイントレースに優勝、2015年はポイントレース、4km個人追い抜き、4km団体追い抜きの3種目で優勝している。

2015年をもって和歌山県庁を退職。2016年よりNIPPO・ヴィーニファンティーニに所属し渡欧、プロ選手として本格的に活動を開始。2016年リオデジャネイロオリンピック出場。2018年にチーム ブリヂストン サイクリングに所属。チーム拠点の移転に伴い静岡県三島市に移住。

2018年の全日本自転車競技選手権ロードレース 個人タイムトライアルを優勝。全日本自転車競技選手権 トラックレースでもポイントレース、4km個人追抜、4km団体追抜、マディソン、オムニアムの5種目で優勝。6冠のナショナルチャンピオンを獲得した。

2019年の全日本自転車競技選手権トラックレースでは4km個人追抜を優勝、アジア新記録を樹立した。4km団体追抜では日本新記録を出して優勝。ポイントレース、マディソンでも優勝し、4種目でのナショナルチャンピオンを獲得している。

2022年の全日本自転車競技選手権トラックレースでは、4km個人追抜を、自身の持つアジア新記録を更新する形で優勝。4km団体追抜、マディソン、オムニアムでも優勝し、ナショナルチャンピオン4冠を獲得した。

競輪選手として[編集]

2020年3月、養成所第119回生特別選抜試験[1]を受験し、合格。養成所における特別選抜試験の合格者は、旧競輪学校時代を通じて第117期の原大智以来9人目であった[2]。同年5月29日に養成所で入所式を迎える。

養成所在所中の競走訓練では49戦1着15回で第11位[3]の成績を残し、2021年3月1日に養成所を卒業。同日、日本競輪選手会福島支部所属の競輪選手として登録された。5月1日から静岡競輪場で開催された『競輪ルーキーシリーズ2021』(新人戦)にてデビュー、デビュー戦である第12レースで初勝利。7月10日からのいわき平FIIで本格デビューし、同開催では完全優勝にて初優勝を飾る。次の平塚FIIも完全優勝、そしてその次の弥彦FIIも2日目準決勝まで8連勝として特別昇班の期待が掛かったが決勝戦は2着となり特別昇班はお預けとなった。

2022年6月28日、久留米記念最終日第9レースで行われた、2022年前期レインボーカップチャレンジファイナルにおいて2着となり、翌6月29日付でA級2班に特別昇班した。

2022年10月14日(現地時間)、フランスサン=カンタン=アン=イヴリーヌで行われた世界選手権男子スクラッチにて日本人初となる銀メダルを獲得(世界選手権における同種目でのメダル獲得は2010年の盛一大以来12年ぶり)[4]。翌10月15日付でS級2班へ特別昇級した。A級選手がオリンピックおよび世界選手権でメダルを獲得した場合、特別昇級ないし特別昇班できる例外規程が設けられているが、窪木が初の適用者となった[注 1][5][6]

2023年8月3日(現地時間)、イギリスグラスゴーで行われた世界選手権男子スクラッチにて、前回大会に引き続き銀メダルを獲得[7][8]

2024年2月7日、出身地である福島県石川郡古殿町の「ふるさと応援大使」に任命された[9]

主な実績[編集]

2007年アジア自転車競技選手権大会 ジュニア部門・個人タイムトライアル 3位。

2010年

2011年

2012年

2013年

2014年

2015年

2016年

2018年

2019年

2021年

  • 第55回JBCF東日本ロードクラシック群馬大会 Day1 優勝 
  • UCIトラックネイションズカップ英語版 第2戦 香港 男子1kmTT 6位
  • 第7回JICF国際トラックカップ
    • オムニアム 優勝
    • マディソン 優勝

2022年

  • UCIトラックネイションズカップ
    • 第1戦グラスゴー マディソン 銀メダル
  • ツール・ド・熊野 第1ステージ 優勝
  • アジア自転車競技選手権大会
    • 4km団体追抜 優勝
    • マディソン 優勝
  • ジャパントラックカップ I マディソン 優勝
  • ジャパントラックカップ II  マディソン 優勝
  • 全日本自転車競技選手権大会
  • UCIトラック世界選手権 サンカンタンアンイブリーヌ大会
    • スクラッチ 銀メダル

2023年

  • UCIトラック世界選手権 グラスゴー大会
    • 男子スクラッチ 2位 銀メダル
    • 男子4km団体追抜 8位
  • アジア競技大会 2022・杭州大会 トラック
    • 男子4km団体追抜 優勝(3分52秒757)  ※大会新記録
    • 男子オムニアム 優勝
  • ツアー・オブ・ジャパン 
    • 第8東京ステージ 優勝
  • アジア自転車競技選手権大会 トラック
  • 全日本自転車競技選手権大会 トラック
    • 男子4km団体追抜 優勝(3分52秒532) ※日本新記録
    • 男子マディソン 優勝
  • ジャパントラックカップⅠ
    • 男子オムニアム 優勝
    • 男子マディソン 優勝
  • ジャパントラックカップⅠⅠ
    • 男子オムニアム 優勝

2024年

  • UCIトラックネイションズカップ
    • 第1戦アデレード チームパシュート5位(3分50秒381)※日本新記録

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 通常、世界大会に代表として派遣される競輪選手は実力的にS級選手であるが、窪木は競輪選手としてデビューして間がないことと競輪での出走回数が少ないため、これまでの実績によりA級ながら代表として派遣された。

出典[編集]

  1. ^ 日本競輪選手養成所第119回(男子)選手候補生入所試験募集要項〔特別選抜試験〕 (PDF) - KEIRIN.JP、2019年6月3日
  2. ^ 日本競輪選手養成所第119回特別選抜試験合格者 窪木一茂の決定について”. KEIRIN.JP(JKA) (2020年3月30日). 2020年3月31日閲覧。
  3. ^ 競走成績戦法別一覧表(第 119 回生)総合” (PDF). KEIRIN.JP(JKA) (2020年2月27日). 2021年3月1日閲覧。
  4. ^ 【自転車競技トラック世界選手権】窪木一茂がスクラッチで銀メダル獲得「競輪のスピードが余裕を生んだ」”. 東京スポーツ (2022年10月14日). 2022年12月13日閲覧。
  5. ^ 窪木一茂選手S級2班特別昇級!”. KEIRIN.JP(JKA) (2022年10月15日). 2022年10月15日閲覧。
  6. ^ “競輪の窪木一茂がS級特昇 男子中距離トラック種目で史上初の銀メダル獲得により初の特例”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2022年10月14日). https://www.nikkansports.com/public_race/news/202210140000985.html 2022年10月15日閲覧。 
  7. ^ 2023年UCI自転車世界選手権大会トラック(初日編)”. KEIRIN.JP(JKA) (2023年8月4日). 2023年8月5日閲覧。
  8. ^ “【自転車】最年長34歳の窪木一茂2年連続銀「みんなの反応楽しみ」後輩との五輪枠取りへ刺激”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2023年8月4日). https://www.nikkansports.com/sports/cycling/news/202308040001505.html 2023年8月5日閲覧。 
  9. ^ 自転車 窪木一茂選手 出身地古殿町の「ふるさと応援大使」に” (2024年2月7日). 2024年2月8日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]