福翁自伝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

福翁自伝(ふくおうじでん)は、江戸時代後期から明治時代洋学者である福澤諭吉口語文体の自叙伝である。正しい名は福翁自傳。1898年(明治31年)7月1日から1899年(明治32年)2月16日まで計67回にわたって「時事新報」に掲載された。単行本は1899年(明治32年)6月15日に刊行。慶應義塾大学では、毎年新入生に配布される。

福澤諭吉の人柄がわかるだけでなく、幕末の動乱期に近代思想の先駆者として日本を導いた福澤諭吉本人の自叙伝は近代史の貴重な文献でもある。「広辞苑」や「マイペディア」等の辞典においても最高傑作のひとつとして評価されている。「門閥制度は親のかたき」[1]等の有名な言葉もこの自伝からである。

目次

[編集] 成立

西洋学者が自叙伝を記すことがあることから、慶應義塾関係者は福澤に自伝を書くよう勧めていたが、多忙を極め一向に執筆できないでいた。そんな中、ある外国人から明治維新前後の体験談に関するインタビューを受け、口述筆記という方法を思い立ったのがきっかけである。福澤諭吉が口述した内容を矢野由次郎速記し、その原稿に福澤自身の手で推敲加筆するという形で書かれた。そのためか本文では福澤の記憶違いなどが散見されるが、文中の誤りは脚注により指摘され、訂正されている。1948年(昭和23年)の速記原稿の発見で小見出しが付けられる。

また、福澤が個人的にも尊敬していたアメリカの政治家、ベンジャミン・フランクリンの自伝を模倣したものといわれている。

[編集] 構成

[編集] 単行本

[編集] 翻訳

  • The Autobiography of Yukichi Fukuzawa. NY: Columbia University Press, 1966. Revised translation by Eiichi Kiyooka, with a foreword by Carmen Blacker.(英語
  • The Autobiography of Yukichi Fukuzawa. (Paperback) Columbia University Press, 2007. Revised translation by Eiichi Kiyooka, with a foreword by Albert Craig. ISBN 0-2311-3987-X英語
  • la vie du vieux FUKUZAWA racontée par lui-même, Albin Michel, 2007, Marie-Françoise Tellier (Traduction). ISBN 978-2226171092フランス語
  • 후쿠자와 유키치 자서전, 허호 옮김, 이산 펴냄, 2006年3月17日 ISBN 8987608530韓国語
  • 福泽谕吉自传马斌译商务印书馆,1980年,ISBN 7100014220中国語

[編集] 脚注

  1. ^ 富田正文校訂 『新訂 福翁自伝』、岩波書店〈岩波文庫〉、1978年、ISBN 4-00-331022-5 の「幼少の時」の章にある「門閥制度は親の敵」(14頁)を参照。近代デジタルライブラリー収録『福翁自伝』の「幼少の時」の章(10頁)を参照。

[編集] 関連記事

[編集] 参考文献

[編集] 外部リンク

ウィキクォート
ウィキクォート福澤諭吉に関する引用句集があります。