生産可能性フロンティア

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生産可能性フロンティア(せいさんかのうせいフロンティア: Production Possibility Frontier)とは、経済主体に存在する資源を全て使った場合における生産可能集合であり、PPFとも呼ばれる。

生産可能性辺境線[編集]

財の生産可能な最大数量の組み合わせの軌跡生産可能性辺境線(せいさんかのうせいへんきょうせん: Production Possibility Curve)と呼ばれる。

その他の投入物が一定のに止まる一方で一つの投入物が増加したときには、産出量は増加するもののその増加分は小さくなる、即ち、収穫逓減が起こる。故に、生産可能性辺境線は外向きに凸な形になる。経済主体が、生産可能性辺境線の内側で生産を行っている場合には、他の財の生産を減らさずに何時でも或る財の生産を増加させられるので、この経済主体は非効率的である[1]

具体例[編集]

生産可能性フロンティアと生産可能性辺境線
生産可能性辺境線より原点側が生産可能性フロンティアである。 
生産方法により、生産可能性辺境線の形状は変化する。

例えば、農産物1単位を生産するために必要となる労働力が1人であり、工業製品を1単位を生産するために必要となる労働力が3人であるとする。このとき、経済主体内に労働者150人が存在し、農産物と工業製品をそれぞれx_ax_mずつ生産するならば、

x_a + 3x_m \le 150

と定義される。この場合、生産可能性辺境線は図の線分ABで表される。

更に、農産物を1単位作るためには2ヘクタール土地が必要であり、工業製品を1単位作るためにも1ヘクタールの土地が必要であるとする。経済主体内に土地が100ヘクタール存在するならば、

2x_a + x_m \le 100

についても満たさなければならない。この場合、生産可能性辺境線は図の線分ACDで表される。

ここで、農産品について、1単位作るためには1.5人の労働力と1.5ヘクタールの土地が必要であると云うより労働集約的な生産方法が存在すると仮定する。これと先の工業製品の生産とを組み合わせた場合に、労働制約と土地制約とはそれぞれ

1.5x_a + 3x_m \le 150
1.5x_a + x_m \le 100

で表され、生産可能性辺境線は図の線分AEFになる。

ところが、農産品について、先の土地集約的な方法と新たな労働集約的な方法とが両方利用可能であるとすると、両者を適当な割合の組み合わせで図の線分CE上の全ての点が実現可能であるため、両方法が利用可能なときの生産可能性辺境線は図の線分ACEFとなる。

生産方法がこのように離散的ではなく、連続的に変更可能であるならば、滑らかな生産可能性辺境線を描ける。

注釈・出典[編集]

  1. ^ 課題と要約”. 東洋経済新報社. 2009年2月10日閲覧。

参考資料[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]