川端康成青春文学賞

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川端康成青春文学賞
受賞対象日本語で書かれたオリジナルの未発表小説(ショートストーリー)、ジャンル不問
日本の旗 日本
主催茨木市
初回2018年
初代受賞者冴知いゆ「地上〇mから」

川端康成青春文学賞(かわばたやすなりせいしゅんぶんがくしょう)は、川端康成を記念し、青春に関係する短編小説を対象とする文学賞である。

内容[編集]

大阪府茨木市が創設・主催する[1]、日本語で書かれた一次創作かつ未発表の短編小説を表彰する文学賞である。ジャンルは問わないが[2]、「広い意味で「青春」を描いた作品[3]」を対象とする。賞の名前に「青春」を冠しているが、応募者の年齢制限は無い[4]。茨木市は川端康成が3~18歳までを過ごした地であり[5]、同市は川端のノーベル文学賞授賞50周年と、市制施行70周年を記念して同賞にその名を冠した[1]

第1回はジャンルを不問として2018年2月から6月を募集期間とした[1]。1,341作の応募作品[6]から大賞に選ばれた冴知いゆの『地上〇mから』は、「中央公論」2019年2月号[7]に全文と講評が掲載された。本作は川端康成を彷彿とさせる「鋭い観察眼」が評価されての受賞となった[8]。主催側は初年度にこれだけ数の応募が集まるとは考えていなかった[9]。第2回となる2020年度には94万円の予算が計上された[10]

受賞作[編集]

第2回の発表及び表彰式は2022年8月頃を予定していたが、選考作業や調整作業の進捗が遅れている[11]

応募総数 受賞作 著者 備考
第1回 2018年 1341編 大賞 「地上〇mから」 冴知いゆ 2019年1月10日(木曜日)発売の月刊「中央公論」2月号に全文を掲載[7]
優秀賞 「翔けろ!モンステラ」 小竹田夏(二人による合作)東京都
佳作 「直射的撮影法」 林宮紗映(22)大阪府 佳作2篇中1篇は該当なし
奨励賞 「梨の花」 漆原正雄(33)鳥取県

選考委員[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 川端が通った茨木中学校の後身である茨木高校出身の脚本家

出典[編集]

  1. ^ a b c 『最新文学賞事典2014-2018』日外アソシエーツ、2019年、123頁。ISBN 9784816927706 
  2. ^ 「「川端康成青春文学賞」創設【大阪】」『朝日新聞』2018年2月1日、朝刊、p. 29。
  3. ^ 「川端康成青春文学賞:誕生 大阪・茨木市主催「ゆかりの地で才能発掘」」『毎日新聞』2018年3月22日、大阪夕刊、p. 2。
  4. ^ 「茨木市が川端康成青春文学賞」『読売新聞』2018年2月1日、大阪朝刊、p. 33。
  5. ^ “「川端康成青春文学賞」創設”. 朝日新聞(大阪版): p. 29. (2018年2月1日) 
  6. ^ “茨木市の川端康成青春文学賞 応募1341作 目標4倍超に”. 産経新聞 大阪朝刊. (2018年8月2日) 
  7. ^ a b 「第1回 川端康成青春文学賞 発表」『中央公論』第133巻第2号、中央公論新社、20190110、156頁。 
  8. ^ 「大賞に冴知いゆ氏 川端康成青春文学賞/大阪府」『朝日新聞』2018年11月28日、大阪市内・1地方朝刊、p. 27。
  9. ^ 「文芸芽吹く場:川端康成青春文学賞(大阪府茨木市) 文豪育んだ地で才能たたえる 「災」乗り越えしなやかに」『毎日新聞』2019年2月2日、大阪夕刊、p. 2。
  10. ^ 「2020年度予算案 豊中市・茨木市・寝屋川市・熊取町/大阪府」『朝日新聞』2020年3月4日、大阪市内・1地方、朝刊、p. 23。
  11. ^ 第2回川端康成青春文学賞|茨木市”. www.city.ibaraki.osaka.jp. 2022年10月10日閲覧。
  12. ^ 日外アソシエーツ『最新文学賞事典2014-2018』日外アソシエーツ、2019年4月25日、123頁。ISBN 9784816927706 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]